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ONCE ダブリンの街角で Once (2007)


4.33/5 (33)

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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

音楽により心を通わせた男女のほのかな恋を描く、監督、脚本ジョン・カーニー、主演、音楽グレン・ハンサードマルケタ・イルグロヴァ他共演の恋愛ドラマ。


ドラマ(ロマンス)


スタッフ キャスト
監督:ジョン・カーニー
製作:マルティナ・ニーランド
製作総指揮:デヴィッド・コリンズ
脚本:ジョン・カーニー
撮影:ティム・フレミング
編集:ポール・ミューレン
音楽
グレン・ハンサード
マルケタ・イルグロヴァ
インターフェレンス

出演
男:グレン・ハンサード
女:マルケタ・イルグロヴァ
ティミー(ドラマー):ヒュー・ウォルシュ
ギタリスト:ジェラルド・ヘンドリック
ベーシスト:アラスター・フォーリー
エイモン:ゲオフ・ミノゲ
男の父親:ビル・ホドネット
女の母親:ダヌシュ・クトレストヴァ
ヘロイン中毒者:ダレン・ヒーリー
ビル:マル・ワイト
元恋人:マルチェラ・プランケット
ボブ:ニーアル・クリアリー

アイルランド 映画
配給
フォックス・サーチライト・ピクチャーズ(北米)
ブエナビスタ(アイルランド)
Icon Productions(イギリス)
2007年製作 86分
公開
アイルランド:2007年3月23日
北米:2007年6月15日
日本:2007年11月3日
製作費 €130,000
北米興行収入 9,439,920
世界 $ $20,710,50


アカデミー賞
第80回アカデミー賞

・受賞
歌曲賞”Falling Slowly


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ダブリングラフトン・ストリート
ストリート・ミュージシャンの”男”(グレン・ハンサード)は、近づいてきたジャンキー(ダレン・ヒーリー)を警戒する。

ギターケースに入れられた金を盗っても逃がさないとジャンキーに伝えた男は、小銭を払ってくれたために彼と握手する。

しかし、ジャンキーはギターケースを奪って逃走し、男はそれを追いかける。

公園で追いつかれたジャンキーは諦め、自分は病気であり同じ苦労人だと言って男と抱き合う。

金が欲しければ言えと伝えた男は、5ユーロ欲しがるジャンキーに金を渡す。

母親のことを訊かれた男は死んだと答え、父親はと訊かれても答えずにジャンキーと別れる。

夜まで歌っていた男は、通りで雑誌を売る”女”(マルケタ・イルグロヴァ)から小銭をもらい感謝する。

金額が少ないことで皮肉を言った男は謝罪し、女から雑誌を買うか訊かれて無理だと答える。

女から曲はコピーかと訊かれた男は自分の曲だと答え、なぜ昼間に歌わないのかとも言われる。

昼間は皆が知っている曲を歌わなければ稼げないと答えた男は、誰も聴かない自分の曲は夜歌うと伝える。

自分は聴くと言う女に小銭しかもらえないと伝えた男は、金のために歌っているのかと訊かれる。

働けばいいと言われた男はそうしていると答えて、演奏を続けると伝える。

誰かに書いた曲かと訊かれた男はそれを否定するが、嘘だと気づいた女は恋人はどこにいるのか尋ねる。

別れたと答えた男は愛しているのかと訊かれ、しつこく質問する女を迷惑に思う。

恋人を忘れていればこんな曲はかけないと言う女は、相手に聴かせれば戻ってくると男に伝える。

それを恋人は望んでいないと言われた女は納得し、男の仕事を尋ねる。

掃除機の修理だと答えた男は、壊れているうちの掃除機を直してほしいと言われ、明日、直すことを約束して彼女と別れる。

翌日、出かけてくることを共に掃除機の修理をしている父親(ビル・ホドネット)に伝えた男は、いつものようにグラフトン・ストリートに向かう。

休息しようとした男は、掃除機を持って現れた女に、道具がないのでこの場では直せないと伝える。

ランチの時に掃除機を見るだけでもいいと言われ、女とカフェに向かった男は、音楽に詳しいのか彼女に尋ねる。

チェコ出身の女は、オーケストラのヴァイオリン奏者だった父は関節炎になったために自殺したと話す。

父からピアノを教わったが、今はピアノがないから弾けないと言って、アイルランドでは高くて買えないと男に伝える。

楽器店でお昼に弾かせてくれると言う女は、聴きたい様子の男と共にその場に向かう。

女の演奏を聴いた男は感心して、彼女の演奏で自分の曲”Falling Slowly”を歌う。

その後、女とバスに乗った男は、母親が死んだためにダブリンに戻ったことを話す。

恋人のことを訊かれた男は、ギターを弾きながら彼女のことについて歌って聴かせる。

男と共に去った恋人はロンドンにいるが、追う気はないことを女に伝える。

女を家に連れて行った男は掃除機を修理し、無料でいいと言うものの彼女が納得しない。

父親から4ユーロと言われて代金うを払った女は感謝し、男と共に二階の部屋に向かう。

男の曲を聴いた女はCDにコピーしてほしいと伝え、泊っていかないかと言われる。

気分を害した女はその場を去り、男は後悔する。

翌日、通りで花を売っていた女に声をかけた男は、できあがったCDを渡す。

寂しくて、素敵な女性だと思い失言したことを謝罪する男は、二度と言わないと女に伝える。

プレーヤーはあるかと訊かれた男は、持っていたものを渡す。

二人は歩いて話し、女は豪邸の掃除の仕事をすることになったと男に伝える。

夕方になり女を家に送った男は寄っていくことになり、彼女の部屋に招かれる。

女に幼い娘イヴァンカがいることに驚いた男は、彼女の母親(ダヌシュ・クトレストヴァ)に挨拶する。

夕食を御馳走になった男は、英語が話せない母親からハンサムだと言われて喜ぶ。

イヴァンカの父親のことを女に尋ねた男は、チェコにいると言われる。

現れた隣人の男達を女は歓迎し、この部屋にしかないテレビを彼らが見始めたため、男はその様子を見て不思議に思う。

その後、受け取ったCDを聴く女は、歌詞のない曲のために書いてみるか男に訊かれ、やってみることを伝える。

男を見送った女は作詞を始めるものの、プレーヤーの電池がなくなってしまう。

家に電池がなかったためにイヴァンカの貯金箱から小銭を借りた女は、店に向かう。

電池を買った女は、曲に歌詞をつける。

その後、女は豪邸の掃除の仕事を始め、男は、恋人と過ごした日々を想いながら曲を作る。

グラフトン・ストリート
花を売っていた女に話しかけた男は、ロンドンに行く決心をしたことを伝える。

その前に何曲か録音したいと話す男は、演奏と歌を頼みたいことを伝え、二人はバンドを組むことになる。

二人はスタジオを見に行き、オーナーのボブ(ニーアル・クリアリー)から3000ユーロだと言われた女は交渉して、2000でその場を借りる。

女に感心した男は、スーツを用意してもらい銀行に向かう。

融資課で曲を聴かせた二人は、担当者が音楽好きだったために融資を受けられる。

その後、ストリート・ミュージシャンのギタリスト(ジェラルド・ヘンドリック)、ベーシスト(アラスター・フォーリー)に声をかけた男は、ドラマーのティミー(ヒュー・ウォルシュ)にもスタジオ・レコーディングの話をする。

翌日、父親のバイクを黙って持ち出した男は、女を誘い郊外に向かう。

二人は散歩しながら話し、女が結婚していることを知った男は驚く。

イヴァンカを妊娠したことが分かった2年前に結婚したと言う女は、別居中の夫はチェコにいることを男に伝える。

将来のことは考えられないと言う女は、夫とは性格も年も違うので合わないのは仕方ないが、イヴァンカには父親が必要だと話す。

”夫を愛しているか?”をチェコ語では何と言うのか尋ねた男は、女にその言葉で質問するものの、彼女が答えた意味が分からない。

女はバイクに乗りたがるものの、それを許さなかった男は彼女を家に送る。

翌日、女やティミーらと自分の部屋でリハーサルを始めた男は、スタジオに向かう。

ボブからミキシング担当のエイモン(ゲオフ・ミノゲ)を紹介された男達は、準備する。

乗り気でないエイモンは、電話をしながら男達の様子を見てレコーディングを始める。

男達の演奏を聴いたエイモンは驚き、いい曲だと認める。

レコーディングを続け、女の家族とも親交を深めた男は楽しい時間を過ごす。

早朝まで続いたレコーディングは休息になり、奥の部屋にあった”ボールドウィン”のピアノに気づいた女はそれを弾いてみる。

現れた男から曲を聴きたいと言われた女は、未完成だと言いながら演奏を始めて歌う。

夫に書いた曲を歌い涙して演奏を止めてしまった女は、彼からは嫌いだと言われたと男に伝える。

女を慰める男は彼女をロンドンに誘い、もっと曲を作りイヴァンカと一緒に暮らすことを提案する。

過去と決別するのかと訊かれた男はその通りだと答え、バンドを組んで成功し、アルバムも作り女と演奏する夢を語る。

母も一緒でいいかと訊かれた男は、答えられない。

曲の調整は終わり、カーステレオで聴いてみると言うエイモンは、皆を自分の車に乗せてドライブに出る。

その後、出来上がったCDを受け取った男はエイモンに感謝する。

一枚、女に渡した男は、家に帰ろうとする彼女を朝食に誘うが、イヴァンカの元に戻ると言われる。

ロンドンに行く準備もある男に、昨夜、夫と話して来ると言っていることを伝えた女は、もう一度、頑張ってみる考えだった。

家に誘われた女は、間違いが起きたら困ると男に伝える。

あり得ないと言う男に、それは分からないと伝えた女は、素敵かもしれないと思いながら、後で来るようにと誘う男にそうすると答える。

その後、家で女を待っていた男は、彼女が来ないために諦める。

翌朝、父親にレコーディングした曲を聴かせた男は、間違いなくヒットすると言われる。

選別を渡すので、それで部屋を借りるようにと言われた男は、いつ発つのかと訊かれ、明日だと答える。

一人になる父親を心配する男は、延期してもいいと伝えるものの、行くようにと言われる。

全力で困難に立ち向かい母親を喜ばせるようにと言う父親は、もう一度、曲を聴きたいと伝える。

翌日、恋人に電話をして会うことを約束した男は、女の家に向かうものの、母親から娘は仕事で留守だと言われる。

男は、出発すると言ってほしいと母親に伝える。

手紙を書くことも伝えた男は、母親とイヴァンカに別れを告げる。

楽器店に向かった男は、店員にある相談をする。

駅に向かった男は旅立つ。

その後、男から贈られたピアノが届いたために、女は驚く。

ピアノを弾く女は、チェコから来た夫とイヴァンカと共に新たな生活を始める。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
ダブリン
ストリート・ミュージシャンの”男”は、通りで物を売るチェコ人の”女”に話しかけられ、曲を気に入ってもらう。
しつこく質問する女が、恋人のために書いた曲であることに気づいため、男は、話しているうちに彼女に興味を持つ。
父親と共に掃除機の修理をする男は、女の掃除機の修理を頼まれて家に連れて行く。
女を誘うものの、彼女が気分を害して帰ったため後悔した男は、翌日、彼女に謝罪して家に招かれる。
母親と暮らしている女に幼い娘がいることを知り驚いた男は、音楽が好きな彼女に次第に惹かれていく。
その後、女の別居中の夫がチェコにいることを知った男は、ロンドンに行くことを決心する。
出発前にレコーディングをする考えを女に伝えた男は、彼女の協力でスタジオを借り、メンバーを集めて準備を始める・・・。
__________

アイルランド人監督のジョン・カーニーが脚本を兼ね、人気バンド”ザ・フレイムス”のグレン・ハンサードチェコ人のシンガーソングライター、マルケタ・イルグロヴァが主人公の二人を演じ、共同で音楽も担当した作品。

恋人に去られた思いを曲にするシンガーソングライターと、夫と別居して国を出たチェコ人の女性、音楽により心を通わせた二人の揺れ動く心を切実に描くドラマ。

共にミュージシャンであるグレン・ハンサードマルケタ・イルグロヴァが、将来が見えない主人公を演じ、その出会いにより新しい人生を始めるまでを描く物語であり、”ザ・スウェル・シーズン”として活動している二人の楽曲は、男女のそれぞれの思いが伝わる素晴らしい曲であり、作品と共に絶賛された。

第80回アカデミー賞では、劇中で主人公の二人が楽器店でデュエットする曲でもある”Falling Slowly”が歌曲賞を受賞し、グラミー賞にもノミネートされた。

ヨーロッパ有数の大都市であるダブリンの洗練された雰囲気を感じさせるグラフトン・ストリートのロケなどとは対照的に、貧しい主人公二人の生活感を感じさせる描写などが実にいい。

主演のグレン・ハンサードは、音楽の才能を開花させる雰囲気があるのだが、恋人と別れたことの寂しさで一歩踏み出すことができない青年を好演している。

幼い娘と母親と共に苦しい生活をするチェコ人でありながら、主人公をリードする逞しさも見せる、撮影当時10代だったマルケタ・イルグロヴァの、幸薄い人生を送る女性役も実に自然だ。

レコーディングのために主人公とバンドを組むドラマーのヒュー・ウォルシュ、ギタリストのジェラルド・ヘンドリック、ベーシストのアラスター・フォーリー、ミキシングを担当するゲオフ・ミノゲ、主人公の父親ビル・ホドネット、ヒロインの母親ダヌシュ・クトレストヴァ、冒頭で登場するジャンキーのダレン・ヒーリー、楽器店の主人マル・ワイト、主人公の元恋人マルチェラ・プランケット、スタジオのオーナー、ニーアル・クリアリーなどが共演している。


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