渇いた太陽 Sweet Bird of Youth (1962) 4/5 (1)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

同じテネシー・ウィリアムズの戯曲”Sweet Bird of Youth”の映画化。
俳優として成功する夢を追う青年と衰えを隠せずハリウッドから逃がれてきた女優、そして、父親の権力欲に利用される青年のかつての恋人、3人を中心に描く愛憎のドラマ。

監督、脚本リチャード・ブルックス、主演ポール・ニューマンジェラルディン・ペイジシャーリー・ナイト他共演。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:リチャード・ブルックス
製作:パンドロ・S・バーマン
原作:テネシー・ウィリアムズSweet Bird of Youth
脚本:リチャード・ブルックス
撮影:ミルトン・クラスナー
編集:ヘンリー・バーマン
音楽:ブロニスラウ・ケイパー

出演
チャンス・ウェイン:ポール・ニューマン

アレクサンドラ・デル・ラーゴ:ジェラルディン・ペイジ
ヘヴンリー・フィンリー:シャーリー・ナイト
トム”ボス”フィンリー:エド・ベグリー
トム・J・フィンリーJr.:リップ・トーン
ノニー:ミルドレッド・ダノック
ルーシー:マデレーン・シャーウッド
ダン・ハッチャー:ダブ・テイラー
ジョージ・スカダー医師:フィリップアボット

アメリカ 映画
配給 MGM

1962年製作 119分
公開
北米:1962年3月21日
日本:1962年11月


アカデミー賞 ■

第35回アカデミー賞
・受賞
助演男優賞(エド・ベグリー)
・ノミネート
主演女優(ジェラルディン・ペイジ)
助演女優賞(シャーリー・ナイト)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

フロリダ州、セント・クラウド。
かつて働いていたホテルに舞い戻ったチャンス・ウェイン(ポール・ニューマン)は、酔い潰れた落ち目の映画スター、アレクサンドラ・デル・ラーゴ(ジェラルディン・ペイジ)を同伴していた。

故郷でもあるこの地に帰ったチャンスは、部屋に現れた知人のジョージ・スカダー医師(フィリップ・アボット)から、母親が死んだことを知らされる。

そしてチャンスは、かつての恋人で町の有力者トム”ボス”フィンリー(エド・ベグリー)の娘であるヘヴンリー(シャーリー・ナイト)が、スカダーと結婚することを知らされる。

スカダーはチャンスに、トラブルを避けるためにも町を出るよう警告する。

チャンスは、何とかヘヴンリーに連絡を取ろうとするが、フィンリーの周辺はそれを妨害しようとする。

かつてフィンリーは、若さや意欲があり外見も抜群なのたが、ホテルのバーの雇われに留まっているチャンスを、大物になって帰るようニューヨークに向かわせた。

しかし、それは、チャンスを娘ヘヴンリーから引き離すための、フィンリーの策略だったのだ。

州知事選に立候補したフィンリーは、対立候補への嫌がらせ事件で疑われ、事件になりそうな雰囲気になっていた。

フィンリーは、対立候補側がチャンスを送り込んだのではないかと考え始める。

そんなチャンスを、フィンリーの義理の妹ノニー(ミルドレッド・ダノック)は擁護し、彼が町に現れたことをヘヴンリーに告げる。

ヘヴンリーは、自分を無理矢理チャンスと別れさせ、死んだ母親のことも考えずに、愛人を囲う父フィンリーに反感を抱いていた。

その頃、アレクサンドラは素面に戻ってはいたが、愚かしいキャリアの幕切れを思い出す。

アレクサンドラは、絶望してハリウッドから逃亡した先の、ビーチハウスで出会ったチャンスに慰めを求めていた。

そして、現実に戻ったアレクサンドラは、隠し持っていたマリファナをチャンスと吸う。

しかし、チャンスは、アレクサンドラのマリファナの入手先などを録音する。

チャンスは、それを自分を俳優として売り込むために利用し、アレクサンドラを脅そうとする。

しかし、それに動じないアレクサンドラは、チャンスの体を求める。

ホテルでチャンスの様子を窺っていたフィンリーJr.(リップ・トーン)は、愛人ルーシー(マデレーン・シャーウッド)に会いに来たフィンリーを迎えて状況を報告する。

フィンリーは、ルーシーが対立候補のスパイだということを察していた。

翌朝、ノニーからヘヴンリーに会えるという報せを受けたチャンスは、アレクサンドラに金をせびりながら、役者として成功しかけていた、ニューヨーク時代の話を始める。
__________

ニューヨークで成功しかけ、町に”凱旋”して歓迎を受けたチャンスだったが、朝鮮戦争が勃発し、フィンリーに軍隊の指揮官に指名され、またしても町を追い出されてしまったのだった。
__________

ノニーに会ったチャンスは、彼女から町を出るよう警告され、フィンリーと教会に来たヘヴンリーを見かける。

フィンリーがチャンスを見つけ、人前では愛想を振りまくが、彼はチャンスを罵倒する。

そしてチャンスは、ハリウッドで挫折し、浮浪者同然で町に戻った時のことを思い出す。
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その時、ヘヴンリーと再会したチャンスは彼女と結ばれ、ビーチボーイになり、有力者と関係を持つことを彼女に告げた。
__________

フィンリーは教会から立ち去る際、ジュニアに夜の選挙集会前にチャンスを追い出すよう指示を出す。

ジュニアは、アレクサンドラの部屋に向かい、チャンスと町を出るようにと脅しをかける。

アレクサンドラはチャンスに、彼を売り込むことを約束し、ジュニアに脅されたことを話す。

しかし、ノニーの助力でヘヴンリーに会えることになったチャンスは、アレクサンドラを置き去りにしてヘヴンリーの元に向かう。

ヘヴンリーと再会したチャンスは、アレクサンドラと契約したことを告げ、3人で逃亡しようと彼女を誘う。

しかし、ヘヴンリーはチャンスに危険を知らせ、町を出るように告げて立ち去ってしまう。

ホテルに戻ったチャンスは、アレクサンドラにかかってきたハリウッドからの電話で、彼女が自分を売り込むことを期待する。

しかし、その電話は、アレクサンドラがハリウッドを逃げ出すきっかけとなった作品が、大ヒットしているという報せで、彼女は再び映画出演のオファーを受ける。

アレクサンドラは再び成功を手に入れ、必要な時に冷たくされたチャンスを見限ってしまう。

ホテルではフィンリーの選挙集会が始るが、ヘヴンリーがチャンスとの子供を堕胎したことを、ルーシーから知らされた対立候補が、それを暴露してしまう。

アレクサンドラに見捨てられていたチャンスは、それを聞いてショックを受ける。

それを見たアレクサンドラは、チャンスを慰めて再び行動を共にするよう誘うが、彼は録音テープを渡して彼女と別れる。

フィンリーは会場の人々に罵られ、彼の支持者が暴動を起こして会場は混乱する。

チャンスは、フィンリーの屋敷に向かいヘヴンリーに会おうとするが、現れたジュニアらに痛めつけられてしまう。

やがて、フィンリーとヘヴンリーが帰宅し、彼女はチャンスの元に歩み寄る。

フィンリーは身の破滅を意味する連絡を受け、チャンスはヘヴンリーに介抱されながら、その場を立ち去る。


解説 評価 感想 ■

1959年にブロードウェイで上演された、テネシー・ウィリアムズの舞台劇の映画化。
ポール・ニューマンジェラルディン・ペイジリップ・トーンは、舞台初演のオリジナル・キャストである。

熱いトタン屋根の猫」(1958)のリチャード・ブルックスポール・ニューマンが再びコンビを組んだことが話題となった。

*(簡略ストー リー)

故郷に戻った青年チャンス・ウェインは、落ち目の女優アレクサンドラ・デル・ラーゴを伴っていた。
衰えを隠せない、失意のアレクサンドラは、ハリウッドから逃れる途中、チャンスと出会ったのだった。
チャンスは、母親の死と、かつての恋人で、町の有力者フィンリーの娘ヘヴンリーが結婚することを知らされる。
過去にも、フィンリーに追い払われたことのあるチャンスは、今回もヘヴンリーに会うことを妨害されてしまう。
そんなチャンスは、アレクサンドラを騙して、自分を俳優として売り込むため、彼女を利用しようとするのだが・・・。
__________

名誉、権力、出世などの欲を追い求める人間の愚かさを、リチャード・ブルックス自身の脚色と巧みな演出で描いている。

父親の権力欲の犠牲者である”無欲”な娘が、結局は親を捨てて、成功の道が一旦、途絶えた青年との人生を選ぶという、皮肉も込められている。

第35回アカデミー賞では、エド・ベグリーが助演男優賞を受賞した。
・ノミネート
主演女優(ジェラルディン・ペイジ)
助演女優賞(シャーリー・ナイト)

ポール・ニューマンは、挫折しかけながらも、俳優を志す青年を好演している。
端整な顔立ち、引き締まった体、巧みな話術と行動力、どれをとっても”スターの素質十分”な彼にとって、正にはまり役だ。

浮き沈みの激しい厳しい世界のハリウッドの内幕的な描写の中で、ジェラルディン・ペイジが、40歳手前にして地獄を見ることを恐れる落ちぶれた女優を見事に演じている。

恋愛小説家」(1997)などの太った中年女性しか知らないと驚いてしまう、ブロンドが魅力なヒロイン、シャーリー・ナイトの、豊かさでは満たされない、富豪令嬢の悲しみの表現力も光る。

傲慢で強欲な地元の権力者エド・ベグリー、その息子役リップ・トーン、思慮深い叔母のミルドレッド・ダノック、州知事選対立候補のスパイ、マデレーン・シャーウッド、ホテル支配人ダブ・テイラー、医師フィリップ・アボットなどが共演している。


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