白鯨 Moby Dick (1956) 3/5 (2)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

1851年に発表された、ハーマン・メルヴィル同名小説の3度目の映画化。
白鯨”モビー・ディック”に足を食いちぎられ心に傷を負った狂気の船長エイハブの復讐劇を描く、製作、監督、脚本ジョン・ヒューストン、主演グレゴリー・ペックリチャード・ベースハートレオ・ゲンオーソン・ウェルズ他共演の壮大な海洋スペクタクル大作。


アクション/アドベンチャー


スタッフ キャスト ■

監督:ジョン・ヒューストン
製作
ジョン・ヒューストン

ヴォーン・N・ディーン
原作:ハーマン・メルヴィル白鯨/Moby-Dick; or, The Whale”

脚本
レイ・ブラッドベリ

ジョン・ヒューストン
撮影:オズワルド・モリス
音楽:フィリップ・セイントン

出演
グレゴリー・ペック:エイハブ船長
リチャード・ベースハート:イシュメル
レオ・ゲン:スターバック
ジェームズ・ロバートソン・ジャスティス:ブーマー船長
ハリー・アンドリュース:スタッブ
フレデリック・フォン・レデブール:クィーケグ
ノエル・パーセル:船大工
エドリック・コナー:ダグー
バーナード・マイルズ:マン島の男
マーヴィン・ジョーンズ:ペレグ
ローヤル・ダーノ:イライジャ
ジョセフ・トメルティ:ピーター・コフィン
フランシス・デ・ウルフ:ガーディナー船長
フィリップ・ステイント:ビルダド
オーソン・ウェルズ:マップル神父

アメリカ 映画
配給
ワーナー・ブラザーズ(1956)
AAP(1956-1958)
ユナイテッド・アーティスツ(1958-)
MGM(1981-)
1956年製作 116分
公開
北米:1956年6月27日
日本:1956年10月31日
製作費 $4,500,000
北米興行収入 $10,400,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1841年暮れ、嵐の土曜。
マサチューセッツ州、ニュー・ベドフォード
人を呼ぶ魔力を持つ海に出たくなった放浪者イシュメル(リチャード・ベースハート)は、この地に辿り着く。

酒場で海の荒くれ者スタッブ(ハリー・アンドリュース)らに歓迎されたイシュメルは、”エイハブ”という名前を聞くが、スタッブは多くを語らなかった。

宿をとったイシュメルは、相部屋になった、体中刺青だらけのモリ打ちクイークェグ(フレデリック・フォン・レデブール)を恐れるが、思いの外、彼が話のわかる男だと知り安心する。

翌日、イシュメルは、かつてモリ打ちをしていたマップル神父(オーソン・ウェルズ)の礼拝に参加する。

その後、イシュメルはクイークェグを連れて、捕鯨にかけては右に出る者のいないというエイハブ船長の、捕鯨船”ピークォド”に乗り込む許可を得る。

港で、自らを預言者だと言う薄気味悪い男イライジャから、エイハブについての、呪われた話を聞かされたイシュメルだったが、それを気にせずに、彼は意気揚々とピークォドに乗船する。

そして、冷静で勇気がある捕鯨の名人、一等航海士のスターバック(レオ・ゲン)、二等航海士スタッブ、一人でライオンを殺したというダグー(エドリック・コナー)らを乗せ、ピークォドは帆を張り港を出港する。

やがて、夜中にしか甲板に現れることのなかったエイハブ船長(グレゴリー・ペック)が、突然姿を現す。

鯨の骨の義足を付け、顔に深い傷のある異様な雰囲気のエイハブは、船員を集める。

エイハブは、自分の心も体もズタズタに引き裂いた白鯨”モビー・ディック”を見つけることに、全精力を傾けることを船員に命じ、報酬のスペイン金貨をマストに釘打ち、酒を回し飲みして船員達の士気を高める。

翌日、手始めに発見した鯨を難なく捕獲した船員は、鯨を解体して油を採り、最後に骨を海中に捨てる。

捕鯨船としての目的を果たし、帰港することを勧めるスターバックだったが、モビー・ディックの捕獲に執念を燃やすエイハブは、それを聞き入れずに船を前進させる。

赤道を南下し、アフリカの海岸線を通りインド洋を目指したピークォドで、初めて見張りに立ったイシュメルは、マストの最高部で鯨の大群を発見する。

再び鯨捕獲に成功したピークォドに、イギリス船籍”サミュエル・エンダビー”の、片腕が義手のブーマー船長(ジェームズ・ロバートソン・ジャスティス)が乗船してくる。

エイハブは、ブーマーが、喜望峰沖でモビーディックを見たことを聞くと、漁を中止してビキニ環礁へと向かう。

鯨獲りのベテランである船員は、モビー・ディックを恐れはしなかったが、スターバックは神の怒りを恐れエイハブの指揮権の剥奪も考える。

4月の新月の頃。
ピークォドは、白鯨が現れるという海域に到着して、エイハブは、甲板でモビー・ディックが現れるのを、7日7晩待っていた。

クイークェグは、船大工(ノエル・パーセル)に棺おけを作らせて、単独で海に出ようとするが、見張りが鯨を発見する。

ボビー・ディックを確認したエイハブは、ボートを降ろして近づこうとする。

無風状態のため、捕鯨船はボートで夜を徹して引くが、モビー・ディックは悠々と泳ぎ去り、エイハブの復讐は遠のいてしまう。

ようやく風を捕らえたピークォドでは、モビー・ディックを最初に見つけた見張りにスペイン金貨が渡され、今後、モビーディックを殺せたら、金貨とこの航海で得られる利益の1割を分配することを、エイハブは船員に約束する。

捕鯨船レイチェルに遭遇したエイハブは、ガーディナー船長(フランシス・デ・ウルフ)が、16キロ先でモビー・ディックにモリを打ち込んだという知らせを聞き、彼の12歳の息子の捜索を拒否して白鯨を追う。

やがて嵐になり、転覆を避けるためにマストの帆を切ろうとしたスターバークに対し、エイハブはモリを向けて、それを制止しようとする。

その時、”セントエルモの火”が船を覆い、エイハブはこれこそが白鯨への道案内だと叫ぶ。

セントエルモの火を掴んでみせた、エイハブの迫力に圧倒された船員は彼に従い、唯一人スターバックはそれに反して神に祈りを捧げる。

嵐は去り、正気を失ったようにしか見えないエイハブに、スターバックは銃を向けて、船員を助けるために彼を殺そうとするが、結局は彼も従うしかなかった。

島(白鯨)のにおいをかいだエイハブに、イシュメルは港の預言者イライジャの話を始める。

”島もないのにそのにおいがする時、エイハブは死ぬ。
しかし、甦り手招きし、一人を残し全員が後を追って死ぬ。”

そして、その時モビー・ディックは巨体を現す。

エイハブは船員を連れて、ボートに乗って白鯨に迫る。

白鯨は姿を消すものの、突然、水中から現れ、何隻ものボートを次々襲うが、エイハブは、白鯨にしがみつき、何度も胴体をモリで突き刺す。

残った船員は、その鬼気迫る姿に圧倒されるが、やがて白鯨は、手招きするエイハブもろとも海中に姿を消す。

さすがのスタッブらも、白鯨を悪魔だと恐れおののくが、スターバックが白鯨を追い殺す命令を出す。

船員らは鯨捕りの意地を見せ、現れた白鯨に立ち向かい、全員が海中に投げ出され、白鯨はピークォドに体当たりして沈没させてしまう。

唯一人生き残ったイシュメルは、クィークェグが作らせた棺おけににしがみつき漂流する。


解説 評価 感想 ■

1926年に、サイレント映画として製作された「海の野獣」を、同じくジョン・バリモア主演でトーキー作品としてリメイクした、1930年の”Moby Dick”に続く3度目の映画化。

*(簡略ストー リー)

1841年暮れ。
放浪者イシュメルは、ニュー・ベドフォードに辿り着く。
エイハブ船長の捕鯨船”ピークォド”に、乗り込む許可を得たイシュメルだったが、船長についての呪われた話を聞かされる。
それを気にもしなかったイシュメルは、一等航海士スターバックらと共に出港する。
やがて、エイハブ船長が突然、姿を現し、自分の心も体も傷つけた白鯨”モビー・ディック”の捕獲に全精力を傾けることを船員に命じ、報酬を見せ、酒を飲み船員達の士気を高める。
翌日、船員は難なく鯨を捕獲し、目的を果たして帰港することを勧めるスターバックだったが、エイハブは、”モビー・ディック”を捕らえることに執念を燃やし、船を前進させる・・・。
__________

作り物と分かっていても、当時としては最先端の特撮を駆使した、白鯨の恐怖感とその圧倒的迫力は見応え十分。

”モビー・ディック”の巨大な目のクローズアップ、絵画のようにも見える、彩度を落とした映像も、壮絶な海の戦いに効果を上げている。

格調高い原作の雰囲気を、見事に映像化して描写したジョン・ヒューストンの演出は、40歳にして既に伝説化しつつあったオーソン・ウェルズを、わずかな出演ながら神父として登場させるあたりで、ドラマに重みも加えている。

一般的に、口を揃えてミスキャスト言われるグレゴリー・ペックのエイハブ船長役なのだが、この時期、彼は定番の”好人物”のイメージの脱却にチャレンジしていたという視点で見れば、それほど違和感なく受け入れることができる。

物語を語る、海に憧れる放浪青年リチャード・ベースハート、大手コーヒー・チェーン”スターバックス”の社名の由来としても有名な、一等航海士スターバック演ずるレオ・ゲン、豪快な片腕船長のジェームズ・ロバートソン・ジャスティス、異彩を放つモり打ちフレデリック・フォン・レデブール、船員で逞しい海の男ハリー・アンドリュースバーナード・マイルズ、船大工ノエル・パーセル、預言者のローヤル・ダーノ、そして、神父のオーソン・ウェルズが特別出演している。


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