ラビット・ホール Rabbit Hole (2010) 3/5 (1)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

2005年に発表され、2007年にピューリッツァー賞/戯曲部門を受賞したデヴィッド・リンゼイ=アベアーの戯曲”Rabbit Hole”を基に製作された作品。
4歳の息子を交通事故で亡くした夫婦の、その喪失感から抜け出そうとする苦悩と再生を描く、ニコール・キッドマンアーロン・エッカートダイアン・ウィースト共演のドラマ。


ドラマ

ニコール・キッドマン / Nicole Kidman 作品一覧


スタッフ キャスト ■

監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル
製作総指揮
ウィリアム・F・リシャック
リンダ・マクドノー
ブライアン・オーシャ
ダニエル・リバース
製作
ニコール・キッドマン
レスリー・アーダング
ギギ・プリツカ
パー・サーリ
ディーン・ヴェネック
戯曲:デヴィッド・リンゼイ=アベアーRabbit Hole
脚本:デヴィッド・リンゼイ=アベアー
撮影:フランク・G・デマルコ
編集:ジョー・クロッツ
音楽:アントン・サンコー

出演
ベッカ・コーベット:ニコール・キッドマン
ハウイー・コーベット:アーロン・エッカート
ナット:ダイアン・ウィースト
イジー:タミー・ブランチャード
ジェイソン:マイルズ・テラー
ギャビー:サンドラ・オー
ペグ:パトリシア・カレンバー
リック:ジョン・テニー
オーギー:ジャンカルロ・エスポジート

アメリカ 映画
配給 ライオンズゲート
2010年製作 91分
公開
北米:2010年12月17日
日本:2011年11月5日
製作費 $5,000,000
北米興行収入 $2,221,809
世界 $5,129,058


アカデミー賞 ■

第83回アカデミー賞
・ノミネート
主演女優賞(ニコール・キッドマン)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ニューヨーク郊外。
自宅の庭に花を植えていたベッカ・コーベット(ニコール・キッドマン)は、隣人ペグ(パトリシア・カレンバー)に夕食会に誘われるが、予定があると言ってそれを断ってしまう。

ベッカは、それを帰宅した夫ハウイー(アーロン・エッカート)に伝える。

二人は、8ヶ月前に、4歳の息子を交通事故で亡くしていたのだった。

その夜、妹イジー(タミー・ブランチャード)が、トラブルを起して逮捕されたため、ベッカは彼女を警察に迎えに行く。

心配ばかりかけるイジーだったが、ベッカは、彼女の妊娠を知りそれを祝福する。

ベッカとハウイーは、子供を亡くした親の会に参加して、長年そのメンバーであるギャビー(サンドラ・オー)らに迎えられる。

しかし、参加者が話している最中に、ベッカはそれに意見してしまい、ハウイーと共に退席してしまう。

ベッカの態度を批判するハウイーだったが、彼女は、8年も会に参加し続けるギャビーらの気持が理解できない。

翌日、息子の物を持参して実家に向かい、母ナット(ダイアン・ウィースト)やイジー、彼女の恋人でミュージシャンのオーギー(ジャンカルロ・エスポジート)に迎えられる。

ベッカは息子の衣服などを、生まれてくる子供のためにと言ってイジーに譲ろうとするが、彼女は気持だけ受けると言ってそれを断る。

気分を害すものの、それが当然だとも考えるベッカは、衣服などを処分してしまう。

帰宅しようとしたベッカは、信号待ちで止まった際に、スクールバスに乗る少年で、息子の事故の当事者であるジェイソンを見かけてバスを追い彼の家を知る。

その夜、未だに事件のことを引きずるベッカに不満をぶつけるハウイーだったが、彼女は元には戻れないことを伝える。

翌日、マンハッタンに向ったベッカは、以前務めていた”サザビーズ”に顔を出し、その後、ジェイソンの行動を追う。

ベッカは、ジェイソンが向った図書館で、彼が返却した”パラレル・ワールド”を借りる。

その後ベッカは、ジェイソンと出会い頭に顔を合わせるがそのまま立ち去る。

会にも参加せず、母ナットの話にも耳を貸さないベッカは、ハウイーの二人目の子供の提案も拒み、家を売りたいなどと言い始める。

ベッカとハウイーは、ボーリング場でのイジーの誕生日パーティーに向かう。

自分も息子を亡くしていた母ナットが、娘の気持を理解していると言った言葉に、ベッカは反論して、その場を立ち去る。

翌日もジェイソンの元に向ったベッカは、公園で彼と話をすることにする。

進学する大学のことなどを聞いたベッカは、罪の意識で苦しんでいるジェイソンから謝罪され、彼を気遣い再会を約束する。

独りで会に参加するようになったハウイーは、同じく夫が参加しなくなったギャビーと、車でマリファナを吸い、意気投合して親交を深める。

帰宅したハウイーは、携帯電話の息子の動画が消えていたことから、それをベッカのせいにして、二人はお互いの苦しみを訴え言い争いになる。

再びジェイソンに会ったベッカは、借りた本の”パラレル・ワールド”を読んでいることを伝える。

ジェイソンは、自分が描いているコミック”ラビット・ホール”の参考資料として、それを読んでいたことを伝え作品をベッカに見せる。

それは、科学者の父親を亡くした少年が旅立ち、”ラビット・ホール/ウサギの穴”を通って父親を捜すのだが、その父親は”パラレル・ワールド”にいる、別の父親だという物語だった。

それが完成したら見せることを約束したジェイソンは、事故の話を始めて、スピードを出し過ぎていたかもしれないと、自分の過失を認めて正直に話し、ベッカはそれを理解する。

その日は会に参加するのを止めたハウイーは、ギャビーとゲームなどをして楽しむが、彼女が、夫に捨てられたことを知る。

誘われているようにも感じたハウイーは、ギャビーに妻を愛していることを告げて帰宅し、ベッカに、家を売ることに同意することを伝える。

ベッカは、家の片づけを母ナットに手伝ってもらい、二人のわだかまりは消える。

オープンハウスの日、ベッカを外出させたハウイーは、訪れた家族の対応をして、子供の事を聞かれ戸惑ってしまう。

ベッカはイジーを誘いスーパーマーケットに向うが、子供にキャンディを買ってあげない母親を殴ってしまう。

その後、ベッカは帰宅し、そこに、ジェイソンが完成したコミックを届けに来る。

ベッカが、ジェイソンと会っていたことを知ったハウイーは、ショックを受けて怒りを露に声を荒げ、そのためジェイソンは立ち去ってしまう。

なぜ黙っていたのかを問い質すハウイーに、ベッカは、彼が吸っていたマリファナと同じだと答える。

息子の物を整理したベッカは、苦しみは縮小しても、どうせ消えないのだから、持ち続けられると母ナットに励まされる。

数日後、ハウイーはギャビーに連絡を入れて彼女の家に向かう。

ベッカもジェイソンの元に向かい、彼がプロムに出かける姿を見て、事故を想い出して泣き崩れる。

ジェイソンは、車の中で泣いているベッカに気づきながらプロムに向う。

ギャビーに迎えられたハウイーだったが、彼女に謝罪して家に戻り、捨てられなかった息子のチャイルドシートを処分する。

ベッカの姿が見えず、ハウイーは、彼女が出て行ったものと思い、子供部屋でうなだれてしまい、彼女も車の中で夜を明かしてしまう。

ジェイソンに起されたベッカは、彼と共にいつもの公園に向かい、”ラビット・ホール”が傑作だと言って、”パラレル・ワールド”が実際にあるなら、楽しく暮らしてる自分もいるのだろうと考える。

翌朝、ベッカが戻っていたことに気づいたハウイーは、彼女が友人を招き、ガーデン・ランチをする気になったことを知り驚いてしまう。

ジェイソンに、恨んでいないことが伝わっていることを知ったハウイーは安心するが、直接言えばというレベッカの意見には同意できない。

ベッカが、今後どうするかを考え始めたことで、彼女が、息子の死を受け入れたことを、ハウイーは理解する。

そして二人は、友人や家族を呼び寄せて食事をして、何気ない会話をしながら時間が流れ、日が暮れて来客は帰り、それから何が起きるかを考えながら、手を取り合ってたたずむ。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

ニューヨーク郊外に住むハウイー・コーベットと妻ベッカは、8ヶ月前に、交通事故で4歳の息子を亡くし、悲しみから抜け出せない日々を送っていた。
ハウイーは、何とかそれを克服しようとするのだが、ベッカは、同じ境遇の夫婦が集まる集会にも興味を示さず、妹イジーの妊娠は祝福はするものの、過剰な世話を焼き、母ナットの気遣いにも敏感に反応してしまう。
そんな時ベッカは、息子の事故の当事者である少年ジェイソンを見かけて、彼の行動を追い、話をすることを考える。
ベッカは、自分の心の傷を癒そうとするハウイーや母には、元に戻ることが不可能だと伝える。
ハウイーは、心を閉ざす会のメンバーである女性ギャビーとの親交を深めていく。
ジェイソンと話をする機会を得たベッカは、素直に謝罪する彼を気遣ってしまう。
そして、ジェイソンが描こうとしている、”パラレル・ワールド”をモチーフにした”ラビット・ホール”の物語などを聞かされたベッカは、彼には心を許すのだった・・・。
__________

微妙な心の動き、崩れかけた夫婦の関係の再生を描いているだけに、劇的には終わらないラストが印象的。
二人や家族にとって、苦しみを克服することが、いかに大きな問題であったかが伝わる、素晴らしい幕切れである。

主人公達の体験が、幸せだったはずの平穏な生活とは違う、別世界ではないかと案じさせる、その通り道の”ラビット・ホール”を原題にしているところも意味深い。

小作ではあるが、大スターを起用して、このような作品をきっちりと作るところに、アメリカ映画の、文化としての素晴らしさを感じる。

第83回アカデミー賞では、ニコール・キッドマンが主演女優賞にノミネートされた。

実力派人気女優である主演のニコール・キッドマンは、製作にも参加して挑んだ意欲作で、控えめな演技ながら、時に力強さも感じさせる主人公を、繊細に演じている。

前向きな人生を送る努力をするものの、妻と共にそれを体現できずに苦悩するアーロン・エッカートの好演も光る。

同じく息子を亡くし、辛い時期を乗り越えた経験を持つ主人公の母親ダイアン・ウィースト、マイペースな妹タミー・ブランチャード、その恋人ジャンカルロ・エスポジート、事故の当事者であるが、結局は、彼が主人公の心を癒すことになるマイルズ・テラー、ハウイー(A・エッカート)と親交を深める、同じ境遇の会のメンバー、サンドラ・オー、隣人パトリシア・カレンバー、ハウイーの同僚で友人ジョン・テニーなどが共演している。


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