主人公は僕だった Stranger than Fiction (2006) 3/5 (1)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

死ぬ結末の小説の主人公が自分であり、それが現実となることを知らされた男性の運命を描く、監督マーク・フォースター、主演ウィル・フェレルマギー・ギレンホールエマ・トンプソンダスティン・ホフマンクイーン・ラティファ他共演のコメディ・ドラマ。


ドラマ(コメディ)


スタッフ キャスト ■

監督:マーク・フォースター
製作:リンジー・ドーラン
製作総指揮
ジョセフ・ドレイク

ネイサン・ケイヘイン
エリック・コペロフ
脚本:ザック・ヘルム

撮影:ロベルト・シェイファー
編集:マット・チェシー
音楽
ブリット・ダニエル

ブライアン・レイツェル

出演
ハロルド・クリック:ウィル・フェレル

アナ・パスカル:マギー・ギレンホール
カレン・アイフル:エマ・トンプソン
ジュールズ・ヒルバート教授:ダスティン・ホフマン
ペニー・エッシャー:クイーン・ラティファ
デイヴ:トニー・ヘイル
カイリー医師:トム・ハルス
ミッタグ=レフラー医師:リンダ・ハント
ブック・チャンネルのホスト:クリスティン・チェノウェス

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ

2006年製作 113分
公開
北米:2006年11月10日
日本:2007年5月19日
製作費 $30,000,000
北米興行収入 $40,660,950
世界 $53,653,224


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

頭の中が数字と計算だけで、話すのが苦手なハロルド・クリック(ウィル・フェレル)は、過去12年間、平日は毎日、同じ回数歯を磨き、同じようにネクタイを締め、同じ歩数でバス停に向う。

IRSアメリカ合衆国内国歳入庁)の会計検査官であるハロルドは、12年間、毎日、平均7134件の書類を調べる。

仕事以外では人と付き合わないハロルドは、一人で夕食をとり、全てを管理する腕時計をテーブルに置いて、毎晩11時13分にはベッドに入る。

水曜日、ハロルドは、自分の行動を語る女性の声が聞こえるようになってしまう。

心が乱れたハロルドは、それが気になりバスに乗り遅れてしまう。

職場で仕事に集中できないハロルドは、あるベーカリーを調査することになり店に向かう。

オーナーのアナ・パスカル(マギー・ギレンホール)に、所得税支払い不足分があることを伝えたハロルドだったが、防衛費に回される分を払わなかっただけだと彼女に言われる。

それでは国が機能しなくなると言うハロルドは、アナキスト的なグループの参加者なのかをアナに問う。

ハロルドはアナに惹かれてしまい、翌週来ると言ってその場を去る。

そんなハロルドの行動を語る声に、ハロルドは腹を立てる。

小説家のカレン・アイフル(エマ・トンプソン)を訪ねたペニー・エッシャー(クイーン・ラティファ)は、出版社に雇われたアシスタントだと伝える。

小説の主人公”ハロルド”を自殺させることができずに悩んでいたカレンは、ペニーを迷惑に思う。

アシスタントとしての実績に自信を持つペニーは、”ハロルド”を必ず殺すようにしてみせると約束する。

精神科医カイリー(トム・ハルス)からメールを受けたハロルドは、彼のセラピーを受ける。

声はカイリーを馬鹿にし、ハロルドはアナのことを想い浮かべてしまう。

最近ほとんど休んでいないハロルドに有休をとるよう助言したカイリーは、彼を抱きしめる。

職場から帰宅しようとしたハロルドは、腕時計の異常に気づき、それが止まってしまう。
(付近をアナが歩いている。)

時間を合わせたハロルドだったが、その些細な行為が死を招くとは知る由もなかった。

バスを待っていたハロルドは、いつ死ぬのかを声に向かって聞きながら叫び声をあげる。

帰宅したハロルドは、声がどこから聞こえるのかを確かめ、整えられていた部屋を荒らしてしまう。

ミッタグ=レフラー医師(リンダ・ハント)の診察を受けたハロルドは、統合失調症の疑いがあると言われる。

それを否定したハロルドは、小説の登場人物の様に自分を語る声が聞こえるだけだと答える。

その物語が死で終わらないように、内容を突き止めたいことをハロルドは語る。

あくまで統合失調症だと語るミッタグ=レフラーは、薬物療法を勧め、文学の専門家に会うことくらいしか方法はないと答える。

文学理論の専門家ジュールズ・ヒルバート教授(ダスティン・ホフマン)に会い話をしたハロルドだったが、人生が文学的ではないと言われて協力を拒まれる。

ハロルドが口にした聞こえる言葉が自分の研究テーマだとし知ったヒルバートは態度を変え、翌日、来るようにと伝える。

市営バスの中で声が聞こえたハロルドは、それを書き留め、アナが現れると言われて驚く。

その通りに現れたアナに声をかけたハロルドは、迷惑に思われながらも謝罪する。

アナと話す言葉と恥をかく回数を計算したハロルドは、目的地のかなり手前でバスを降りてしまう。

ヒルバートを訪ねたハロルドは、声の主を特定するための意味不明な質問をされる。

雨の中、川沿いに座り衝突事故死を想像するカレンは、ペニーに馬鹿げた行為だと言われても、その場を離れようとしない。

イタロ・カルヴィーノ曰く”悲劇は死で、喜劇は結婚で終わる”とハロルドに話したヒルバートは、喜劇の主人公は相手と恋に落ちるが、最初は対立すると伝える。

ハロルドが嫌われるような人物ではないと思ったヒルバートだったが、IRSの役人である彼が、嫌われ者であることを知る。

最近嫌われた相手がいるかを訪ねられたハロルドは、アナのことを話し、喜劇に相応しいと言われ、関係を進展させるようにとヒルバートに指示される。

アナの店を訪ねたハロルドは、3年分の帳簿と領収書を調べることを伝え、彼女に冷たくされる。

帰ろうとしたハロルドは、アナに焼きたてのクッキーを勧められ、嫌いだと言うもののそれをミルクに浸して食べ、その美味しさに驚く。

ハロルドからいつ店を開いたのかを聞かれたアナは、ハーバードの大学院生に通い卒業はしなかったものの、その時に店を始めることを考えたと伝える。

より良い世界を築こうと考えていたアナのお菓子などが評判になる一方、成績は悪かったために中退した話を、ハロルドは出されたクッキーを食べる。

無理して食べてよかったと、クッキーが美味しかったことをアナに伝えたハロルドは、お土産を渡そうとする彼女にそれを断る。

役人は贈り物を受け取れないと言うハロルドは、それを買うと伝えるが、アナは気分を害して彼を追い払おうとする。

自分のために焼いてくれたのかを問うハロルドは、親切を台無しにしたことを謝罪し、やはり”悲劇”だと言い残してその場を去る。

アナに益々嫌われたことをヒルバートに伝えたハロルドは、彼女のことは忘れろと言われる。

日常していたことを止めて何もしないようにと指示されるものの、アナのことが頭から離れないハロルドは、その状態で物語が進行するかを確かめるとヒルバートに言われる。

有休をとり、いつもの生活パターを乱して過ごしていたハロルドは、アパートの解体工事が始まったために驚く。

解体業者に事情を聞くハロルドは、現場を間違えたことを知る。

やりたいことをしてみるようにとヒルバートに言われたハロルドは、アナの店の外から彼女の様子を見守り、その後、同僚のデイヴ(トニー・ヘイル)のアパートで世話になる。

その後ハロルドは、子供の頃の夢だったギターを手に入れる。

ペニーと共に病院に向かったカレンは、死にそうな患者を探す。

ギターを弾き始めたハロルドは、いままでできなかったことをするようになり人生を楽しむ。

小麦粉をプレゼントするためにアナの店を訪ねたハロルドは、彼女に好意を伝える。

それをアナの家に運んだハロルドは、好意はあると言われて部屋に誘われる。

話をしながら食事をしたハロルドは、その場にあったギターを弾いてもらいたいとアナに言われる。

一度は断ったハロルドは、ギターを弾きながら歌い始め、それを聴いたアナは、自分も彼を求めていることを伝え、二人は愛し合う。

”喜劇”になったことをヒルバートに伝えたハロルドは、リストが無駄になったと言われ、声の主の候補だった7人の名を知らされる。

テレビ・インタビューを受けるカレンが好きな作家だと言いながら、ヒルバートは、その名をメモに書いてハロルドに渡そうとする。

カレンの声を聴いたハロルドは、彼女が声の主だとヒルバートに伝えるが、リストにない彼女は違うはずだと言われる。

イギリス人でもあるカレンが、主人公を小説の中で必ず殺しているとヒルバートに言われたハロルドは、彼女を捜そうとする。

”ハロルド”が死ぬ方法を見つけたと言うカレンは、今日中に小説を仕上げることをペニーに伝える。

出版社を訪ねたハロルドは、カレンの居場所を聞くものの相手にされず、職場に向い会計監査記録のデータから、彼女の連絡先を調べて電話をかける。

草稿を仕上げていたカレンは、その内容と同じように電話が鳴ったために気にして、3度目でそれに出る。

カレンは驚いて電話を切ってしまい、小説の主人公と服装なども同じであるハロルドが現れたために動揺する。

ハロルドは、現実の自分が現れたのだから、殺さないでほしいとカレンに伝える。

結末は書いてないと言うカレンは、筋書きはできていることを伝え、ハロルドはそれを聞いて焦る。

それをハロルドに読んでもらうもらうことをペニーが提案する。

恐くて草稿を読むことができないハロルドは、カレンに会ったことをヒルバートに伝えて読んでもらうことにする。

翌日、内容を聞いたハロルドは、自分が死ぬと言われ、カレンの最高傑作だと確信することをヒルバートは伝える。

ハロルドが死なない結末は考えられないと言うヒルバートは、それを受け入れるしかないことを伝える。

人間、誰しも死は訪れると話すヒルバートは、これほど美しく意味のある死はないとと伝え、悲劇とはそういうものだと語る。

バスの中で草稿を読み始めたハロルドは、数時間もバスに乗り続ける。

カレンの元に向ったペニーは、これまで小説の中で殺した8人についての話を聞かされ、ハロルドだけは違うと言われる。

草稿を読み終えたハロルドはそれをカレンに返し、素晴らしい内容であり、他の結末はあり得ないと伝え、完成させてほしいと言い残してその場を去る。

死の前日、職場で監査報告書を書き終えたハロルドは、アナの部屋に向い、楽しい時間を過ごし、ベッドで愛を伝える。

ホームレスにあげた物は税金の控除が受けられることをハロルドから知らされたアナは、それを全て合わせれば、未納分の税金額以上になると言われる。

法律違反ではないとハロルドに指摘されたアナは、それを破るのが目的だったと伝えるが、刑務所に入れられたら困ると彼に言われる。

それに従うことにしたアナと話をしたハロルドは、彼女が眠った後でその場を去り、アパートに向かう。

翌朝、ハロルドは、仕事に復帰するため、以前の様に身支度をしてアパートを出る。

数週間前に時計が止まった際、聞いた時間が3分進んでいたことに気づかないハロルドは、いつもより早くバス停に着く。

そのせいで予期せぬ事態に遭遇したハロルドは、目の前で自転車の青年が転んだために彼を助ける。

そこにバスが到着して、ハロルドは激突する。

助けられた少年は自分のせいだと、バスの女性運転手は見えなかったと言って動揺する。

小説を書き終えたカレンは、ハロルドから聞いていたヒルバートを訪ね、共通の知り合いがいることを伝える。

草稿を読んだはずのヒルバートに、カレンは、新しい結末の完成稿を渡す。

一命を取り留めたハロルドは病院で目覚め、手足などを骨折するものの、壊れた時計の破片が動脈の大量出血を防いだと主治医に言われる。

リハビリで完治すると言われたハロルドは、動脈を傷つけるので、時計の破片は摘出しなことを知らされる。

ハロルドは、面会に来たアナに、子供を助けるにはバスの前に飛び出すしかなかったことを伝える。

結末の感想をカレン聞かれたヒルバートは、悪くはないが文学史に残る作品とは言えないと答える。

それで満足だと考えるカレンは、結末の悪さは他で調整すると言って、アシスタントのペニーが締め切りを延ばす交渉を始めたことを伝える。

ヒルバートは結末を変えた理由を問い、カレンは殺せなかったと答える。

自分が死ぬと知らずに死んでいく男の物語であり、死を知って死を選んだとしたら、そんな人間を殺せる訳がないとカレンは語る。

アナの甘いクッキーを食べたハロルドは、それでようやく心から安心できた。

不安や絶望により挫折し希望を失った時、甘いクッキーが心を癒してくれる。

クッキーがない時は、愛する人のぬくもりがあればいい。

日常の何気ない物や行為には崇高な意味があり、それ故に人は生きていける。

理解し難い考えではあるが、それは真実でもある。

腕時計がハロルドを救ったように。
(アナが、ハロルドの腕のギブスに腕時計を描く。)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

IRSアメリカ合衆国内国歳入庁)の会計検査官ハロルド・クリックは、12年間、平日は同じ生活パターンを乱さずに過ごしていた。
ある日ハロルドは、自分の行動を語る女性の声が聞こえるようになり動揺する。
小説の登場人物の様に自分を語る声が気になるハロルドは、その物語が死で終わらないかを確かめようと考え、精神科のセラピーなどを受け、文学理論の専門家ヒルバート教授を訪ねる。
ハロルドに興味を持ったヒルバートは、声の主を探すための助言をして、”悲劇は死で、喜劇は結婚で終わる”という話もする。
喜劇であっても最初は対立すると言われたハロルドは、納税不足を指摘した、心惹かれるベーカリーのオーナー、アナが相応しい相手だと考え、関係を進展させるようヒルバートに指示させる。
その頃、小説の主人公”ハロルド”を殺す方法が思い浮かばない作家カレンは苦悩していた・・・。
__________

ネバーランド」(2004)など深い人間描写に定評がある若手監督マーク・フォースターが、死に翻弄される男性の運命を描くコメディ・ドラマ。

ユーモアを交えたファンタジー・タッチの物語は、”死”というテーマと共に進行する、不思議なムードで展開する異色作に仕上がっている。

穏やかではあるが、純粋なコメディとして始まる序盤から、悩める小説家が登場するあたりから雰囲気が一変し、ロマンスもありヒューマン・ドラマに展開して終わる、爽やかなラストも実に心地よい。

豪華スター競演も注目の作品で、コメディ・スターのウィル・フェレルを中心に、脇を支える実力派のエマ・トンプソンダスティン・ホフマンなどの演技が、作品に重みを加えている。

物静かではあるが、大木のような長身で存在感があり、死を知ってしまうという運命に翻弄される主人公を好演するウィル・フェレルは、勿論、得意の歌も披露してくれる。

税務調査で訪れる歓迎できない相手だった主人公を愛するようになるベーカリーのオーナー、マギー・ギレンホール、小説の主人公を殺す方法が思い浮かばずに苦悩するエマ・トンプソン、当初は軽い雰囲気で登場するものの、後半、流石に深い演技を見せる文学系大学教授ダスティン・ホフマン、カレン(エマ・トンプソン)のアシスタント、クイーン・ラティファ、主人公の同僚トニー・ヘイル、精神科医トム・ハルス、医師リンダ・ハント、テレビ番組ホストのクリスティン・チェノウェスなどが共演している。


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