黄色いリボン She Wore a Yellow Ribbon (1949) 5/5 (32)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

ジョン・フォードジョン・ウェインのコンビによる、フォード一家総出演の騎兵隊3部作の中の一作。
退役間近の騎兵隊指揮官、そして部下達とを描く詩情豊かな描写が印象的な西部劇の名作。
共演ジョーン・ドルージョン・エイガーベン・ジョンソンハリー・ケリーJr.ヴィクター・マクラグレン


西部劇

ジョン・フォード / John Ford 作品一覧
ジョン・ウェイン / John Wayne 作品一覧


スタッフ キャスト ■

監督:ジョン・フォード
製作
ジョン・フォード

メリアン・C・クーパー
原作:ジェームズ・ワーナー・ベラ
“Command”, “War Party” and “The Big Hunt”
脚本
フランク・ニュージェント

ローレンス・スターリングス
撮影:ウィントン・C・ホック

編集:ジャック・マレー
音楽:リチャード・ヘイグマン

出演
ジョン・ウェイン:ネイサン・カッティング・ブリトルズ大尉
ジョーン・ドルー:オリヴィア・ダンドリッジ
ジョン・エイガー:フリント・コーヒル中尉
ベン・ジョンソン:タイリー軍曹
ハリー・ケリーJr.:ロス・ペネル少尉
ヴィクター・マクラグレン:クィンケノン軍曹
ジョージ・オブライエン:マック・オールシャード少佐
ミルドレッド・ナトウィック:アビー・オールシャード
アーサー・シールズ:オラフリン軍医
マイケル・ドゥーガン:ホックバウアー軍曹
チーフ・ジョン・ビッグ・トゥリー:酋長・歩く馬
フランシス・フォード:コネリー
ジャック・ペニック:曹長
トム・タイラー:マイク・クウェイン伍長
ノーブル・ジョンソン:酋長レッド・シャツ
クリフ・ライオンズ:クリフ騎兵

アメリカ 映画
配給 RKO
1949年製作 103分
公開
北米:1949年10月22日
日本:1951年11月
製作費 $1,600,000


アカデミー賞 ■

第22回アカデミー賞
・受賞
撮影賞(カラー)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1876年。
第七騎兵隊は全滅、カスター将軍は死亡、先住民は蜂起し猛威を振るい始め、騎兵隊との戦いに備えていた。
__________

西部の辺境の地スターク砦では、40年の長きに渡り兵役を勤めた老兵ネイサン・ブリトルズ大尉(ジョン・ウェイン)が、6日後に退役を控えていた。

ブリトルズは、閲兵の迎えに来たクィンケノン軍曹(ヴィクター・マクラグレン)と共に、自分の退役の日を改めて確認して、制服を着て部隊の元に向かおうとする。

シャイアンの襲撃を受けた駅馬車を、砦に運んだタイリー軍曹(ベン・ジョンソン)の報告を受け、ブリトルズは警戒を強める。

暫くすると、砦の司令官マック・オールシャード少佐(ジョージ・オブライエン)の姪オリヴィア・ダンドリッジ(ジョーン・ドルー)は、ロス・ペネル少尉(ハリー・ケリーJr.)と馬車で、ピクニックに出かけようとする。

それをフリント・コーヒル中尉(ジョン・エイガー)に制止され、オリヴィアは彼の嫉妬だと決め付けて抗議する。

そこにブリトルズが現れ、コーヒルが非常時に女性の外出を止めたことは正しいと伝え、ペネルが独りでピクニックに向かうことは許可される。

その後、オールシャードに第七騎兵隊の最終報告が届き、戦死者の中にはブリトルズの知人も多くいた。

9年前に亡くなった妻の墓参りをしたブリトルズは、退役後はカリフォルニアに行くということと、第七騎兵隊の全滅による旧友の死を知らせる。

そこにオリヴィアが現れ、今朝の一件を謝罪し、ブリトルズは彼女の姿に妻を想う。

最後の出撃の朝、ブリトルズは、部隊に女性を同行させるというオールシャードに意見書を提出する。

オールシャードは、妻アビー(ミルドレッド・ナトウィック)と姪オリヴィアを東部に帰そうと考え、彼女らを駅馬車の中継所に護送する任務をブリトルズに命ずる。

オリヴィアは、騎兵の制服を着てブリトルズを喜ばせ、恋しい人に見せる印の黄色いリボンも、彼のためだと言うものの、コーヒルとペネルにもそれを意識させる。

そして、アビーとオリヴィアの護衛を命ぜられたブリトルスは、最後のパトロール出発する。

斥候に出していた、タイリーの報告を受けたブリトルズは、移動する先住民の部族を目撃して警戒しながら先を急ぐ。

オリヴィアを巡って、恋の火花を散らす若い二人の士官だったが、有望なペネルを誘惑するオリヴィアに、コーヒルは厳しい言葉を浴びせる。

オリヴィアの辛い気持ちを察したブリトルズは、彼女を慰めて若者達を見守る。

バファローの群れの近くに先住民を確認したブリトルズは、迂回することを考えてタイリーを中継所に向かわせ、駅馬車を待たせようとする。

その後ブリトルズは、アラパホ族酋長レッド・シャツ(ノーブル・ジョンソン)一味に襲われ、追跡を逃れたマイク・クウェイン伍長(トム・タイラー)の報告を受ける。

負傷したクウェインの傷の治療のために、軍医オラフリン(アーサー・シールズ)は、部隊を止めるようブリトルズに要請する。

それを拒んだブリトルズだったが、仕方なく徒歩で前進して速度を落とす。

アビーも手伝った治療は成功し、部隊は前進を続ける。

シャイアンに追われたタイリーは、中継所に到着した部隊と合流し、アラパホも手を組んでいることをブリトルズに報告する。

焼き討ちされ、惨殺された犠牲者を確認したブリトルズは、最後の任務に失敗して落胆する。

その姿を見たオリヴィアは、西部を見たいなどと言った自分に責任があると、ブリトルズに謝罪する。

しかしブリトルズは、あくまで指揮官の自分に責任があることをオリヴィアに伝える。

犠牲者の埋葬を終えたブリトルズは、尚もオリヴィアの件で争い合うコーヒルとペネルに喝を入れる。

その後、100人もの敵に監視されている部隊は、密かにその場から脱出しようとする。

ペネルとタイリーを伴い、偵察に行ったブリトルズは、武器を売りつける商人から、それを略奪する先住民を目撃し、新たな警戒心を高めながら部隊を撤退させる。

先住民を食い止めるため、川に残ることになったコーヒルにオリヴィアが愛を示し、ペネルはついに納得する。

砦に戻ったブリトルズは、オールシャード少佐に任務の失敗を報告する。

ブリトルズは、即刻コーヒルの救助に向かおうとするが、少佐はペネルにそれを任せようとして、夜明けの出撃の考えを伝える。

ペネルでは無理だと判断したブリトルズは、翌日の退役の延長をに申し出る。

しかし、ペネルとコーヒルに、経験を積ませるのが自分達の義務だと言って、少佐はブリトルズを納得させる。

そんな、ブリトルズの寂しさを知ったオリヴィアやアビーは涙する。

そして退役の日、クィンケノンに起こされたブリトルズは、宿舎の整理を彼に任せ、隠してあった酒を”処分”させる。

ブリトルズは、クィンケノンに私服を試着してみるよう伝え、最後の閲兵に向かう。

礼服を着たブリトルズは、ペネル指揮下、整列した部隊員を見て緊張しながら彼らの元に向かう。

出撃する中隊を激励したブリトルズは、部下らから記念品の銀時計を贈られ涙を堪える。

そしてブリトルズは、ペネルに出撃命令を出し、最後の任務を終える。

その様子を見て、オリヴィア、オールシャード、そしてアビーは涙する。

宿舎に戻ったブリトルズは、2週間後に退役を控える、自分の私服を試着したクィンケノンに、同じ物を注文するよう、酒代を渡して売店に行かせる。

ブリトルズは、クィンケノンを無事に退役させるために、酔って私服を着ていると言って、彼を営倉送りにするよう部下に命令する。

売店のバーで、コネリー(フランシス・フォード)と酒を酌み交わしたクィンケノンは、自分を逮捕しに来た兵士達と殴り合いを始め、彼らと共にブリトルズのために乾杯したりもする。

そして、再び兵士達を叩きのめしたクィンケノンは、現れたアビーの命令で営倉に送られる。

ブリトルズは、クィンケノンのことをオールシャードに託し、オリヴィアとアビーに別れを告げて砦を去る。

その頃、先住民は総攻撃のために、800~900人が集結していた。

その後、ブリトルズはコーヒルとペネルの隊と合流して、退役までの残り時間が4時間あることを確認し、タイリーを伴い、先住民の大酋長”歩く馬”(チーフ・ジョン・ビッグ・トゥリー)の元へ和平交渉に向かう。

ブリトルズは、戦いに向けて、気勢を上げる部族の若者達への不満を酋長に伝える。

しかし、既に手遅れだと酋長に言われたブリトルズは、仕方なく部隊に戻る。

深夜近く、ブリトルズは奇襲攻撃をかけ、先住民を殺さずに馬を逃がし、戦いを回避することに成功する。

ブリトルズは、コーヒルとペネルに、先住民を居留地に送り返す命令を出し、民間人となった彼は、2人に別れを告げてカリフォルニアに向かう。

しかし、軍はブリトルズを必要として、タイリーに後を追わせ、陸軍中佐として彼を部隊に呼び戻す。

砦では、ブリトルズの歓迎会の準備が整っていたが、彼は、亡き妻の墓前に報告に行く。

そして、妻の墓前のブリトルズの脳裏には、新たな任務に就き、逞しき兵を指揮する自らの姿があった。


解説 評価 感想 ■

騎兵隊3部作の中の第二作。

参考:他の騎兵隊三部作
・「アパッチ砦」(1948)
・「リオ・グランデの砦」(1950)

*(簡略ストー リー)

40年間の兵役を、残り6日で終えようとしているスターク砦の指揮官ネイサン・ブリトルズ大尉は、第七騎兵隊の全滅とカスター将軍の死を知る。
ブリトルズは、先住民が戦いののろしを上げようとする中、軍歴最後の任務であるパトロールに向かおうとする。
砦の司令官オールシャード少佐は、妻のアビーと姪オリヴィアを、駅馬車の中継所に護送する任務をブリトルズに命ずる。
砦を出発したブリトルズの部隊は、行く先々で先住民が活発に動き出していることを感じながら先を急ぐ。
しかし、中継所は既に焼き討ちされた後であったため、ブリトルズの最後の任務は失敗に終わってしまう。
失意のブリトルズは、若いコーヒル中尉と部隊を残して砦に戻り、準備を整えて彼らを救出に向かおうとする。
しかし、司令官オールシャードは、若い士官ペネルに経験を積ませることを優先し、ブリトルズの意見を退けて納得させる。
そして退役の日、部下から記念品を受け取ったブリトルズは、カリフォルニアに向かうために砦を去るのだが・・・。
__________

アパッチ砦」(1948)に比べると、フォード一家の出演メンバーがやや少ない。

フォード作品はどれもが詩情豊かではあるが、退役軍人の物語でもあり、取り分け本作は、人情にこだわるフォードの思い入れが強く感じられる。

特に、亡き妻の墓前で、ジョン・ウェインが淡々と墓石に語りかけるシーンや、焼き討ちで殺された二等兵の武勲を称えて埋葬するシーンの、映像の美しさと落ち着いた雰囲気で見せる描写と演出は秀逸だ。

冒頭で、いきなり度肝を抜く駅馬車暴走のスピード感と迫力も、フォード作品の真骨頂だ。

また、バファローの大群や、馬の暴走場面など見所も多くある。

第22回アカデミー賞では、3部作の中で唯一のカラーである本作で、ウィントン・C・ホックが見事に撮影賞(カラー)を受賞した。

その撮影映像は出色で、モニュメントバレーの見事なロケと、行軍する部隊のバックに広がる原野に鳴り響く 稲妻が光る映像は特に素晴しい。

民謡を編曲したリチャード・ヘイグマンの主題曲は、西部劇のスタンダードとなり、誰もが聞き覚えがある名曲でもある。

主演のジョン・ウェインは老兵役なのだが、若い士官が足元にも及ばないほどの大活躍と、毅然とした中にも情に弱い愛すべき指揮官を好演し、その演技は高く評価された。

劇中で度々彼が口にする、”謝罪は、弱さに通じる”(Never apologize, it’s a sign of weakness.” は、強さと威厳の象徴的存在のウェインならではのセリフだ。
それほど、彼の存在感は他を寄せ付けない圧倒的ものなのである。

最近では、「リトル・ミス・サンシャイン」(2006)で、このセリフが使われた。

ジョーン・ドルージョン・エイガーハリー・ケリーJr.らも、ウェインの多くの発言を教訓にして成長する若者を、生き生きと演じている。

共演陣の中では、ジョン・ウェインの補佐ヴィクター・マクラグレンが、飲んだくれで乱暴な軍曹をいつもながらに怪演し、大いに楽しませてくれる。

主人公の信頼が厚い、軍曹を演ずるベン・ジョンソンも、さすがに見事な手綱さばきを見せて、最も優れた騎兵役を見事に演じている。

フォード一家フォード作品の常連の面々の出演も嬉しいばかりだ。

砦の司令官ジョージ・オブライエン、その妻ミルドレッド・ナトウィック、軍医アーサー・シールズ、売店のバーを任されているフランシス・フォード、曹長のジャック・ペニック、騎兵クリフ・ライオンズ、酋長のチーフ・ジョン・ビッグ・トゥリーノーブル・ジョンソン、砦の部隊員役マイケル・ドゥーガン、負傷する伍長役のトム・タイラーなどが共演している。


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