麗しのサブリナ Sabrina (1954) 4.88/5 (33)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

ビリー・ワイルダーの製作、監督、脚本による、まるでおとぎ話のような、お洒落で粋なロマンチック・コメディの傑作。
ハンフリー・ボガートオードリー・ヘプバーンウィリアム・ホールデン共演。


ロマンチック・コメディ

オードリー・ヘプバーン / Audrey Hepburn 作品一覧


スタッフ キャスト ■

監督:ビリー・ワイルダー
製作:ビリー・ワイルダー
戯曲:サミュエル・テイラーSabrina Fair
脚本
ビリー・ワイルダー
サミュエル・テイラー
アーネスト・レーマン
撮影:チャールズ・ラング
編集:アーサー・P・シュミット
美術・装置:
ハル・ペレイラ
ウォルター・H・タイラー
サム・カマー
ロイ・モイヤー
衣装デザイン:イデス・ヘッド
音楽:フレデリック・ホランダー

出演
ライナス・ララビー:ハンフリー・ボガート
サブリナ・フェアチャイルド:オードリー・ヘプバーン
デヴィッド・ララビー:ウィリアム・ホールデン
オリヴァー・ララビー:ウォルター・ハンプデン
トーマス・フェアチャイルド:ジョン・ウィリアムズ
エリザベス・タイスン:マーサ・ハイヤー

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1954年製作 113分
公開
北米:1954年9月22日
日本:1954年9月28日
製作費 $2,238,813
北米興行収入 $10,000,000


アカデミー賞 ■

第27回アカデミー賞
・受賞
衣装デザイン賞
・ノミネート
監督
主演女優(オードリー・ヘプバーン)
脚本・撮影(白黒)・美術賞(白黒)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ロングアイランド、北部海岸。
大邸宅を構える大富豪ララビー家の運転手であるトーマス・フェアチャイルド(ジョン・ウィリアムズ)の娘サブリナ(オードリー・ヘプバーン)は、ララビー家の次男デヴィッド(ウィリアム・ホールデン)に恋をしていた。

しかし、父トーマスはサブリナの叶わぬ恋を諦めさせるために、彼女をパリの料理学校に留学させようとする。

ララビー家で開かれているパーティーを、木の上から覗き見していたサブリナは、デヴィッドが銀行家令嬢と親密なのを知りショックを受ける。

失意のサブリナは、ガレージで自殺しようとするが、ララビー家の長男ライナス(ハンフリー・ボガート)に、子猫のように隠れていたところを見つかってしまう。

その後、サブリナはパリの料理学校で学ぶが、心はいつも他所にあり、失敗ばかりを繰り返していた。

いくつもの事業を展開するララビー家の長男として、堅実な人生を歩むライナスとは対照的に、奔放な性格のデヴィッドは、プレイボーイとしても知られ、3度の結婚を経験していた。

デヴィッドはライナスの策略で、事業拡大のため、新製品の原材料を所有する、タイソン家の令嬢エリザベス(マーサ・ハイヤー)との結婚を強いられそうになる。

それを不満に思うデヴィッドは、ライナスに噛み付いてしまう。

しかし、ぬかりのないライナスは、全て自分の思い通りに事を運びデヴィッドを丸め込もうとする。

2年の留学生活を終え、サブリナは洗練された女性としてパリから戻る。

デヴィッドは、たまたま駅で見かけたサブリナを、彼女と気づかずに家まで送るが、そこは自分の屋敷だった。

サブリナは、今まで自分を無視していたデヴィッドから、その夜のパーティーに誘われて夢み心地になる。

しかし、サブリナの父トーマスとライナスは、今後の行方に不安を感じる。

トーマスは、サブリナにデヴィッドの婚約を知らせるが、それを承知の彼女は気にもしなかった。

その夜、デヴィッドとエリザベスの婚約披露パーティーが催され、そこに彼に誘われたサブリナが現れる。

デヴィッドは、エリザベスをさて置きサブリナの相手をしてしまい、それを知ったトーマスは不機嫌になってしまう。

その様子を見た、デヴィッドの父オリヴァー(ウォルター・ハンプデン)は、それをライナスに知らせる。

ライナスは、デヴィッドの”悪い病気”を戒めるために、彼がポケットに入れてあったシャンペン・グラスの上に座らせる罠を仕掛ける。

デヴィッドに怪我をさせたライナスは、とりあえずサブリナから彼を引き離すことに成功する。

ライナスは、サブリナのデヴィッドへの気持ちを忘れさせようとするが、彼女の気持ちが時代の流れだと肯定的に捉えているように見せかける。

デヴィッドが、サブリナを諦める気のないことを知ったライナスは、仕方なく自分が彼女の相手をすることにする。

トーマスは、娘サブリナに近づくライナスに不信感を感じるが、彼女をパリへ送り返すための計画だと聞かされる。

その後もサブリナと行動を共にしたライナスは、パリへの船旅に彼女を誘う。

見かけによらず野暮な男のライナスだったが、人を引きつける魅力のある彼に、サブリナは心を寄せるようになる。

傷が癒えたデヴィッドと、久しぶりに会ったサブリナだったが、既に気持ちは彼から離れていた。

サブリナと共に船でパリに行くことを考えるライナスは、自分は乗船しないつもりで、手切れ金の準備などをする。

ライナスは、サブリナが自分に惹かれていることを察し複雑な思いになる。

そんなサブリナは、船旅のチケットが二枚用意されていたことを知り感激する。

しかしライナスは、自分が船に乗らないことと、ビジネスと結婚が絡んだ計画を正直にサブリナに伝える。

それを聞いた失意のサブリナは、独りでパリに行く決心して、ライナスからチケットを受け取りその場を去る。

社内で一夜を過ごしたライナスは、サブリナを傷つけてしまったことを後悔し、彼女の乗る船にデヴィッドを向かわせようとする。

そこにデヴィッドが現れ、一連のライナスの計略を知り彼を殴り倒してしまう。

前日サブリナに会ったデヴィッドは、彼女の自分への愛が冷めていることを確認していた。

ライナスは、エリザベスとの計略結婚は解消し、デヴィッドに船に乗るよう指示する。

デヴィッドは、ライナスとサブリナがお互い愛し合っていることを確認してその場を去る。

そして、ライナスは、いつしか自分がサブリナに惹かれていることに気づく。

サブリナがパリへと旅立つ日、ララビー社での会議の席上、ライナスは、合同事業解消を発表しようとする。

しかし、船に乗らなかったデヴィッドが、その場に現れ、ライナスがサブリナと結ばれるという新聞記事を見せる。

デヴィッドがサブリナを傷つけるような発言をしたため、憤慨したライナスは彼を殴ってしまう。

サブリナに恋をしているライナスのために、車とタグボートを用意したデヴィッドは、彼女の乗る船に急ぐよう彼を急き立てる。

ライナスは、デヴィッドの気持ちを受け入れて船へと急ぐが、それが理解できない父オリヴァーは嘆き、興奮してオリーヴの瓶の上に腰掛けてしまう。

そしてライナスは、何食わぬ顔をして客船の甲板に現れ、彼を見つけたサブリナと抱き合う。


解説 評価 感想 ■

1953年11月にブロードウェイで初演された、サミュエル・テイラーによる舞台劇、”Sabrina Fair”の映画化。

1995年に、製作、監督シドニー・ポラックハリソン・フォード主演でリメイク作「サブリナ」が公開された。

*(簡略ストー リー)

大富豪ララビー家の運転手フェアチャイルドの娘サブリナは、叶わぬ恋と知りながら、一家の次男デヴィッドへのお思いを断ち切れずにいた。
フェアチャイルドは、サブリナのデヴィッドへの気持ちを忘れさせるために、彼女をパリの料理学校に留学させる。
多くの事業を手がけるララビー家の事業を取り仕切る長男ライナスは、奔放な生活を続けているデヴィッドを、ビジネス・パートナーの令嬢と結婚させようとする。
そんな時、留学を終え、洗練された女性に成長したサブリナが帰国する。
デヴィッドはサブリナとは気づかずに、彼女の魅力に惹かれてしまい、婚約者の相手どころの話ではなくなってしまう。
それを知ったライナスは、自分が仕掛けた、新規事業成功のシナリオを狂わされ二人を引き離そうとする。
しかし、サブリナの相手をするようになったライナスに、彼女は心惹かれるようになってしまう・・・。
__________

ハンフリー・ボガートウィリアム・ホールデンら、超豪華な顔ぶれを引き立て役のように使い、オードリー・ヘプバーンを、まるで妖精のように、美しくスクリーンに映し出すビリー・ワイルダーの演出手腕は見ものだ。

前半は、オードリー・ヘプバーンの可愛らしさと美しさを際立たせ、後半は事業一点張りだったハンフリー・ボガートに、恋心が芽生えるという微妙な男女関係を、そして、道化のような笑いを誘いながら、結局は恋のキューピット役となる、ウィリアム・ホールデンに軽い演技をさせるという、ビリー・ワイルダーの変幻自在な演出は素晴らしい。

また、相変わらずビリー・ワイルダーは小道具の使い方がうまい。
堅物であるハンフリー・ボガートが、事業欲のために扱うおかしなプラスチック製品などは、彼が抱えているだけで滑稽であり、傷を冷やすための氷と扇風機なども、実に洒落た使われ方をしていた。

2002年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

第27回アカデミー賞では、衣装デザイン賞をイデス・ヘッドが受賞している。
・ノミネート
監督
主演女優(オードリー・ヘプバーン)
脚本・撮影(白黒)・美術賞(白黒)

主演の三人は、本作の直前にアカデミー主演賞を揃って受賞していてる。
ハンフリー・ボガート:「アフリカの女王」(1951)
ウィリアム・ホールデン:「第十七捕虜収容所」(1953)
オードリー・ヘプバーン:「ローマの休日」(1953)

オードリー・ヘプバーンの洗練された美しさを際立たせている、アカデミー賞を受賞した、イデス・ヘッドの、お馴染の飾り気のないシンプルな衣装の素晴しさも見逃せない。

主題曲”ラ・ヴィ・アン・ローズ”を効果的に使ったフレデリック・ホランダーの音楽も印象に残る。

ララビー家の家長であるウォルター・ハンプデンも、間の抜けた可笑しさでいい味を出している。

ヒッチコック作品などでもお馴染みであるイギリスの名優、サブリナの父親役ジョン・ウィリアムズや、富豪令嬢役でマーサ・ハイヤーも出演している。


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