荒野の決闘 My Darling Clementine (1946) 5/5 (29)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

西部開拓時代の伝説的人物ワイアット・アープを主人公に、実際に起きた”OK牧場の決闘”を題材にジョン・フォードが詩情豊かに描く、主演ヘンリー・フォンダリンダ・ダーネルヴィクター・マチュアキャシー・ダウンズウォルター・ブレナンウォード・ボンド他共演による西部劇の傑作。


西部劇

ジョン・フォード / John Ford 作品一覧


スタッフ キャスト ■

監督:ジョン・フォード
製作:サミュエル・G・エンゲル
原作
サミュエル・ヘルマン
スチューアート・N・レイク

脚本
ウィンストン・ミラー

サミュエル・G・エンゲル
撮影:ジョー・マクドナルド
編集:ドロシー・スペンサー
音楽
アルフレッド・ニューマン

シリル・J・モックリッジ

出演
ヘンリー・フォンダワイアット・アープ

リンダ・ダーネル:チワワ
ヴィクター・マチュアジョン・ヘンリー”ドク”ホリデイ

キャシー・ダウンズ:クレメンタイン・カーター
ウォルター・ブレナンニューマン・ヘインズ・クラントン

ウォード・ボンドモーガン・アープ
ティム・ホルトヴァージル・アープ
ジョン・アイアランドビリー・クラントン
ジェーン・ダーウェル:ケイト・ネルソン
アラン・モーブレイ:グランヴィル・ソーンダイク
ロイ・ロバーツ:町長
グラントウィザースアイク・クラントン

ラッセル・シンプソン:ジョン・シンプソン
メエ・マーシュ:シンプソン夫人(妹)
J・ファレル・マクドナルド:マック
フランシス・フォード:老兵士
ジャック・ペニック:駅馬車の御者
ドン・ガーナー: ジェームズ・アープ

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX

1946年製作 96分
公開
北米:1946年12月3日
日本:1947年8月30日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1882年。
ワイアット・アープ(ヘンリー・フォンダ)、モーガン(ウォード・ボンド)、ヴァージル(ティム・ホルト)、ジェームズ(ドン・ガーナー)のアープ兄弟は、メキシコから数千頭の牛をカリフォルニアへ運んでいた。

途中、アリゾナトゥームストーン近郊の平原で、ニューマン・ヘインズ・クラントン(ウォルター・ブレナン)と息子アイク(グラントウィザース)に出会い、牛一頭を5ドルで全て買い取りたいと言われるが、ワイアットはそれを断る。

その夜、アープ兄弟は末弟のジェームズを残し、近くの町のトゥームストーンに出かける。

そこでワイアットは、暴れていた男を叩きのめし、町長(ロイ・ロバーツ)から保安官に誘われる。

ダッジ・シティで、名のある保安官だったワイアットだったが、彼はそれに興味を示さなかった。

キャンプに戻ったアープ兄弟は、牛がいなくなっていることと、その見張りをしていたジェームズが、何者かに殺されているのに気づく。

ワイアットはクラントン一家を疑い、トゥームストーンに向かい保安官の職を受ける。

その直後、クラントンとその息子達と出くわしたワイアットは、当分この町に滞在し、保安官になったことを伝える。

クラントンは、無法の町となりつつある、トゥームストーンの保安官になったワイアットを笑い飛ばすが、彼の名前を聞いて驚いてしまう。

弟の二人、モーガンヴァージルを助手にして職務に就いていたワイアットは、町の実力者ジョン・ヘンリー”ドク”ホリデイ(ヴィクター・マチュア)の情婦のチワワ(リンダ・ダーネル)が、イカサマに加担したのに気づき彼女を懲らしめる。

その直後、町に戻ったホリデイは、酒場でワイアットと一触即発になるが、二人は不思議と気が合い、親交を深めるようになる。

ホリデイは、東部で育ち医者の教育を受けたのだが、肺結核にかかり、堕落して西部の辺境の地に流れ着いていたのだった。

その頃、旅芸人一座のシェイクスピア役者、グランヴィル・ソーンダイク(アラン・モーブレイ)が町に到着する。

しかし、町民が期待するソーンダイクが舞台に姿を現さず、ワイアットホリデイが、酒場でクラントンの息子達にからかわれて芸を披露していた彼を見つける。

ソーンダイクの芸にケチをつけるアイクだったが、学のあるホリデイはそれを制止し、彼の”ハムレット”の台詞に聞き入ってしまう。

しかし、ホリデイは咳き込んでその場を立ち去り、ワイアットがソーンダイクを連れて行こうとする。

アイクらがそれを阻止しようとしたため、ワイアットが彼らを叩きのめし、その場に現れたクラントンは、息子達の行為を、その場では謝罪する。

その後、クラントンは息子達を鞭打ち、銃を抜いたら必ず相手を殺すよう彼らを戒める。

ある日、東部からホリデイを訪ねて、彼の許婚クレメンタイン・カーター(キャシー・ダウンズ)が町に到着する。

ホリデイは、生活環境や自分の病気のことなどを考え、彼女に東部へ帰るよう説得し納得させる。

その後、ワイアットは、クレメンタインほどの女性がいないことをホリデイに伝え、堅気になって酒も止めるよう忠告する。

しかし、ホリデイはそれを聞き入れず、自虐的になり酒場で発砲したため、ワイアットが彼を殴り倒す。

数日後の日曜の朝、クレメンタインの存在を気にするチワワは、彼女が町を出るため荷造りをしていることを知る。

さらに、チワワはホリデイメキシコ行きに誘われたことで、上機嫌になる。

午後の駅馬車で旅立つ予定のクレメンタインは、床屋に行ったばかりのワイアットを、建築費を集める集会も開かれている教会に誘う。

集会では、教会建設の発起人ジョン・シンプソン(ラッセル・シンプソン)の挨拶と共に、参加者のダンスが始まる。

そして、床板しか出来ていない教会で、昔の純真さを思い出すかのように、ワイアットはクレメンタインとダンスを踊る。

ジェームズの墓参りから戻ってきたモーガンヴァージルは、いつにない表情で踊るワイアットを見て驚いてしまう。

その後、ホリデイはクレメンタインが町を離れていないことを知り、人前で彼女を非難してしまう。

ワイアットは、クレメンタインが町にいるのは自由だとホリデイに言い寄り、二人は衝突する。

ホリデイは町を出てしまい、憤慨したチワワはクレメンタインに八つ当たりする。

それを制止したワイアットは、チワワがつけていたペンダントが、ジェームズのものだと気づく。

ワイアットがそれをチワワに問い詰めると、ホリデイからの贈物だということだった。

ホリデイが、金塊輸送の護衛で、ツーソンに向かったことを知ったワイアットは彼を追う。

ワイアットホリデイに追いつき、銃を抜いてきた彼の腕を撃ち抜き町に連れ戻す。

チワワの元に向かった二人は彼女を追及し、ペンダントがビリー・クラントン(ジョン・アイアランド)から贈られた物だということが分かる。

その様子を見ていたビリーはチワワを銃撃して逃走し、彼を追ったワイアットは、ヴァージルに追跡の指示を出す。

ビリーワイアットの銃弾を受けていたため、牧場に戻ったところで息絶え、それを確認して引き上げようとしたヴァージルは、クラントンに背後から射殺されてしまう。

ホリデイが重傷のチワワの治療を済ませ、ワイアットは彼の腕を称え酒を酌み交わす。

その直後、ワイアットは、ヴァージルの遺体を町に運んできたクラントンから、”OK牧場”で決着をつけることを告げられる。

治療の甲斐もなくチワワは亡くなり、それを伝えたホリデイは、ワイアットモーガンに加勢しようとする。

翌朝、ワイアットモーガンホリデイ、そして町長とシンプソンを加えた5人はOK牧場に向かい、クラントン一家の4人と対決することになる。

ワイアットは、ジェームズヴァージルの殺害、そして牛泥棒の罪で、逮捕状が出ていることをクラントンに伝える。

二人とも自分が殺したと言い放つクラントンに続き、アイクワイアットに歩み寄り射殺される。

激しい銃撃戦が始まり、ホリデイが銃弾を浴び、クラントンは息子達を失う。

ワイアットは、自分の父親と同じ苦しみを味わわせるために、クラントンを生かして追放しようとする。

隙を見て反撃しようとしたクラントンを、モーガンファニングで倒し、ワイアットホリデイが死んだことを知らされる。

その後、目的を果たしたワイアットモーガンは、故郷に帰るためにトゥームストーンを離れる決心をする。

ワイアットは、町に残り学校の教師になるクレメンタインに、再び再会できることを願い別れを告げる。

馬に乗ったワイアットは、クレメンタインにもう一言加える。

”私は、クレメンタインという名前が大好きだ・・・”

クレメンタインは、原野の彼方へと消えていくワイアット達を、いつまでも見つめる。


解説 評価 感想 ■

1931年に発表された、スチューアート・N・レイクの著書”Wyatt Earp: Frontier Marshal”を基に、サミュエル・G・エンゲル、サミュエル・ヘルマン、ウィンストン・ミラーが脚色した作品。

何度も映画化されているワイアット・アープの活躍を描く作品の中で、それぞれがその趣向は違うものの、本作を上回るものはなく、西部劇としての面白味だけでなく、味わい深い物語として、映画史上に残る傑作でもある。

*(簡略ストー リー)

ワイアット・アープの人物像や、アープ兄弟の年齢、また、”OK牧場の決闘”の結末など、史実とは全く違う内容で大きく脚色されている。

しかし、フォード作品独特のタッチ、アルフレッド・ニューマンの音楽や、余りにも有名な主題歌の”いとしのクレメンタイン”と共に、フォード・ファンなら誰しも至福の時を過ごせる詩情豊かな作品でもある。

決闘、友情、ロマンス、酒場の雰囲気、駅馬車の疾走など、西部劇の醍醐味を網羅し、極めつけ、見事なまでに美しいモニュメントバレーなどを映し出したジョー・マクドナルドの撮影なども出色だ。

思慮深く腕は立ち人情味も溢れ、時にユーモラスなヘンリー・フォンダの、メリハリの効いた演技は見ものだ。

やや人の道を外れた人生を歩む、主人公の身近な二人、ヴィクター・マチュアリンダ・ダーネルの組み合わせも、作品に力強さを与えている。

キャシー・ダウンズの上品な美しさは、辺境の地で光り輝き、悪役ウォルター・ブレナンの凄みのある敵役も、演技派の本領発揮というところだ。

実は、ウォルター・ブレナンヴィクター・マチュアは、フォードとは意見が合わず、これ以後フォードは彼らを起用しなかったという裏話もある。

頼もしいワイアットの弟モーガンウォード・ボンドの、クライマックスのファニングは惚れ惚れする。

老いぼれ兵士が良く似合う、フランシス・フォードをはじめ、もちろんフォード一家の面々は多数出演している。

アープ兄弟の三男ヴァージル役のティム・ホルト、四男ジェームズのドン・ガーナー、クラントン(W・ブレナン)の息子ビリー 役のジョン・アイアランドアイクグラトウィザース、町の婦人役ジェーン・ダーウェル、役者アラン・モーブレイ、教会建設の発起人ラッセル・シンプソン、その妹メエ・マーシュ、町長役のロイ・ロバーツ、酒場のバーテンダーのJ・ファレル・マクドナルド、駅馬車の御者ジャック・ペニックなどが共演している。

残念ながら、「荒野の決闘」という邦題は本作のテーマには合わない。
フォードが知っていたとしたら、憤慨したかもしれない。


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