アフリカの女王 The African Queen (1951) 5/5 (29)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

物資輸送を船で行う男と、兄を亡くした宣教師の女性が繰り広げる、奇妙なロマンスと冒険を描いた、監督ジョン・ヒューストンハンフリー・ボガートが念願のアカデミー主演賞を受賞、キャサリン・ヘップバーンロバート・モーリー共演の傑作ドラマ。


アクション/アドベンチャー


スタッフ キャスト ■

監督:ジョン・ヒューストン
製作:サム・スピーゲル
原作:C・S・フォレスター
脚本:
ジョン・ヒューストン
ジェームズ・エイジー
撮影 ジャック・カーディフ
編集 ラルフ・ケンプレン
音楽:アラン・グレイ

出演
チャールズ”チャーリー”オルナット:ハンフリー・ボガート
ローズ”ロージー”セイヤー:キャサリン・ヘップバーン
サミュエル・セイヤー牧師:ロバート・モーリー
船長:ピーター・ブル
士官:セオドア・ビケル

アメリカ/イギリス 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1951年製作 104分
公開
北米:1951年12月23日
日本:1952年8月23日


アカデミー賞 ■

第24回アカデミー賞
・受賞
主演男優賞(ハンフリー・ボガート)
・ノミネート
監督
主演女優賞(キャサリン・ヘップバーン)
脚本賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1914年、ドイツアフリカ東部。
物資輸送船”アフリカの女王”に乗る、粗野で礼儀知らずの
カナダ人チャールズ”チャーリー”オルナット(ハンフリー・ボガート)が、ある村のメソジスト教会に現れる。

チャーリーは、宣教師の兄妹セイヤー牧師(ロバート・モーリー)とローズ(キャサリン・ヘップバーン)に物資を届けて、お茶を呼ばれ、早々と引き上げようとする。

帰り際にチャーリーは、ヨーロッパで戦争(第一次世界大戦)が始まったことを二人に知らせる。

イギリス軍が試練を乗り切れるよう、祈ろとした二人だったが、その間もなく、ドイツ軍が現れ村を焼き尽くしてしまう。

セイヤー牧師はショックを受け、精神に異常をきたして亡くなってしまう。

その後、再び現れたチャーリーは、ローズと共に牧師を埋葬し、彼女を連れて村から脱出する。

戦況の様子を見て、大人しく暮らそうとするチャーリーだったが、ローズは、下流の湖に停泊中だという、ドイツ軍の砲艦”ルイザ”を魚雷で撃沈する決意をする。

湖までの川下りは、とても不可能だと言うチャーリーだったが、頑固なローズは聞く耳を持たなかった。

仕方なく、チャーリーはローズに従うことになり、二人はオンボロ蒸気船”アフリカの女王”で下流へと向かう。

一旦、川岸に船を止めたチャーリーは、ジンを川の水で割り喉を潤す。

一杯勧められたローズはそれを遠慮し、ボイラーのお湯でお茶を入れ、その後、二人は水浴びをしてから眠ることにする。

翌日、最初の激流を通過するが、ローズは、精霊が乗り移った時のような高揚感を感じ、湖への船旅に胸を弾ませる。

ローズが、このあたりで満足すると考えていたチャーリーは、彼女が本気で川を下ろうとしていることを知り、二人は対立してしまう。

ジンを飲み酔ってばかりいる、野蛮人にしか見えないチャーリーを見て呆れたローズは、彼が寝ている間にジンを全て川に捨ててしまう。

その後、自分を無視して沈黙を続ける、頑固なローズに根負けし、チャーリーは、仕方なく川下りを続けることにする。

やがて、ドイツ軍の要塞が近づき、二人は妨害に遭いながらにもそれを切り抜ける。

その直後、船は再び激流に遭遇し、それを無事に通過した頃から、二人は惹かれ合うようになる。

ローズは、人間味溢れユーモアのあるチャーリーを愛するようになり、穏やかな船旅を楽しんでいた二人だったが、その後、激流が待ち構えていた。

二人はそれを何とか乗り切るものの、船のシャフトとスクリューが破損してしまう。

特別な知識もないローズだったが、彼女は破損したシャフトとスクリューを外し、修繕することをチャーリーに提案をする。

チャーリーはローズに励まされ、鍛冶職人さながらの腕前で破損部を直し、二人は、力を合わせて問題を解決し出発する。

やがて、鬱蒼としたアシに進路を阻まれ、船は身動きが取れなくなってしまう。

二人は船をロープで引っ張り前進するが、やがてそれも困難となり、チャーリーが病で倒れてしまう。

しかし、チャーリーを看病するローズの神への祈りが通じ、大雨で水かさが増した川は船を湖へと運ぶ。

生気が甦った二人は砲艦”ルイザ”を発見し、船を一旦アシの茂みに隠す。

島に向かった”ルイザ”が戻ってくる間に、二人は予定通り魚雷を作り、船に手製の”ユニオンジャック”掲げ、軍艦のようにして心意気を見せる。

岸で待つように言われたローズだったが、彼女の気持ちを察したチャーリーは同行を認め、現れた”ルイザ”に突進していく。

しかし、嵐に遭った船はあえなく転覆してしまい、ローズとはぐれたチャーリーは”ルイザ”に救助されるものの、尋問を受けてしまう。

船長(ピーター・ブル)や士官(セオドア・ビケル)に、スパイ呼ばわりされたチャーリーは、絞首刑を言い渡されてしまう。

そこに、救助されたローズが現れ、彼女はチャーリーの制止も聞かずに、手製の魚雷で”ルイザ”を撃沈させようとしていたことを話してしまう。

チャーリーも魚雷の作り方などを話してしまうが、船長は、川を下ってきたという二人の話を信じようとしない。

そんな時、沈没したはずの”アフリカの女王”が、”ルイザ”の進路に転覆した姿で浮かんでいた。

そして、二人の絞首刑が執行されることになるのだが、チャーリーは船長に、最後の頼みとして、ローズとの結婚式を執り行ってほしいと伝える。

それを承知した船長が、二人を夫婦と認め、刑が執行されようとした時、砲艦は大爆発を起こす。

チャーリーとローズは水中に放り出され、”アフリカの女王”が砲艦を撃沈したことを知り、喜びを分かち合いながら二人は岸に向かう。

 


解説 評価 感想 ■

1935年に発表された、C・S・フォレスター同名小説を基に製作された作品。

*(簡略ストー リー)

アフリカの奥地で、物資輸送をするチャーリー・オルナットは、小型蒸気船”アフリカの女王”で、気ままな暮らしを送っていた。
やがて、
第一次世界大戦が始まり、イギリス人の宣教師セイヤー兄妹の村が、ドイツ軍に焼かれてしまう。
セイヤー牧師は、ショックを受けて死亡し、妹のローズは、チャーリーとその場から避難することになる。
戦況を傍観しようとしていたチャーリーだったが、ローズは、
ドイツ軍の砲艦が停泊する、下流の湖に向かう決意を彼に伝える。
そしてローズは、手製の魚雷をチャーリーに作らせ、砲艦を撃沈させるために、不可能な川下りに挑もうとする。
頑固なローズに、仕方なく従うチャーリーだったが、やがて二人には奇妙な友情、そして、愛が芽生えていく・・・。
__________

1994年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

第24回アカデミー賞では、主演男優賞(ハンフリー・ボガート)を受賞した。
・ノミネート
監督
主演女優賞(
キャサリン・ヘップバーン)
脚本賞

アフリカの美しく厳しい自然を、余すところなく描写したジョン・ヒューストンだが、その過酷さが伝わってくる、苦労したロケの成果が十分に伝わる見応えある作品。

ボギーとの相性も抜群の監督ジョン・ヒューストンのバイタリティー溢れる演出で、過酷な演技を求められたハンフリー・ボガートキャサリン・ヘップバーンには、かなりきつそうにも見える。

スタッフのみならず、主演の二人は、演技やメイクではなく、疲れきった表情にも見える場面も々ある。

その大自然を見事に映し出した、ジャック・カーディフの撮影も素晴らしい。

蒸気船の音とだぶる、軽快で愉快なアラン・グレイの主題曲も印象に残る。

ハードボイルド、そしてダンディーな役柄が似合う男というイメージが強いハンフリー・ボガートだが、私は、本作や「黄金」(1948)、「俺達は天使じゃない」(1995)の時のような、汚れ役でユーモア溢れるボギーの方が好みだ。

そのような作品のボギーの評価も高く、本作で見事にアカデミー主演賞を獲得したことで、もそれが証明されている。

劇中でもボギーにからかわれるが、キャサリン・ヘップバーンの、私生活と同じ、独身主義者を気どるような演技は、本作でも健在だ。
彼女は、実業家
ラドロウ・オグデン・スミスと結婚したが、その後離婚、20代半ばから独身を通し、後にスペンサー・トレーシーが生涯を閉じるまで、心の支えとなるパートナーだった。
もちろん本作も、
アカデミー賞に12回ノミネートされた中の一作だ。

実はキャサリン・ヘップバーンの方が、一歳年上の兄役の宣教師ロバート・モーリー、砲艦の船長ピーター・ブル、士官セオドア・ビケル等が共演している。

クリント・イーストウッドの作品「ホワイトハンター ブラックハート」(1990)は、本作のロケ現場を題材にした作品である。


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