プレイス・イン・ザ・ハート Places in the Heart (1984) 4.77/5 (31)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

長らく続く大恐慌が原因で貧困から自力で抜け出せない人々、アメリカ南部の根強い差別、家族や家を守るために必死に生きようとする逞しさや心の触れ合いなど、1930年代のアメリカの世情を描く、監督、脚本ロバート・ベントン、主演サリー・フィールドリンゼイ・クローズエド・ハリスダニー・グローヴァージョン・マルコヴィッチ他共演によるヒューマン・ドラマの秀作。


ドラマ(ヒューマン)


スタッフ キャスト ■

監督:ロバート・ベントン
製作:アーレン・ドノヴァン
製作総指揮:マイケル・ハウスマン
脚本:ロバート・ベントン
撮影:ネストール・アルメンドロス

編集:キャロル・リトルトン
衣装デザイン:アン・ロス
音楽:ジョン・カンダー

出演
サリー・フィールド:エドナ・スポルディング
リンゼイ・クローズ:マーガレット・ロマックス
エド・ハリス:ウェイン・ロマックス
ダニー・グローヴァー:モーゼス
ジョン・マルコヴィッチ:ウィル
エイミー・マディガン:ヴィオラ・カーシー
レイン・スミス:アルバート・デンビー
ヤンクトン・ハッテン:フランク・スポルディング
ジェニー・ジャイムズ:ポッサム・スポルディング
レイ・ベイカー:ロイス・スポルディング
テリー・オクィン:バディー・カーシー

アメリカ 映画
配給 トライスター・ピクチャーズ
1984年製作 111分
公開
北米:1984年9月21日
日本:1985年3月9日
北米興行収入 $34,901,614


アカデミー賞 ■

第57回アカデミー賞
・受賞
主演女優(サリー・フィールド)
脚本賞
・ノミネート
作品・監督
助演男優(ジョン・マルコヴィッチ)
助演女優(リンゼイ・クローズ)
衣装デザイン賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1935年、テキサスワクサハチ
エドナ・スポルディング(サリー・フィールド)の夫で、保安官のロイス(レイ・ベイカー)は食事中に呼び出され、少年が発砲した銃弾を受けて急死してしまう。

夫の突然の死に、二人の幼い子供フランク(ヤンクトン・ハッテン)とポッサム(ジェニー・ジャイムズ)を抱え、絶望してしまうエドナだった。

エドナの姉マーガレット・ロマックス(リンゼイ・クローズ)は、そんなエドナの心の支えになる。

マーガレットの夫ウェイン(エド・ハリス)は、町の小学校教師ヴィオラ・カーシー(エイミー・マディガン)と、人目を盗んで密会を繰り返していた。

専業主婦だったエドナは、今後のことを思うと不安が募り、マーガレットに苦しい胸の内を伝える。

葬儀も終わり、その片付けをするエドナとマーガレットの元に、仕事を探していた浮浪者モーゼス(ダニー・グローヴァー)が現れる。

エドナはモーゼスに食べ物だけを与えるが、彼は翌朝、雑用をして感謝の気持ちを伝える。

さらにモーゼスは、綿栽培をすることをエドナに勧め、それを断られると銀器を盗み立ち去る。

数日後、銀行のアルバート・デンビー(レイン・スミス)がエドナを訪ね、土地購入の際の借金返済を彼女に迫り、家の売却を提案する。

家事と子育てしかしたことのないエドナは、マーガレットの美容院で働かせともらおうとするが、彼女にも人を雇えるほどの余裕はなかった。

その夜、モーゼスが捕まり連れて来られるが、エドナは、彼を使用人だと言い雇い入れる。

エドナは、モーゼスの言葉を信じ、綿栽培を始める決心をして、彼を物置に住まわせる。

銀行の提案を再び拒否したエドナは、綿栽培のための種を買い、モーゼスとその準備を始める。

そんなある日、銀行のデンビーは、眼の不自由な義弟ウィル(ジョン・マルコヴィッチ)を下宿させることで、家計の足しになり、銀行家らの信用も得られるという立前で、エドナに彼を押し付ける。

厄介払いされたウィルは、自分に対しての哀れみや干渉をしないようにエドナに伝え、心を閉ざしてしまう。

ダンス・パーティーの夜、昼間、ウェインと愛し合ったことをマーガレットから聞いたヴィオラは、彼に別れ話を切り出す。

その頃、フランクとポッサムが、レコードをいじったことで激怒したウィルは、エドナに激しく言い寄る。

しかしウィルは、エドナが入浴中だと知って驚いてしまい、子供達に注意するよう伝えただけで、その場を立ち去るが、それをきっかけに彼は心を開き始める。

翌朝、エドナとモーゼスは畑を耕し始め、いよいよという時に、フランクが学校でタバコを吸ったため、ヴィオラに連れられて自宅に戻る。

エドナは、お仕置きとしてフランクに罰を与えるが、それがいつもは夫の役目だったことで、辛い思いをする。

そんなエドナの気持ちを察したウィルは、彼女を気遣い優しく声をかける。

町を襲った竜巻で、ポッサムの危険を知ったウィルが彼女を助ける。

学校から戻ってきたフランクと共に、エドナやモーゼスらは協力し合い危機を乗り切る。

町は大被害を受け、学校で子供達を必死に守ったヴィオラは、何もかもが嫌になり、夫バディー(テリー・オクィン)に町を出たいということを伝える。

その後、綿花の価格は記録的な安値を記録し、種まきを終えて収穫を前にしたエドナは、窮地に立たされる。

銀行への返済も迫る中、エドナは、綿の収穫一番乗りに与えられる、賞金100ドルを得るために、子供達に手伝わせててでも、それをやり遂げるための計画を立てる。

収穫の辛さを知るモーゼスや、客観的に意見するウィルはそれに反対するが、エドナは、死んでもいい覚悟でそれに挑む決意を示す。

ウェインの家に、カードをしに来たバディーとヴィオラは、この町を去ることを告げる。

そしてマーガレットは、ヴィオラのウェインを避けるような仕草から、二人の関係に気づく。

ヴィオラ達が帰った後、マーガレットはウェインを責めて、謝罪する彼の言葉も聞き入れず、離婚することを告げる。

やがて、綿花の収穫が始まり、エドナとモーゼス、そして子供達は、広大な畑でひたすら綿を摘み始める。

どうみても収穫しきれないと考えたエドナは、賞金を当てにして人を雇い、彼女らの頑張りを心で感じたウィルは、家事仕事の手伝いを買って出るようになる。

道路を走るトラックの音で、ライバルの農場が大量に人を雇ったことに気づいたウィルは、それをモーゼスに知らせる。

残り三日が勝負と見たモーゼスは、雇い人達に檄を飛ばすが、エドナは夫との穏やかな日々を思い出してしまう。

残り一日となり、マーガレットやウェインまでもが夜を徹して綿摘みを手伝う。

そして、ついに全ての綿をつみ終えたエドナは、翌朝、一番乗りで綿を出荷することができる。

しかも、モーゼスのアドバイスで、相場より高値の買取を成立させ、さらに農地を増やす計画に、エドナとモーゼスは希望を燃やす。

収穫後のパーティーで、フランクは、一人前の大人のように母エドナにダンスを申し込む。

その頃、エドナに協力して入れ知恵したという理由で、モーゼスは、KKKの一団にリンチに遭う。

銃を持ってそれを止めようとしたウィルには、覆面をした者達の正体が分かっていた。

同じ頃、マーガレットはウェインとダンスを踊り、謝罪する彼を許す気になる。

町を出ることを強要されたモーゼスを、家に戻ったエドナが引き止める。

しかし、モーゼスは、相手が何度でも来ることで、家族に迷惑をかけると考え、エドナに感謝されながら、寂しく去って行く。

そして、エドナの心の中では、モーゼスや死んだ夫、また、夫を撃った少年までもが、分け隔てなく町民と共に教会の礼拝に参加していた。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

不意の事故で、保安官の夫を亡くしたエドナ・スポルディングは、専業主婦だった身で二人の子供を抱え、今後の生活に不安が募る。
銀行から借金返済を迫られたエドナは、土地家屋を売り払う提案を拒み、浮浪者モーゼスの考えを信じ、綿栽培を始める決心をする。
心を閉ざす盲目の青年ウィルに、家計の足しに部屋を貸したエドナは、モーゼスと二人で畑を耕して種をまき、綿花の収穫に備える。
ところが、綿花の価格は暴落してしまい、窮地に立たされたエドナは、収穫一番乗りに与えられる賞金獲得を考える。
形振り構わず働き続けるエドナを見て、やがてウィルも心を開き、モーゼスや子供達も含めた、厳しい闘いの日々が始まる・・・。
__________

夫を亡くし、家族のためには後に引くことの出来ない主人公サリー・フィールドを中心に、その家に世話になることになる浮浪者ダニー・グローヴァーの献身的な働きや、次第に心を開いていく盲目の下宿人ジョン・マルコヴィッチなど、誰もが持っている潜在的な良心を、監督ロバート・ベントンは見事に表現している。

第57回アカデミー賞では、主演女優(サリー・フィールド)と脚本賞を受賞した。
・ノミネート
作品・監督
助演男優(ジョン・マルコヴィッチ)
助演女優(リンゼイ・クローズ)
衣装デザイン賞

ノーマ・レイ」(1979)に続き、早くも2度目のアカデミー主演賞を獲得したサリー・フィールドの、小柄な体で奮闘する姿は、逞しくもあり理想の母親像だ。

彼女は「トランザム7000」(1977)などで、元恋人のバート・レイノルズの相手役として、軽いノリの女優というイメージが強かったが、突然「ノーマ・レイ」(1979)で演技派に変身し、当時、そのギャップにかなり驚いたことを思い出す。

当初、浮浪者の泥棒として登場するダニー・グローヴァーと、心を閉ざすひねくれ者のジョン・マルコヴィッチの存在が、本作では際立っている。

翌年の「カラーパープル」(1985)でも、素晴らしい演技を見せてるダニー・グローヴァーは、好感度という点で、本作がキャリア最高ではないだろうか。

デビュー作になるジョン・マルコヴィッチも、後に実力派俳優としての地位を築くことになる、その才能の片鱗を窺い知れる演技だ。

前年の「ライト・スタッフ」(1983)で大役を演じたエド・ハリスや、その妻役を演じアカデミー助演賞候補にもなったリンゼイ・クローズの好演も印象に残る。

エド・ハリスとの浮気相手エイミー・マディガンの、物静かで抑えた演技も注目だ。
また、本作の共演がきっかけで二人は結婚することになる。

借金返済の提案を断られ、義弟を主人公に押し付ける銀行家レイン・スミス、母親と共に苦労を共にして成長するヤンクトン・ハッテンとジェニー・ジャイムズの健気な姿も微笑ましい。

冒頭で亡くなる主人公の夫役のレイ・ベイカー、ヴィオラ(A・マディガン)の夫テリー・オクィンなどが共演している。


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