あるスキャンダルについての覚え書き Notes on a Scandal (2006) 3.92/5 (26)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

2003年に発表された、ゾーイ・ヘラーの小説”Notes on a Scandal”を基に製作された作品。
教え子と関係を持った女性教師の秘密を知った孤独な女性老教師の、彼女に対する支配欲と愛憎を描く、監督リチャード・エアー、主演ジュディ・デンチケイト・ブランシェットビル・ナイ他共演の心理サスペンス。


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督:リチャード・エアー

製作
ロバート・フォックス
アンドリュー・マクドナルド
スコット・ルーディン
原作:ゾーイ・ヘラーNotes on a Scandal
脚本:パトリック・マーバー
撮影:クリス・メンゲス
編集
アントニア・ヴァン・ドリムレン
ジョン・ブルーム
音楽:フィリップ・グラス

出演
バーバラ・コヴェット:ジュディ・デンチ
バトシェバ”シーバ/バッシュ”ハート:ケイト・ブランシェット
リチャード・ハート:ビル・ナイ
スティーヴン・コノリー:アンドリュー・シンプソン
テッド・モーソン:トム・ジョージソン
サンディ・パブレム:マイケル・マロニー
スー・ホッジ:ジョアンナ・スキャンラン
ビル・ラマー:ショーン・パークス
リンダ:エマ・ケネディ
ポーリー・ハート:ジュノー・テンプル
ジタ:シリータ・クマール
ブライアン・バングス:フィル・デイヴィス
エレイン・クリフォード:ウェンディ・ノッティンガム
マージョリー:ジュリア・マッケンジー
アナベル:アンヌ=マリー・ダフ

イギリス 映画
配給 フォックス・サーチライ ト・ピクチャーズ
2006年製作 91分
公開
イギリス:2007年2月2日
北米:2006年12月25日
日本:2007年6月2日
製作費 $15,000,000
北米興行収入 $17,508,700
世界 $26,196,360


アカデミー賞
第79回アカデミー賞

・ノミネート
主演女優(ジュディ・デンチ
助演女優(ケイト・ブランシェット
脚色・作曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ロンドン
総合学校で歴史を担当する厳格なベテラン教師バーバラ・コヴェット(ジュディ・デンチ)は、新任の美術教師バトシェバ”シーバ/バッシュ”ハート(ケイト・ブランシェット)が気になる。

美しさと独特の雰囲気で教師の間でも注目の的となったシーバは、生徒にもからかわれる。

シーバが教室内のトラブルに対処できないことを知ったバーバラはそれを鎮め、喧嘩をした生徒二人に原因を聞く。

喧嘩相手が、シーバに卑猥なことを言ったのが原因だとスティーヴン・コノリー(アンドリュー・シンプソン)から聞いたバーバラは、もう一人の生徒に謝罪させる。

シーバに感謝されたバーバラは、彼女に興味を持ち親交を深める。

日曜日にシーバの家に招待されたバーバラは、幸せを感じて洋服などを揃える。

ハート家を訪ねたバーバラは、シーバの夫で大学教授のリチャード(ビル・ナイ)に迎えられる。

リチャードはシーバよりもかなり年上であり、娘のポーリー(ジュノー・テンプル)は我がままで、息子のベンはダウン症だった。

遺産を相続したシーバは上流階級の家柄だったのだが、想像した家庭とは違っていたため、バーバラは戸惑いを隠せない。

食後の時を家族に合わせて楽しんだバーバラは、シーバと離れに向い、両親やリチャードとの出会い、子育ての話などを聞く。

帰宅したバーバラは、長年、書き綴っている日記に、最高の一日だったと記す。

シーバと友達になり、そして理解し合えたことにバーバラは喜びを感じる。

クリスマスが近づいたある日、校内の余興に現れないシーバを捜したバーバラは、彼女がスティーヴンと淫らな行為をしているのを目撃してしまいショックを受ける。

その件を電話でシーバに話したバーバラは、彼女に会い詳しい状況を聞く。

スティーヴンの絵の才能を認めたシーバは、特別に放課後に教えることにして、彼が自分に夢中だと気づき誘われる。

それを拒んだシーバだったが、スティーヴンが、失業した父親に暴力を振るわれ、病気の母親には相談できないと知り、彼の甘いささやきに誘われて関係を持ってしまう。

スティーヴンが喧嘩をして叱った時には、既に関係が始まっていたことをバーバラは知る。

友情が裏切られたと思いのバーバラは、自分に打ち明けるべきだったと言いながら、後悔するシーバを支配するチャンスが訪れたと考える。

サンディ・パブレム校長(マイケル・マロニー)に報告されることに怯えるシーバは、クリスマスを家族と過ごしたいために、せめて新年まで待ってほしいとバーバラに伝える。

報告はしないと言うバーバラは、誰も得をしない個人の問題だと伝え、シーバは彼女に感謝して涙する。

辞職すべきではないと言うバーバラは、スティーヴンとの関係を絶つことをシーバに約束させる。

クリスマスを妹のマージョリー(ジュリア・マッケンジー)らと過ごしたバーバラは、”親友”だった元同僚教師ジェニファーのことを聞かれ、同席していた人々は気を遣う。

家族が集まっている最中にスティーヴンからのメールを受けたシーバは、家の外に現れた彼からプレゼントを受け取る。

終りにしたいと伝えたシーバは、スティーヴンに帰るよう伝えて彼とキスして別れ、家の中で泣き崩れる。

マージョリーの家に泊まったバーバラは、シーバのことを考えながら日記を書く。

部屋に入って来たマージョリーから、新しい”相手”はいるのかと聞かれたバーバラは戸惑う。

シーバは、その後もスティーヴンとの関係を続けてしまう。

クリスマス明けにバーバラに会ったシーバは、彼女にプレセントを渡して友情を確かめ合う。

独身の身で唯一の支えだった愛猫が病気になり、死期が近いことを知ったバーバーらは悲しみ、シーバの家を訪れて彼女に励まされる。

携帯電話が鳴り、それがスティーヴンだと気づいたシーバは動揺し、帰ろうとするバーバラ見送ろうとする。

落ち込んでいる時に、よく肌をさすり合ったというバーバラは、それをシーバに試す。

シーバはスティーヴンのことが気になり、バーバラは、彼女の心が乱れていることを察する。

その時バーバラは、裏庭の塀を乗り越えて来る少年に気づき、シーバは隣の子供だと伝える。

電話が鳴ったためにそれに出たバーバラは、相手がスティーヴンだったために、憤慨してその場を去る。

夫が戻ると言って電話を切ったシーバは、車に向かったバーバラを追い、恩を仇で返したと言われる。

弁解するシーバの話を遮るバーバラは、やがて捨てられるのは明白だと言って彼女を罵り、スティーヴンとは別れるようにと伝える。

考えると言うシーバに、直ぐ行動するよう伝えたバーバラは、自分から夫に話した方がいいのかを尋ねる。

別れることを約束したシーバはスティーヴンの家に向い、彼が両親のことで嘘をついていたことを知る。

退学処分を含め大問題になることを恐れたスティーヴンは、自分がシーバの家族の問題を解決できる立場でないため、別れる決心をする。

傷ついたシーバを迎えに行ったバーバラは、彼女を抱きしめる。

自分しか頼れる者がいないシーバを救ったと考えるバーバラは、満足して彼女の心の傷を癒そうとする。

シーバが探し求めていた相手だと確信したバーバラは、彼女との絆が強まっていくことを実感する。

その関係は繊細で新たな段階を迎え、生涯を共にすることを考え始めたバーバラは、夏休みに南フランスのハート家の別荘に誘われる。

一生、独りでいることは辛いと語り、自分の思いをそれとなくシーバに伝えたバーバラは、彼女が同じ思いだと考える。

愛猫を安楽死させる日、数十分後に獣医の元に戻ることになったバーバラは、シーバに家に向かう。

出かけるために車に乗っていたリチャードは、既に迷惑に思うようになっていたバーバラが現れたために苛立つ。

一緒に来てほしいとバーバラに言われたシーバだったが、ベンの演劇を観に行かなければならないことを伝える。

気分を害したバーバラは、借りがあるはずだと言って不満を訴える。

我慢の限界に達したリチャードはバーバラを非難し、シーバは待ってほしいと言って夫を説得する。

猫は気の毒に思うと言うシーバだったが、納得しないバーバラは例の件のことを考え、覚悟する様にと伝える。

理解を求めるシーバは、電話をすると言って車に乗る。

猫を庭に埋葬したバーバラは、訪ねて来た同僚教師のブライアン・バングス(フィル・デイヴィス)から、シーバに関する話があると言われる。

シーバに惹かれていたブライアンは、その思いを彼女に伝えてほしいとバーバラに頼む。

傷つくだけだと言うバーバラは、シーバのタイプではないことをブライアンに伝え、外見などではなく、彼女が少年を好んでいるようだと話す。

噂だと言いながら、バーバラは相手がスティーヴンであることを伝える。

シーバのような女性には、自分の孤独感など理解できないと考えながら、バーバラは、謝罪するメッセージを残す彼女の電話に出ようとはしない。

食事に誘われたバーバラはシーバの家に向い、リチャードともわだかまりを捨てて話をする。

そこにスティーヴンの母親が現れ、激怒しながらシーバに襲いかかり罵る。

夫とリチャードに制止されたこコノリー夫人は、その場を去る。

少年を相手にしたシーバを激しく非難するリチャードは、スティーヴンを求めたかったと言う彼女の気持ちが理解できない。

2階から降りてきた子供達を部屋に向かわせたバーバラは、リチャードとシーバの様子を階段で見守る。

学校の処分を受けたシーバは、スティーヴンが母親に話したと信じていたため、バーバラは状況を見守る。

事件は大きな問題となりニュースでも報道され、2名の教師がこの件を知っていたと伝えられ、バーバラはパブレム校長にその件で質問される。

バーバラは今回の件を知っていたということを否定し、1年後に定年を控える彼女に、パブレムは退職を促す。

自分の経歴は完璧で道徳感は誰もが認めると伝えたバーバラだったが、元同僚の”親友”ジェニファーのことをパブレムに問い詰められる。

ジェニファーが心を病んでいたと言うバーバラだったが、彼女絵の接近禁止令を受けた事実をパブレムに突き付けられ、仕方なく退職することを決意する。

同僚達の視線を気にするバーバラは、自宅前に現れたスティーヴンから逃れ、自分が噂を流したとに彼とシーバが気づいたと考える。

シーバに呼ばれたバーバラは、彼女の家の前でマスコミに囲まれる。

リチャードに迎えられたバーバラは、退職の件は気の毒に思うと言われ、今回の件を知っていたのかを問われる。

それを否定したバーバラは離れにいるシーバの元に向い、母親を非難するポーリーに疫病神呼ばわりされる。

傷心のシーバを慰めたバーバラは、暫く考えたいので家を出るようにと、彼女がリチャードに言われたことを知る。

何日か泊めてほしいと言われたバーバラは、好きなだけいていいと答える。

こうなることは分かっていたと言うリチャードは、母親としては尽くしたが、妻としては最悪な時もあったとシーバに伝え、孤独だった時に自分を頼らなかった彼女を責めて送り出す。

1か月が過ぎ、バーバラは、シーバと暮らす最高の日々を過ごす。

そんなある日、バーバラが捨ててあった日記のページに気づいたシーバは、それに自分や家族のことが綴られていることを知る。

日記を探したシーバは、ジェニファーとの思い出を綴ったノートを見つける。

買い物から帰宅したバーバラは、シーバが部屋を荒らしていることに気づく。

バーバラは、リチャードやベン、そしてポーリーがいない方がいいなどと日記に書いていたことをシーバから問い詰められる。

シーバはバーバラを殴り、自分から家族を奪ったと言って彼女を罵る。

恵まれない結婚から救ったと言うバーバラが友情を語り、恋愛関係を求めるかのように思えたシーバは、自分の髪の毛まで日記に貼り付ける行為を激しく非難する。

自分を嫌っていると言うシーバに、愛情を感じていると伝えたバーバラは、異常者だと言われる。

日記を手にして外に飛び出したシーバは、押しかけていたマスコミに取り囲まれる。

それを見たバーバラはシーバを家の中に入れて、冷静になった二人は話し合う。

日記に書いてあった、南フランスの別荘に招待などしていないと言うシーバは、誤解したバーバラに本気で誘うはずがないと伝える。

いい友達になれるかと思ったと言うシーバは、それ以上ではなかったのかとバーバラに問われ、手にしていた日記を返す。

家に戻ったシーバは、リチャードに迎えられる。

新しい日記帳を買ったバーバラは、ペンを執る。

シーバは10か月の実刑となり、その記事が掲載されているタブロイド紙をベンチで読んでいた女性アナベル(アンヌ=マリー・ダフ)に、バーバラは声をかける。

記事の人物が同じ学校の教師だったと言うバーバラは、アナベルに自己紹介する。

音楽が好きかをアナベルに尋ねたバーバラは、チケットがあると言って、ロイヤル・アルバート・ホールのコンサートに友達と行くように勧める。

友達はいないと言うアナベルに、バーバラは自分が友達だと伝える。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
ロンドン
総合学校で歴史を担当する厳格なベテラン教師バーバラ・コヴェットは、新任の美術教師シーバが気になる。
バーバラは、美しく独特の雰囲気を持つ同僚教師からも注目されるシーバに惹かれる。
シーバの相談に乗ったバーバラは、彼女の家に招待される。
年齢差のある夫リチャードや、わがままな娘とダウン症の息子が家族だと知ったバーバラは、シーバのイメージと合わなかったために戸惑う。
そんなある日バーバラは、シーバが教え子のスティーヴンと関係していることを知りショックを受ける。
その件をシーバに問い詰めたバーバラは、それを利用して彼女を支配しようとするのだが・・・。
__________

ブッカー賞の候補にもなったゾーイ・ヘラーの小説の映画化で、教え子と関係を持った女性教師と、彼女に惹かれてしまう孤独な老教師の、二重のスキャンダルをサスペンス・タッチで描いた作品。

独身の女性老教師の同性への憧れがエスカレートしていく前半から、愛憎へと変化する終盤まで、主人公二人の心理状態を繊細に描く、リチャード・エアーの演出手腕とパトリック・マーバーの脚本が光る。

第79回アカデミー賞では、主演女優(ジュディ・デンチ)、助演女優(ケイト・ブランシェット)、脚色、作曲賞にノミネートされた。

主人公二人の心の動きを表現する、フィリップ・グラスの音楽が印象に残る。

イギリスのベテラン女優ジュディ・デンチと、実力派スターとしてキャリアを積んでいたケイト・ブランシェットの、本作での親密な”関係”はファンにとっては想像がつかないところが、興味深い設定に引き込まれる。
世界の映画界を代表する演技派の両者だけあり、流石に誰もが認める納得の演技を見せてくれる。

威厳を感じさせる老教師を演ずるジュディ・デンチの、孤独な女性が考える支配欲は恐ろしいほどだ。
また、美しさが際立つケイト・ブランシェットは、画面に登場するだけで観客を満足させる雰囲気のある素晴らしい女優だ。

若くて美しい妻と共に家族を支える大学教授ビル・ナイ、その娘ジュノー・テンプル、教師と関係を持つ少年アンドリュー・シンプソン、校長のマイケル・マロニー、教師トム・ジョージソンジョアンナ・スキャンランショーン・パークスエマ・ケネディ、シリータ・クマール、フィル・デイヴィス、ウェンディ・ノッティンガム、主人公の妹ジュリア・マッケンジー、主人公がラストで話しかける女性アンヌ=マリー・ダフジェームズ・マカヴォイ夫人)などが共演している。


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