ネル Nell (1994) 3/5 (1)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

1992年初演のマーク・ハンドリーによる舞台劇”Idioglossia”を基に製作された作品。
文明から離れて山奥で暮らす女性と医師との心の触れ合いを描く、監督マイケル・アプテッド、製作、主演ジョディ・フォスターリーアム・ニーソンナターシャ・リチャードソンリチャード・リバティーニ他共演のドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:マイケル・アプテッド
製作
レニー・ミッセル
ジョディ・フォスター

脚本
ウィリアム・ニコルソン

マーク・ハンドリー
原作:マーク・ハンドリーIdioglossia
撮影:ダンテ・スピノッティ

編集:ジム・クラーク
音楽:マーク・アイシャム

出演
ネル・ケルティ:ジョディ・フォスター

ジェローム“ジェリー”ロヴェル医師:リーアム・ニーソン
ポーラ・オルセン医師:ナターシャ・リチャードソン
アレクサンダー“アル”パーリー医師:リチャード・リバティーニ
トッド・ピーターセン:ニック・サーシー
メアリー・ピーターセン:ロビン・マリンズ
ビリー・フィッシャー:ジェレミー・デイヴィス

ドン・フォンタナ:オニール・コンプトン
マイク・イバラ:ショーン・ブリジャース

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX

1994年製作 分113
公開
北米:1994年12月16日
日本:1995年5月13日
北米興行収入 $33,683,817
世界 $106,683,817


アカデミー賞 ■

第67回アカデミー賞
・ノミネート
主演女優賞(ジョディ・フォスター)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ノースカロライナロビンズヴィル
いつものように山中の家に食料品などを届ける青年ビリー・フィッシャー(ジェレミー・デイヴィス)は、指定された場所に商品を置き財布から現金を抜き取り去ろうとする。

家の様子が気になったビリーは、商品を持って家に向かい、住人ケルティ夫人が亡くなっていることを知り驚く。

町の開業医ジェローム“ジェリー”ロヴェル医師(リーアム・ニーソン)は、自分を捜していた保安官のトッド・ピーターセン(ニック・サーシー)に呼び止められる。

トッドは、世捨て人のようにして暮らすケルティ夫人の死をジェリーに知らせ、二人は山奥の家に向かう。

夫人の遺体を確認したジェリーは、奥の部屋で怯えている人を見つける。

トッドが銃を構えて現れたため外に出たジェリーは、自分がもう一度、確かめると言って家の中に入る。

部屋にいた女性(ジョディ・フォスター)に突き倒されたジェリーは、その場にあった聖書に挟まっていたメモを確認する。

”導かれてきた方へ、私のネルをよろしく・・・”という内容をトッドに伝えたジェリーは、山の半分が夫人の所有物であることを知り、最初の発見者がネルの世話をするようにと言われる。

戸惑うジェリーは、大学で”自閉症スペクトラム”を研究するポーラ・オルセン医師(ナターシャ・リチャードソン)を尋ね、意味不明な言葉を話し育てられたネルについての意見を聞く。

その後ジェリーは、ケルティ夫人が暴行されて産まれたのがネルだということを過去の新聞記事などで知る。

ジェリーは、精神を病む妻メアリー(ロビン・マリンズ)に優しく接するトッドを気遣いながら、町を訪れたポーラを迎えネルの家に向かう。

ネルを観察したポーラは、彼女を押さえてジェリーに採血させる。

ポーラは、”野性児”に興味を持つ同じ大学の教授アレクサンダー“アル”パーリー医師(リチャード・リバティーニ)にネルのことを話す。

何の文明にも接していない状況で、独自の言葉を操ることは考えられないと言うパーリーは、”野性児”としか言えないネルを誰が面倒を見るのかジェリーに問う。

自分がその役目を果たさなければいけないのかを考えるジェリーは、”野性児”についてを調べ、ネルに接しないまま彼女の様子を観察する。

ある朝、トッドからの連絡を受けたジェリーは、裁判所命令でネルが施設に入れられることを知らされる。

ジェリーはそれを阻止するため、弁護士ドン・フォンタナ(オニール・コンプトン)と共に、ネルを迎えに来るポーラとトッドを待つ。

ジェリーは、ネル本人の同意がなければ連れて行けないという裁判所命令を二人に確認させる。

この件で公聴会が開かれ、医師や学者の実験材料にされるだけである家や生活があるネルに、過剰な手助けは必要ないとジェリーは主張する。

それに反論するポーラだったが、判事は、3か月の猶予期間を設けてネルを観察し、その結果を見て裁定を下すことにする。

山で暮らす決意をしたジェリーは、ネルの家の近くにテントを張る。

そこに、研究所の協力を得たポーラが住居用の船で現れ、彼女とジェリーは牽制し合う。

ジェリーは、ネルから距離を置いて行動を観察し、彼女が発する言葉は接近してテープに録音する。

その後ジェリーは、家の中に設置したカメラで、ポーラがネルをビデオ撮影していることに気づく。

ジェリーはその件についてポーラに尋ねるが、彼女は合理的は方法だという程度の答えしか返さない。

ネルに話しかけてみたジェリーは、彼女が反応したしたことで喜ぶ。

その様子を映像で確認したポーラは、ネルがもう一人の自分と対話していることをパーリーらに説明する。

ネルは、心の中で常に双子と対話していたのだった。

言語障害的であった母親とは違い、ネルは自分独自の言葉を作ったとポーラは指摘する。

やがて、自分のことなどを語り続けるジェリーに近づいたネルは、必死に話しかける。

ネルは、ジェリーを信頼して顔を彼の胸にうずめ、それを映像で見ていたポーラは驚く。

様々な言葉を聞きチェックしたジェリーはポーラの元に向かい、それが英語を基にしていると指摘されるものの同意できない。

部屋にネルがいないことに気づいた二人は、岸から連なる岩の上で全裸になり入水する彼女に気づく。

その美しい姿を見つめるジェリーは、ネルに何を感じるかをポーラに問われる。

ジェリーは、ネルには自分自身しか存在せず必要としないと答える。

いくつかの言葉を理解したジェリーは、ネルに音楽を聴かせてみるが彼女は動揺してしまう。

音楽を止めるようにと言うポーラの言葉を無視したジェリーは、彼女に批判される。

興味本位でケルティ家を見に行ったビリーは、狂人のようにわめくネルを目撃して驚きその場を去る。

ネルの元に向かったジェリーは、聖書がなくなっているとことに気づき取り乱す彼女にそれを渡す。

あるページを読むよう指示されたジェリーは、母親が暴行されたことをネルに話したことを理解し、その件をポーラに話す。

その恐怖からネルは昼間の行動を控えていたと思われ、ポーラは、それを取り除くにはどうしたらいいかを考える。

その”対象物”を見せる必要があると言うポーラは、ジェリーにその役目を果たすよう伝える。

ジェリーは自分の性器をネルに見せて、ポーラはそれについて尋ねる彼女に、怖くないことを確認させる。

ネルはジェリーに近づき、彼を水の中に誘い友好関係を確かめる。

その後、ジェリーはポップコーンを気に入ったネルを家から誘い出し、昼間、外に出ても悪い者はいないことを教える。

その頃ビリーは、町で野生の女のことを話してしまい、新聞記者のマイク・イバラ(ショーン・ブリジャース)は、それに興味を持つ。

ネルは昼間でも家の外が怖くないことを知り、いつも心の中にいる双子を追いかけて山を駆け巡る。

ジェリーとポーラはネルに呼び寄せられ、そこに白骨化した死体があることを知る。

それが、ネルが度々口にしていた”メイ”であり、ジェリーとポーラは、死体が双子の一人だったことに気づく。

パーリーにその件を伝えたポーラは、ネルを研究所に連れてくるようにと言う彼に、以前とは考えを変えて、その必要がないと意見する。

ネルをそのままにしておくと、やがて誰かが彼女を見つけマスコミなどに利用されるとパーリーは警告する。

ビリーから情報を得たマイクはネルの家を訪ね、その場にいた彼女に話しかけて写真を撮る。

フラッシュに驚いたネルは叫び声をあげ、現れたジェリーはマイクに襲い掛かり、カメラを取り上げてフィルムを抜く。

ジェリーは、記者のマイクに、この件は忘れるようにと言って追い払う。

それをジェリーから知らされたポーラは、間違いなく押しかけるマスコミなどからネルを守るために、安全な場所に移すしかないと提案する。

言い争いになった二人だったが、現れたネルがそれを制止し、間に入り仲直りさせる。

ポーラに謝罪したジェリーは、公聴会までにネルの知能テストをしたいという彼女の意見に同意する。

生れて初めて山を離れたネルは、ジェリーとポーラに連れられて町に向かう。

トッドと出くわし、彼の妻メアリーと心通じるネルだった。

買い物を楽しんだネルは、一人で店を出てプール・バーに向かってしまい、その場にいたビリーにからかわれる。

それに気づいたジェリーは、ネルに何をしたかをビリーに問い詰め、彼女を連れて立ち去る。

男女の違いや愛について解説する本をネルに与えたジェリーは、自分とポーラが愛し合うことを求める彼女の気持ちを知る。

両親の話をしたポーラは、父が蒸発した後、母親が幸せを装っていたことに気づき、自分も傷つかないように人を避けてきたものの、寂しい日々を送っていると語りながら涙しその場を離れる。

森の中にネルがいることに気づいたポーラは、自分に寄り添い双子に接するような様子の彼女に慰められる。

翌朝ジェリーは、ポーラの心が晴れたことを知り安心する。

トッドは、ネルのことが新聞記事になりマスコミなどが現れることをジェリーとポーラに知らせる。

ポーラは、ネルをこの場から連れ出し病院に入れることが最善策であることをジェリーに伝える。

トッドに同行しといたメアリーは、ネルと触れ合い心を通わせる。

報道関係のヘリコプターが現れてネルが取り乱したため、ジェリーはこの場を離れる決心をする。

大学病院に向かったネルは興奮状態となり、ポーラは、最初から全てをやり直すというパーリーを説得して、週末の間だけそれを待つことで納得させる。

ジェリーは、別人のようになってしまった放心状態のネルに苛立つ。

我慢の限界に達したジェリーはネルを連れて病院を飛び出し、ホテルに向かい冷静になりポーラに連絡する。

ネルは、亡くなった双子の”メイ”のことを想い涙する。

その後ネルは眠り続け、現れたポーラに、翌日の法廷のことなどを語るジェリーは苦しむ。

そんなジェリーを、ポーラは優しく抱き寄せる。

翌日、出廷したネルは、パーリーに意見するジェリーを見て席を立ち判事に話しかける。

ジェリーはそれを通訳し、母親が死に一人になり恐怖に怯えたものの、主が救ってくださると言うネルの言葉を判事に伝える。

判事は、大勢の人がいる中で友達になってくれる者もいて、多くを学ぶことを望むかをネルに問う。

ネルは自分の言葉で、一人で生きていけることを伝える。

5年後。
結婚して娘ルーシーも生まれていたジェリーとポーラは、ネルの誕生パーティーのために山に向かう。

ジェリーらは、待ち構えていたトッドやメアリーと楽しい時間を過ごす。

ネルの生活を奪おうとした罪を感じるジェリーとポーラだったが、メアリーは、二人が最初にネルを必要としたことが、彼女の幸せにつながったと語る。

ジェリーとポーラそしてメアリーは、水辺の岩の上で戯れるネルとルーシーを見守る。

ネルは、ルーシーに”メイ”を投影して涙する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

ノースカロライナロビンズヴィル
町の開業医ジェローム“ジェリー”ロヴェルは、山奥の家で暮らしていた老女の死を保安官トッドに知らされ、その場に娘のネルが住んでいることに気づく。
聖書に挟まれていた母親からのメモで、ネルの世話をする責任を感じたジェリーは、大学で”自閉症スペクトラム”を研究する医師ポーラを訪ねて意見を求める。
母親が暴行を受けて産まれたのがネルだと知ったジェリーは、研究施設に入れることが彼女のためだというポーラやパーリー医師の意見に同意できず、法廷でそれを争う。
3か月の観察期間を与えられたジェリーは、ネルの傍で暮らすことを決意し、船で現れたポーラと共にその場での生活を始める。
そしてジェリーは、ネルが発する意味不明な言葉を理解しようと努力し、ポーラと対立しながら観察を続けるのだが・・・。
__________

リトルマン・テイト」(1991)で監督デビューした、ジョディ・フォスター自身が設立したプロダクション”エッグ・ピクチャーズ”の第一回製作作品。

文明社会と隔絶された環境で育つ女性と、発見者として彼女を見捨てられない医師の交流を描く、人間らしさとは何かを追及する深いドラマに仕上がっている。

マイケル・アプテッドの繊細な人物描写と共に、原作である舞台劇の雰囲気を保ちつつ映し出す、幻想的な映像なども印象に残る作品。

既に2度のオスカーを受賞していたジョディ・フォスターは、自身が演ずる主人公が話す言葉なども考案し、その意欲も窺える熱演を見せ、第67回アカデミー賞でも再び主演女優賞にノミネートされた。

北米興行収入は約3300万ドル、全世界では1億ドルを超えるヒットとなった。

既に話題作に多く出演するキャリアがあり、前年の「シンドラーのリスト」(1993)で世界的な評価を受けたリーアム・ニーソンは、苦悩しながら主人公と親交を深める医師を好演している。

リーアム・ニーソンとは、本作の共演をきっかけにして結婚する、当初は研究機関での観察を勧めるものの、主人公や地元医師との交流で考えを変える専門医ナターシャ・リチャードソン、同じ大学の教授リチャード・リバティーニ、町の保安官ニック・サーシー、その妻ロビン・マリンズ、商店の配達員青年ジェレミー・デイヴィス、弁護士オニール・コンプトン、新聞記者ショーン・ブリジャースなどが共演している。


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