普通の人々 Ordinary People (1980) 4/5 (6)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

兄を事故で亡くした少年が、それを自分の責任と考え苦悩しながら生きる姿と家族の関係を描く、監督ロバート・レッドフォード、主演ドナルド・サザーランドメアリー・タイラー・ムーアジャド・ハーシュティモシー・ハットンエリザベス・マクガヴァン他共演のドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:ロバート・レッドフォード
製作:ロナルド・L・シュワリー
原作:ジュディス・ゲストOrdinary People
脚本
アルヴィン・サージェント

ナンシー・ダウド
撮影:ジョン・ベイリー
編集:ジェフ・カニュー
音楽:マーヴィン・ハムリッシュ

出演
カルヴィン・ジャレット:ドナルド・サザーランド

ベス・ジャレット:メアリー・タイラー・ムーア
タイロン・C・バーガー:ジャド・ハーシュ
コンラッド・ジャレット:ティモシー・ハットン
ジェニン・ブラット:エリザベス・マクガヴァン
カレン・オルドリッチ:ダイナ・マノフ
スティルマン:アダム・ボールドウィン
サイラン:M・エメット・ウォルシュ
ジョー・レーゼンビー:フレドリック・レーン
ジョーダン”バック”ジャレット:スコット・ドーブラー

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ

1980年製作 124分
公開
北米:1980年9月19日
日本:1980年3月21日
製作費 $6,000,000
北米興行収入 $54,766,923


アカデミー賞 ■

第53回アカデミー賞
・受賞
作品・監督
助演男優(ティモシー・ハットン)
脚色賞
・ノミネート
主演女優(メアリー・タイラー・ムーア)
助演男優(ジャド・ハーシュ)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

シカゴ
弁護士カルヴィン・ジャレット(ドナルド・サザーランド)は、快活な妻ベス(メアリー・タイラー・ムーア)と高校生の息子コンラッド(ティモシー・ハットン)とで郊外に暮らしていた。

コンラッドは、ヨットの事故で兄ジョーダン”バック”(スコット・ドーブラー)を救えなかったことを自分の責任と考え、時々悪夢にうなされていた。

カルヴィンは、それが原因で自殺未遂を起こし、病院に入っていたコンラッドを気遣い、心の傷を癒すために彼を精神科に通わせようとしていた。

母ベスは、コンラッドと必要以上の会話を求めず余所余所しい態度で接する。

精神科医タイロン・C・バーガー(ジャド・ハーシュ)に会ったコンラッドは、4ヶ月施設にいた理由の自殺未遂について聞かれる。

難題だと判断したバーガーは、週二回来ることをコンラッドに伝え、彼はそれを両親に話す。

コンラッドは放課後、友人のスティルマン(アダム・ボールドウィン)やジョー・レーゼンビー(フレドリック・レーン)らと水泳部の練習をしていた。

コーチのサイラン(M・エメット・ウォルシュ)に、気合が入っていないことを注意されたコンラッドは、病院の治療などを聞かれからかわれる。

そんなコンラッドは、同じ高校のジェニン・ブラット(エリザベス・マクガヴァン)が気になる存在になる。

クリスマスが近づき、ベスはロンドンの休暇旅行を楽しみにしていたが、カルヴィンは、コンラッドのこともあり気が進まない。

コンラッドは、バーガーのセラピーを受けるものの、その場では落ち着きがなく彼に心を開くには至らない。

そんな時コンラッドは、病院で一緒だったカレン・オルドリッチ(ダイナ・マノフ)と再会し、彼女に病院が懐かしいことを話し、励まされて別れる。

ある日、ベスは久し振りにコンラッドとコミュニケーションをとってみる気になるが、亡くなった長男の話になり会話が途切れ再び気まずくなってしまう。

コンラッドは水泳部を退部し、その理由を友人達にも伝えず孤立してしまう。

何かを隠し、感情を意図的に抑えようとするコンラッドを、挑発まがいの言動でバーガーは接する。

同じ合唱隊のジェニンといると気が晴れるコンラッドは、久し振りに開放的な気分になり彼女をデートに誘う。

ベスは、コンラッドが水泳をやめたことを知り、それが自分への面当てだと憤慨するが、彼はそれは逆だと言い返し口論となる。

病院に面会にも来なかったベスに、コンラッドは兄を特別扱いしていたと避難し、部屋に閉じ篭ってしまう。

様子を見に来たカルヴィンに、コンラッドは母親が自分を嫌っていることを伝え独りになろうとする。

バーガーは、コンラッドとその件について語り合い、母親が息子を嫌う理由を探ろうとするが、焦ろうとはしない。

母子の間で苦しむカルヴィンは悩みバーガーに会い、家族のことを話すつもりが、結局は自分の相談を聞いてもらうことになる。

帰宅したカルヴィンは、長男バックの葬儀の日、自分を失っていたにも拘らず、冷静でいられたベスのことが気になっていたことを動揺しながら話す。

ベスに、バーガーのセラピーを受け家族で話し合うことを提案したカルヴィンだったが、彼女はそれを拒絶し、二人だけで休暇を楽しむことを望む。

ジェニンとデートしたコンラッドは、自殺未遂のことを聞かれ動揺してしまう。

数日後、水泳の試合を見に行ったコンラッドは、ジェニンのことなどでスティルマンに嫌味を言われ、彼と殴り合いになってしまう。

止めに入ったジョーはコンラッドを気遣うが、彼はそれも拒絶してしまう。

その後コンラッドは、カレンが自殺したことを知りショックを受け、その瞬間、ヨットの事故で兄を救えなかったことが脳裏を過ぎりながら取り乱し、バーガーに会い助けを求める。

自分のミスで兄を救えなかったことを悔いるコンラッドに、いつまで自分を責めるのかとバーガーは問質す。

取り乱す原因となったカレンの自殺も、助けられたと自分の責任にするコンラッドに、バーガーは、感情は辛さを伴うと言って友人として語りかけ、彼の気持ちを落ち着かせようとする。

それを聞き安心したコンラッドは、バーガーに心を開き彼を抱きしめる。

翌朝、ジェニンに会いに行ったコンラッドは、彼女の気持ちを確かめ朝食に誘われる。

コンラッドを残し、クリスマスをヒューストンの兄の元で過ごしていたカルヴィンとベスだったが、コンラッドのことで口論になってしまう。

自宅に戻ったベスは、帰宅を歓迎し抱き寄るコンラッドの行為に戸惑ってしまい、その様子を見たカルヴィンは、彼女が亡くなった長男だけを愛していたことを悟り愕然とする。

カルヴィンは、妻のことが理解できないで生きる人生を空しく思うことを彼女に語る。

言葉を返せずその場を立ち去ったベスは、荷造りをして家を出る。

それに気づいたコンラッドは、庭にたたずむカルヴィンに自分が原因かと問質す。

カルヴィンは憤慨し自分を責めなとコンラッドを叱り、そんな父に息子は尊敬し愛していることを伝える。

それを聞いたカルヴィンは、コンラッドに自分も愛していることを告げ、二人は固く抱き合う。


解説 評価 感想 ■

1976年に発表された、ジュディス・ゲストの小説”Ordinary People”を基に製作された作品。

*(簡略ストー リー)

大スター、ロバート・レッドフォードが、心に傷を持つ少年と、その家族が崩壊していく様を繊細に描いた初監督作品。

作品は絶賛され、第53回アカデミー賞では、作品、監督、助演男優(ティモシー・ハットン)、脚色賞を受賞した。
・ノミネート
主演女優(メアリー・タイラー・ムーア)
助演男優(ジャド・ハーシュ)

ロバート・レッドフォードは、演技賞にはノミネートされていたのの、初監督作品で監督賞を受賞するという快挙を成し遂げ、その才能を高く評価された。

家族やその愛の崩壊を、社会問題として根底のテーマで描いているが、それは言い尽くされたことと考えて、アメリカ映画に、派手な作品イメージしない方は、違う視点で本作などをじっくりご覧になることをお勧めします。

これぞアメリカ映画の底力と感じるような作品であり、登場人物各人の心理描写や感情表現の素晴らしさは際立ち、当然のごとく、映画を芸術文化と考える、プロの仕事振りを堪能できる作品でもある。

マーヴィン・ハムリッシュの美しい主題曲も印象に残り、その後、スタンダード・ナンバーとしてよく聴かれる曲となった。

主人公の家族、平凡な家庭に見える食卓に、真の”幸せ”が感じらないショットは、以後、同じような環境の家庭を映し出すのによく使われる構図となり、公開当時、斬新な感じを受けたことを思い出す。

現在でも活躍を続ける意気の長いスター、息子に気を使い過ぎた末に、夫婦の愛を失う夫役のドナルド・サザーランドと、実力派女優メアリー・タイラー・ムーアの、中盤からクライマックスにかけての夫婦間の問題を演ずる、二人の演技のぶつかり合いは見ものだ。

物語の中心人物であり、主演と言っていいほどの存在感で熱演する、史上最年少オスカー受賞者(20歳227日)となったティモシー・ハットン、彼を冷静に見守る精神科医のジャド・ハーシュ、コンラッド(T・ハットン)の心の拠り所となり交流を深めるエリザベス・マクガヴァン、コンラッドの病院の友人ダイナ・マノフ、高校の友人アダム・ボールドウィンフレドリック・レーン、水泳部のコーチのM・エメット・ウォルシュ、主人公家族の長男スコット・ドーブラーなどが共演している。

公開から1年以上経った頃、ヨーロッパに向かった機内上映作品が本作で、映写機材の故障で鑑賞できず、非常に残念に思った記憶がある。


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