ミスティック・リバー Mystic River (2003) 3/5 (1)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

2001年に発表された、デニス・ルヘイン同名小説を基に製作された作品。
少年時代の辛い体験を引きずりながら成長した三人の幼馴染みの運命を描く、製作、監督、音楽クリント・イーストウッド、主演ショーン・ペンティム・ロビンスケヴィン・ベーコンローレンス・フィッシュバーンマーシャ・ゲイ・ハーデンローラ・リニーエミー・ロッサム他共演によるサスペンスの傑作。


ドラマ(サスペンス/犯罪)

クリント・イーストウッド / Clint Eastwood 作品一覧


スタッフ キャスト ■

監督:クリント・イーストウッド
製作総指揮:ブルース・バーマン
製作
クリント・イーストウッド

ジュディ・ホイト
ロバート・ロレンツ

原作:デニス・ルヘイン
脚本:ブライアン・ヘルゲランド
撮影:トム・スターン
編集:ジョエル・コックス
音楽:クリント・イーストウッド

出演
ジミー・マーカム:ショーン・ペン

デイヴ・ボイル:ティム・ロビンス
ショーン・デヴァイン:ケヴィン・ベーコン
ホワイティ・パワーズ:ローレンス・フィッシュバーン
セレステ・ボイル:マーシャ・ゲイ・ハーデン
アナベス・マーカム:ローラ・リニー
ケイティ・マーカム:エミー・ロッサム
ヴァル・サヴェージ:ケヴィン・チャップマン
ニック・サヴェージ:アダム・ネルソン
ケヴィン・サヴェージ:ロバート・ウォルバーグ

ブレンダン・ハリス:トム・グイリー
レイ・ハリス:スペンサー・トリート・クラーク
マイケル・ボイル:ケイデン・ボイド
ルーニー:イーライ・ウォラック

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ

2003年製作 137分
公開
北米:2003年10月15日
日本:2004年1月10日
製作費 $30,000,000
北米興行収入 $90,135,191
世界 $156,822,020


アカデミー賞 ■

第76回アカデミー賞
・受賞
主演男優賞(ショーン・ペン)
助演男優賞(ティム・ロビンス)
・ノミネート
作品・監督
助演女優(マーシャ・ゲイ・ハーデン)
脚色賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1975年、ボストン
仲のいい三人組の少年ジミー、デイヴ、ショーンは、通りで遊んでいる際、道路工事の固まっていないコンクリートに自分達の名前を書いてしまう。

そこに現れた、警官風の男二人に注意された三人は、家の遠かったデイヴだけが車に乗せられ連れ去られる。

デイヴは男達に性的暴行を受け何んとか逃げ出して来るものの、心を閉ざしてしまう。

25年後。
かつて、強盗で服役したこともあるジミー・マーカム(ショーン・ペン)は雑貨店を経営し、デイヴ・ボイル(ティム・ロビンス)は妻子と平凡に暮らし、ショーン・デヴァイン(ケヴィン・ベーコン)は刑事となっていたものの、今では交流は殆どなかった。

ある日、バーにいたデイヴは、ジミーの19歳の娘であるケイティ(エミー・ロッサム)が店に現れたことに気づき、騒ぎ出す姿を見つめる。

夜中に帰宅したデイヴが、手を血だらけにしていたたに、妻セレステ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)は驚いてしまう。

デイヴは、男に襲われて手を切られたと言って動揺し、彼が病院に行くことを拒んだために、セレステが治療をする。

抵抗して相手を殺したかもしれないと言うデイヴを、セレステは抱き寄せて優しく語り掛ける。

翌朝、車内が血だらけの車が発見され、ジミーには、店にケイティが来ていないという連絡が入る。

ケイティが、家にいないことに気づいたジミーは、妻のアナベス(ローラ・リニー)にそれを伝えて店に向かう。

その後ジミーは、ケイティが友達の家にも泊まっていないことを確認し、彼女に気があることに気づいていたブレンダン・ハリス(トム・グイリー)と、聾唖者の弟レイ(スペンサー・トリート・クラーク)が来店したことを気にする。

相棒のホワイティ・パワーズ刑事(ローレンス・フィッシュバーン)と事件現場に到着したショーンは、車の所有者が、ジミーの娘ケイティだということを知る。

ジミーとは、今では挨拶をする程度の仲だったショーンだったが、さすがにショックを受ける。

下の娘の初聖体式のため、教会に向かったジミーは、何も知らずに儀式を見守りながら、ケイティのことを気にする。

犯行現場の状況から、ケイティは隣接する公園に逃げたと推測されたために、ショーンとパワーズはそこを調べ始める。

教会を出たジミーは、事件現場が近かったために、その場に向かいケイティの車を確認する。

ジミーや仲間のヴァル(ケヴィン・チャップマン)、ニック(アダム・ネルソン)、ケヴィン(ロバート・ウォルバーグ)のサヴェージ兄弟が騒ぎ始めたという連絡を受け、ショーンはその場に向かう。

ジミーと挨拶したショーンは状況説明を求められるが、そこに、死体が見つかったという連絡が入る。

事件はテレビ、ニュースでも放映され、セレステがそれを気にして、息子と野球を位しているデイヴを見つめる。

ショーンは、死体がケイティだと確認して、頭部殴打と二発の被弾があったという報告を受ける。

そこに、興奮したジミーが現れて警官に取り押さえられるが、彼は、そこにケイティがいることをショーンに問い絶叫する。

その後ジミーは、遺体安置所に現れたアナベスを抱き寄せ、その後、ケイティの遺体を確認する。

手がかりを得るために、ショーンはジミーに質問をするのだが、彼は、店に来たブレンダンが、ケイティを気にしていたことなどを話す。

更にジミーは、少年時代の事件の時、自分が車に乗っていたら、亡くなった最初の妻も口説けずにケイティも生まれていなかったと、運命について語る。

昨日からのケイティの行動を、ジミーとアナベスに確認したショーンは、パワーズに”子供時代の車の件”を聞かれ、その内容を話す。

翌日、パワーズは事件についての報告で、ケイティの所持品にラスベガスのパンフレットがあったことを話す。

ケイティの友人から話を聞いたショーンとパワーズは、彼女とブレンダンが、ラスベガス行きを計画していたことを知る。

ジミーの家には人が集まり、セレステがアナベスの従姉だったために、デイヴもその場で久しぶりにジミーと話をする。

ジミーはケイティのことを語り涙し、デイヴにただその場にいてくれと頼む。

ショーンとパワーズはブレンダンに会い、ケイティについて尋問し、彼は一応ウソ発見器にかけられることになる。

来客は帰り、残っていたセレステは、動揺しながらジミーの様子を窺い帰宅する。

子供を寝かしたデイヴに話しかけたセレステは、彼が、男を殴ったことをあまり問題にせず、ケイティが死んだことの方が重要だと言い返したことで一層不安が増す。

ケイティがバーに行っていたため、その場にいた客に会うことにしたショーンとパワーズは、デイヴの家を訪ねる。

7~8年ぶりに会ったデイヴとショーンは、バーにいた時の状況を話して別れる。

パワーズは、デイヴの手の傷に気づき、確証はないが、彼が怪しいことをショーンに伝える。

葬儀の準備を始めたジミーは、安置されているケイティと対面し、警察よりも先に犯人を捜して殺すことを誓う。

ジミーの家を訪ねたショーンとパワーズは、その場にいたデイヴに出くわし、手の傷のことを尋ね、ゴミ処理機で挟んだという話を聞く。

刑事が現れたことに動揺するセレステは、その場を去ろうとするが、ショーンが彼女を呼び止め、事件当日夜のデイヴの行動を尋ねる。

セレステは、デイヴが帰宅していた時には寝ていたとだけ言い残し、慌ててその場を去る。

その後ショーンとパワーズは、ケイティとブレンダンが、ラスベガスに行くことを計画していたことをジミーとアナベスに知らせる。

ブレンダンが犯人ではないことも伝えるが、ショーンは、なぜ彼を嫌うのかをジミーに問う。

ブレンダンの父親がとんでもない男だったため、ジミーは、そんな家族の者と娘を付き合わせたくなかったとだけ語る。

パワーズは、サヴェージ兄弟が、バーにいた客に質問していたことで、それにジミーが関わっていることなどを察しながら牽制する。

署に戻ったショーンとパワーズは、弾道検査の結果、1982年にニューハンプシャーで盗まれた拳銃が、犯行に使われたことを知る。

その銃で襲われた、酒店の主人ルーニー(イーライ・ウォラック)に会ったショーンとパワーズは、犯人は店で働いていた者だという証言を聞く。

そしてルーニーは、犯人がブレンダンの父親に間違いないと二人に伝える。

思いつめるセレステは帰宅し、吸血鬼映画を見て意味不明のことを言うデイヴに、自分が混乱していることを伝える。

デイヴは、セレステが自分を犯人だと疑っていると言って嘆き、子供時代に虐待を受けた話を初めてする。

それを涙ながらに語るデイヴは、”本当のデイヴはいない、通りには売春をする子供もいる”などと言いながら、動揺して外出してしまう。

展開が変わりショーンは戸惑い、デイヴが何かを隠していて、ブレンダンの父親から拳銃を手に入れた可能性もある現状で、パワーズは、彼を追求する必要性を伝える。

デイヴとブレンダン両者を調べようとするショーンに対して、パワーズは友人だからかばおうとしていると彼に反論する。

しかし、ショーンはデイヴとは友人でないと言い切り、犯人ならば自分が逮捕することをパワーズに伝える。

ジーミーの家の前で彼に会ったデイヴは、事件の夜、バーでケイティーを見かけた際、彼女が幸せそうだったことを伝えてその場を去る。

翌日、デイヴの車を調べていたパワーズは、車内の血痕を確認し、トランクの血液はケイティと同じO型だったことから、彼を署に呼び尋問しようとする。

パワーズはデイヴに血液のことを尋ねるが、運転席は柵で怪我をした傷のもので、トランクは、昨夜盗まれた(警察が没収調査)後の犯人の仕業だと答える。

ショーンは、車が証拠にならなくなったことでパワーズを責め、拳銃の線で捜査を進めることで二人な納得し、デイヴを帰す。

ジミーは、自分のために調べ回ったサヴェージ兄弟から、デイヴが警察に連行され、尋問されたことを知らされる。

ブレンダンの父親について調べたパワーズは、犯罪仲間にニック・サヴェージやジミーがいることを知らされる。

その後ショーンとパワーズは、1980年代にブレンダンの父親が逮捕された際に、別件で強盗を犯したジミーの名前を出して刑務所行きを免れていたことを突き止める。

ジミーは逮捕収監され、出所した後、ブレンダンの父親は街から姿を消したということだった。

耐え切れなくなったセレステは、ジミーの元に向かい、動揺しながら事件の夜のことを話す。

デイヴは手を血だらけにして戻り、強盗に襲われて相手を殺したかもしれないことと、彼がケイティを殺したと考えていることをセレステはジミーに伝える。

ショーンとパワーズは、ブレンダンを呼び出して父親の拳銃についてを質問するが、彼は、毎月送られてくる金が父親からだろうと話し、銃の存在を否定して他のことは何も話さない。

その頃サヴェージ兄弟は、通りでデイヴをバーに誘い、車に乗せて走り去る。

事件の通報テープを聴き直したショーンは、車の発見者の少年が、その場にいない被害者を”彼女”と言っていることに気づく。

サヴェージ兄弟とバーで楽しんでいたデイヴだったが、そこにジミーが現れる。

酔ったデイヴは裏の川で吐いてしまうが、ジミー達が様子を見に来る。

ジミーは、裏切ったブレンダンの父親をその川で射殺したことをデイヴに話す。

自分が、ケイティ殺しを疑われていると気づいたデイヴは、事件の夜、バーを出た後、子供を犯していた男を殴り殺したことを話す。

ジミーはそれを遮り、セレステもケイティを殺したと思っていることをデイヴに告げて、混乱する彼に、殺された男が発見されてないことを問い質す。

男の死体はトランクで運び、ケイティを殺していないというデイヴに、殺しを認めれば生かすと言って、ジミーは彼を追い詰める。

その頃、隠してあった父親の拳銃がないことに気づいたブレンダンは、話すこともできた弟のレイが、自分を愛しているためにケイティを殺したのだと、彼と友人を殴りながら問い詰める。

そこにショーンとパワーズが現れ、レイの友人が銃を構えるが、ショーンが彼を取り押さえる。

デイヴはジミーの問いかけに、ケイティを殺したと言ってしまい、あの夜ケイティをバーで見かけ、少年の時、自分ではなく、ジミーが車に乗っていたらという夢を抱いたことを伝える。

納得したジミーはデイヴの腹部を刺し、まだ息のある彼を射殺する。

翌朝、路上で酒を手にたたずむジミーの前に現れえたショーンは、ケイティを殺した犯人を逮捕したことを知らせる。

犯人がブレンダンの弟レイと友人だったことと、特に理由のない犯行の状況を、ショーンはジミーに伝える。

ジミーは動揺し、デイヴが姿を消したことをセレステが心配していることと、バーの裏で児童性愛者の死体が見つかったことも知らされる。

ショーンに、警察が捜しているデイヴと最後に会ったのはいつかを聞かれたジミーは、25年前にこの通りで、車に乗せられて去った時だと答える。

全てを察したショーンは、セレステにも金を送るのかをジミーに問う。

ショーンは、三人があの時に車に乗り、全てが夢だったなら・・・、自分達はまだ少年で、捕えられた場所から逃げたとしたらどうなるかなどとジミーに話す。

そんなことは知ったことではないと言いながら、ジミーはその場を去る。

その直後、家を出た妻から電話があったショーンは、彼女が娘と共に戻ることを確認してそれを喜ぶ。

罪のないデイヴを殺したことをアナベスに告白したジミーは、それに彼女が気づいていたことを知る。

アナベスは、父親は王様であり、どんな難しいことでも必ず実行する、父親は愛する者のためなら何でもすると、娘達に言い聞かせた話をする。

アナベスは、自分達は弱者ではなく、ジミーが街の支配者だと言ってキスし、二人は愛を確かめ合う。

妻や娘と共に街のパレードを見ていたショーンは、現れたセレステに気づく。

セレステはその場にいたアナベスに目をやり、彼女はそれに気づきながらパレードに拍手する。

動揺するセレステは、パレードに参加する息子の名前を何度も呼びながら手を振る。

家から出てきたジミーは、自分を見つめながら、手で銃を撃つ仕草をするショーンに合図を送りパレードを見つめて拍手する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

1975年、ボストン
ジミー・マーカム、デイヴ・ボイル、ショーン・デヴァインの少年三人は、通りで遊んでる際、警官風の男二人組にデイヴだけ連れ去られてしまう。
デイヴは二人に性的虐待を受け、その場から逃げ出すものの心を閉ざし、少年達の交流もなくなる。
25年後、服役したこともあるジミーは雑貨店を経営し、デイヴは妻子と平凡に暮らして、ショーンは刑事になっていた。
ある日、バーで、ジミーの19歳の娘ケイティを見かけたデイヴは、手を血だらけにして帰宅し、妻セレステは、男に襲われ相手を殺したかもしれないと彼から聞き動揺する。
翌日、車内が血だらけの車が発見され、現場に駆け付けたショーンは、ケイティが殺害されたことを確認する。
現場近くにいたジミーは、車がケイティのものだと気づき、娘の死を知り絶叫する・・・。
__________

ある殺人事件をきっかけに、再び親交を持った三人の男達の、少年時代の忌まわしい思い出を背負いながらの運命、その行くつく先に向かうまでの、登場人物の心理描写など、クリント・イーストウッドの繊細な演出は秀逸であり、ドラマに引き込まれる。

当然ながら謎解きの要素を多く含み、序盤から、意外な犯人を示唆するヒントも挿入する巧みな演出、実力派スター競演も合わせて、見応え十分の作品に仕上がっている。

クリント・イーストウッドのベスト作に上げる声も多く、70歳を過ぎた彼の衰えぬバイタリティも感じる、静かな展開の中でも力感を溢れる作風に圧倒される。

単なる悲劇でもなく、全てが解決するドラマでもない、現実社会を直視する、イーストウッドの厳しい視線も感じられる見事な作品だ。

第76回アカデミー賞では、主演男優賞(ショーン・ペン)と助演男優賞(ティム・ロビンス)を受賞した。
・ノミネート
作品・監督
助演女優(マーシャ・ゲイ・ハーデン)
脚色賞

ついにオスカーを獲得したショーン・ペンは、その後の活躍でも証明する、ハリウッドでも指折りの演技派としての地位を築き上げ、複雑な人間性を持つ危険な主人公を重厚に演じている。

心に傷を持つ男性を物静かに演ずる、出色の名演を見せるティム・ロビンス、事件を担当して解決する刑事を冷静に演ずるケヴィン・ベーコン、その相棒ローレンス・フィッシュバーン、夫の言動に対する不安と信頼を失ったことで、結局は悲劇を招く、デイヴ(T・ロビンス)の妻を好演するマーシャ・ゲイ・ハーデン、ジミー(S・ペン)の妻ローラ・リニー、殺害される娘エミー・ロッサム、主人公の仲間である兄弟ケヴィン・チャップマン、アダム・ネルソン、ロバート・ウォルバーグ、被害者の恋人トム・グイリー、その弟役のスペンサー・トリート・クラーク、そして、イーストウッドの盟友でもある、90歳手前のイーライ・ウォラックが、酒店の主人役で登場するのはファンには嬉しい。


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