第十七番 Number Seventeen (1932) 3.08/5 (13)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

ジェファーソン・J・ファージョンの舞台劇”Number Seventeen”を基に製作された作品。
宝石強盗事件を追う刑事とそれに巻き込まれる人々を描く、監督、脚本アルフレッド・ヒッチコック、製作、出演レオン・M・ライオンアン・グレイジョン・スチュアートドナルド・カルスロップ他共演の犯罪サスペンス。


ドラマ(サスペンス/犯罪)

アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock 作品一覧


スタッフ キャスト ■

監督:アルフレッド・ヒッチコック
製作:レオン・M・ライオン
原作:ジェファーソン・J・ファージョン”Number Seventeen”
脚本
アルフレッド・ヒッチコック

アルマ・レヴィル
ロドニー・アックランド
撮影:ジャック・E・コックス
編集:A・C・ハモンド
音楽:アドルフ・ホーリス

出演
ベン:レオン・M・ライオン

ノーラ:アン・グレイ
バートン/フォーサイス:ジョン・スチュアート
ブラント:ドナルド・カルスロップ
ヘンリー・ドイル:バリー・ジョーンズ
ローズ・アクロイド:アン・キャッソン
アクロイド:ヘンリー・ケイン
シェルドレイク:ギャリー・マーシュ

イギリス 映画
配給 Wardour Films

1932年製作 64分
公開
イギリス:1932年7月18日
日本:未公開


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ロンドン
ネックレス強盗を追う刑事バートン(ジョン・スチュアート)は、強風で飛んだ帽子を売却か賃貸予定の17番地の屋敷の門で拾う。

屋敷内の光に気づいたバートンは内部が気になり、開いていた入り口から中に入る。

その場にいた男ベン(レオン・M・ライオン)とバートンは二階で顔を合わせるが、床に死体があったために二人は驚く。

慌てたベンは階段で足を踏み外してしまい、階下に滑り落ちる。

ベンが落したロウソクに火を点けたバートンは、動揺する彼に気付けのためブランデーを飲ませる。

焦って逃げようとするベンを引き留めたバートンは、自分が殺したのではないと言う彼に、この場で何をしていたのかを問う。

寝る場所を探していたと答えるベンは、自分が犯人でないことを伝える。

調べてみることにしたバートンは、ベンを連れて二階に向う。

死体を確認したバートンは、誰かが殴って逃げたと考え周辺を見て回る。

何も知らないと言うベンにポケットの中身を見せるよう指示したバートンは、問題ないと判断する。

物音に気付いたバートンは階下に向い、死体を調べたベンは手錠を見つけるものの、それが何か分からない。

拳銃も見つけたベンはそれをポケットにしまい、戻って来たバートンは手錠に気づき死体にあったことを知らされる。

色々質問するバートンに、これは警察の仕事だと忠告するベンだったが、その時、二人は屋根の人影に気づく。

屋根が崩れ落ち、二人は何者かを捕えるが、それは女性だった。

バートンはその女性ローズ・アクロイド(アン・キャッソン)を知っているかをベンに問い、気を失っている彼女にブランデーを飲ませる。

気がついたローズは、倒れている父親に何をしたのかを二人に聞き、バートンは彼女に事情を尋ねる。

何者かと聞かれたバートンは”フォーサイス”と答え、ベンも名を名乗る。

ローズから誰かが屋根の上にいたようだと言われたバートンは、ベンに屋根を見てくるようにと指示する。

”フォーサイス”に家を聞かれたローズは、この屋敷の隣の15番地だと答える。

父親が家の最上階に向い、その直後に電報が届いたと言うローズは、それを渡しに行くが部屋に鍵がかかっていたことを伝える。

鍵を探して部屋に入るものの誰も居なかったため、開いていた窓から父親が出たと考え、屋根伝いに這ってきた際に落下したことをローズは”フォーサイス”に話す。

屋根に上っていたベンも落下し、ローズは電報のことを聞かれてバートンにそれを見せる。

”ネックレスを追跡中、犯人は大陸に逃亡する可能性あり、17番地で待つ バートン”

”バートン”とは誰かをあえて尋ねた”フォーサイス”は、ベンが拾ったローズが持っていた父親のカードには、12時半に17番地で何かが起きるという意味の文字があった。

帰るように言われたローズはそれを拒み、時計は12時を知らせ、そこに誰かが現れる。

”フォーサイス”がそれに対応し、ベンは拳銃を返そうする。

ところが、ベンは死体が消えていることに気づく。

”フォーサイス”は入り口を開けて、ノーラ(アン・グレイ)と共に現れたブラント(ドナルド・カルスロップ)は、不動産屋に紹介されたことを伝える。

約束の時間より早いと言いながらブラントとノーラは屋敷に入り、”甥”だと言うヘンリー・ドイル(バリー・ジョーンズ)も続いて現れ、二階から内部を見ようとする。

階上に怪しげな男ベンがいたためブラントらと揉めそうになる。

ベンが銃を持っていたため、”フォーサイス”はどこで手に入れたかを聞く。

死体から奪ったと答えたベンは、起きたこと全てを話し始める。

この場を去ると言うベンにブラントは銃を向け、ドイルがベンの銃を奪おうとする。

銃は暴発して弾は”フォーサイス”の手に当たり、ベンは、弾が入っているのを知らなかったと言いながら取り押さえられる。

”フォーサイス”は手当てをしてくれたノーラに感謝するが、ブラントは、彼女が聾唖者だと知らせる。

ブラントは”フォーサイス”らに銃を向けて身体検査を始め、ローズの持っていたカードを確認して奪う。

電報も読んだドイルは、父親がそれを知る前に姿を消したことを知り、ダイヤモンドのことをローズに聞く。

何も知らないというローズは、しつこく質問するブラントに苛立つ。

ドイルは落ちていた手錠を見つけてブラントから何者なのかを聞かれ、国外逃亡する気だと答えて互いのカードを確かめる。

ベンが騒いで逃げようとしたため、”フォーサイス”とブラントは彼を浴室に閉じ込める。

その場に隠れていた男シェルドレイク(ギャリー・マーシュ)に襲われたベンは、気絶した振りをしながら、隠してあったダイヤのネックレスを彼が手にするのを確認する。

シェルドレイクが外の様子を窺っている隙に、ベンは彼のポケットからネックレスを奪う。

ダイヤのことをドイルに聞くブラントは、シェルドレイクが隠しているのだろうと答える。

ブラントは電報のことを思い出し、バートンが現れるのを警戒する。

シェルドレイクにも分け前を渡すと言うドイルは、死体が彼だろうとブラントに伝えるが、簡単に死ぬ男ではないと言われる。

そこに死んだと思われたアクロイド(ヘンリー・ケイン)が現れ、ブラントらのカードを確認する。

ローズはアクロイドに合図し、”フォーサイス”と共に縛られる。

ブラントらを別の部屋に向かわせたアクロイドはドアの鍵を閉めて、ローズは彼が父親であることを”フォーサイス”に伝える。

ベンを助けようとしたアクロイドは、その場にいたシェルドレイクと格闘になる。

加勢しようとしたベンはアクロイドを殴ってしまい、シェルドレイクに痛めつけられて再び浴室に閉じ込められる。

シェルドレイクは、抵抗しようとした”フォーサイス”に銃を向けて、ブラントらを部屋から出す。

ブラントらは”フォーサイス”を縛りその場から去り、実は聾唖者でなかったノーラは戻ることを”フォーサイス”とローズに伝える。

”フォーサイス”とローズは、縛られていた手すりが壊れたために宙づりになってしまう。

戻って来たノーラが二人を助け、この件にはわけがあることを”フォーサイス”に伝え、怪しまれないようにブラントらの元に向かう。

”フォーサイス”とローズはベンらを助けようとするが、アクロイドは頭を打って気を失っていた。

ローズは”フォーサイス”にブラントらを追うように指示し、彼はベンと共に階下に向かう。

同行しないと言うノーラの意見を聞かず、ブラントらは地下を通り建物から出て駅に向かう。

”フォーサイス”は、ブラントらがフェリーで大陸に向かうことに気づき彼らを追う。

ブラントらは貨物列車に乗り込み、追ってきた”フォーサイス”を蹴り落し、ベンは車両に飛び乗る。

自分達に気づいた保安員をブラントらは殴り倒す。

通りでバスを止めた”フォーサイス”は、地下室で手に入れていた銃で運転手を脅し貨物列車を追う。

積み荷のワインを飲んだベンは、酔いながらノーラのいる車両にたどり着く。

ブラントからネックレスを渡すよう言われ銃を向けられたシェルドレイクだったが、それがないことに気づく。

ドイルはノーラが持っていると考えて彼女の元に向い、ベンがそれを持っていることを伝える。

そこにブラントらが戻り争いになり、ドイルは車両を離れる。

追ってきたブラントとシェルドレイクが前方に向かったため隠れたドイルは、ノーラの車両に戻りネックレスを探す。

それが見つからないドイルは、ノーラとベンを拘束する。

機関車両に向かうブラントは、機関士の一人を射殺する。

”フォーサイス”の乗ったバスは暴走し、乗客は騒ぎ始める。

もう一人の機関士も気を失ってしまい、ブラントとシェルドレイクは列車が暴走したために焦る。

バスは列車に追いつき並走し、双方は暴走を続ける。

フェリーは線路に連結し、貨物列車がそれに突入してしまう。

車両は海に落下し、到着した”フォーサイス”はノーラを助けようとする。

海に飛び込んだ”フォーサイス”はノーラを救って陸に上がり、ベンも救助される。

助かったドイルは、実は自分が刑事の”バートン”であることを”フォーサイス”に伝える。

ことを急がない方がいいと助言する”フォーサイス”は、”バートン”と名乗る男の名前がドイルだと指摘し、二つのミスを犯したと伝える。

一つは、シェルドレイクと接触するのを察知した警察が追っていたことと、二つ目は”バートン”に扮したことがだと言われたドイルは、”フォーサイス”がバートン刑事だと気づき観念して連行される。

自分も逮捕されるものと覚悟を決めたノーラは、バートンから朝食に誘われたため思わず笑ってしまう。

ベンはバートンとノーラに、結婚祝いなら隠してあると言って、首にかけたダイヤのネックレスを見せる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

ロンドン
ネックレス強盗を追う刑事バートンは、17番地の屋敷を調べる。
その場にいた浮浪者ベンと共に死体を発見したバートンは、屋根から落下してきたローズに驚く。
死体は父親だと言うローズは、”フォーサイス”と名乗るバートンに事情を説明し、あるネックレスに絡んだ事件に巻き込まれたことを知る。
そこにブラント、ノーラ、ドイルらが現れ不動産物件として屋敷を見たいと言うのだが、”フォーサイス”は、彼らが事件に関係する者達と考えて警戒する・・・。
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トーキー初期作品だけに、セリフを分かり易く伝えようとするオーバーアクション的な役者の演技などが気になるが、当時の状況を考えると許せる範囲と言える。

怪しげな屋敷内の雰囲気を描写する光と影を巧みに使った映像、キャラクターの個性を生かしたユーモアの挿入方法など、その後のアルフレッド・ヒッチコック作品に繋がる手法が多く使われているところは注目だ。

更に、当時としてはかなり高精度なミニチュアを使用した、スピード感と迫力あるクライマックスの特撮映像は見事な仕上がりだ。

単なる浮浪者でありながら、ユニークなキャラクターでドラマにアクセントを加え怪演を見せる、製作も兼ねるレオン・M・ライオン、聾唖者に扮する謎の女風である、終盤で存在感を発揮するアン・グレイ、刑事の身を伏せて事件捜査を行うジョン・スチュアート、宝石泥棒のドナルド・カルスロップバリー・ジョーンズギャリー・マーシュ、隣人アン・キャッソンとその父親ヘンリー・ケインなどが共演している。


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