真実の行方 Primal Fear (1996) 3/5 (1)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

大司教殺害事件の容疑者である少年を無償で弁護することになった辣腕弁護士の、権力が絡む陰謀との戦いと事件に隠された意外な真実を描く、主演リチャード・ギアローラ・リニーエドワード・ノートンフランシス・マクドーマンドアルフレ・ウッダード他共演、監督グレゴリー・ホブリットによる法廷サスペンス。


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■

監督:グレゴリー・ホブリット
製作:ゲイリー・ルチェッシ
製作総指揮:ハワード・W・コッチJr.
原作:ウィリアム・ディールPrimal Fear
脚本
スティーヴ・シェイガン

アン・ビダーマン
撮影:マイケル・チャップマン
編集:デヴィッド・ローゼンブルーム
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード

出演
マーティン・ヴェイル:リチャード・ギア

ジャネット・ヴェナブル:ローラ・リニー
アーロン・スタンプラー:エドワード・ノートン
モリー・アーリントン:フランシス・マクドーマンド
ミリアム・ショート判事:アルフレ・ウッダード
ジョン・ショーネシー:ジョン・マホーニー
トミー・グッドマン:アンドレ・ブラウアー
ジョーイ・ピネロ:スティーヴン・バウアー
ナオミ・チャンス:モーラ・ティアニー
ラシュマン大司教:スタンリー・アンダーソン
アレックス:ジョン・セダ

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ

1996年製作 130分
公開
北米:1996年4月3日
日本:1996年11月2日
製作費 $30,000,000
北米興行収入 $56,059,267
世界 $102,616,183


アカデミー賞 ■

第69回アカデミー賞
・ノミネート
助演男優賞(エドワード・ノートン)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

シカゴ
弁護士協会のカトリック・チャリティー・パーティーに出席した辣腕弁護士マーティン・ヴェイル(リチャード・ギア)は、その場にいた元恋人で部下だった検事ジャネット・ヴェナブル(ローラ・リニー)に声をかけて簡単な会話を交わす。

翌日、パーティーにも出席していたラシュマン大司教(スタンリー・アンダーソン)が、何者かによりナイフで刺され惨殺される。

ギャングのボス、ジョーイ・ピネロ(スティーヴン・バウアー)の弁護人でもあったヴェイルは、州検事のジョン・ショーネシー(ジョン・マホーニー)から、ピネロに150万ドルを払い州から追放することを伝えるよう指示される。

ヴェイルからその件を知らされたピネロは、それを断る。

大司教殺害現場の教会から血だらけで逃げ出した、容疑者の少年アーロン・スタンプラー(エドワード・ノートン)が逮捕される。

テレビの報道で事件知ったヴェイルは、スタッフのナオミ・チャンス(モーラ・ティアニー)に連絡して、アーロンの拘留先などを調べさせる。

事件が大きな影響力を持つと考えたヴェイルは、拘留されているアーロンに会い、無償で弁護を引き受けることを伝える。

アーロンは、物乞いをしていた自分に大司教が手を差し伸べてくれたことを伝え、ミサや教会の手伝いをしていたことも話す。

ヴェイルは、アーロンが大司教を憎んでいるどころか世話になっていたことに感謝していたと言われる。

更に、警察には話しを信じてもらえず、現場にはもう一人別の者がいたことをアーロンは伝える。

アーロンは、寝室で倒れていた大司教を見つけ、彼に覆い被さっていた男を目撃したことも話す。

その男が自分に近づいて来た時に、発作を起こし意識を失ったことをヴェイルに語ったアーロンは、気がついてみると血だらけだったために逃げたと伝える。

ヴェイルは、自分に従うことをアーロンに指示し、誰とも話をしないようにと忠告する。

オフィスに向かったヴェイルは、スタッフのトミー・グッドマン(アンドレ・ブラウアー)やナオミと共に弁護の準備を始める。

検事側はヴェナブルが対応することになり、ショーネシーは、被告に死刑が求刑されることを望んでいることを伝える。

そして、ヴェイルとヴェナブルは対決することになる。

ミリアム・ショート判事(アルフレ・ウッダード)の下で裁判は始まり、検事側のヴェナブルは、アーロンを第一級殺人罪で告訴する。

ヴェイルは、アーロンの精神鑑定を求めるが、ショート判事は告訴に値すると判断する。

その頃、グッドマンはアーロンのアパートの部屋を調べるが、何者かに襲われながらも相手のピアスをもぎ取る。

ピアスを見せられたアーロンは、友人のアレックス(ジョン・セダ)の物だと即答する。

アーロンは、なぜアレックスが自分の部屋にいたのか理解できず、大司教を襲ったのが彼か判断できない。

ヴェイルは、精神科医のモリー・アーリントン(フランシス・マクドーマンド)にアーロンの精神分析を依頼し彼に面会させる。

ヴェナブルに会ったヴェイルは、アーロンを死刑にする気である彼女を牽制するが、彼女は考えを変えない。

アーリントンは、ヴェイルから聞いていた、アーロンが付き合っていた”リンダ”という女性のことに関して彼から話しを聞く。

その後、ヴェイルは大司教の投資事業などを調べ、教会の財団の土地である川岸宅地開発を中止に追い込んだことで彼が恨みを買っていたことと、ショーネシーも投資家として関わっていることを知る。

ヴェイルはショーネシーに会い、その件に関して探りを入れるが、逆に脅される。

法廷では状況証拠の確認が続き、ヴェイルは第三者の存在の可能性を語る。

大司教の胸に刻まれていた”B32.156”が、教会の書庫のホーソンの”緋文字”の整理番号とページを差し、犯人は、大司教が二つの顔持つと考えていたことを意味すると担当刑事が証言する。

アーロンが本に印をしていないことを確認したヴェイルは、不利な状況に苛立ちグッドマンとナオミに喝を入れる。

アーリントンの、アーロンの記憶を探る分析は続き、リンダの話を聞くと、動揺しながら一瞬声を荒げる彼の態度を気にする。

アレックスを捜し、アーロンの部屋で何をしていたかを問い詰めたヴェイルは、彼とリンダ、そしてアーロンと大司教まで加わったセックス・プレーの映像テープを探していたことを知る。

リンダは姿を消したと聞いたヴェイルは、教会に向かいそのテープを持ち出し、オフィスでスタッフと共に内容を確認する。

ヴェイルはアーロンに会い、嘘をついていたと言って彼を痛烈に非難する。

本やテープのことでヴェイルに問い詰められたアーロンは、突然、違う人格になる。

別の人格の”ロイ”は、アーロンを責めるなと言ってヴェイルに警告し、自分が大司教を殺したことを伝える。

リンダのことを問われ、テープは処分するよう指示したと言いながら興奮し始めたロイはヴェイルを殴る。

そこアーリントンが現れ、驚いたロイはアーロンに戻る。

部屋を出たアーリントンは、裁判は負けだと言って落ち込むヴェイルに、アーロンが典型的な多重人格者だと伝える。

アーリントンは、アーロンを刑務所ではなく病院に入れるべきだと語る。

殺人犯人を弁護することで悩むヴェイルは、検事局時代に、ショーネシーの下で汚職まがいのことをしてきたことを考えつつも、仕事をする上で良心を汚すことはしないという信念を変える気はなかった。

オフィスに戻ったヴェイルは、グッドマンとナオミと今後の対策を検討してテープをヴェナブルに送る。

ヴェナブルはヴェイルにテープを返すが、彼は、それを検察側が提出せざるを得ない状況に持っていく。

ショーネシーにテープを廃棄するよう指示されたヴェナブルだったが、それを無視してグッドマンを証人に指名する。

ヴェナブルは、テープの内容が被告人らと大司教が映っているセックス・プレーだとグッドマンに証言させ、それを提出する。

そんな時、ピネロが何者かに殺害され水死体で発見される。

ヴェイルは、教会の財団の理事であるショーネシーを証言台に立たせ、投資事業の件や、大司教の過去の性的暴行疑惑などを確認させる。

それを揉み消してもらい恩を受けたはずの大司教が開発を中止したことで、投資家のショーネシーらが彼を恨み殺意を抱いたとヴェイルは言い寄る。

ショート判事は休廷させ、ヴェイルはショーネシーにピネロの仇討ちだと言い放つ。

アーリントンを証人に呼んだヴェイルは、彼女にアーロンが多重人格者であり、殺人を犯したのは別の人格のロイであることを証言させる。

ヴェイルは、証言台のアーロンがロイの存在を知らないことを確認させて、彼が動揺し始めたところでヴェナブルが質問を始める。

ヴェナブルは声を荒げながらアーロンを追求し、彼はロイの人格に変わる。

証言台を飛び越えたロイは、ヴェナブルに襲い掛かり取り押さえられる。

ショーン判事は、審議を中止してアーロンは心神喪失と判断され無罪となり、病院に入れられることになる。

利用されて職を失ったヴェナブルだったが、ヴェイルを責める気にもなれず彼に慰められる。

アーロンに会い、釈放され病院に入れられるものの、すぐに出られるだろうと告げたヴェイルは、彼に感謝されてその場を離れようとする。

ヴェナブルにお詫びしたいとアーロンに言われたヴェイルは、記憶がないはずだと彼に問う。

ヴェイルを騙していたアーロンは、リンダや大司教を殺したことを話す。

裏切られたヴェイルは呆然としながらその場を去り、入り口で英雄となった自分を待つ人々を避け、て裏口から建物を出る。


解説 評価 感想 ■

1993年に発表された、ウィリアム・ディールの小説”Primal Fear”を基に製作された作品。

*(簡略ストー リー)

ロシュマン大司教が、何者かに全身をナイフで刺されて殺される事件が起きる。
辣腕弁護士のマーティン・ヴェイルは、名声のために、逮捕された容疑者の少年アーロンの弁護を引き受ける。
記憶を失った、気弱なアーロンが犯人だとは思えないヴェイルは、元恋人で部下でもあった検事のヴェナブルと法廷で対決することになる。
謎の多い事件に考えを巡らせるヴェイルは、教会の財団が絡む土地開発事業中止により、大司教が恨みを買っていたことと、投資家として州検事のショーネシーがそれに関係していることを知る・・・。
__________

辣腕弁護士が、弱者にしか見えない容疑者の弁護を名声のために請け負うという内容自体はそれほど新鮮味もないのだが、人気スターのリチャード・ギアや魅力的なキャストなどは注目だ。

権力が絡む陰謀や聖職者の性的虐待など、社会の歪みが絡み合う展開に加え、容疑者が多重人格者であるという設定、明らかな殺人者を弁護する弁護士の複雑な心境などが興味深く描かれてはいる。

ショッキングな結末などと言われ話題を呼んだ作品だが、犯人がどのような行動に出て終わるかはほぼ予想がつく。
主人公がそれに気づく演出も、やや工夫が足りないという感じだ。

北米興行収入は約5600万ドル、全世界では1億ドルを超すヒットとなった。

リチャード・ギアは、主人公の辣腕弁護士を彼らしく魅力的に演じ、元恋人の検事役のローラ・リニーも、周囲に惑わされない精神的な強さを感じる人物を好演している。

注目は、デビュー作でありながら、本作でいきなり第69回アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされたエドワード・ノートンで、多重人格の容疑者を熱演している。
彼はゴールデングローブ賞の助演男優賞を受賞。

同年の前月に公開された「ファーゴ」(1996)で、見事にアカデミー主演賞を受賞する、精神科医フランシス・マクドーマンド、判事のアルフレ・ウッダード、州検事ジョン・マホーニー、主人公のスタッフ役のアンドレ・ブラウアーモーラ・ティアニー、ギャングのボス役のスティーヴン・バウアー、大司教スタンリー・アンダーソン、彼に弄ばれていた青年ジョン・セダなどが共演している。


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