パピヨン Papillon (1973) 4.86/5 (37)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

無実の罪で殺人罪を科せられた、アンリ・シャリエール自身の体験を基に1969年に発表された同名小説の映画化。
監督フランクリン・J・シャフナースティーブ・マックイーンダスティン・ホフマン、2大スター共演の超大作。


ドラマ

スティーヴ・マックイーン / Steve McQueen 作品一覧


スタッフ キャスト ■

監督:フランクリン・J・シャフナー
製作
ロベール・ドルフマン
フランクリン・J・シャフナー
製作総指揮:テッド・リッチモン
原作:アンリ・シャリエール
脚本
ダルトン・トランボ
ロレンツォ・センプル・ジュニア
撮影:フレッド・J・コーネカンプ
編集:ロバート・スウィンク
音楽:ジェリー・ゴールドスミス

出演
スティーブ・マックイーンアンリ”パピヨン”シャリエール
ダスティン・ホフマンルイ・デガ
ヴィクター・ジョリー:先住民酋長
ドン・ゴードン:ジュロ
ウッドロー・パーフリー:クルジオ
アンソニー・ザーブ:部族長トゥーサン
ロバート・デマンアンドレ・マチュレット
ビル・マミー:ラリオット
ジョージ・クールリス:カタル医師
ラトナ・アッサン:ゾライマ
ウィリアム・スミザーズ:バロット刑務所長
ジョン・クエイド:刺青の男

アメリカ/フランス 映画
配給
アライド・アーティスト・ピクチャーズ・コーポレーション(北米)
コロンビア・ピクチャーズ(世界)
1973年製作 150分
公開
北米:1973年12月16日
日本:1974年3月23日
制作費 $12,000,000
北米興行収入 $53,267,000


アカデミー賞 ■

第46回アカデミー賞
・ノミネート
作曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

フランスから見放された囚人達が、南米フランスギアナに移送されようとしていた。

その中に、胸に蝶の刺青をしていることから、”パピヨン”と呼ばれる囚人アンリ・シャリエール(スティーブ・マックイーン)がいた。

金庫破りだったパピヨンは、無実の罪で殺人罪を科せられ、国外追放の終身刑としてギアナ送られることになった。

ギアナへの船旅の途中、パピヨンは、国防債券偽造の罪で逮捕された、ルイ・デガ(ダスティン・ホフマン)の存在を知る。

パピヨンは、脱走の資金を確保するため、デガの持っている金を狙う囚人から、彼を守る用心棒になる。

脱走する資金を出すことを条件に、デガを守ることになったパピヨンは、デガの金を奪おうとした囚人を痛めつけ、その罰で手足を鎖につながれて拘束されてしまう。

囚人達を乗せた輸送船はギアナに到着し、パピヨンは、二度目の刑で事情に詳しいジュロ(ドン・ゴードン)から情報を入手し、彼が傷を負い病院行きになる手助けをする。

囚人らは徒歩でサン・ローラン刑務所に向かい、パピヨンデガは、監獄の監督官を買収して軽作業に就こうとする。

その後、囚人は、見せしめで囚人のギロチン刑を見せられ、パピヨンデガは看守の買収に失敗し、密林の強制労働キャンプに送られてしまう。

脱獄のチャンスを窺っていたパピヨンは、キャンプで知り合ったクルジオ(ウッドロー・パーフリー)からの情報で、蝶の仲買人に金を払い船の手配をする。

フランスから一緒だった、ジュロの死体を見て動揺したデガが、看守に殴り倒され、パピヨンは、それを制止しようとした弾みで、看守に危害を加えて逃亡してしまう。

パピヨンは、密林の奥で、買収した蝶の仲買人と落ち合うが、裏切られ捕らえられてしまい、2年間、サン・ジョセフ島送りとなる。

その島では、劣悪な環境にまともな食事も与えられず、囚人達は次々に死んでいく。

パピヨンは、デガの差し入れるヤシの実と、運動で体力を維持していた。

しかし、食料の差し入れがばれて、パピヨンはバロット刑務所長(ウィリアム・スミザーズ)に、犯人を教えるよう強要されるが、決してデガの名前は出さなかった。

光を遮断され、食事も半分にされたパピヨンは、蛾やムカデまでもスープに入れて食べる。

精神的に極限に達しかけたパピヨンだったが、2年の刑期を終え、サン・ローランに戻る。

パピヨンを出迎えたデガは、自分の名前を出さずに生き延びた彼に感謝して涙する。

デガの配慮で、快適な病棟生活を送ったパピヨンは、体力を回復する。

そんなパピヨンは、デガが出獄の努力をしているにも拘わらず、再び脱獄することを考え始める。

パピヨンは、その話に乗ったグルジオの情報で船の手配をして、同性愛者の殺人犯アンドレ・マチュレット(ロバート・デマン)の協力を得て脱獄を企てる。

パピヨンは、デガを同行させようとするが、事務職に移り、妻が出獄させてくれることを信ずる彼はそれを断る。

計画は実行され、見つかったグルジオが叩きのめされたのを見たデガは看守に襲い掛かり、仕方なく自分も逃げることになってしまう。

しかし、デガは足を骨折してしまい、用意されていた船は壊れていた。

マチュレットデガの足に応急処置を施し、パピヨンは、密林で会った顔面に刺青をした男(ジョン・クエイド)の協力で、筏を作りその場を脱出する。

その後に出会った、奇病を持つ部族長トゥーサン(アンソニー・ザーブ)に気に入られたパピヨンは、ボートと金を譲り受けて、ホンジュラスの海岸にたどり着く。

しかし、三人は警備隊と遭遇し、デガマチュレットは捕まり、パピヨンはそれを逃れる。

パピヨンは、警備隊に追われて川に落下し、先住民に命を救われる。

部族の娘ゾライマ(ラトナ・アッサン)と愛し合い、平穏な日々を過ごしたパピヨンは、酋長(ヴィクター・ジョリー)の胸に自分と同じ蝶の刺青を彫る。

しかし、パピヨンに真珠の粒を残し、部族は忽然と姿を消してしまう。

部落を出たパピヨンは、民間人に扮して逃亡を続け修道院に身を寄せる。

だが、院長の通報でパピヨンは捕えられてしまい、再び5年間サン・ジョセフ島の独房生活を強いられる。

白髪になったパピヨンと、先に捕らえられていたマチュレットは独房から出されるが、衰弱したマチュレットは、息絶えてしまう。

その後、パピヨン悪魔島に送られ、周囲が断崖で、サメが待ちかまえる海に囲まれたその場は、脱出困難の孤島だった。

デガもこの島に送られて帰国の夢もなくし、手錠も監獄もない島で平穏な余生を送っていた。

しかし、パピヨンは、あくまで脱出に執念を燃やし、それが可能であれば、デガも同行することになる。

パピヨンは、ヤシの実で浮袋を作り、岸壁からそれを落としてみるが、浮袋は沖に流れていくことはなかった。

尚も観察を続けたパピヨンは、潮の流れを読み、波の動きとタイミングを掴む。

そしてパピヨンは、七つ目の波に乗れば沖に出られることに気づき、それを実行に移そうとする。

準備は整うが、直前にデガは諦めて、パピヨンに別れ告げる。

ヤシの実を詰めた袋を、七つ目の波に落としたパピヨンは、海に身を投げて袋にしがみつき沖へと流されて行く。

デガは、友をいつまでも見つめて涙するのだった。
__________

そして、パピヨンは脱出に成功し、自由の身として余生を過ごした。


解説 評価 感想 ■

1969年に発表された、アンリ・シャリエール自身の体験を基にした同名小説の映画化。

アンリ・シャリエールは、本作の公開を待たずに同年の7月に他界した。

北米公開:1973年12月16日

原作は17ヶ国語に翻訳され、1000万部を超える大ベストセラーとなった。

*(簡略ストー リー)

金庫破りではあったが、無実(殺人)の罪でフランスギアナに流刑になったアンリ”パピヨン”シャリエールは、脱獄資金を得るために、囚人のルイ・デガの用心棒になる。
その後パピヨンは、不意に起きた事件で逃亡してしまい、捕らえられた後に独房に入れられる。
パピヨンは、手を回して食料を差し入れたデガの身を案じて、口を割らずに、廃人寸前になりながら刑期を終え独房を出る。
体力を回復したパピヨンは、デガらと共に再び脱獄を試みるが、結局は捕らえられてしまう。
独房から、最終的には脱出不可能な悪魔島に送られたパピヨンは、尚も脱出に執念を燃やす。
その島に送られていたデガは、脱出を諦めるのだが、パピヨンは彼に別れを告げ、自由を求めて海に身を投げる・・・。
__________

当時の、ハリウッドのトップにして、ドル箱スターN.o1のスティーブ・マックイーンと、若手の有望格ダスティン・ホフマンという豪華な顔合わせ、日本円で約40億円という、当時としては破格の製作費が話題を呼んだ、一人の男の執念と友情を描いた超大作。

第46回アカデミー賞では、哀愁漂う主題曲が心に残るジェリー・ゴールドスミスが作曲賞にノミネートされた。

当時、どうして作曲賞しかノミネートされなかったかが話題になったが、フランス資本が入っていたからなどという、現在では通用しない意味不明な理由が子供心に気になりもした。

尚、ゴールデングローブ賞の主演男優賞には、スティーブ・マックイーンがノミネートされている。

監督のフランクリン・J・シャフナー、撮影のフレッド・J・コーネカンプ、音楽のジェリー・ゴールドスミスの三人は、3年前のアカデミー作品賞受賞作「パットン」(1970)でも組んでいる。

フランクリン・J・シャフナーの、軽快でありながら、スケールの大きなドラマ展開、二人の主人公の名演を引き出す、リアルな描写と演出は見事だ。

1930年代の雰囲気、衣装や刑務所のセットも素晴しい。

前年の「ゲッタウェイ」(1972)、翌年の「タワーリング・インフェルノ」(1974)と、立て続けに話題作が続く、正に絶頂期の主演スティーブ・マックイーンの、鬼気迫る迫真の演技には圧倒される。
実に味のある、いい顔立ちをしている。

独房監禁シーンや、悪魔島での老いたメイクでの演技などは、アカデミー賞候補に匹敵する名演であった。

演ずる役のタイプが違うが、気弱で神経質な囚人ルイ・デガダスティン・ホフマンの演技が、どっしり構えるマックイーンとは対照的であり、また実に興味深い。

共演者では、マックイーンの作品に数多く登場するドン・ゴードンと、ウッドロー・パーフリーの好演が印象に残る。

パピヨンを助け、同じ刺青を胸に彫らせる先住民の酋長ヴィクター・ジョリー、同じく逃亡を助ける部族長トゥーサンアンソニー・ザーブ、共に脱獄する同性愛者アンドレ・マチュレットロバート・デマン、刑務所長役のウィリアム・スミザーズ、そして、逃亡に協力する顔面刺青の男ジョン・クエイドなどが共演している。

また、ギアナに送られるデガ(D・ホフマン)を見送りに来る女性は、アンリ・ シャリエールの実際の妻である。

本作に、ギロチンで囚人が処刑されるシーンがあるが、当時はこれが結構リアルに感じられて、劇場で観客が失神し、救急車で運ばれるという騒ぎもあった。

これは語らなくてはいけないだろうが、ラストで、マックイーン悪魔島からヤシの実の袋に乗り脱出するシーンがあるが、海の中で袋を支えるダイバーが見えてしまう。
今のような技術がなかったとはいえ、フィルムを加工出来なかったものかと疑問も残る。
全体的には、素晴しい出来栄えの作品であり、個人的には、あまり野暮なことは言いたくもないが・・・。


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