先生のお気に入り Teacher’s Pet (1958) 4.78/5 (32)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

新聞社の堅物社会部長と、ジャーナリズムを教える女性教授との大人のラブ・コメディ。
監督ジョージ・シートン、主演クラーク・ゲイブルドリス・デイギグ・ヤング共演。


ロマンチック・コメディ


スタッフ キャスト ■
監督:ジョージ・シートン
製作:ウィリアム・パールバーグ
脚本
フェイ・ケニン
マイケル・ケニン
撮影:ハスケル・ボッグス

編集:アルマ・マクローリー
音楽:ロイ・ウェッブ

出演
クラーク・ゲイブル:ジェームズ・ギャノン/ジェームズ・ギャラガー
ドリス・デイ:エリカ・ストーン
ギグ・ヤング:ヒューゴ・パイン
マミー・ヴァン・ドーレン:ペギー・デフォー
ニック・アダムス:バーニー・コヴァック
チャールズ・レイン:ロイ
ハリー・アントリム:ロイド・クロウリー
ピーター・ボールドウィン:ハロルド・ミラー
ジャック・アルバートソン:新聞社見学ガイド
ヴィヴィアン・ネーサン:コヴァック夫人

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1958年製作 120分
公開
北米:1958年4月1日
日本:1958年7月15日
北米興行収入 $6,491,970


アカデミー賞 ■
第31回アカデミー賞
・ノミネート
助演男優(ギグ・ヤング)
脚本賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ニューヨーク
”NYイブニング・クロニクル”の社会部長ジェームズ・ギャノン(クラーク・ゲイブル)は、中卒のたたき上げで現在の職に至る、自論を曲げない堅物だった。

ある日、雑用係のバーニー・コヴァック(ニック・アダムス)の母親(ヴィヴィアン・ネーサン)は、社の見学ツアーに参加してギャノンに会いに来る。

コヴァック夫人は、学業を諦めて新聞社に入った、息子バーニーを復学させたいとの意向をギャノンに伝える。

ギャノンは、一人前になるのに学業はいらないことを、自分が中卒であることを例にとり力説する。

しかし夫人は、親として大切に育て上げた子供に教育は受けさせたいと譲らず、ギャノンは、仕方なくバーニーに話をすることを彼女に伝えて安心させる。

当然クビだと思ったバーニーだったが、ギャノンは、記事を書く心得を彼に伝授し、いずれ話をする考えを伝えて仕事を続けさせる。

その後ギャノンは、編集長のロイド・クロウリー(ハリー・アントリム)に呼び出される。

大学の夜間講座の、講師の依頼を断り続けていたギャノンだったが、社長がその大学の理事で名誉学位までもらっていることから、講師の依頼を受けることを編集長から命令される。

仕方なく、大学に出向いたギャノンは、魅力的な女性教授エリカ・ストーン(ドリス・デイ)と対面することになる。

しかし、ギャノンはその場の成り行きと好奇心から、学生として彼女の講義を受けることになってしまう。

ギャノンがいるとも知らず、彼の話題をダシに自論をまくし立てるエリカの講義を聞いたギャノンは、益々インテリの大卒に反感を抱く。

社に戻ったギャノンは、デスクのロイ(チャールズ・レイン)らの前で部下に当り散らしてしまう。

現場を知りもせず、素人が素人にジャーナリズムを教えているとしか思えないギャノンは、エリカをからかってやろうと考え、再び講義に出席する。

正式に、学生登録するようにとエリカに指示されたギャノンは、”ギャラガー”という偽名で登録して講義を受けることになる。

早速、自分に記事を書かせて欲しいと、エリカに頼み込んだギャノンは、瞬く間に課題の記事を書き彼女に渡す。

ギャノンを疑いながら、記事を呼んだエリカは、その素晴らしさに驚いてしまい、素直に彼に謝罪する。

エリカが、さらに記事を絶賛したため、大人気ないことをしたと後悔するギャノンだった。

そして、独身主義者を気取りながら、エリカに惹かれ始めたギャノンは、そろそろ正体を明かそうとするが、彼女は講師を断り続けた新聞社の”ギャノン” には会おうとしない。

その後、ギャノンに一目置くようになったエリカは、彼に特別指導をしようとする。

それに期待したギャノンだったが、つまらない記事の課題を出されただけで落胆する。

社に戻ったギャノンは、大卒のエリートだということで毛嫌いしていた若手ハロルド・ミラー(ピーター・ボールドウィン)に、その課題の記事を書かせようとする。

同時にギャノンは、エリカの恋人らしきヒューゴ・パイン(ギグ・ヤング)という心理学者の存在を知り、彼の身元を調べる。

徹夜で記事を仕上げたミラーを見直したギャノンは、ロイに、彼を日勤に戻すよう指示する。

そしてギャノンは、大変な経歴を持つ上に、ハンサムなパインに嫉妬する。

ギャノンは、エリカのオフィスに押しかけて誘い出そうとするが、そこでもパインの話が出て嫌気が差し、帰り際に彼女にキスしてしまう。

その夜、ギャノンは、歌手で恋人のペギー・デフォー(マミー・ヴァン・ドーレン)とナイトクラブで楽しんでいたが、 そこにエリカとパインのカップルが現れる。

エリカとパインの親密振りが気に入らないギャノンは、彼女のテーブルに向かい同席することになる。

パインに教養では歯が立たないと考えたギャノンは、野球の話題を持ち出したりするが、その方面でもかなわない。

さらに、ダンスや楽器の腕前まで一流のパインを、ギャノンは酔いつぶす作戦に出るが、それも失敗する。

しかも、自分の連れのペギーのショーがあまりにも下品で、ギャノンは恥をかいてしまう。

しかし、ついにダウンしてしまったパインを、彼の家まで送り届けたギャノンは、エリカの家に向かうことになる。

実はエリカも、全てが完璧すぎるパインを負担に感じることもあり、それを知ったギャノンは、夕方のキスを気にする彼女に迫る。
すんなりエリカのアパートに招き入れられたギャノンは、彼女とパインが、著書を共著しているだけだと知り安心する。

その後ギャノンは、エリカの父が、高名な地方新聞社社主で、ピューリッツァー賞を受賞した人物だということを知る。

エリカの気を引くのが目的で、ジャーナリズムを利用したことを恥じたギャノンは、彼女に黙って立ち去ってしまう。

翌朝、パインの様子を見に行ったギャノンは、全てお見通しの彼から、エリカに、正直な気持ちを伝えるようにと助言される。

パインは、エリかもギャノンのことばかりを気にしていたとを伝える。

心理学者らしい、パインの率直な意見に感謝したギャノンは出社する。

その後、エリカが新聞社に出向いたため、ギャノンの正体がばれてしまう。

ギャノンは、身分を隠したことを後悔しているとエリカに伝えるが、彼女は失望してその場を立ち去ってしまう。

落ち込むギャノンは、可愛がっていたバーニーに、母親の言うとおり、復学するのが彼のためだと言ってクビにしてしまう。

パインの元に向かったギャノンは、エリカとの一件で、傲慢な自分の心が変化していくのを感じたことを伝える。

自分の無学を嘆くギャノンに、大学卒業検定委員のパインは、彼を学士に認定しようとする。

パインの気持ちは理解するものの、結局は中身は変わらないことを再び嘆くギャノンだった。

そこに、エリカが現れ、ギャノンがいることを知った彼女は帰ろうとするが、パインが心理学者らしく、二人の状況を分析する。

出世はしたものの、学歴に劣等感を感じる男が、教師を騙して優越感に浸る、打ちのめされたエゴイズムの勝利に、同情すべきだとパインはエリカに語る。

さらにパインは、自信に満ち溢れていたギャノンが、今や打ちひしがれて弱き男になってしまったこともエリカに伝えて彼女の心は動く。

寝室にいたギャノンは、そこで、エリカの父が発行した新聞を見つけ、それがただの趣味に過ぎない内容だったことを知り、自分の自信を取り戻す。

思ったことを率直に伝えたギャノンは、反論してくるエリカを制止し、自分の意見をまくし立てて帰ってしまう。

翌日、ギャノンの言葉に納得したエリカは新聞社を尋ね、彼を前に謙遜しながら、ある提案をしようとする。

しかし、ギャノンが父の新聞に感化された部分もあることを知ったエリカは、態度を一変させる。

エリカは、同等な立場として、正式にギャノンを客員教授に招き、自分の講義のサポートを依頼する。

そして、快くそれを受けたギャノンは、エリカを伴いランチに出かけようとする。

ロッカールームでギャノンは、バーニーの荷物を取りに来たコヴァック夫人に出くわす。

夫人は、復学する気になった息子のことで、世話になったギャノンに感謝する。

ギャノンは、バーニーを、卒業式の翌日9時に出社させるよう夫人に伝える。

その後、部下のミラーが、エリカの教え子だったことを知ったギャノンは、彼に先日の記事が長すぎると噛み付き、書き直すよう命ずる。

そしてギャノンは、部下達の目を気にもせず、エリカと共にランチに向かう。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
中卒のたたき上げが自慢の、新聞社の社会部長ジェームズ・ギャノンは、大学の夜間講師として招かれるが、それを拒否し続ける。
しかし、ギャノンは、編集長の命令で仕方なくそれを受けることになる。
ギャノンは、講義を担当する魅力的な教授エリカ・ストーンに惹かれてしまう。
成り行きで学生になってしまったギャノンは、プロの立場を隠してエリカをからかうが、罪悪感も感じてしまう。
その後も、ギャノンはエリカのことが気になり、恋人らしき心理学者パインの存在を知り嫉妬してしまう。
そんな時、ギャノンは、エリカの父親が高名な地方新聞社の社主だったことを知り、ジャーナリズムを利用し、彼女をからかった自分を恥じてしまう・・・。
__________

監督がジョージ・シートンということもあり、単なるラブ・コメディに終わらず、随所に見られる人情味溢れるシーンや、男の生き様をストレートに描く、彼の演出の真骨頂が、十分に生かされている快作だ。

第31回アカデミー賞では、助演男優(ギグ・ヤング)、脚本賞にノミネートされた。

個人的には、クラーク・ゲイブルの晩年の作品としてはベストにあげたい。

自信に満ち溢れる、彼特有の無駄のない身のこなしや演技は、いつもと同じようにも見える。
しかし、茶目っ気もあり仕事はできるものの、どちらかというと、傲慢なだけで冴えない中年役だけに、彼のイメージを覆しているとも言える。

ハンフリー・ボガートの場合も同様、お決まりの、クールでダンディな役柄よりも、本人達は、意外にこのような役を好んだのかもしれない。

とにかく、本作のゲーブルは”粋”なのだ。

心理学者のギグ・ヤングに、エリカ(D・デイ)の心理分析をしてもらいながら、マティーニを作る時の、ゲーブルの手際の良さや仕草は、とても演技には見えない、惚れ惚れしてしまう。

個人的には、お気に入り女優ベスト5には入るドリス・デイのインテリ教授ぶりも最高だ。

今回は挿入歌で歌を披露してくれるが、作品中では、一瞬、主人公の恋人の歌手(マミー・ヴァン・ドーレン)の歌を皮肉りおどける場面はあるが、ほぼ演技に専念している。

インテリを演じても、素朴な人柄がにじみ出ている、清潔感溢れる彼女の演技は、いつ見ても心が和む。

その上を行く超インテリ役、アカデミー助演賞にノミネートされたギグ・ヤングも、嫌味なところが全くない、実にいい味を出している。

地味な役だが、社会部デスク役のベテラン俳優チャールズ・レインの、いかにも・・・というような初老の部下役も印象に残る。

実はクラーク・ゲイブルの方が年上。

彼のような実力のある脇役に支えられて、名作が出来上がることを思いなが観ると、一層本作が素晴らしく思える。

クラブ歌手で、主人公の恋人マミー・ヴァン・ドーレン、社会部見習いの雑用係ニック・アダムス、その母ヴィヴィアン・ネーサン、編集長のハリー・アントリム、当初は主人公に嫌われるインテリ社員ピーター・ボールドウィン、冒頭のツアー・ガイド、ジャック・アルバートソンなどが共演している。


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