サイコ Psycho (1998) 2.25/5 (4)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

1959年に発表された、ロバート・ブロックのサスペンス小説”Psycho”を基に製作されたアルフレッド・ヒッチコックの傑作スリラー「サイコ」(1960)のリメイク作品。
大金を手にした女性の迷いから生ずる行動、その末に起きる殺人事件を描く、製作、監督ガス・ヴァン・サント、主演ヴィンス・ヴォーンアン・ヘッシュジュリアン・ムーアヴィゴ・モーテンセンウィリアム・H・メイシー他共演のスリラー。


スリラー/ホラー

アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock 作品一覧


スタッフ キャスト ■

監督:ガス・ヴァン・サント
製作
ブライアン・グレイザー

ガス・ヴァン・サント
製作総指揮:ダニー・ウルフ
原作:ロバート・ブロックPsycho
脚本:ジョセフ・ステファノ

撮影:クリストファー・ドイル
編集:エイミー・E・ダドルストン
音楽:バーナード・ハーマン/ダニー・エルフマン

出演
ノーマン・ベイツ:ヴィンス・ヴォーン

マリオン・クレイン:アン・ヘッシュ
ライラ・クレイン:ジュリアン・ムーア
サミュエル“サム”ルーミス:ヴィゴ・モーテンセン
ミルトン・アーボガスト:ウィリアム・H・メイシー
アル・チェンバース保安官:フィリップ・ベイカー・ホール
エリザ・チェンバース:アン・ヘイニー
サイモン・リッチモンド医師:ロバート・フォスター
ハイウェイ・パトロール警官:ジェームズ・レマー
キャロライン:リタ・ウィルソン
ローリー:ランス・ハワード
トム・キャシディ:チャド・エヴェレット
チャーリー:ジェームズ・レグロス
ボブ・サマーフィールド:フリー
ノーマ・ベイツ(声):ローズ・マリー

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ

1998年製作 103分
公開
北米:1998年12月4日
日本:1999年9月11日
製作費 $60,000,000
北米興行収入 $21,456,130
世界 $37,141,130


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

アリゾナ州、フェニックス
1998年、12月11日金曜日、午後2時43分。
マリオン・クレイン(アン・ヘッシュ)は、不動産会社に10年勤める平凡な女性だったが、金物店を営むサミュエル“サム”ルーミス(ヴィゴ・モーテンセン)との逢引きを続けていた。

サムは、父親の借金と別れた妻への慰謝料の支払いなどが重荷となっていたため、結婚は数年後になることをマリオンに伝える。

待てないと言うマリオンとサムの意見は噛み合わず、彼はこんな関係がいやなら別の男に変える気もあるのかと尋ねる。

それもあり得るとサムをからかうマリオンは、着替えて部屋を出る。

会社に戻ったマリオンは、同僚のキャロライン(リタ・ウィルソン)に、姉から電話があったことを知らされる。

そこに、顧客トム・キャシディ(チャド・エヴェレット)との商談が成立した社長ジョージ・ローリー(ランス・ハワード)が戻り、マリオンに契約書のコピーを用意をさせる。

キャシディは、娘の結婚祝いで40万ドルの家を贈ることをマリオンに話し現金を見せる。

ローリーは、大金なので銀行に預け、月曜に小切手にするようマリオンに指示する。

マリオンは、現金を銀行に預けた後、頭痛のため早退することをローリーに告げて会社を出る。

アパートに帰ったマリオンは身支度を始め、現金を奪いカリフォルニアのサムの元に行く決心をして街を離れようとする。

交差点で信号待ちするマリオンは、キャシディと共に横断歩道を渡る社長のローリーを見かける。

キャシディと飲んでいたため酔っていたローリーもそれに気づくが、頭痛のはずのマリオンが出かける様子に、彼は怪訝な表情を見せる。

夜になり、郊外で車を止めて眠ってしまったマリオンは、翌朝、パトロール中の警官(ジェームズ・レマー)に起こされる。

一瞬、焦ったマリオンだったが、不用心だと言われ注意され、免許書を確認されただけだったため、彼女はそのまま車を走らせる。

その後、尾行してくるパトカーが別方向に向かったことで、マリオンは安心する。

警官にナンバーを確認されたことを気にしたマリオンは、車を交換することを考える。

中古車ディーラーに寄り店員を待つ間、新聞を購入したマリオンは、現金の件が事件になっていないことを確認する。

店員のチャーリー(ジェームズ・レグロス)に、下取り査定をしてもらおうとしたマリオンは、朝の警官が道向かいで自分を監視していることに気づく。

急いで車を決めたマリオンは、チャーリーの言い値で購入することを決めて、トイレに向かい40万ドルから追い金4000ドルを抜く。

警官が店の敷地にパトカーを止めたため、それを確認したマリオンは、車を受け取り急いで走り去ろうとする。

他の店員がマリオンに声をかけ、荷物を忘れていることを知らせる。

マリオンは荷物を受け取り、チャーリーは走り出した車の値札を外しながら、明らかに動揺しているする彼女の態度を不審に思う。

車を走らせるマリオンは、周辺が自分の行動に気づき、疑い始めただろうということを気にしつつ先を急ぐ。

やがて、夜になり雨足が強くなったため、マリオンは旧道沿いの”ベイツ・モーテル”に立ち寄る。

オフィスに誰もいないため、裏の屋敷の二階の窓に女性の人影が見えたマリオンは、クラクションで合図をする。

現れた経営者のノーマン・ベイツ(ヴィンス・ヴォーン)は気のいい好青年で、マリオンは”マリー・サミュエルズ”という名前で部屋をとる。

オフィスの隣の部屋に案内されたマリオンは、レストランが離れていると知り、ノーマンに自宅での軽い食事に誘われたため快くそれを受ける。

その後、マリオンは現金の隠し場所を考え、結局は新聞紙に包みベッドの横に無造作に置く。

マリオンは、ノーマンが自宅で母親(ローズ・マリー)と言い争っているのを聞いてしまい、食事を持って現れた彼を気遣う。

それを気にするノーマンに優しく接したマリオンは、オフィスの奥の部屋で食事をする。

マリオンは、ノーマンの趣味である飾られた鳥の剥製のことや、幼い頃に父親を亡くし、数年前に、母親が付き合い始めた男に勧められてモーテルを始めた話などを聞く。

心の病だという母親を、どこかに預けてはどうかという提案をした途端に、ノーマンが表情を変えたためマリオンは驚く。

マリオンはノーマンに謝罪し、人は皆、逃れることができないという彼との会話で現金を返金する気になる。

翌朝フェニックスに戻ることを告げたマリオンは、ノーマンに”クレイン”だと名乗り部屋に戻る。

ノーマンは、宿帳の名前が”マリー・サミュエルズ”であることを確かめ、壁に空けられた穴で彼女の部屋を覗く。

マリオンが服を脱ぐ姿を見ながら、ノーマンは自慰行為をして自宅に戻る。

その後マリオンは、40万ドルから使った分を引いた金額のチェックをするが、そのメモを破りトイレに捨てて流してしまう。

そして、シャワーを浴びていたマリオンに女性らしき人影が迫り、彼女は叫び声を上げる。

マリオンは、ナイフでめった刺しにされて殺される。

血だらけの母親に驚くノーマンの声が裏の屋敷から聞こえる。

ノーマンはマリオンの部屋の浴室で、惨たらしい彼女の死体をみつける。

母親の犯行と判断したノーマンは、浴室の死体を片付けてその場の血を洗い流してふき取る。

マリオンの死体をシャワーカーテンで包み車のトランクに入れたノーマンは、所持品(40万ドルには気づかない)とモップなども乗せて車を近くの沼地に沈めてしまう。

その頃、サムはマリオンとの結婚を決意し、彼女にそれを知らせる手紙を書いていた。

マリオンが消息不明となり、姉のライラ(ジュリアン・ムーアはサムを訪ね、彼が姉と共謀しているのではないかと問い詰める。

サムは戸惑いながら、店員のボブ・サマーフィールド(フリー)にランチに行くよう促す。

ライラの話が理解できないサムは、マリオンに何かあったのかを尋ねる。

そこに現れたマリオンの会社に雇われた私立探偵ミルトン・アーボガスト(マーティン・バルサム)も、二人の会話に加わる。

サムは、そこで初めてマリオンが、会社の40万ドルを持ち逃げしたことを知らされる。

今返金すればことを大袈裟にしないとライラに言われたサムは、マリオンはいないと答える。

ライラは姉を捜しだしたいだけで、サムは事故に遭った可能性を指摘し、フェニックスの病院などを調べることをアーボガストに提案する。

アーボガストは、社長のローリーがフェニックスを出るマリオンを目撃したことをサムに伝え、彼女が必ずこの街に滞在していると断言して独自の調査を始める。

ベイツ・モーテルにも立ち寄ったアーボガストは、行方不明の女性についてノーマンに尋ねる。

マリオンの写真を見ても知らないと答える、ノーマンの辻褄の合わない話を気にしながら、アーボガストは宿帳をチェックしたいことを伝える。

宿帳を見たアーボガストは、筆跡サンプルを参考にして”マリー・サミュエルズ”がマリオンであることをノーマンに指摘する。

もう一度写真を確認することを要求されたノーマンの態度は急変し、マリオンを思い出したと言って協力的になるが、アーボガストは彼の言動に不信感を抱く。

マリオンがまだいるのではないかと疑うアーボガストに、ノーマンはシーツを換えるため、ついでに部屋を調べさせようとする。

アーボガストは、裏の屋敷の窓の人影を確認して、それが母親だというノーマンを問い詰める。

ノーマンは、マリオンを匿い利用されているのではないかと、母親にまで会いたがり執拗に質問をしてくるアーボガストを追い払ってしまう。

アーボガストは、ベイツ・モーテルでマリオンの足取りを掴んだことを、電話でライラに知らせる。

サムが共謀者でないことも分かり、アーボガストはもう一度ノーマンを訪ねて母親と話し、1時間後に戻ることをライラに伝える。

モーテルのオフィスにノーマンがいなかったため、屋敷に向ったアーボガストは、階段を上がったところで母親らしき者に襲われ、階下に落下して刺殺される。

アーボガストから連絡がないことを不審に思うライラは苛立つ。

屋敷に向かうというライラを制止し、サムがベイツ・モーテルの様子を見に行く。

サムは、屋敷の母親らしき人影は目撃したものの、ノーマンやアーボガストが見当たらなかったため、ライラを連れてアル・チェンバース保安官(フィリップ・ベイカー・ホール)を訪ねる。

二人はチェンバースに事情を話し、ライラは妹が4万ドルを持ち逃げして行方が分からなくなったことを話す。

状況を把握したチェンバースは、妻のエリザ(アン・ヘイニー)からノーマンに電話をすることを提案される。

10年前の事件のことを口にしながら、チェンバースは仕方なくノーマンに電話をして話し、アーボガストが帰ったことを確認する。

ライラは、アーボガストがノーマンの母親に会うため戻ると言ったことをチェンバースに伝える。

チェンバースは、ノーマンの母親が10年前に亡くなったことをライラとサムに知らせる。

それが、ノーマンの母親が愛人に妻子がいたため毒殺し自分も服毒自殺したという、地域で起きた大事件だったことをチェンバースは話す。

ベッドで死んでいた二人を、ノーマンが見つけたことをエリザも語る。

窓際の女性が母親でないかと指摘するサムと、アーボガストも彼女を見たというライラに対し、チェンバースは、それが母親なら墓で眠っているのは誰だと尋ねる。

同じ頃、危険を察したノーマンは母親を説得して抱きかかえ、地下の貯蔵室に連れて行く。

サムとライラは、自分達の目で確かめようとしてモーテルに向かい、夫婦を装い宿泊の手続きを済ませる。

ノーマンが40万ドルを奪ったものと思い込むライラは、アーボガストの身に何かあったと考え、彼から聞いていた、マリオンが泊った1号室を調べようとする。

オフィスにノーマンがいないことを確認して、その部屋に侵入したサムとライラは、マリオンが書いた現金の計算書の紙片を見つける。

ライラは母親に会うため、サムにノーマンの気を引かせて屋敷に忍び込む。

母親の部屋を調べたライラは、彼女がベッドに横たわっていた形跡などを確認する。

ノーマンの部屋も調べたライラは、アダルト雑誌などを見つける。

しつこく話しかけてくるサムに、現金のことなども聞かれたノーマンは苛立つ。

ライラが母親の元に向かったことを知ったノーマンは、サムをゴルフ・クラブで殴り倒して屋敷に戻る。

それに気づき、その場の地下室に向かったライラは、ミイラ化した女性の遺体を見つけて叫び声を上げる。

そして、女装したノーマンがライラに襲い掛かるが、意識を取り戻したサムが現れて彼を殴り格闘になる。

抵抗するノーマンをライラが蹴り倒し、彼はサムに取り押さえられる。

その後、事件は大きく報道され、サイモン・リッチモンド医師(ロバート・フォスター)が逮捕されたノーマンを診察する。

チェンバース保安官は、動揺するライラとサムを気遣う。

リッチモンドは、ノーマンがマリオンとアーボガストを殺害したことを確認したとライラ達に話す。

しかしノーマンには、殺したのは母親だという二重人格症状が現れていた。

父親が死んだ時点で心を病んでいたノーマンは、母親に愛人ができて捨てられたと思い込み二人を殺した。

それを自分の心の中から消し去るために、ノーマンは母親の死体を盗み長期保存するための処置をした。

それでも満足できないノーマンは、母親に代わり考えて話し、自分自身でいることは少なくなった。

そして、現れたマリオンに欲情したノーマンに嫉妬した、自分の中の母親がマリオンを殺したのだった。

そのようにして、ノーマンは母親となったのだった。

チェンバースは40万ドルの行方を尋ね、リッチモンドは沼だろうと答え、現金が目的の犯行ではないことを指摘する。

寒いので毛布が欲しいというノーマンにそれを渡した警官は、母親から礼を言われる。

母親は、事件を起こす前に息子ノーマンを入院させるべきだったと考える。

剥製のように動けない自分が、人を殺すことなどできるはずがない、ハエも殺せない女が・・・。

そして、マリオンの死体などを乗せた車が沼から引き上げられる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

不動産会社社員マリオンは、父親への借金や別れた妻への慰謝料支払いに苦しむ、金物店経営者サムとの逢引きを続けていた。
ある日マリオンは、会社の40万ドルを銀行に預けるように社長に指示され、それを持ち逃げしてサムの元に向かおうとする。
マリオンは、街で見かけた社長、出会った警官や中古車ディーラーに怪しまれてしまい、動揺しながら、街道沿いの”ベイツ・モーテル”に宿泊するために立ち寄る。
母親と二人暮しらしい、気の良い青年で経営者のノーマンに歓迎されたマリオンは、冷静さを取り戻し現金を返す決心をする。
しかし、翌朝早くに出発することにしたマリオンがシャワーを浴びようとした時、何者かが彼女に襲い掛かる・・・。
__________

アルフレッド・ヒッチコックの代表作である、映画史上に残るスリラーの傑作の完全リメイクということで大いに話題になった作品。

前年の「グッド・ウィル・ハンティング」で高い評価を受けたガス・ヴァン・サントの演出にも注目が集まったが、残念ながら作品は酷評されてしまった。

時代も変わり、貨幣価値などの多少の違いはあるが、バーナード・ハーマン(ダニー・エルフマン編曲)の音楽、ソウル・バスによるオープニングのタイトル・デザイン、また旧作とほぼ同じカット割りで展開する内容と豪華スター競演は魅力的だ。

しかし、当然、新鮮味はなく、旧作と比べることばかりが頭を過り、アルフレッド・ヒッチコックの才能を改めて再確認するために製作されたような作品とも言える。

作品は上記のように酷評され、ラジー賞で最低リメイク、ガス・ヴァン・サントが監督賞を受賞、アン・ヘッシュも最低女優賞にノミネートされてしまった。

ヒッチコックと旧作に対してのオマージュと思えばそれなりに楽しめる作品ではある。
ガス・ヴァン・サントは、旧作でヒッチコックが登場する場面と同じ状況で、不動産会社の前でヒッチコック風の太った男性に注意されている役で出演もしている。

モーテル経営者である二重人格者のヴィンス・ヴォーン、その犠牲になるアン・ヘッシュ、彼女の姉ジュリアン・ムーア、犠牲者の恋人ヴィゴ・モーテンセン、私立探偵ウィリアム・H・メイシー、保安官フィリップ・ベイカー・ホール、その妻アン・ヘイニー、医師ロバート・フォスター、ハイウェイ・パトロール警官ジェームズ・レマー、犠牲者の同僚リタ・ウィルソン、不動産会社社長ランス・ハワード、その顧客チャド・エヴェレット、中古車ディーラーのジェームズ・レグロス、金物店店員フリー、ノーマンの母親の声ローズ・マリーなどが共演している。


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