カッコーの巣の上で One Flew Over the Cuckoo’s Nest (1975) 5/5 (18)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

1962年に発表された、ケン・ケシーの小説”One Flew Over the Cuckoo’s Nest”を基に製作された作品。
精神病院を舞台に、厳格な管理と統制の下、患者の人格や尊厳を奪おうとする病院側に反発する一人の男の闘いを描く、監督ミロシュ・フォアマンジャック・ニコルソンルイーズ・フレッチャー共演、アカデミー賞主要部門を独占したドラマ。


ドラマ(ヒューマン)


スタッフ キャスト ■

監督:ミロシュ・フォアマン
製作
ソウル・ゼインツ
マイケル・ダグラス
原作:ケン・ケシー
脚本
ローレンス・ホーベン
ボー・ゴールドマン
撮影
ハスケル・ウェクスラー
編集
リンジー・クリングマン
セルドン・カーン
音楽 ジャック・ニッチェ

出演
ジャック・ニコルソン:ランドル・パトリック・マクマーフィー
ルイーズ・フレッチャー:ミルドレッド・ラチェッド
ウィリアム・レッドフィールド:デイル・ハーディング
ブラッド・ドゥーリフ:ビリー・ビビット
ウィル・サンプソン:チーフ・ブロムデン
クリストファー・ロイド:マックス・テイバー
ダニー・デヴィート:マティーニ
シドニー・ラジック:チャーリー・チェズウィク
ウィリアム・ドゥール:ジム・シーフェルト
ヴィンセント・スキャヴェリ:フレドリクソン
スキャットマン・クローザース:タークル
ミューズ・スモール:キャンディ
ディーン・R・ブルックス:ジョン・スピーヴィー医師
ルイーザ・モリッツ:ローズ

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1975年製作 133分
公開
北米:1975年11月19日
日本:1976年4月3日
製作費 $4,400,000
北米興行収入 $112,000,000


アカデミー賞 ■

第48回アカデミー賞
・受賞
作品・監督
主演男優(ジャック・ニコルソン)
主演女優(ルイーズ・フレッチャー)
脚本賞
・ノミネート
助演男優(ブラッド・ドゥーリフ)
撮影・編集・作曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1963年。
オレゴン州、州立精神病院。
刑務所からランドル・パトリック・マクマーフィー(ジャック・ニコルソン)という男が護送されてくる。

ジョン・スピーヴィー医師(ディーン・R・ブルックス)は、強制労働を逃れるため、精神異常者を装っている可能性のあるマクマーフィーの様子を、しばらく見ることにする。

その後マクマーフィーは、看護師長ミルドレッド・ラチェッド(ルイーズ・フレッチャー)のグループセラピーに参加する。

冷静沈着なラチェッドは、病棟の支配者で、非情な女性だった。

その療法で、デイル・ハーディング(ウィリアム・レッドフィールド)、ビリー・ビビット(ブラッド・ドゥーリフ)、マックス・テイバー(クリストファー・ロイド)、マティーニ(ダニー・デヴィート)、チャーリー・チェズウィク(シドニー・ラジック)、ジム・シーフェルト(ウィリアム・ドゥール)、フレドリクソン(ヴィンセント・スキャヴェリ)らの異常さに、マクマーフィーは改めて驚いてしまう。

リクリエーションの時間、マクマーフィーは、言葉を発しない無表情な患者チーフ・ブロムデン(ウィル・サンプソン)に必死に話しかけ、バスケットを教えようとする。

ラチェッドに、病棟内の何もかも管理されていることに苛立つマクマーフィーは、1週間で彼女を懲らしめて見せると患者達に豪語する。

次のグループセラピーで、マクマーフィーはワールド・シリーズをテレビで見れるようにと提案する。

ラチェッドはそれを退けるが、患者達の投票によって決めることになる。

しかし、賛成したのはチェズウィクとテイバーだけで、何も行動を起こそうとしない無気力な患者達に、マクマーフィーは呆れてしまう。

意地になったマクマーフィーは、水治療室にある大理石製の据付配水装置を持ち上げ、窓を壊して街に出てバーでワールド・シリーズを見ると言って賭けをする。

もがきながら、それを持ち上げようとするマクマーフィーだったが、無理だと分かった彼は、やるだけはやったことを患者達に告げて、その場を立ち去る。

翌日のセラピーで、チェズウィクがワールド・シリーズを見たがり、ラチェッドは再投票を行う。

今度は全員が賛成するものの、ラチェッドは、病棟には他の患者もいて多数票が得られていないと言い張る。

マクマーフィーは、必死に他の患者を説得して、ついにチーフが賛成する。

しかし、時間切れだと言うラチェッドは、それを受け入れず、諦めきれないマクマーフィーは、テレビの前で実況中継を始めてしまい患者達から大喝采を受ける。

その件で、スピーヴィー医師らに取り調べに近い質問を受けたマクマーフィーは、その後、リクリエーション用のバスを奪い、患者達を連れて病院から脱出してしまう。

マクマーフィーは、途中で、女友達のキャンディ(ミューズ・スモール)を誘い、患者達を港に連れて行く。

船に乗り込んだ一行は沖へと向かい、患者達は開放感を味わい、ビリーはキャンディが気に入ってしまう。

その後、患者達は病院に戻り、スピーヴィー医師らは、マクマーフィーを強制労働に戻すことを検討する。

しかしラチェッドは、マクマーフィーを自分の元に残し、治療を続けさせようとする。

感情を表に出さず、他の患者との接触を嫌うチーフだったが、マクマーフィーに促されて皆との交流をはじめ、彼の顔に笑みがこぼれるようになる。

セラピーの席で、患者達が以前と違った態度や様子を見せ始めたことを、ラチェッドは警戒し始める。

そして、ラチェッドの指示を聞き入れようとしない、興奮したチェズウィクと、ズボンの裾にタバコを入れられたテイバーが取り乱し、強引に看護師らに連れて行かれる。

それを見たマクマーフィーは看護師と争いとなり、チーフが彼を助け、彼らは電気ショック療法を受けることになってしまう。

マクマーフィーは、言葉が話せないと思っていたチーフが、自分に心を開き話し始めたことを喜び、二人で、病院から脱出してカナダに向う計画を練り始める。

そしてある晩、マクマーフィーは、女好きの警備員タークル(スキャットマン・クローザース)を買収し、キャンディとローズ(ルイーザ・モリッツ)を病棟に連れ込み、パーティーを始めてしまう。

その後、マクマーフィーは、病院を抜け出そうとするが、キャンディに惹かれていたビリーのために、二人を個室で楽しませることにする。

マクマーフィーは、そのまま夜を明かしてしまい、荒れ果てた病棟内を見たラチェッドは驚いてしまう。

キャンディといるところを、ラチェッドに見られたビリーは、このことを母親に報告すると言われ、動揺して取り乱し拘束される。

窓の鍵を開けて、逃亡しようとしたマクマーフィーだったが、ショックを受けたビリーが自殺してしまう。

マクマーフィーは、ビリーの死にも平然としているラチェッドを見て怒りが爆発し、彼女を締め殺そうとする。

そして、マクマーフィーは拘束され、病棟は元の平穏な日々に戻り、患者達の間では、彼が逃亡したとの噂も流れる。

チーフは、マクマーフィーの安否を気遣うが、やがて彼が病棟に戻ってくる。

しかし、マクマーフィーには脳外科手術が施れ、それを知ったチーフは悲しむ。

その後、植物人間となったマクマーフィーを楽にさせようと、チーフは彼の顔に枕を押しつけ窒息死させる。

やがて夜が明け、大理石の配水装置を抱え上げたチーフは、それで窓を叩き壊し、マクマーフィーが教えてくれた自由に向けて旅立つ。

そして、それを知ったテイバーは歓喜の声を上げる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

州立精神病院に送られた囚人ランドル・パトリック・マクマーフィーは、単に強制労働逃れではないかと疑われながら、様子を見られることになる。
マクマーフィーは異常な患者達に驚き、看護師長ラチェッドの厳しい管理下に従っているだけの彼らに呆れてしまう。
マクマーフィーは、心を閉ざしていた患者チーフとのも交流を始め、次第に患者達の心を掴んでいく。
そして、それを良しとせず、あくまで規則に従った治療を続けようとするラチェッドにマクマーフィーは抵抗し、病院からの脱出計画を決意するのだが・・・。
__________

原作の主人公はチーフであるが、本作ではジャック・ニコルソン演ずるマクマーフィーになっている。

作品は絶賛され、第48回アカデミー賞では、作品、監督、主演男優(ジャック・ニコルソン)、主演女優(ルイーズ・フレッチャー)、脚本賞を受賞した。
・ノミネート
助演男優(ブラッド・ドゥーリフ)
撮影、編集、作曲賞

主要5部門の受賞は、1934年の「或る夜の出来事」以来、41年ぶりの快挙。
その後、俳優に転ずるマイケル・ダグラスが製作に参加し、作品賞を受賞している。

1993年、アメリカ議会図書館が、国立フィル登録簿に登録した作品でもある。

北米のみで約1億1200万ドルを超す興行収入を上げ大ヒットとなった。

チェコスロヴァキア出身の監督ミロシュ・フォアマンは、アメリカに移住して撮った本作で見事アカデミー監督賞を受賞し、1984年に「アマデウス」でも同賞を受賞している。

ミロシュ・フォアマンは、映画化不可能だと言われ完成までに非常に苦労したらしい。
主人公を演ずるジャック・ニコルソン以外は、その後に活躍するダニー・デヴィートクリストファー・ロイドを含め、ビッグネームは起用していない。
しかし、実力派の個性を引き出した人物描写や、精神病棟の異様な雰囲気なども見事に描写されている。

エクソシスト」(1973)などの音楽も担当し、アカデミー賞候補になった、ジャック・ニッチェの独特な主題曲も印象的だ。

既に、毎年のようにアカデミー賞候補であったジャック・ニコルソンは圧倒的な評価を受け、初のアカデミー主演賞を受賞することになる。

ジャック・ニコルソン演ずる主人公が、本当に精神患者だったかはあまり問題ではない。
利己的な彼が、自分の利益だけではなく”異常”な病院側への反抗と、意思を発せられない患者達を統率していく、人間味のある不思議な魅力の持ち主を、彼らしく演じている。

同じくアカデミー主演賞を受賞したルイーズ・フレッチャーの、異常とも思える冷酷な看護師役も素晴しい。

威圧感のある恐ろしい女性を演じた彼女だが、両親が聾唖者ということで、アカデミー賞受賞の際のスピーチでは、手話で両親に感謝を述べ、観客の感動を呼んだことを思い出す。

主人公との出会いで人間性を取り戻す患者のウィル・サンプソン、自殺してしまう青年役ブラッド・ドゥーリフウィリアム・レッドフィールドクリストファー・ロイドダニー・デヴィートウィリアム・ドゥールシドニー・ラジック、そして、ミロシュ・フォアマン作品の常連であるヴィンセント・スキャヴェリ、警備員役スキャットマン・クローザース、愛嬌のある笑みが印象的な主人公の女友達ミューズ・スモールルイーザ・モリッツ、院長ディーン・R・ブルックス等、芸達者な共演陣の演技が見どころだ。


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