007/慰めの報酬 Quantum of Solace (2008) 4/5 (3)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

007シリーズ、第22作。
前作「カジノ・ロワイヤル
」(2006)のシリーズ初となる続編で、個人的な”復讐”をしてはならないという、MI6の掟を破りかける主人公ボンドの苦悩を描いた、前作以前にはなかった雰囲気を持った作品。
監督マーク・フォースターダニエル・クレイグオルガ・キュリレンコジュディ・デンチマチュー・アマルリック他共演。


007シリーズ


スタッフ キャスト ■

監督:マーク・フォースター
製作総指揮
アンソニー・ウェイ
カラム・マクドゥガル
製作
マイケル・G・ウィルソン

バーバラ・ブロッコリ
原作:イアン・フレミングQuantum of Solace
脚本
ニール・パービス
ロバート・ウェイド
ポール・ハギス
撮影:ロベルト・シェイファー
編集
マット・チェシー
リック・ピアソン

音楽:デヴィッド・アーノルド
モンティ・ノーマン:ジェームズ・ボンドのテーマ
主題歌:
ジャック・ホワイトAnother way to die

出演
ジェームズ・ボンド:ダニエル・クレイグ
カミーユ・モンテス:オルガ・キュリレンコ
ドミニク・グリーン:マチュー・アマルリック
M:ジュディ・デンチ
ストロベリー・フィールズ:ジェマ・アータートン
メドラーノ将軍:ホアキン・コシオ
フェリックス・ライター:ジェフリー・ライト
レネ・マティス:ジャンカルロ・ジャンニーニ
Mr.ホワイト:イェスパー・クリステンセン
グレッグ・ビーム:デヴィッド・ハーバー
ビル・タナー:ローリー・キニア
ミッチェル:グレン・フォスター

イギリス/アメリカ 映画
配給
MGM
コロンビア・ピクチャーズ
2008年製作 106分
公開
イギリス:2008年10月31日
北米:2008年11月14日
日本:2009年1月24日
製作費 $200,000,000
北米興行収入 $168,368,427
世界 $575,952,505


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

恋人ヴェスパーに裏切られながらも、死んだ彼女のための復讐を誓ったイギリス諜報員のジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、イタリアガルダ湖でMr.ホワイト(イェスパー・クリステンセン)を捕らえる。

追跡されながらも、無事イタリアシエナに着いたボンドは、M(ジュディ・デンチ)の元にMr.ホワイトを連行する。

ボンドとMは、Mr.ホワイトの組織(クォンタム)に関する情報を聞き出そうとするが、Mのボディガードのクレイグ・ミッチェル(グレン・フォスター)の裏切りで、Mr.ホワイトは銃撃される。

ボンドは、逃走したミッチェルを追い詰め、激闘の末に殺すが、Mr.ホワイトは逃亡する。

ロンドン
ミッチェルのアパート及び身辺調査で、 ボンドは手がかりを掴み
ハイチに向かう。

ハイチポルト-プランス
ボンドは、ミッチェルと接触したと思われる男を殺し、その男のアタッシュケースを持ってホテルを出て、現れたカミーユ・モンテス(
オルガ・キュリレンコ)の車に拾われる。

アタッシュケースの中に、自分の写真と拳銃が入っていたことに気づいたカミーユは、ボンドに発砲する。

ボンドは車を降り、尾行していた男のバイクを奪いカミーユを追跡する。

愛人のドミニク・グリーン(マチュー・アマルリック)が、自分を殺そうとしたことを知ったカミーユは彼を責める。

しかし、ボリビアの独裁者メドラーノ将軍(ホアキン・コシオ)に家族を殺されたカミーユが、復讐のため自分に近づいたことに、グリーンは気付いていた。

グリーンはメドラーノ将軍との打ち合わせ後、彼にカミーユを紹介し、二人は将軍のクルーザーに向かう。

その後、カミーユが復讐を企んでいることを知ったボンドは、メドラーノに同行したカミーユの危険を察知し彼女を救い出す。

ロンドンに連絡を取ったボンドは、グリーンが環境組織の”グリーン・プラネット”のCEOで、土地を買いあさっていることを知らされる。

さらにMは、CIAもグリーンを追っているとの連絡を受ける。

グリーンのジェット機に同乗した、CIA南米局長グレッグ・ビーム(デヴィッド・ハーバー)は、彼と手を組むことを、同行するフェリックス・ライター(ジェフリー・ライト)に告げる。

オーストリアブレゲンツ
ボンドはグリーンの後を追い、
コンスタンス湖で開催されるオペラ会場に向かう。

トスカ”の上演中、観客席で無線を使い、要人と取引していたグリーンらの会話に、ボンドが割って入る。

そしてボンドは、イギリス首相付特命大使の特別警護官に襲われ、相手を殺害してしまう。

Mはボンドの行動を非難し、彼のパスポートやクレジットカードを無効にしてしまう。

イタリアタラモーネ
ボンドは、協力者レネ・マティス(
ジャンカルロ・ジャンニーニ)に接触し、彼を説得してボリビアラパスに向かう。

ラパス
現地の諜報員ストロベリー・フィールズ(
ジェマ・アータートン)に迎えられたボンドは、、翌朝イギリスに帰るよう言われる。

安宿に案内したフィールズを無視し、ボンドは高級ホテルにチェックインし、部屋でフィールズを誘惑する。

その後ボンドは、フィールズとマティスを伴い、グリーンが主催する慈善パーティーに向かう。

カミーユに再会したボンドは、グリーンから彼女を引き離し会場を後にする。

現地の警察に追われ、車を止められたボンドは、トランクに、痛めつけられたマティスが入れられているのを発見する。

マティスは警官に撃たれ、ボンドの腕の中で息を引き取り、彼の遺体をゴミの中に放置したボンドは、カミーユとその場を立ち去る。

そしてロンドンのMには、ボンドがマティスを撃ったとの連絡が入る。

グリーンが、利権がらみの土地を取得しようとしていることを知ったボンドは、原野の飛行場で輸送機(ダグラスDC-3)を調達する。

ボリビアの諜報員だったカミーユから、グリーンが手に入れた土地で、何かが見つかったことを知らされ、二人はその土地に向かう。

しかしボンドらは、追ってきた戦闘機(アエルマッキ SF.260)とヘリコプター(ベルUH-1イロコイ)の攻撃を受ける。

ボンドは、損傷を受けた輸送機を捨てて、パラシュートでカミーユと脱出する。

難を逃れたボンドは、カミーユの狙いがグリーンではなく、家族を殺したメドラーノ将軍の命だということを知る。

そこでボンドは、グリーンが、川の水をダムで堰きとめ、水の供給を止めている現場を見て、彼の目的が石油ではなく水だということに気づく。

カミーユとラパスにたどり着いたボンドは、現地に来ていたMから、フィールズが、石油で溺れさせられて殺害されたことを知らされる。

Mは、敵味方に犠牲者を出すボンドの任務を解こうとするが、彼は”事件を追う”と言い残し、彼女の前から姿を消す。

カミーユと車で逃亡したボンドは、酒場でCIAのライターに接触する。

ボンドは、グリーンと手を組もうとするCIAを非難するが、ライターは、クーデターを起そうとしているメドラーノに、グリーンが資金提供をしようとしていることを伝える。

ライターの助言で、グリーンとメドラーノの取引現場となる、砂漠の中のエコホテルに向かったボンドは、メドラーノへの復讐の準備をするカミーユに、冷静さを保つように言い聞かせる。

そして、グリーンがホテルに到着し、メドラーノとの取引を済ませる。

その直後、ボンドとカミーユはホテルに侵入して攻撃を仕掛ける。

カミーユはメドラーノに襲い掛かり、ボンドもグリーンとの一騎打ちになる。

しかし、誤って発火した、ホテルの水素タンクが連鎖爆発し始める。

メドラーノを射殺した、カミーユの元に向かったボンドは、彼女を助けて脱出する。

そして、 ボンドはグリーンを生け捕りにし、エンジンオイルの缶を与えて砂漠に置き去りにする。

カミーユを駅まで送ったボンドは、彼女にキスをして別れ、ダムを破壊するため現地に向かう。

ロシアカザン
南米での任務を終えたボンドは、ヴェスパー・リンドの元恋人を待ち伏せし、居合わせたカナダ安全情報局の女性諜報員に、男に利用されていることを伝える。

ボンドは、彼女が身に付けている、ヴェスパーに与えられた物と同じネックレスを見せ、情報が漏れているため、本部にシステムのチェックをさせるよう指示する。

ボンドがそのアパートを出ると、彼を待ち構えていたMが、ヴェスパーの元恋人に復讐しなかったボンドに驚く。

Mは、グリーンが砂漠で射殺され、胃の中にオイルが確認されたことと、CIAのライターが昇格しビームが降格した
ことなどをボンドに伝える。

MI6に復職するようMから言われたボンドは、職を放棄した憶えはないことを彼女に告げる。

そしてボンドは、ヴェスパーのネックレスを雪道に捨て、その場を立ち去る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

死んだ恋人ヴェスパーの復讐を誓ったイギリス諜報員ジェームズ・ボンドは、黒幕Mr.ホワイトを捕らえるが、内部の裏切りで彼を逃がしてしまう。
その後、ある手がかりを掴んだボンドは
ハイチに向かい、謎の女カミーユが関係するグリーンと、ボリビアの独裁者メドラーノ将軍の存在に目を付ける。
グリーンは、将軍に家族を殺されたカミーユが、復讐のために自分に近づいたことに気付いていた。
それを知ったボンドは、カミーユの危険を察知して彼女を救い出す。
ロンドンからの情報で、グリーンが環境組織のCEOであり、土地を買いあさっていることボンドは知る。
グリーンを追い、
オーストリアに向かったボンドは、Mを含めた周囲の目を無視しし、グリーンの情報を入手して、協力者マティスと接触し彼と共にボリビアラパスに向かう。
現地の諜報員フィールズの、帰国命令も無視したボンドは、グリーンに近づき、彼の企みを探ろうとするのだが・・・。
__________

本来、冒頭で登場する、観客席方向の銃口に向けて発射される、ボンドの銃撃と共に始まるジェームズ・ボンドのテーマがラストに登場し、劇中でもテーマ曲は一切流れない。
そして、前作と本作によりボンドは、真の”00エージェント” となったことを案じさせている。

シリーズ最短の、106分という上映時間からも、前作とセットで見るべき作品と言える。

1960年に発表された、イアン・フレミングの短編集”For Your Eyes Only”の中に収められている作品、”Quantum of Solace”が原作である。

初めて劇場で予告編を見た時に知った、”慰めの報酬”という、007シリーズにそぐわない、野暮ったい題名には興醒めした。
しかし、以前のシリーズの、ニヤケたボンドの雰囲気が全くない、冷酷で女性にも冷たい人物像と、玄人受けする大人向の作風は、大いに好感が持てる。

シリーズ史上最高のヒットとなった前作と比較され、何かと批判的な声が多かった本作だが、興行収入は、全世界で前作とほぼ同じ6億ドルに迫る大ヒットとなった。

北米興行収入 $168,368,427
世界 $575,952,505

前作で、”00”/殺しのライセンスを得た、逞しいNEWボンドを見事に演じたダニエル・クレイグは、強い意志を前面に出し、さらにパワーアップされたアクション・シーン等、体が粉々になりそうなハード・アクションを見事にこなしている。

こちらも、美しいだけのボンド・ガールとは全く違うイメージの、家族の復讐に燃える諜報員オルガ・キュリレンコの魅力も新鮮だ。

今回はいつになく出番が多く、腕白息子に手を焼く母親のような、主人公の上司M役ジュディ・デンチは、シリーズ中、最も存在感ある役所を見事に演じている。

特異なキャラクターではあるが、ボンドの敵役にしては、やや器が小さい感じもするマチュー・アマルリック、「ゴールドフィンガー」(1964)の金粉窒息死を思い出す殺され方をする諜報員役のジェマ・アータートンボリビアの独裁者役ホアキン・コシオ、続編ということで連続出演のCIAのフェリックス・ライター役ジェフリー・ライト、そして命を落とす協力者のジャンカルロ・ジャンニーニ、前作ラストでボンドに狙われて捕らえられ、引き続き登場するMr.ホワイト役イェスパー・クリステンセンなどが共演している。


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