邪魔者は殺せ Odd Man Out (1947) まだ評価されていません。


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

1945年に発表された、F・L・グリーンの小説”Odd Man Out”を基に製作された作品。
イギリスからの独立を目指す、北アイルランドの地下組織のリーダーの逃亡劇をリアルに描く、製作、監督キャロル・リード、主演ジェームズ・メイソンロバート・ニュートンシリル・キューザックキャスリーン・ライアン共演による”フィルム・ノワール”の秀作。


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■

監督:キャロル・リード
製作:キャロル・リード
原作:F・L・グリーン
脚本
F・L・グリーン

R・C・シェリフ
撮影:ロバート・クラスカー
編集:ファーガス・マクドネル
音楽:ウィリアム・オルウィン

出演
ジョニー・マックィーン:ジェームズ・メイソン

ルーキー:ロバート・ニュートン
パット:シリル・キューザック
ノーラン:ダン・オハーリヒー
キャスリーン・サリヴァン:キャスリーン・ライアン
デニス:ロバート・ビーティ
”ジン”ジミー:ジョセフ・トメルティ
トム神父:W・G・フェイ
シェル:F・J・マッコーミック
警部:デニス・オデア
フェンシー:ウィリアム・ハートネル
トーバー:アーウィン・ブルック=ジョーンズ

イギリス 映画
配給 Rank Organisation

1947年製作 116分
公開
イギリス:1947年1月30
北米:1947年4月23日
日本:1951年8月28日


アカデミー賞 ■

第20回アカデミー賞
・ノミネート
編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

北アイルランド
イギリスからの独立を目的とする地下組織のリーダー、ジョニー・マックィーン(ジェームズ・メイソン)は、脱獄して彼に心を寄せるキャスリーン・サリヴァン(キャスリーン・ライアン)の家に身を潜め活動を指揮していた。

活動資金の調達のため、工場襲撃を計画するジョニーだったが、彼が長く街にも出ていないことで、同居する腹心デニス(ロバート・ビーティ)やキャスリーンは、それを心配する。

しかし、リーダーとしての責任感と信念で、ジョニーはこの計画をやり遂げる決意を示す。

そしてジョニーは、パット(シリル・キューザック)、ノーラン(ダン・オハーリヒー)らと共に工場を襲い、難なく現金を奪うことに成功する。

しかし、強盗に気づいた社員が、入り口でめまいがして歩けなくなったジョニーは襲いかかり、彼は負傷しながら社員を射殺してしまう。

何とか車に乗ったジョニーだったが、道路に振り落とされてしまい、彼が走り去ったことを知ったパットらは、仕方なくアジトに戻る。

直ちに警察の非常線は張られ、報告を受けたデニスはジョニーの身を案ずる。

左腕を撃たれていたジョニーは、たどり着いた防空壕に身を潜めるが、遊んでいたボールを取りに来た少女に姿を見られてしまう。

デニスは、負傷者を装い囮となり、ジョニーを助けるために街に向かう。

パットとノーランらは警察に捕らえられそうになるが、それを逃れ、裏社会と通じる老婦人の家に匿われる。

しかし、婦人は警察に通報し、二人は家を出たところを、待ち構えていた警官に射殺される。

婦人は、現われた警部(デニス・オデア)に、二人が話していた情報を伝える。

デニスは、ジョニーを目撃したと思われる少女から、彼が防空壕にいることを知らされる。

ジョニーを見つけたデニスは、警官が現れたために囮になり彼を助けようとする。

警官を引き付けたデニスは、銃声で合図を送り、自分が人を殺したかを気にするジョニーは街に消える。

デニスは、腕の包帯を外して排水溝に捨てるが、それを見ていた警官が追跡して、彼は捕らえられてしまう。

トラックに撥ねられそうになったジョニーは、応急処置が出来る婦人に介抱されるが、彼女達は傷口を見て、その男が警察に追われる、昼間の襲撃犯人だと気づく。

やがて婦人の夫が現われ、ジョニーの存在を知りその処置で口論になる。

ジョニーは、彼女らの迷惑を考えて、その場を去ることを伝え、通りに停車していた”ハンサムキャブ”に乗り込む。

家宅捜索を受けたキャスリーンは、全てを見通している警部に、組織と関るなと警告される。

何も出てこなかったことで警部は引き揚げ、キャスリーンは、ジョニーを捜しに拳銃を持って街に向う。

検問を通り抜けていたジョニーだったが、御者の”ジン”ジミー(ジョセフ・トメルティ)に気づかれ、警察には知らされずに、雨の中ではあるが、安全な場所で降ろされる。

貨物船に、ジョニーを乗せようと考えたキャスリーンは、彼の恩師でもあるトム神父(W・G・フェイ)を訪ねて協力を得ようとする。

そこには、ジョニーの居場所を知るシェル(F・J・マッコーミック)という男がいて、報酬を求める彼に神父はジョニーを連れてくるよう説得する。

ジョニーに自首させるつもりの神父だったが、キャスリーンは、いっそ自分の手で彼を殺し、そして自分も死ぬとまで言い切り彼への愛を示す。

雨は止むが雪となり、その場を離れたジョニーはバーに向うが、店主フェンシー(ウィリアム・ハートネル)は彼に気づき、仕方なく閉店まで彼を匿い、その後、追い出そうとする。

一旦、住居に戻ったシェルは、同じ建物に住んでいる画家のルーキー(ロバート・ニュートン)に捉まり、モデルを強要される。

シェルから、ジョニーを見つけたことを知らされたルーキーは、彼をこの場に連れてくるよう命令する。

何とかその場を逃れたシェルは、ジョニーが姿を消したことを知り、バーの前で包帯を見つけて中に入る。

ジョニーが閉じ込められていることに気づいたシェルは、フェンシーに呼ばれて探りを入れられる。

そこにルーキーも現われ、意識を取り戻したジョニーは幻覚を見てしまい叫び声をあげる。

ルーキーは、シェルを見つけて襲い掛かり暴れ始め、シェルはその場から逃げ去る。

フェンシーは、ルーキーに損害を払わせようとして、金のない彼に、ジョニーを馬車に乗せてどこかに連れて行くよう指示する。

住居に戻ったシェルは、その場にいた医学の道を挫折したトーバー(アーウィン・ブルック=ジョーンズ)に、トム神父との一件などを話す。

そこに、ルーキーがジョニーを連れて戻り、トーバーが彼の傷を診て治療を始める。

ルーキーは、ジョニーをモデルにして絵を描き始め、トーバーは、病院に連れて行けば助かると言って治療を続ける。

教会に警部が現われ、トム神父が対応している間に、キャスリーンはその場を立ち去る。

港に向ったキャスリーンは、出航しようとしている船が、あと1時間、12時まで待ってくれることを確認する。

治療を終えたトーバーは、ジョニーを病院に連れて行こうとする。

再び幻覚が見えてしまったジョニーは、シェルからトム神父のことと、キャスリーンが教会にいることを知らされ、その場に向おうとする。

街中に警官がいるため、シェルは広場近くにジョニーを残して神父を連れてこようとする。

教会の外でシェルを見かけたキャスリーンは、彼と共にジョニーがいるという広場に向う。

ジョニーはその場を離れて歩き始め、意識が朦朧とする中、現われたキャスリーンが幻覚か疑う。

キャスリーンに家に帰るよう伝えたジョニーだったが、彼女に導かれて港に向う。

しかし、警官隊が近づき、キャスリーンは逃亡が不可能だと悟り、持っていた拳銃を発砲したためジョニーと共に射殺される。

駆けつけた警部は、発砲されたために射殺したことを部下から知らされる。

その場に現われたトム神父は、二人の死を確認してシェルと共にその場を立ち去る。

ジョニーを乗せるはずだった船は出航し、時計台の針は約束の時間12時を差し、時刻を告げる鐘の音が響く。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

北アイルランド
イギリスからの独立を目的とする地下組織のリーダー、ジョニー・マックィーンは脱獄して、彼に心を寄せるキャスリーンの家に潜伏していた。
ジョニーは、キャスリーンや腹心のデニスの心配を余所に、活動に必要な資金を確保するため、工場を襲い現金を奪う。
計画は難なく成功したかに見えたが、犯行に気づいた社員と揉み合いになったジョニーは銃弾を受け、彼は相手を射殺してしまう。
何とかその場を逃れたジョニーだったが、車から振り落とされてしまい、単独で逃亡する。
それを知ったデニスは、ジョニーを助けるために、自分が囮になろうと非常線が張られた街に向う。
デニスは防空壕でジョニーを見つけ、警官を引きつけて彼を逃がすものの、捕らえられてしまう。
ジョニーを助けようとするキャスリーンは、彼を船で逃がそうと考え、トム神父の協力を得ようとする。
その頃ジョニーは、意識が朦朧とする中、現われる幻覚とも戦いながら、逃亡を続けるのだが・・・。

__________

グレアム・グリーン原作の、「堕ちた偶像」(1948)や「第三の男」(1949)と続く傑作につながる、キャロル・リードの製作も兼ねた作品。

上記2作の前哨と言うには、余りにも完成度の高く好評価の作品で、画面を斜めに映す構図や、幻覚を表現する描写など、斬新なアイデアも注目だ。

難なく済ませる現金強奪から、一気に緊迫感溢れる逃亡劇となるスピード感、鬱陶しい冷たい雨にうたれながらさ迷う中盤や、悲劇を連想させる、降りしきる雪の効果も素晴らしい。

冒頭で映し出される、主人公の信念と力強さの表情は、その後ラストまで封印され続けながら進行し、入れ替わり現われる、逃亡に関る人々に支えられていく展開に引き込まれ、その巧みな脚本と編集は秀逸である

第20回アカデミー賞では、編集賞にノミネートされた。

主人公を熱演するジェームズ・メイソンだが、序盤で傷を負ってしまうために、最後まで悲痛な表情であり、実力派である彼の、違った表現力を見たかったようにも思える。

主人公の逃亡に関る画家ロバート・ニュートン、組織の仲間シリル・キューザックダン・オハーリヒーロバート・ビーティ、主人公を愛する女性で、彼を献身的に支え共に死ぬことを選ぶキャスリーン・ライアン、”ハンサムキャブ”の御者ジョセフ・トメルティ、主人公の恩師でもある老神父W・G・フェイ、彼に主人公の居場所を知らせる男F・J・マッコーミック、主人公を執拗に追う警部デニス・オデア、バーの主人ウィリアム・ハートネル、医学の道を断念した男アーウィン・ブルック=ジョーンズなど、イギリスの個性派、名優が共演している。


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