シェーン Shane (1953) 5/5 (31)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

1949年に発表された、ジャック・シェーファー同名小説の映画化。
悪党の嫌がらせに遭う開拓民に手を貸す孤独な流れ者のガンマンを描く、製作、脚本ジョージ・スティーヴンス、主演アラン・ラッドジーン・アーサーヴァン・ヘフリンブランドン・デ・ワイルドジャック・パランスベン・ジョンソン他共演による、映画史上に残る西部劇の名作。


西部劇


スタッフ キャスト ■

監督:ジョージ・スティーヴンス
製作:ジョージ・スティーヴンス
原作:ジャック・シェーファー
脚本:A・B・ガスリーJr.
撮影:ロイヤル・グリグス
編集
ウィリアム・ホーンベック

トム・マクアドー
音楽:ヴィクター・ヤング

出演
シェーン:アラン・ラッド

マリアン・スターレット:ジーン・アーサー
ジョー・スターレット:ヴァン・ヘフリン
ジョーイ・スターレット:ブランドン・デ・ワイルド
ジャック・ウィルソン:ウォルター・ジャック・パランス
クリス・キャロウェイ:ベン・ジョンソン
ルーファス・ライカー:エミール・メイヤー
フランク・トーリ:イライシャ・クックJr.
リズ・トーリ:エレン・コービー

アメリカ 映画
配給 パラマウン・ピクチャーズ

1953年製作 118分
公開
北米:1953年4月23日
日本:1953年10月20日
製作費 $3,100,000
北米興行収入 $20,000,000


アカデミー賞 ■

第26回アカデミー賞
・受賞
撮影賞(カラー)
・ノミネート
作品・監督
助演男優(ウォルター・ジャック・パランス/ブランドン・デ・ワイルド)
脚本賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ワイオミング
開拓地のある牧場に、1人の流れ者(アラン・ラッド)が現れる。

男は開拓民のジョー・スターレット(ヴァン・ヘフリン)の家に立ち寄り、彼に挨拶する。

その後、男は、スターレットの息子ジョーイ(ブランドン・デ・ワイルド)が持つライフルに敏感に反応する。

その直後、立ち退きを要求する近隣地域を牛耳るルーファス・ライカー(エミール・メイヤー)とその手下達の姿が見え、男はスターレットにその仲間と間違われ追い帰される。

しかし、男はそこに現れたライカー一味を見ると、スターレットの友人だと言って彼に加勢し、一味を追い払ってしまう。

スターレットは男に謝罪し夕食に招待し、改めて挨拶して彼を歓迎する。

その男シェーンは、スターレットの妻マリアン(ジーン・アーサー)の手料理でもてなされる。

食事のお礼にと考え、シェーンはスターレットが掘り起こそうとしていた、大木の根元を取り去る作業を手伝い、二人はそれをやり遂げる。

スターレットの好意で、シェーンはその夜は納屋に泊めてもらい、翌朝、ジョーイに、この地にいて欲しいと告げられる。

ライカーのことも気になったシェーンは、しばらくスターレットの家で彼の手伝いをすることにする。

スターレットに世話になる間、拳銃を外したシェーンは、丸腰で町に買い物に行く。

そこでシェーンは、ライカーの手下のクリス・キャロウェイ(ベン・ジョンソン)に絡まれるが相手にしなかった。

その夜、ライカーの嫌がらせに苦しむ開拓民は、スターレットの家に集まり対策を練っていた。

そこに現れたフランク・トーリ(イライシャ・クックJr.)は、町であったことを伝え、シェーンを腰抜け呼ばわりする。

ジョーイは、旅人シェーンに好意を寄せていたが、その話を聞いてしまいショックを受ける。

シェーンは話し合いの席を外し、その話を信じようとしないジョーイに言い訳をしなかったが、マリアンは彼の気持ちを察する。

マリアンは、温厚ではあるが、結局は旅立つことになる流れ者のシェーンを、好きになり過ぎないようにとジョーイに言い聞かせ、自分も深入りすることを避けようとする。

数日後、開拓民達と町に出かけたシェーンは、再びライカー一味のクリスの嫌がらせを受ける。

シェーンは、ジョーイに立ち向かう勇気を見せるために、今回はクリスを殴り倒す。

その後も二人の殴り合いは続き、シェーンはクリスを叩きのめし、ライカーは彼を雇い入れようとする。

それを断ったシェーンは侮辱を受け、さらに一味の集団と戦うことになる。

シェーンは袋叩きに遭うが、それを知ったスターレットが加勢して一味を打ち負かす。

家に戻ったシェーンは、マリアンに傷の手当てをしてもらうが、自分を、父親と同じくらい好きだというジョーイの言葉を気にする。

マリアンも、夫とは違うシェーンの逞しさや優しさに惹かれ、やがて訪れる彼との別れを思うと心が痛む。

独立記念日
シェーンがジョーイに銃の使い方を教えていると、それを見ていたマリアンが彼を責める。

しかし、銃は農具と一緒で、使い方次第で役に立つと、シェーンはマリアンに伝える。

その後ライカーは、シェーンが開拓民達とは違う種類の男だと察し、シャイアンから、殺し屋ジャック・ウィルソン(ウォルター・ジャック・パランス)を呼び寄せる。

開拓民は集まりパーティーを開いていたが、町の酒場に顔を出してきたトーリは、ライカーが新顔を雇ったことを知らせる。

風貌などから、その男が有名な早撃ガンマンのウィルソンだと考えるシェーンらは、家で待ち構えていたライカーに気づく。

ライカーはウィルソンを従え、スターレットらを威嚇しながら譲歩案を提示する。

しかし、当然スターレットはそれに同意せず、ライカーは脅しをかけてその場を立ち去る。

その後ライカーは、法に触れぬようスターレットを始末しようとする。

ライカーは、スターレットを誘き出すために、トーリを殺すようウィルソンに命ずる。

そして、喧嘩早い開拓民のトーリは、ウイルソンに挑発され、一瞬のうちに射殺されてしまう。

それを知った他の開拓民は、土地を去ろうとする者もあらわれるが、スターレットは、せめてトーリの葬儀だけでも済ませてからと、彼らを説得する。

トーリの葬儀を済ませ、旅立とうとする仲間をスターレットは再び説得し、自分がライカーと決着をつけようとする。

マリアンは町に向かおうとする夫を止めようとするが、シェーンは安易な口出しは出来ない。

ライカーの手下が現れ、スターレットに話し合いに応じることを伝え彼を誘き出す。

シェーンは、ライカーのやり方に嫌気がさした、自分と殴り合ったクリスから、ライカーがスターレットを罠にかけようとしていることを知らされる。

命を捨てる覚悟で町に向かおうとする夫を、マリアンは必死に止めようとするが、ガンベルトを付けたシェーンが現れる。

シェーンは、スターレットにはウィルソンを倒すことが無理だと伝え、彼と格闘になり銃で殴り倒して町に向かおうとする。

ジョーイは、シェーンが銃で父を殴ったことを非難するが、マリアンは彼の気持ちを察する。

そして、マリアンに謝る必要がないと言われたシェーンは、彼女に別れを告げる。

シェーンのしたことが正しいことを理解したジョーイは、彼に謝りながら後を追う。

町の酒場に着いたシェーンは、ライカーやウィルソンに脅しをかけられても全く動じない。

そこにジョーイが到着し、酒場の決闘を息を呑んで見つめる。

不敵な笑みを浮かべながら、余裕を見せて銃を抜こうとしたウィルソンを、一瞬早くシェーンの弾丸が捉え、彼はライカーも射殺する。

その後、シェーンは2階から狙われるが、ジョーイの叫び声でそれも倒す。

全てを終えたシェーンは、相手が殺し屋で早撃ちのウィルソンだったことをジョーイに伝える。

シェーンに謝罪したジョーイは、彼と一緒に家に戻ろうとする。

それに対しシェーンは、”人を殺した者は、もうここにはいられない、両親を大切に、立派な男になるんだ”と、撃たれていた自分を気遣うジョーイに、笑みを浮かべながら語りかける。

そして、ジョーイに別れを告げたシェーンは旅立っていく。

別れを惜しむジョーイの声を聞きながら、シェーンは山の彼方へと消えて行く。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

流れ者のガンマン、シェーンは、開拓地の入植者スターレットの家に立ち寄る。
スターレットは、シェーンが立ち退きを要求している地域を牛耳るライカーの手下だと思い込む。
しかし、シェーンは現れたライカーを追い払うため、スターレットに加勢する。
誤解の解けたスターレットは、シェーンに謝罪して、妻マリアンと息子ジョーイと共に彼を歓迎する。
その後、シェーンはスターレットの手伝いをすることになり、拳銃を外して開拓民達と共に生活を始める。
町に向かったシェーンは、ライカーの手下クリスの嫌がらせに遭いながら、無抵抗のまま帰ってくる。
シェーンを慕うジョーイは、彼を腰抜けだと言う開拓民の言葉が信じられずにいた。
再び家族と共に町に向かったシェーンは、ジョーイの前で、戦う勇気を見せるためにクリスらに立ち向かう。
そして、シェーンが、開拓民とは違う人種だと気づいたライカーは、早撃ちの殺し屋ウィルソンを雇い呼び寄せる・・・。
__________

西部劇にはよくありがちな流れ者の物語なのだが、原作に基づき、少年ジョーイの視点から描いているところが注目だ。

ジョージ・スティーヴンスらしい、派手さを押さえたきめ細やかで現実味のある演出は見事で、特にスターレット一家の母子がシェーンを慕う姿、開拓民の苦悩や生活の描写などが素晴しい。

第26回アカデミー賞では、撮影賞(カラー)を授賞した。
・ノミネート
作品・監督
助演男優
(ウォルター・ジャック・パランス/ブランドン・デ・ワイルド)
脚本賞

1993年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

実際にワイオミングで行われ、アカデミー賞を獲得した撮影そしてロケが、素朴さと逞しさを感じさせる作品に、見事な効果をあげている。

ヴィクター・ヤングの美しい主題曲”遥かなる山の叫び声”と共に、少年ジョーイがシェーンに別れを告げる映画史上に残るラストシーンは秀逸だ。

同じくクライマックスの決闘シーンも、数ある西部劇の中でも屈指の名シーンとなった。

アメリカ人としては非常に小柄なアラン・ラッド(165cm)なのだが、何箇所かを除き、大男の悪党ベン・ジョンソン(188cm)達と同じ画面に登場しても全く見劣りしない力強さがある。
ジャック・パランスは193cm

イデス・ヘッドの担当する洒落た衣装で登場するジョン・ウェインなどとは違い、大き目のだぶついた鞣革の上着にガンベルトという、やや野暮ったいアラン・ラッドの現実に近い衣装もいい。

小柄な体とは対照的な、ドスの利いた低い声も印象的だ。

当時、既に50歳を過ぎていたとは思えないジーン・アーサーの質素な美しさと、思慮深く優しい温かみのある母親役の好演も見逃せない。

開拓者として逞しく生きようとするヴァン・ヘフリンの熱演も光る。

その後、1972年に30歳の若さでこの世を去ることになるブランドン・デ・ワイルドの、飾り気のない少年役は忘れられない名演となりアカデミー助演賞候補にもなった。

出番は少ない、同じく同賞候補になるウォルター・ジャック・パランスの凄みのある殺し屋役も出色で、あの不敵な面構えは、誰にも真似できないだろう。

当時は”ウォルター”も付け加えられてクレジットされていた。

後年のクリント・イーストウッド作品「ペイルライダー」(1985)は、リメイクではないが、多くの場面で本作と同じ状況が登場する。

シェーンの人柄に触れ、改心する悪党ベン・ジョンソン、悪党のボス、エミール・メイヤー、やたらに粋がるがあっさりとジャック・パランスに殺される開拓民のイライシャ・クックJr.、その妻エレン・コービーなど、それぞれの個性を活かした役柄を演ずる共演者も好演している。


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