街の野獣 Night and the City (1950) 4.11/5 (28)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

1938年に発表された、ジェラルド・カーシュの小説”Night and the City”を基に製作された、”フィルム・ノワール”作品。
詐欺師まがいの野心家の青年の凋落を描く、監督ジュールス・ダッシン、主演リチャード・ウィドマークジーン・ティアニーヒュー・マーロウハーバート・ロム他共演のドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:ジュールス・ダッシン
製作:サミュエル・G・エンゲル
原作:ジェラルド・カーシュ Night and the City
脚本:ジョー・アイシンガー
撮影:マックス・グリーン
編集
シドニー・ストーン

ニック・ディマッジオ
音楽
フランツ・ワックスマン

ベンジャミン・フランケル

出演
ハリー・ファビアン:リチャード・ウィドマーク
メアリー・ブリストル:ジーン・ティアニー
ヘレン・ノセロス:グーギー・ウィザース
アダム・ダン:ヒュー・マーロウ
フィル・ノセロス:フランシス・L・サリヴァン
クリスト:ハーバート・ロム
グレゴリウス:スタニスラウス・ズビスコ
ストラングラー:マイク・マズルキ
ニコラス:ケン・リッチモンド
モリー:エイダ・リーヴ
フィグラー:ジェームズ・ヘイター

イギリス映画
配給
20世紀FOX
1950年製作 96分
公開
イギリス:1950年4月
北米:1950年6月9日
日本:1954年10月


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ロンドン
いつかは必ず大物になることを夢見る、詐欺師まがいの男ハリー・ファビアン(リチャード・ウィドマーク)は、 ナイトクラブで働いていた。

そんなハリーは、地道な暮らしを夢見る恋人のメアリー・ブリストル(ジーン・ティアニー)の元に向かう。

借金取りに追われるハリーは、メアリーに金を用立て貰おうとするが、彼女は手持ちが足りずに隣人のアダム・ダン(ヒュー・マーロウ)に金を借りる。

メアリーも働く、フィル・ノセロス(フランシス・L・サリヴァン)が経営するナイトクラブで客引きをするハリーは、 次々と客をフィルの店”シルヴァー・フォックス・クラブ”に向かわせる。

その後、ハリーはプロレス会場で、伝説のレスラーであるグレゴリウス(スタニスラウス・ズビスコ)と、その息子で興行主のクリスト(ハーバート・ロム)を見かける。

若手のレスラー、ニコラス(ケン・リッチモンド)を連れていたグレゴリウスは、会場のレスリングを茶番劇だと言って立ち去ってしまう。

それを見ていたハリーは閃き、グレゴリウスに言葉巧みに近づき気に入られる。

フィルの元に向かったハリーは、グレゴリウスらを利用したプロレスの興行の出資話を持ちかける。

しかし、フィルとその妻ヘレン(グーギー・ウィザース)は、その話を笑い飛ばし、憤慨したハリーは自力でそれを成功させようとする。

金策に走り回るものの、出資者は現れず焦るハリーだったが、そこに、彼を侮辱したはずのヘレンが手を差し伸べる。

ヘレンはフィルと縁を切ろうと、他のクラブを買い取り独立を考え、ハリーに手助けさせようとしたのだった。

プロレスの興行で成功したいハリーだったが、ここはヘレンの顔を立て、クラブの営業許可を取る指示にも従うことにする。

クリストはハリーの動きを察知し、弁護士を使ってそれを阻止しようと、フィルにその件についてを話す。

ヘレンの金を持ったハリーはフィルの元に現れ、彼に出資させて”ファビアン興行”を立ち上げる。

クリストは、自分の縄張りを荒らすハリーに脅しをかけるが、父親グレゴリウスが彼についていると知り、仕方なく引き下がる。

ハリーはヘレンに連絡を入れ、偽造したクラブの許可書を渡し、それを手に入れるためだと言って、女から賄賂の金を騙し取る。

二人の企みを察知したフィルはクリストに接触し、父親を利用されたと恨む彼とハリーを葬り去ろうとする。

フィルは、ハリーに興行から手を引くことを伝えるが、人気レスラーのストラングラー(マイク・マズルキ)を参加させることを条件に、出資を続けることにする。

その後、ハリーはストラングラーを挑発し、彼を嫌っているグレゴリウスも丸め込む。

そしてハリーは、ストラングラーとグレゴリウスの秘蔵っ子ニコラス(ケン・リッチモンド)の対戦を成立させて、それをフィルに報告する。

しかし、フィルはそれをクリストに知らせ、ヘレンを奪った腹いせだと言って、ハリーを陥れた事実を彼に伝える。

フィルの出資なしには興行を続けられないハリーは、メアリーの金を奪いジムに向かう。

その頃、グレゴリウスとストラングラーが言い争いとなり、やがてリング上での闘いとなる。

グレゴリウスはストラングラーを叩きのめし、そこにクリストが現れる。

グレコローマンに誇りを持つグレゴリウスは、それを息子クリストに伝え、精根尽き果てて彼に見守られながら息を引き取る。

クリストは、姿を消したハリーを捜し出すよう部下に指令を出し、懸賞金1000ポンドも用意することを伝える。

フィルは、現れたストラングラーの話で、ハリーの破滅を知り、立ち去ろうとするヘレンを引き止めるが、彼女はそれを聞き入れなかった。

クラブの開店の準備をしていたヘレンだったが、許可証が偽物だと分かり、彼女はフィルの元に戻る。

しかし、フィルは、下働きのモリー(エイダ・リーヴ)に遺産を渡すという遺言を遺し自殺していたため、ヘレンは絶望する。

知人のフィグラー(ジェームズ・ヘイター)に匿ってもらったハリーだったが、彼が自分を売ったことを知り再び逃亡する。

そこにメアリーが現れ、ハリーに金を渡して逃がそうとするが、自分をクリストに売って1000ポンドを手に入れるよう彼女に伝える。

それを聞いたメアリーはその場を立ち去るが、ハリーはクリストがいるのに気づく。

その直後に、ハリーはストラングラーに殺され、テムズ川に投げ捨てられる。

アダムが、警官と共に現れてメアリーを抱き寄せ、ストラングラーは逮捕連行される。

そして、橋の上から一部始終を見ていたクリストは、その場を立ち去る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

人を裏切ってでも大物になろうとする、野望を抱くハリー・ファビアンは、街のクラブで客引きをしていた。
地道な生活を望む、恋人メアリーの不安を余所に、ハリーは、その日暮らしの毎日を送っていた。
ある日ハリーは、伝説のプロレスラーであるグレゴリウスを丸め込み、興行主となることを思いつく。
クラブのオーナー、フィルと妻ヘレンに侮辱されながらも、ハリーは、それに懸ける事を決心し、金策に走り回るのだが出資者は現れない。
しかし、フィルと縁を切ろうと考えていたヘレンはハリーに金を渡し、他のクラブを買い取り独立しようとする。
その後、興行を始めたハリーは、グレゴリウスの息子で、ロンドンを仕切る興行主クリストに、縄張りを荒らしたことで脅されてしまう・・・。
___________

野望を胸に、日々、崖っぷちの生活を送る青年の焦りや、腹黒い策士達のせめぎ合いが、緊迫したドラマを盛り上げる。

赤狩りの影響で”ハリウッド・ブラックリスト”としてヨーロッパに逃れていた、ジュールス・ダッシンの、シャープな演出が光る一編。

モノクロ映像が映し出す緊張感、効果的に使われるロンドンのロケを生かす、リアリズム溢れる展開が見所だ。

リチャード・ウィドマークをはじめ、アメリカ人俳優が、違和感なくロンドンの裏社会などに溶け込んでいる。

また、実際にプロレス界で活躍した役者の迫力ある演技や、その興行を巡る一連の騒動というストーリーも実に新鮮だ。
特に、既に70歳を過ぎていた伝説のレスラー、スタニスラウス・ズビスコの、伝統にこだわる、レスリングに対する姿勢、そして、それを息子に伝えながら亡くなる姿は胸を打つ。

1992年に公開された、監督アーウィン・ウィンクラー、主演ロバート・デ・ニーロジェシカ・ラング共演「ナイト・アンド・ザ・シティ 」はリメイク作品。

生きのいい主演リチャード・ウィドマークの鬼気迫る演技は見もので、ペテン師で野心家の青年を熱演している。

脇役に徹して、殆ど存在感がないのが残念なジーン・ティアニー、強かな女を演ずるグーギー・ウィザース、こちらも彼にしては出番が少ない感じのする隣人ヒュー・マーロウ、クラブ・オーナーのフランシス・L・サリヴァン、興行主ハーバート・ロム、その父で伝説のレスラー、スタニスラウス・ズビスコ、同じく巨漢のマイク・マズルキ、若手選手役のケン・リッチモンド、クラブの下働きエイダ・リーヴ、主人公の知人ジェームズ・ヘイターなどが共演している。


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