【レビューを書く】 

ピクニック Picnic (1955)


3.89/5 (35)

■ 作品情報へ ■
スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

劇作家ウィリアム・インジによる1953年に初演されてロングランを記録した、ブロードウェイ同名舞台劇の映画化。
田舎町に現れた無一文の青年が、平凡な日々を過ごしていた人々に変化を与え注目を浴びるが、親友の恋人である美しい女性に惹かれたことで思い悩む姿を描く、監督ジョシュア・ローガン、主演ウィリアム・ホールデンキム・ノヴァクスーザン・ストラスバーグロザリンド・ラッセルアーサー・オコンネルクリフ・ロバートソン他共演のラブ・ロマンス。


ドラマ(ロマンス)


スタッフ キャスト ■
監督:ジョシュア・ローガン
製作:フレッド・コールマー
原作:ウィリアム・インジ
脚本:ダニエル・タラダッシュ
撮影:ジェームズ・ウォン・ハウ
編集
ウィリアム・A・ライオン

チャールズ・ネルソン
美術・装置
ウィリアム・フラナリー

ジョー・ミルツィナー
ロバート・プリストリー
作曲:ジョージ・ダニング

出演
ウィリアム・ホールデン:ハル・カーター
キム・ノヴァク:マッジ・オーウェンス
スーザン・ストラスバーグ:ミリー・オーウェンス
ロザリンド・ラッセル:ローズマリー・シドニー
アーサー・オコンネル:ハワード・ベヴァンス
ベティ・フィールド:フロー・オーウェンス
クリフ・ロバートソン:アラン・ベンソン
ヴェルナ・フェルトン:ヘレン・ポッツ
ニック・アダムス:ボンバー
レイモンド・ベイリー:ベンソン
エリザベス・ウィルソン:クリスティン・スコンウォルダー

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1955年製作 112分
公開
北米:1955年11月
日本:1956年3月14日


アカデミー賞 ■
第28回アカデミー賞
・受賞
編集・美術賞
・ノミネート
作品・監督
助演男優(アーサー・オコンネル)
作曲賞(ドラマ・コメディ)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1955年9月5日、レイバーデー
無一文の青年ハル・カーター(ウィリアム・ホールデン)は、カンザス州のある町に貨物車に乗りたどり着く。

ハルは、ポッツ夫人(ヴェルナ・フェルトン)の家の庭先を掃除して、食事を恵んでもらおうとする。

ポッツ夫人は、今日がレイバーデーだということをハルに知らせ、家に招き入れ食事を与える。

朝食を済ませ、早速ポッツ家の掃除を始めようとしたハルは、汚れているシャツを洗濯してくれるというポッツ夫人にそれを渡し、上半身裸で仕事を始める。

ハルは、大学の同窓生で、地元の実業家の息子アラン・ベンソン(クリフ・ロバートソン)を訪ねて、この町にやって来たのだった。

ポッツ家の隣人オーウェンス家は、母フロー(ベティ・フィールド)、美しい長女マッジ(キム・ノヴァク)、男の子のような次女ミリー(スーザン・ストラスバーグ)、そして、下宿人の中年女性教師ローズマリー・シドニー(ロザリンド・ラッセル)の4人暮らしだった。

ローズマリーとミリーは、半裸で作業をするハルが気になっていた。

マッジをしつこくデートに誘うボンバー(ニック・アダムス)を追い払ったハルは、彼女とミリーに声をかける。

一目でハルに惹かれたマッジだったが、母フローは彼警戒する。

ハルはアランを訪ね、職を転々として、ハリウッドで俳優になる夢も挫折したことなどを話す。

マッジはアランと交際をしていて、母ベティは娘が玉の輿にのることを願っていた。

しかし、美人だということで、周囲からちやほやされることに嫌気がさしていたマッジは、アランとの親密な交際を強要されることにもうんざりしていた。

さらに、学業は優秀だが、女気のない妹ミリーを贔屓する母親に、マッジは反発してしまう。

そんなマッジに母フローは、家出してしまった父の愛情を受けられなかったミリーに、埋め合わせをしているのだと言い聞かせる。

アランの父ベンソン(レイモンド・ベイリー)は、巨大な穀物貯蔵施設を運営していた。

ハルは、アランに貯蔵庫に連れて行かれ、その巨大な施設に驚き、そこで働きたい意向をアランに伝える。

若者が集まる池で、アランと泳ぐことになったハルは、女性の注目の的になる。

アランにピクニックに誘われたハルは、ミリーをエスコートすることになり、男性との付き合いを知らない彼女は戸惑ってしまう。

その後、ハルとアランは、ピクニックに行くためオーウェンス家の女性を迎えに行き、町の雑貨店主ハワード・ベヴァンス(アーサー・オコンネル)は、ローズマリーを誘う。

アランの車に乗り合わせたフローは、大学のフットボールの奨学生だったハルが、勉強嫌いで中退したという話を聞かされる。

”リバーサイド・パーク”のピクニック会場に着いた一行は、人々とリクリエーションなどをして楽しむ。

横柄で楽天家のハルの言動に、アランは歯止めをかけようとする。

そして、ハルとマッジが顔を見合わせた瞬間、母フロー他、周囲の人々は、ただならぬ2人の雰囲気を感じてしまう。

ハルはそれを察し、すかさず気をそらし、やがて日が暮れていく。

そして夜になり、”ニーウォーラー(ハロウィン)の女王”にマッジが選ばれ、その美しさにハルは魅了されてしまう。

禁酒の州であるカンザスだったが、ハワードが隠し持っていたウィスキーで、ほろ酔い気分になったローズマリーが、ミリーとダンスを始める。

仕方なくハワードはハルと踊り始めるが、それを見たローズマリーが彼ハワードを奪い返す。

ハルはミリーと踊ろうとするが、彼女は男性とのダンスの経験がなく動揺する。

ちぐはぐなステップを繰り返す二人の前にマッジが現れ、彼女は無言でハルをダンスに誘う。

間違いなく求め合っている2人のダンスを、フローやミリーは困惑しながら見つめる。

酔っているローズマリーは、ハワードの制止を振り切り、ハルとマッジの邪魔をしてしまう。

聞きたくもない、ローズマリーの恋愛話を聞かされたハルは、彼女を迷惑そうに振り払おうとした瞬間、彼のシャツが破れてしまう。

マッジのせいで気分を害し、雰囲気が壊れたたミリーは動転して、ローズマリーは嫌われたことに憤慨しハルを罵倒する。

人々が注目する中、アランは、ハルがマッジに手を出し騒ぎを起こしたと思い込み、彼に怒りをぶちまける。

ハワードは、自分が持ち込んだ酒のせいだと謝罪してその場を立ち去り、ローズマリーも自分のしたことを後悔する。

打ちひしがれたハルを追ったマッジは、覚悟の上で彼の車に乗りハルと行動を共にする。

ハルはマッジに別れを告げて町を離れようとするが、彼女はハルを慰め引き止めようとする。

恵まれない家庭環境などを打ち明けたハルに、マッジも、自分を生身の人間として見てほしいことを伝えてキスをする。

ハワードに送られたローズマリーは、彼に結婚してほしいことを伝えるが、ハワードはそれを受け入れられずに立ち去る。

マッジの気持ちを受け止めたハルは、彼女を自宅に送り届ける。

アランに車を返したハルだったが、マッジを奪われた腹いせに、アランはハルを車泥棒だと言って警察に突き出す。

ハルは自分の潔白を訴えるが、それを聞き入れないアランは彼に襲い掛かる。

アランと警官を振り払い、ハルは車を奪って逃亡する。

ローズマリーとの結婚生活を検討していたハワードの元に、ハルが現れて一夜を過ごす。

翌朝、ハワードは、ローズマリーを迎えにオーウェンス家を訪れ、マッジに、ハルが一緒だということを伝える。

結婚に半信半疑のハワードだったが、周囲の祝福を受けミズーリ州のオザーク高原に、ローズマリーを連れて新婚旅行に向かう。

マッジと顔を合わせたハルは、オクラホマ州のタルサに向かうことを彼女に告げる。

それに気づいたミリーとフロー、そしてポッツ夫人の前で、ハルはマッジに求婚する。

それに即答できないマッジを残し、ハルは貨物列車に乗り町を去っていく。

当然2人の恋愛に反対する母フローだったが、何も変わらない日々の生活に、ハルが変化をもたらしたと、ポッツ夫人は彼を擁護する。

ミリーは、ハルを想うマッジの気持ちを察し、彼を追うよう姉に助言をする。

母フローに、タルサに向かう決心をしたことを伝えたマッジだったが、母は娘を何とか引き止めようとする。

そして、マッジはポッツ夫人に別れを告げ、母を振り切り、ミリーに笑顔を見せてバスに乗る。


解説 評価 感想 ■

ウィリアム・インジ同名舞台劇は、ピューリッツァー賞ニューヨーク批評家賞を受賞している。

*(簡略ストー リー)
1955年9月5日、レイバーデー
無一文の青年ハル・カーターは、大学の親友アランを頼ってカンザスの田舎町を訪れる。
ハルは、ポッツ夫人の家の庭先を掃除して食事を恵んでもらう。
ポッツ家の隣人オーウェンス家には、母フローと二人の娘マッジとミリー、そして下宿人の中年女性教師ローズマリーが住んでいた。
半裸で作業をするハルに、女達は注目し、言葉を交わし、マッジは彼に惹かれてしまう。
マッジはアランと交際していたのだが、玉の輿を狙う母にそれを強要されていることや、美人だということで、周囲にちやほやされることにも嫌気がさしていた。
アランを訪ねたハルは、その後、町の女性達の注目を集め、ピクニックに誘われ、彼はミリーをエスコートすることになる。
そんなハルが、会場でマッジと顔を合わせた瞬間、周囲はただならぬ雰囲気を感じる・・・。
__________

舞台と同じであるジョシュア・ローガンの演出、オリジナル・キャストとして、人は良いが優柔不断な商人アーサー・オコンネルが同じ役を演じ、舞台のアラン役は、映画デビュー前のポール・ニューマンが演じている。

第28回アカデミー賞では、作品賞以下6部門にノミネートされ、編集と美術賞を受賞した。
・ノミネート
作品、監督
助演男優(アーサー・オコンネル)
作曲賞(ドラマ・コメディ)

ドラマは、浮浪者寸前の青年と若く美しい女性のロマンスを中心に描かれているのだが、ストーリーは田舎町の素朴な生活を、ユーモアもまじえながら情感豊かに展開する。
ジョシュア・ローガンは、多彩な登場人物の心理を繊細に描き、人間ドラマとしても見応えある作品に仕上げている。

冷静に考えると、主人公2人の将来を心配する、マッジ(K・ノヴァク)の母親の言葉が最も現実的であり、誰の目から見ても、青年と女性の生活が幸せにつながるとは思えない。
しかし、新たな人生に踏み出すことで、人間として成長していくだろうということを予測させるラストは、主人公達の夢や希望が満ち溢れ、清々しい幕切れとなっている。

また、夏の終わりと、新学期を翌日に控える、住民達のピクニックの様子が実に楽しく描かれ、物語のキーポイントとなる、川辺での主人公2人の優美なダンスと、突然巻き起こるトラブル、そのドラマチックな展開と緊迫感も忘れ難いシーンだ。

そのダンスの背景で流れる、主題曲”ムーングロウ”も当時大ヒットした。

コミカルな演技もまじえながら、男臭さもにじませる、全盛期のウィリアム・ホールデンの魅力と、前年映画デビューしたばかりとは思えない、物憂気な女性を見事に演じたキム・ノヴァクの美しさは際立ち、彼女の人気を決定的にした作品でもある。

主人公にピクニックに誘われるあたりから、徐々に女心に目覚めていくヒロインの妹役スーザン・ストラスバーグ、悪酔いして騒動を起こす中年女性ロザリンド・ラッセル、彼女と交際を続け、成り行きで結婚することになるアーサー・オコンネル、娘を良家に嫁がせることに執着する母親ベティ・フィールド、実業家の御曹司クリフ・ロバートソン、思慮深い老婦人ヴェルナ・フェルトン、新聞配達少年ニック・アダムスなどが共演している。


スポンサードリンク
ウェブ・ムービー・シアター

ウェブ・ムービー・シアター

* 【レビュー】作品についての感想・評価をお書き下さい。