レベッカ Rebecca (1940) 5/5 (28)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★ヒッチコック登場場面
5star

1938年に発表された、ダフネ・デュ・モーリアの小説”レベッカ”を基にした、フィリップ・マクドナルドマイケル・ホーガン原案により製作された作品。
アルフレッド・ヒッチコックハリウッド進出第一作。
イギリスの大富豪の妻となった女性が、大邸宅で亡くなった前妻の影に悩まされる姿を描く、製作デヴィッド・O・セルズニック、主演ジョーン・フォンテインローレンス・オリヴィエジュディス・アンダーソンジョージ・サンダース他共演によるフィルム・ノワールであり、映画史上に残る心理サスペンスの傑作。


スリラー/ホラー

アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock 作品一覧


スタッフ キャスト ■

監督:アルフレッド・ヒッチコック
製作:デヴィッド・O・セルズニック
原作:ダフネ・デュ・モーリアレベッカ
原案
フィリップ・マクドナルド

マイケル・ホーガン
脚本
ロバート・E・シャーウッド

ジョーン・ハリソン
撮影:ジョージ・バーンズ
編集:W・ドン・ヘイズ
美術・装置:ライル・R・ウィーラー

音楽:フランツ・ワックスマン

出演
ド・ウィンター夫人:ジョーン・フォンテイン

マクシミリアン”マキシム”ド・ウィンター:ローレンス・オリヴィエ
ダンヴァース夫人:ジュディス・アンダーソン
ジャック・ファヴェル:ジョージ・サンダース
フランク・クローリー:レジナルド・デニー
ベアトリス・レイシー:グラディス・クーパー
ジャイルズ・レイシー:ナイジェル・ブルース
ジュリアン署長:C・オーブリー・スミス
イーディス・ヴァン・ホッパー夫人:フローレンス・ベイツ
検視官:メルヴィル・クーパー
ベイカー医師:レオ・G・キャロル
ベン:レナード・キャリー

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ

1940年製作 130分
公開
北米:1940年4月12日
日本:1951年4月7日
製作費 $1,288,000
北米興行収入 $6,000,000


アカデミー賞 ■

第13回アカデミー賞
・受賞
作品・撮影賞(白黒)
・ノミネート
監督
主演男優(ローレンス・オリヴィエ)
主演女優(ジョーン・フォンテイン)
助演女優(ジュディス・アンダーソン)
脚色・美術(白黒)・作曲・編集・特殊効果賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

モンテカルロ
イギリス人の富豪マクシミリアン”マキシム”ド・ウィンター(ローレンス・オリヴィエ)は、何かを思いながら海岸沿いの崖に立つ。

その場で散歩をしていた若い女性(ジョーン・フォンテイン)は、危険を感じてマキシムに声をかける。

不満げな表情のマキシムから、何をしているのかを聞かれた女性は散歩だと答え、それを続けるように言われて立ち去る。

両親を亡くし身寄りのない女性は、傲慢で皮肉ばかり口にする富豪夫人イーディス・ヴァン・ホッパー(フローレンス・ベイツ)の相手として雇われ、その夜も二人でラウンジで過ごしていた。

イーディスはその場に現れたマキシムに声をかけ、彼は二人に歩み寄り挨拶する。

昼間、会った女性に気づきながら簡単な言葉を交わしたマキシムは、イングランドの自宅屋敷であるカントリー・ハウス”マンダレイ”の話などをイーディスとするものの、素っ気ない態度で席を立つ。

イーディスはそんなマキシムの態度を批判し、妻を亡くした彼の話などを女性にする。

翌朝、朝食をとろうとした女性は、テーブルの花瓶を倒してしまう。

それに気づいたマキシムは女性を自分の席に誘い、彼女は戸惑いながらもその好意を受ける。

イーディスが風邪で寝込んでいることを知ったマキシムは、昨夜の態度を女性に謝罪する。

マキシムは女性とイーディスの関係を知り、両親を亡くした彼女が、画家だった父親と非常に仲が良かったことなどを知る。

女性のスケッチに付き合うことになったマキシムは、マンダレイと違い、海水浴に最適なこの場で溺れる者がいないかと話す彼女の言葉に動揺する。

ホテルの部屋に戻った女性は、美しいマキシムの妻が船で溺れ死んだと、看護師に話しているイーディスの話を聞いてしまう。

翌日、テニスのレッスンに行くことをイーディスに伝えた女性は、クラブの前でマキシムに話しかけられてドライブに誘われる。

楽しい時を過ごした女性は部屋に戻り、マキシムに電話を掛けるようイーディスに指示される。

イーディスからの誘いの伝言を受け取ったマキシムだったが、その夜も女性と会う。

女性はマキシムに惹かれ、時を忘れて彼とのダンスを楽しむ。

翌日、再びテニスに行く許可を得た女性だったが、看護師を解雇したため、今後は自分が世話をするようにとイーディスに言われてしまう。

イーディスは、伝言の返事をよこさないマキシムに苛立つ。

マキシムとドライブをした女性は、どうして自分のような世間知らずの女を誘うのかを問う。

過去を忘れさせてくれる相手として一緒に居たいだけだと伝えたマキシムは、慈善だと思うなら車から降りるようにと彼女に言う。

泣き出してしまった女性にハンカチを渡したマキシムは、身分に関係なく同等に付き合っていることを伝え、自分をファースト・ネームで呼ぶよう求め彼女を落ち着かせる。

その後、イーディスの娘が婚約したため帰国することになった女性は、マキシムと別れることになる。

マキシムに電話をするものの連絡がとれない女性は、焦りながら身支度を始める。

行き違いで連絡の取れない女性は出発の時間となり、仕方なくイーディスを待たせてマキシムの部屋に向かう。

別れを告げる女性が、本意ではないニューヨークに向かうことを知ったマキシムは、帰国か自分と共にマンダレイに行くかどちらを選ぶかを彼女に問う。

秘書として雇う考えなのかと聞く女性だったが、マキシムに結婚を申し込まれて戸惑ってしまう。

マンダレイで暮らすには相応しい相手ではないと謙遜する女性に対し、それは自分が判断することだとマキシムは答える。

女性の愛を確かめたマキシムは、イーディスに話してほしいと言われて彼女を部屋に呼ぶ。

伝言の返事だと考えたイーディスは、マキシムの元に向かい、娘が婚約したことを彼に伝える。

マキシムは自分も婚約したことを伝えるために呼んだと言って、相手が女性だと知らせる。

驚くイーディスはマキシムを祝福し、出発を取り止めて身寄りのない女性の世話をすることを告げる。

マキシムはその必要がないことをイーディスに伝え、女性の荷物を見に行く。

イーディスは皮肉を言い始め、女性がマンダレイで暮らす貴婦人になれるはずがないと言い切る。

屋敷の一人暮らしが寂しいマキシムが、相手を探しただけだとも言われた女性は、イーディスを追い払おうとする。

イーディスは、”ド・ウィンター夫人”に嫌みを言って立ち去る。

その後、結婚したマキシムとド・ウィンター夫人は、幸せを実感する。

イングランドコーンウォールカントリー・ハウス”マンダレイ”。
雨の中、屋敷に戻ったマキシムは、家事の一切を任せるダンヴァース夫人(ジュディス・アンダーソン)の指示で集まった使用人達に、新しい”ド・ウィンター夫人”を紹介する。

緊張する夫人は、現れたダンヴァース夫人に挨拶されて戸惑う。

無表情で威圧感のあるダンヴァース夫人と話した夫人は、彼女が、前夫人が嫁いできた時から屋敷に居ることなどを知る。

ダンヴァース夫人と友好関係を築こうとする夫人は、今は使われていない最も美しい場所である、最初の”ド・ウィンター夫人”の部屋の場所を知らされる。

翌朝、食堂でド・ウィンター家の財産管理をしているフランク・クローリー(レジナルド・デニー)に会い挨拶された夫人は、姉のベアトリス・レイシー(グラディス・クーパー)と夫ジャイルズ(ナイジェル・ブルース)が訪れることをマキシムから知らされる。

食事をとらずコーヒーだけ飲んでいた夫人は、現れた使用人に気を遣ってしまう。

居間に向かった夫人は、テーブルの上の”R”が付いた日記帳などに気づく。

それを開いた夫人は、マキシムの前の妻が”レベッカ”という名前であり、”R”がその頭文字であることが分かる。

そこに電話がかかり”ド・ウィンター夫人”は亡くなったと伝えてしまった夫人は、受話器を置いた後で自分への電話だったことに気づく。

そこに現れたダンヴァース夫人は、電話が庭師からだろうと伝え、夫人にベアトリスらとの昼食のメニューの確認を求める。

前夫人の好みだったものを出すように指示した夫人は、レベッカのアドレス帳などを確認するが、テーブルの上の陶器の置物を落として壊してしまう。

夫人はそれを拾い、机の引き出しの奥に隠してしまう。

ベアトリスとジャイルズが屋敷に到着し、ベアトリスが率直に意見するとマキシムから聞いていた夫人は、緊張しながら二人と対面する。

二人に挨拶した夫人はダンヴァース夫人のことを聞かれ、今までに会ったことのないタイプだと答える。

ベアトリスは、ダンヴァース夫人がレベッカを慕っていたことを夫人に知らせる。

農場に行っていたマキシムが戻り昼食となり、ベアトリスは、夫人のために舞踏会を開くことを提案する。

夫人は会話を楽しむのだが、ジャイルズがヨットは好きかを彼女に尋ねる。

ジャイルズは失言したことに気づき、マキシムの顔色は変わる。

その後ベアトリスは、夫人の髪形や洋服をマキシムが好んでいるのかなどを聞く。

夫人はマキシムは気にしていないと伝え、率直に話すベアトリスに親しみを感じる。

ベアトリスは、不幸な事件があったマキシムが幸せそうなので安心したことを伝えて屋敷を発ち、夫人は、その言葉を気にしながら彼女を見送る。

マキシムと散歩に出かけた夫人は、愛犬ジャスパーがボートが停泊する入り江に向かったため、その場に行ってみたいことを彼に伝える。

それを拒もうとしたマキシムだったが、妻にせがまれて仕方なく入り江に向かう。

ジャスパーの様子がおかしいことに気づいた夫人は、マキシムの制止も聞かずにそれを追う。

夫人は、ジャスパーが入り口で吠える小屋に向かい、その場にいたベン(レナード・キャリー)に犬を知っていると言われる。

紐を探そうとして小屋に入った夫人は、レベッカの所持品らしきものを確認して外に出る。

ベンは、自分がこの場にいたことを誰にも言わなことを夫人に確認し、”彼女は海に消えて戻ってこない”と呟く。

マキシムの元に戻った夫人は、気分を害する彼から、小屋には二度と行かないようにと言われ、中に入ったことを非難される。

憤慨するマキシムは、戻って来るべきではなかったと言って嘆く。

マキシムを傷つけてしまったことを後悔し、涙する妻が自分を愛していることを確認したマキシムは、彼女が愛しくなり謝罪する。

落ち着いた夫人だったが、コートのポケットに入っていたハンカチがレベッカの物だと気づき動揺する。

数日後、夫人は、小屋に行き変わった男性に会い、ジャスパーが吠えていたことをフランクに話す。

ベンが無害な男であり、小屋の物がレベッカの物だと知らされた夫人は、その場で船が沈みレベッカが死んだという話も聞く。

死体は2か月後に40マイル先で発見され、検視に立ち会ったマキシムが辛かっただろうと言って、フランクは彼を気遣う。

皆が自分とレベッカを比べていると感じる夫人だったが、結婚したことを歓迎しているとフランクに言われる。

マンダレイの人とは違う新鮮さがあると付け加えるフランクは、優しさや誠実さ、そして謙虚さを兼ね備えていることが大事だと夫人に伝える。

マキシムが暗い過去を必ず断ち切れると言うフランクは、レベッカがどんな女性だったのかを夫人から聞かれ、どんな物よりも美しかったと答える。

その後、夫人は美を追求し始めて、イメージを変えてマキシムに接する。

妻には合わないような気がしつつも、その変化を歓迎するマキシムは、彼女と共にハネムーンのフィルムを観る。

そこに執事が現れ、マキシムは、ダンヴァース夫人と他の使用人との間のトラブルを知らされる。

居間の装飾品がなくなったことが原因なのだが、夫人は、家宝であるそれを自分が壊して隠したために、その件をマキシムに告白する。

自分で対処するよう妻に伝えたマキシムは、現れたダンヴァース夫人にそのことを伝える。

夫人はダンヴァース夫人に謝罪し、壊した物は机の引き出しに隠してあることを話す。

マキシムは、今後は必ず自分に報告するようにと言うダンヴァース夫人の言葉を遮り彼女を下がらせる。

謝罪する妻に、なぜダンヴァース夫人を怖がるのかを尋ねるマキシムは、日々が窮屈であることを彼女から知らされる。

自分が悪い噂の対象だと言う、妻の言葉を気にしたマキシムは顔色を変える。

マキシムは、自分が夫として相応しい相手なのか疑問であることを伝え、いい伴侶だと言う妻に同意する言葉を返せない。

そうでなければ出て行くと言う妻に、適切な考えを伝えられないまま、マキシムは、幸せに満ち溢れるフィルムの続きを見せる。

翌日、夕方には帰るというマキシムの置手紙と昨夜のことを考えながら落ち込む夫人は、レベッカの部屋の窓が開いていることに気づく。

その後、男性の訪問客が親しげにダンヴァース夫人と話している声を聞いた夫人は身を潜める。

男性は帰った様子だったが、夫人がいた部屋の窓から彼女に話しかける。

不躾な男性ジャック・ファヴェル(ジョージ・サンダース)は、現れたダンヴァース夫人に素っ気なくされて帰ろうとする。

ファヴェルは、来たことをマキシムには知らせないでほしいと夫人に伝え、自分がレベッカの従兄だと言ってその場を去る。

夫人はレベッカの部屋に向かい、中の様子を見ながら開いていた窓を確認する。

そこにダンヴァース夫人が現れ、窓が開いていたという夫人の言葉を否定する。

部屋を見てみたかっただけではないかと問うダンヴァース夫人は、いつでも見せると言いながらカーテンを開けて明かりを入れ、その素晴らしさを語る。

衣装室なども見せるダンヴァース夫人はレベッカの思い出に浸り、微笑みを浮かべながら彼女のことを語る。

今でもレベッカが屋敷に居るように思えるというダンヴァース夫人は、動揺する夫人に、死者の甦りを信じると語る。

そのダンヴァース夫人の異様な言動に、恐ろしさを感じる夫人は部屋を離れる。

その後、夫人は居間にダンヴァース夫人を呼び、レベッカとファヴェルが関係しているようなメモを見つけ、彼女に関する物を処分するよう指示する。

それに意見しレベッカを”ド・ウィンター夫人”と呼ぶダンヴァース夫人に対し、夫人は、自分が”ド・ウィンター夫人”であることを伝える。

マキシムが戻ったことに気づいた夫人は、ファヴェルのことは彼には話す気はないが、レベッカの部屋のことをなどは忘れたいとダンヴァース夫人に語る。

マキシムを迎えた夫人は、仮装舞踏会を開きたいことを伝え、それを彼に承諾されて準備を始める。

衣装を考える夫人は、先祖の肖像画から選ぶことをダンヴァース夫人に提案される。

ある肖像画の衣装を勧められた夫人はそれに決めて、ダンヴァース夫人に助言を感謝する。

舞踏会当日。
マキシムはベアトリスとジャイルズを迎え、衣装を秘密にする妻が、それを教えてくれないことを知らせる。

ベアトリスは夫人を手伝おうとするが、衣装をまだ見せたくないと言われてしまう。

準備ができた夫人は、肖像画と自分を比べながら、マキシムの元に笑顔で向かう。

妻の衣装を見たマキシムは驚き、ベアトリスは”レベッカ”と口にする。

マキシムは、直ぐに着替えるよう妻に指示して声を荒げる。

それに従おうとした夫人は、レベッカの部屋に入っダンヴァース夫人の元に向かい、この件について問い詰める。

夫人を嫌うのは、”ド・ウィンター夫人”の座についているためで、前夫人を想うマキシムの気持ちは変わらず、その代りは誰に務まらないことをダンヴァース夫人は伝える。

苦しむ夫人は、ダンヴァース夫人にマンダレイを去るしかないと言われ、窓から身を投げたいような気にさせられる。

その時、海岸で何かを知らせる花火が上がり、騒ぎに気づいたマキシムら男性達はその場に向かう。

我を忘れかけていた夫人は、正気に戻りマキシムを追う。

夜明け近くになり、海岸でマキシムを捜す夫人は、その場にいたベンに意味不明のことを言われる。

フランクからマキシムの居場所を知らないと言われた夫人は、船を調べようとしたダイバーが、その下で別の船を見つけたことを知らされる。

それがレベッカの船であったため、フランクはマキシムの気持ちを案じ、同じ気持ちの夫人は夫を捜す。

小屋に向かった夫人はその場にマキシムがいることに気づき、昨夜のことを謝罪する。

最初からやり直すことを提案する夫人だったが、手遅れだというマキシムは全てが終わったと言って落胆し、レベッカの勝ちだと語る。

ダイバーはボートだけでなく死体も見つけ、それがレベッカであり、埋葬されているのが彼女ではないことをマキシムは妻に話す。

それを知っていたマキシムは嘘をついていたと言って、自分が船にレベッカを置き去りにしたことを告白する。

それでも自分を愛せるかを妻に問うマキシムは、彼女の気持ちが変わらないことを知る。

手遅れだと語るマキシムから、親密に感じられなかったため真実を話せなかったと言われた夫人は、レベッカを想いつつ自分を愛せたのかを問う。

レベッカの身代わりであり彼女を愛し続けるための道具のようなものだったと妻に言われたマキシムだったが、レベッカを憎んでいたと答える。

驚く妻に対してマキシムは、確かにレベッカに魅了された時期はあったが、愛や慈悲の心、品性が欠けている彼女との生活は幸せではなかったことを伝える。

マキシムがレベッカを愛していなかったことで、夫人は逆に安堵する。

モンテカルロの崖で本当のレベッカを知り、彼女を殺すこともできたと言うマキシムは、同じ状況で妻と出会ったために、正気とは言えない態度をとったことを語る。

マキシムは家族の名誉を守るために、良妻を装うというレベッカの取引に応じたのだった。

その後マキシムは苦しむ日々を送り、好きなことをし始めたレベッカは従兄のファヴェルも屋敷に呼んだ。

この小屋にもファヴェルが来たことを語るマキシムは、彼が屋敷に現れたことを妻から知らされる。

話を続けるマキシムは、レベッカを殴ってしまった後、彼女が勝ち誇った表情を見せながら歩み寄って来た際、躓いて倒れ頭に工具を打ち付けて死んだことを話す。

事故だと言っても信じてもらえないと判断したマキシムは、レベッカの死体を船に乗せたのだった。

マキシムは船を沖に出して穴をあけて沈め、自分はゴムボートでその場から逃れたのだった。

夫人は、真実を知るのはレベッカと自分達だけであるため、誰にも疑われないとマキシムに伝える。

マキシムは妻の言葉に救われて愛を伝えるが、最後には必ずレベッカが勝つと言って嘆く。

夫人は、怯えるマキシムを励ます。

そこにかかってきたフランクからの電話を受けたマキシムは、警察署長のジュリアン大佐(C・オーブリー・スミス)が溺死体の確認を求めていることを知らされる。

死体を確認したマキシムは、以前の検視は自分の判断ミスだったことを認める。

ジュリアン署長は疑うことなく、一応、諮問会が開かれることと、船大工が発見された船を調べていることをマキシムと付き添うフランクに伝える。

冷静に対処する夫人は、諮問を控えるマキシムを気遣う。

マキシムは妻に苦労をさせていることを気にし、二人は愛を確かめる。

諮問会が開かれ、検視官(メルヴィル・クーパー)は、まずベンにレベッカについてを質問する。

ベンは入院させられることを恐れるだけで、何も知らないと話し退席させられる。

次に呼ばれた船大工は、船に海水が入るよう栓が開けられ、内側から壁を壊した形跡があり、沈められた可能性を指摘する。

検視官は、同席しているジュリアンにレベッカの自殺が考えられるかを問い、署長はそれを否定する。

マキシムが質問され、レベッカが一人で船に乗り自分で穴を開けたことが考えられるか、また、自殺をすると思うかを問われる。

分からないと答えるマキシムは、夫婦関係に問題はなかったかも聞かれ、我慢の限界に達して検視官に怒鳴り始める。

恐れていたことが起きたため夫人は気を失い倒れ込んでしまい、審議は中断される。

妻を気遣うマキシムは、車に用意させた昼食をとるよう彼女に指示してフランクの元に向かう。

そこに現れたファヴェルは戻ったマキシムと夫人に、船の穴のことなどを話したいと言って、迷惑に思う二人を気にすることもなく一緒に昼食を食べようとする。

今日中にこの件が揉み消される気がすると言うファヴェルは、レベッカが死んだ日に残した自分へのメモを見せながら、自殺する者が書くような内容でないことを伝える。

ファヴェルが取引したいことを察したマキシムは、現れたフランクにジュリアンを呼ぶよう指示し、ファヴェルと共にパブの個室に向かう。

マキシムは、妻とフランクと共に現れたジュリアンにファヴェルを紹介する。

ファヴェルはジュリアンに、医者の診察を受けた後で小屋に向かい待っていると言う内容のレベッカのメモを見せて、それが自殺を決心した女性が書いたものに思えるかを問う。

マキシムの殺人を仄めかすファヴェルに対し、ジュリアンは証拠を求める。

ベンが何かを隠していると指摘するファヴェルが自分を侮辱する態度に我慢できず、マキシムは彼を殴ってしまう。

殺人の動機を尋ねるジュリアンに対し、ファヴェルはもちろんあると言って部屋を出る。

戻ったファヴェルはダンヴァース夫人を招き入れ、レベッカのロンドンでの主治医の名前を聞く。

知らないと答えるダンヴァース夫人は、レベッカが自殺する理由も考えられないと涙ながらに伝える。

尚も主治医の名前を言わないダンヴァース夫人は、殺人の可能性があるとジュリアンに言われ、その疑いがマキシムにかけられていることをファヴェルから知らされる。

驚いたダンヴァース夫人は、レベッカの結婚前からの主治医ベイカー(レオ・G・キャロル)の名前を出す。

そこに行けば殺人の動機が分かると言うファヴェルは、レベッカが妊娠していたことを伝え、それがマキシムの子でないために彼が殺人を考えたと指摘する。

ジュリアンは、ベイカー医師に会う必要があるため、諮問を延期すること求めようと検視官の元に向かおうとする。

自分もロンドンに同行すると言うファヴェルは、”容疑者”が逃亡する可能性を問うが、ファヴェルはその心配はないと答える。

マキシムは妻を屋敷に向かわせて、ジュリアンらと共にベイカー医師の元に向かう。

ロンドン
ジュリアンから、事件当日にレベッカを診察したかを尋ねられたベイカーは、予約帳を確認してそれを否定する。

ベイカーは、ダンヴァース夫人を診察したことを確認し、マキシムらはそれがレベッカであったことに気づく。

守秘義務を考慮した上で捜査上必要であることを確認したベイカーは、レベッカには自殺する理由があったと指摘する。

重病だったレベッカは妊娠でなく、検査結果の診断で末期癌であったことを彼女に伝えたことをベイカーは話す。

ベイカーは、レベッカが死を恐れる態度を見せず、数か月の命と聞いて”そんなに長くはない・・・”と言い残したことも語る。

ジュリアンはレベッカの死を自殺と断定し、ベイカーに協力を感謝する。

ファヴェルは、自分もダンヴァース夫人も全く知らなかった言って動揺する。

諮問を続けるかをフランクに聞かれたジュリアンは、その必要はないと答える。

ジュリアンはファヴェルの酒の誘いを断り、行った行為について考えるよう伝える。

マキシムはジュリアンに感謝して彼と別れ、複雑な思いで、知らないことがあるとフランクに伝える。

フランクは何もないと答えて、自分は殺していないと言うマキシムを気遣う。

ダンヴァース夫人に電話をしたファヴェルは、レベッカが癌を隠し自殺したことを伝える。

ファヴェルは、マックスと夫人が幸せに暮らしていくだろうと付け加えて電話を切る。

駐車違反を警官に注意されたファヴェルは、他に仕事はないのかと言って気にせず車で走り去る。

マキシムは胸騒ぎを感じながら、妻を案じて屋敷に急ぐ。

ダンヴァース夫人は、暖炉の前のソファーで眠る夫人を見つめる。

屋敷に近づくマキシムは眠っていたフランクを起こし、到着したマンダレイが燃えていることを知らせる。

マキシムは妻を探し、無事だった彼女を見つけて抱き合う。

夫人は、自分達の幸せな姿を見るくらいならマンダレイはなくなる方がいいと言って、ダンヴァース夫人が火を放ったことをマキシムに伝える。

レベッカの部屋に残っていたダンヴァース夫人は笑みを浮かべながら、ベッドの上にかけられた、彼女が刺繍したレベッカの頭文字”R”と共に炎に包まれる。


解説 評価 感想 ■

★ヒッチコック登場場面
上映から約126分のクライマックス。
レベッカの従兄ジャック・ファヴェル(ジョージ・サンダース)が、電話ボックスでの会話を終えてその場を離れた際、警官に駐車違反を注意される。
その後ろを通り過ぎる、帽子を被りコートを着た男性がアルフレッド・ヒッチコックなのだが、注意して観ていなければまず認識不可能。

*(簡略ストー リー)

身寄りのない若い女性は、妻を亡くしたイギリスの大富豪マクシミリアン”マキシム”ド・ウィンターとモンテカルロで出会い、惹かれ合った二人は結婚する。
イングランドコーンウォールカントリー・ハウス”マンダレイ”。
広大な敷地に建つ屋敷に到着した”ド・ウィンター夫人”は、家事を一切仕切るダンヴァース夫人をマキシムから紹介される。
無表情で威圧感のあるダンヴァース夫人の存在を気にしながら、夫人は前夫人”レベッカ”の部屋がそのまま残されていることを知る。
平凡な自分が貴婦人となれるのか、マキシムに愛は受け入れられているのか、ダンヴァース夫人他使用人達に気を遣いながら、夫人は”レベッカ”の影に怯え苦悩する・・・。
__________

ハリウッド・デビューとは言え既にに実績十分のアルフレッド・ヒッチコックだったが、製作者デヴィッド・O・セルズニックの監視下で思うような映画作りができなかったらしい。

セルズニックは、前年の「風と共に去りぬ」(1939)で好演したオリヴィア・デ・ハヴィランドを主役に起用することを考えたが、彼女のスケジュールの関係で実現できず、結局は大スターとは言えないデ・ハヴィランドの妹ジョーン・フォンテインに主役が決まったという経緯がある。

迫る恐怖や緊迫感を前面には出さない人間心理の追及、明暗を使いこなす映像効果、殆ど動的描写のない異様な使用人(ダンヴァース夫人)の人間離れした存在の主張など、苦労した製作過程を感じさせないヒッチコックの巧みな演出は素晴らしいの一言だ。

第13回アカデミー賞では、作品、撮影賞(白黒)を受賞した。
・ノミネート
監督
主演男優(ローレンス・オリヴィエ)
主演女優(ジョーン・フォンテイン)
助演女優(ジュディス・アンダーソン)
脚色・美術(白黒)・作曲・編集・特殊効果賞

主人公役の抜擢に成功を疑う声もあったジョーン・フォンテインだったが、前妻の影に怯える女性を見事に演じ、翌年、同じヒッチコック作品である「断崖」(1941)で早くもアカデミー主演賞を受賞することになる。

妻である主人公を支える役ではあるが、計算し尽くされた説得力ある演技で観る者に訴える、30代前半にして実に深い演技を見せるローレンス・オリヴィエには圧倒させられる。

映画史に残るキャラクターとも言える、その存在感は主人公達を上回る、亡霊のような雰囲気で画面を支配する使用人ジュディス・アンダーソン、終盤にドラマに大きく関わるレベッカの従兄ジョージ・サンダース、ド・ウィンターの財産を管理するレジナルド・デニー、マキシム(ローレンス・オリヴィエ)の姉グラディス・クーパー、その夫ナイジェル・ブルース、警察署長C・オーブリー・スミス、主人公が相手をする富豪夫人フローレンス・ベイツ、検視官メルヴィル・クーパー、レベッカの主治医レオ・G・キャロル、海岸に住む男レナード・キャリーなどが共演している。


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