扉の陰の秘密 Secret Beyond the Door… (1948) 3.04/5 (27)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

相手をよく知らずに結婚した富豪令嬢の恐怖体験を描く、製作、監督フリッツ・ラング、主演ジョーン・ベネットマイケル・レッドグレイヴアン・リヴィア他共演の心理スリラー。


スリラー/ホラー


スタッフ キャスト ■

監督:フリッツ・ラング
製作:フリッツ・ラング
製作総指揮:ウォルター・ウェンジャー
原案:ルーファス・キング
脚本:シルヴィア・リチャーズ
撮影:スタンリー・コルテス
編集:アーサー・ヒルトン
音楽:ミクロス・ローザ

出演
セリア・バレット:ジョーン・ベネット

マーク・ラムフェア:マイケル・レッドグレイヴ
キャロライン・ラムフェア:アン・リヴィア
ミス・ロビー:バーバラ・オニール
エディス・ポッター:ナタリー・シェイファー
ボブ・ドワイト:ジェームズ・シーイ
デヴィッド・ラムフェア:マーク・デニス

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ

1948年製作 98分
公開
北米:1948年1月1日
日本:1949年9月6日
製作費 $1,463,500


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ニューヨーク
富豪令嬢のセリア・バレット(ジョーン・ベネット)は、両親とその後の後見人の兄を亡くしてしまう。

財産の管理を済ませたセリアは、数ある求婚を断り、友人のエディス・ポッター(ナタリー・シェイファー)の家族とメキシコに向かう。

タバコ売りの女を争う二人の男の決闘に興味を示したセリアは、ある男(マイケル・レッドグレイヴ)の視線を感じる。

その場を離れカフェに向かったセリアは、自分を見つめていたマーク・ラムフェア(マイケル・レッドグレイヴ)に声をかけられる。

マークに自分が求めていたものを感じるセリアは、席を外していたエディスが戻ったため、彼女に子供の世話をするようにと言って追い払う。

その後の3日間、共に行動したセリアとマークは愛を確かめ、結婚を決意する。

結婚式当日、セリアは建築家であるマークのことをよく知らないことに気づくが、逃げ出せるような状況ではなかった。

マークの古い屋敷で幸せな日々を送っていたセリアは、彼が、ニューヨークの建築雑誌の事業売却を考えていることを知る。

数日後に、実家のあるレヴェンダー・フォールズに来るようにとセリアに言い残し、マークはその場を去る。

その後セリアは、電報で連絡があったというマークの言葉が、嘘だったことを使用人に知らされる。

マークはなぜ去ったのか・・・。
不安が募るセリアは、考えを巡らせて眠れぬ夜を過ごすが、レヴェンダー・フォールズで待つというマークからの手紙が届き、彼女の心配は消え去る。

数日後、レヴェンダー・フォールズに到着したセリアは、駅でマークの姉キャロライン(アン・リヴィア)に迎えられる。

屋敷に着いたセリアは、マークに結婚歴があり息子がいることを知る。

更にセリアは、ベールを被るロビー(バーバラ・オニール)というマークの女性秘書が同居していることも知る。

マークから花が届いていることに気づいたセリアは喜び、食事をしながら、ロビーが火傷を負ったためベールを被っているのだという話をキャロラインから聞かされる。

翌日、駅に向かったセリアはマークの到着を喜ぶが、胸元のリラの花を見た彼が顔色を変えたことに気づく。

マークは、雑誌の売却は撤回したことと、銀行に向かうために夕方迎えをよこすように伝えてセリアと別れる。

気分を害したセリアはニューヨークに戻ろうとするが、兄もいない空虚な日々を過ごすことになると考え屋敷に向かう。

その後、マークの息子デヴィッド(マーク・デニス)と対面して挨拶されたセリアは、素っ気ない彼と言葉を交わす。

そこにマークが戻り、セリアは彼に前の結婚を隠していた理由を聞く。

妻を理解できず夫として失格であり、デヴィッドとも疎遠だったことをマークはセリアに話す。

銀行の融資も受けられなかったマークは、名家であるにも拘らず悪い噂が立つのを恐れていた。

セリアは、以前、断られてはいたが、マークへの資金援助をすることを伝える。

数日後、二人の結婚披露パーティーが開かれる。

招待客で、セリアに求婚したこともある弁護士のボブ・ドワイト(ジェームズ・シーイ)は、マークが資金難で屋敷も抵当に入っていることを知っていた。

その後マークは、趣味で復元した複数の部屋を招待客に披露するが、幸福な部屋だと聞いていたセリアは、それらがいずれも殺人が起きた部屋だと知り驚く。

ボブは、マークがセリアの全財産を自由にできることと、雑誌は黒字だということを彼女に伝える。

セリアは、動揺しながらボブの話を嫉妬だと言うが、前妻の金を使い果たし、今回も相手は大富豪だという客の言葉を聞き憤慨する。

未完成だと言う7号室の存在を知ったセリアは、メキシコや駅でのことに加え、殺人現場を再現するマークの行動に疑問を感じる。

閉ざされた7号室の件を尋ねたセリアだったが、マークは絶対に中は見せないと言って気分を害してその場を去る。

翌日、マークの子供時代や自分が結婚を勧めたとキャロラインから聞いたセリアは、マークが部屋のことでデヴィッドを叱っているのを制止する。

セリアは、父が母を殺したとデヴィッドから言われて動揺する。

前妻の死因を知ろうとしたセリアは、妻は愛しマークは愛さなかったことをキャサリンから聞く。

マークが、ある鍵を持っていることに気づいたセリアは、彼の仕事場に向かう。

その場にいたロビーが、キャロラインや前妻に嫌われていたことを知りセリアは同情する。

戻ったマークがシャワーを浴びている隙に、セリアは蝋で鍵の型を取る。

合鍵を作ったセリアは、夜中になるのを待ち7号室に向かい、そこが前妻が亡くなった寝室で、デヴィッドの話が正しいことを確信する。

部屋を調べたセリアは、蝋燭が一本短いことに気づき、そこが自分の部屋であることを知りその場を離れる。

ロビーに出くわして逃げたいことを伝えたセリアは、屋敷を出るものの、そこに何者かが現れ彼女は叫び声をあげる。

その後マークは、セリア殺害の容疑をかけられ裁判を受ける自分を想像し、殺害衝動を何度か抑えた経緯などを考える。

朝食の際、マークはロビーに出ていくよう伝え、彼女はセリアに告げ口され裏切られたと言ってその場を去る。

部屋に戻ったマークは、現れたセリアに驚き、昨夜は庭でボブに会い、デヴィッドを迎えに来たことを彼女は伝える。

セリアはマークに愛を伝え、キャロラインがデヴィッドと共に家を離れることになる。

マークは、セリアと二人で暮らすことを恐れ彼女からできるだけ離れようとして駅に向かうが、屋敷に戻ってしまう。

7号室にリラの花を飾ったセリアは、現れたマークの秘密を聞き出そうとする。

駅でリラを見た時に表情を変えたことを指摘したセリアは、それを処分した母親に傷つけられたのではないかとマークに問う。

誰かがドアの鍵を閉めた音を聞いたセリアは、自分を締め殺そうとするマークに、母親のことを想い起させる。

母親を愛していた10歳のマークは、彼女が摘んだリラを部屋に飾ったのだが、外出する際に外から鍵をかけられ閉じ込められたことを話す。

マークは、自分を置いてダンスに向かった母親を憎み、彼女を殺す代わりにリラを握りつぶしたことを語りセリアに近づく。

セリアは、閉じ込めたのはキャサリンだと知らせるが、部屋のドアから煙が入り込む。

部屋を出た二人は、火が放たれた屋敷内で煙に巻かれて倒れ込む。

マークはなんとか外に出て、屋敷に戻り意識を失ったセリアを救い出す。

火を放ったロビーは、マークがいるのを知らなかったことを伝えるが、彼は何も語らずセリアを抱きながらその場を離れる。

その後マークは、呪縛を解いてくれたセリアに感謝して、彼女と幸福を実感して新たな人生を送る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

ニューヨーク
富豪令嬢のセリア・バレットは、家族を失い財産管理を済ませてメキシコ旅行に向かう。
そこでセリアは、建築家のマーク・ラムフェアと出会い恋に落ち、彼をよく知らないまま結婚する。
雑誌事業売却のためニューヨークに向かうことになったマークは、セリアにレヴェンダー・フォールズの実家に来るよう伝えて旅立つ。
電報を受け取ったというマークの話が嘘だったと知ったセリアは、不信感を抱きながら実家に向かい、彼の姉キャロラインに迎えられる。
セリアは、マークには亡くなった前妻がいて息子もいることを知り、ベールを被った秘書ロビーも同居していた。
駅に着いたマークを迎えに行ったセリアは、胸に付けたリラの花を見て動揺する彼の態度を気にする。
その後、結婚披露パーティーが開かれ、マークは趣味で作った部屋を披露するのだが、それは有名な殺人現場を再現したものだった。
幸福の部屋だと言われていたセリアは驚き、更に彼女は、閉ざされた秘密の部屋の存在を知る・・・。
__________

名匠フリッツ・ラング演出によるフィルム・ノワール作品で、製作者ウォルター・ウェンジャーが、妻のジョーン・ベネットを主演に、自身の”ダイアナ・プロダクション”で製作した作品。

注目は、イギリス人俳優のマイケル・レッドグレイヴで、彼のハリウッド初進出作品であり、脇を固める共演陣も実力派が揃っている。

子供時代の体験による殺害衝動を抑えきれない男性の苦悩が描かれた心理スリラーであり、極端な恐怖シーンはない。

その異常な性格を持つ夫に怯えることなく、愛の力でそれを克服しようとする主人公である女性の、逞しさなどが強調されているところが非常に興味深い。

モノクロ映像による暗闇の効果や光の使い方など、フリッツ・ラングの見事な映像感覚も、確かな演出と合わせて楽しめる。

小柄ではあるが力強ささえ感じる、主人公を熱演するジョーン・ベネット、その夫、精神を病み殺害衝動に悩むマイケル・レッドグレイヴ、その姉役のアン・リヴィア、秘書バーバラ・オニール、主人公の友人ナタリー・シェイファー、弁護士ジェームズ・シーイ、夫の息子マーク・デニスなどが共演している。


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