裸足の伯爵夫人 The Barefoot Contessa (1954) 4/5 (28)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

製作、監督、脚本を兼ねるジョセフ・L・マンキーウィッツが主宰する独立プロ”フィガロ”初のカラー作品。
美貌と才能を見出された、マドリードの踊り子の女性が、彼女の慕う映画監督に見守られながら、権力や財力に毒されることなく、イタリアの伯爵と運命的な出会いを果たし、悲しい現実の中で命を落すまでを描いた、主演ハンフリー・ボガートエヴァ・ガードナーロッサノ・ブラッツィエドモンド・オブライエン共演のドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:ジョセフ・L・マンキーウィッツ
製作:ジョセフ・L・マンキーウィッツ
脚本:ジョセフ・L・マンキーウィッツ
撮影:ジャック・カーディフ
編集:ウィリアム・ホーンベック
音楽:マリオ・ナシンベーネ

出演
ハンフリー・ボガート:ハリー・ドーズ
エヴァ・ガードナー:マリア・ヴァルガス・トルラート=ファブリーニ
ロッサノ・ブラッツィ:ヴィンチェンツォ・トルラート=ファブリーニ伯爵
エドモンド・オブライエン:オスカー・マルドゥーン
ウォーレン・スティーヴンス:カーク・エドワーズ
マリウス・ゴーリング:アルベェルト・ブラヴァーノ
ヴァレンティナ・コルテーゼ:エレオノーラ・トルラート=ファブリーニ
エリザベス・セラーズ:ジェリー

アメリカ/イタリア 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1954年製作 130分
公開
北米:1954年9月29日
イタリア:1954年12月30日
日本:1954年11月1日


アカデミー賞 ■

第27回アカデミー賞
・受賞
助演男優賞(エドモンド・オブライエン)
・ノミネート
脚本賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

イタリアのラパロ。
一世を風靡した映画女優、そして伯爵夫人であるマリア・ヴァルガス・トルラート=ファブリーニ(エヴァ・ガードナー)の葬儀が執り行われていた。

参列した映画監督兼脚本家のハリー・ドーズハンフリー・ボガート)は、回想する。
__________

3年前。
映画製作に乗り出した実業家カーク・エドワーズ(ウォーレン・スティーヴンス)と、宣伝担当のオスカー・マルドゥーン(エドモンド・オブライエン)と共に、ハリーは女優捜しのためマドリードを訪れる。

下町から成り上がり、今ではウォール街の大物になったエドワードだったが、資金に物を言わせた傲慢な男で、映画製作の才能はなく、ハリーとは反りが合わなかった。

彼らは、町で評判の踊り子マリアをスカウトしようとするが、エドワードは、オスカーに命じて彼女を客席に呼び出そうとする。

しかし、マリアはそれを拒み、エドワードはハリーに彼女を説得するよう指示する。

ハリーは、堅物のマリアが映画ファンだということを知り、そこを巧みについて彼女を説得し、エドワードの元に連れて行く。

席に着いたマリアに、オスカーが、ローマでのカメラテスト他、その後、交わされた場合の契約内容などを伝えるが、彼女は姿を消してしまい、再びハリーがマリアを連れ戻すことになる。

マリアの自宅に向かったハリーは、エドワードの病的な雰囲気を嫌った彼女が中座したことを知り、スターに憧れを抱くマリアに成功を約束する。

そしてマリアは、不仲の母や家族に別れも言わず、ハリーと共にエドワードの自家用機に向かう。

恥をかかされたエドワードが、マリアを葬りかねないことを知っていたハリーは、彼には秘密で、各国の映画界の大物を呼び、テストフィルムを見せ、彼女の存在を世界に知らせてしまう。

マリアの心を理解していたハリーは、彼女のためを思い、エドワードがまだ契約をしていないため、先手を打っていたのだ。

まずマリアをスターにすることを考えたハリーは、今回はエドワードと手を組み映画を作ることにする。

マリアの芸名は”マリア・ダマータ”となり、脚本家ジェリー(エリザベス・セラーズ)と結婚したハリーに見守られながら、初主演作を完成させる。

公開前からマリアは人々を魅了し、そして作品は、いきなりアメリカで大成功を収める。

しかし、マリアの母を父が殺害するという事件が起き、エドワードを含めた周辺は敏感に反応する。

オスカーらは映画の興行収入に関わる問題に対し、早急に手を打とうとするが、事件を知ったマリアは、マドリードに向かってしまう。

母を嫌うマリアは父のために証言台に立ち、スペインではタブーであった母親非難が逆に同情を呼び、父の無罪を勝ち取ってしまう。

マリアは大衆の心を捉え、人々は彼女の行動を賞賛し、彼女は名実共に世界の大スターとなる。

その後、ハリーとマリアのコンビはヒット作を続けざまに世に送り出し、あるパーティーで、マリアに目を付けた南米の大富豪アルベェルト・ブラヴァーノ(マリウス・ゴーリング)が、彼女をヨット・パーティーに招待しテ口説き落とそうとする。

極貧生活で育ったマリアの心は、物質的なものだけでは満たされず、身分相応な暮らしに戻りたいとハリーに胸の内を話す。

そんな時、エドワードとブラヴァーノが口論となり、誘われていたマリアを、エドワードは止めようとする。

マリアは、独裁者気取りのエドワードに嫌気が差し、焼けになってブラヴァーノの誘いを受けてしまう。

オスカーも新たなスポンサー、ブラヴァーノの側に付き、ハリーもエドワードと手を切る。

その後、マリアはブラヴァーノとの生活を続けることになるが、彼を含め、マリアを”所有”出来る男はいなかった。

ある時ブラヴァーノは、南フランスリヴィエラで、王位継承者など、特権階級の人々をカジノに招く。

晩餐も終わり夜も更けた頃、賭けに負けたブラヴァーノがマリアを疫病神呼ばわりしテ侮辱してしまう。

すると、傍らからヴィンチェンツォ・トルラート=ファブリーニ伯爵(ロッサノ・ブラッツィ)が現れ、ブラヴァーノを平手打ちし、彼女と共にその場を立ち去ってしまう。

ファブリーニ伯爵は、以前ジプシーと共に踊るマリアと目を合わせたことがあり、彼は、一目でマリアの魅力に惹かれていたのだ。

たまたま入ったカジノで、ファブリーニはマリアを見かけ、ブラヴァーノに侮辱された彼女を連れ出し、ラパロの屋敷に向かう。

伯爵の中の王とまで言われる、ファブリーニ伯爵の紳士的な優しさにマリアも惹かれるが、彼の姉エレオノーラ(ヴァレンティナ・コルテーゼ)は、それを不安気に見守る。

歴史あるファブリーニの家名にこだわる伯爵は、最後の伯爵夫人となるであろう女性に、マリアが相応しいことを確信しテ結婚を決意する。

しかし、子供の産めないエレオノーラは、同じく、戦争で子孫を残せない体になってしまった弟を気遣いながら、それを知らずに結婚する、マリアの気持ちを思い苦悩する。

そんな時マリアは、近くにロケに来ていたハリーの元を訪れ、彼を連れて屋敷に向かい、ファブリーニと会ったハリーは結婚式に招待される。

そして、ハリーのエスコートで、マリアはファブリーニと結婚式を挙げる。

そんなハリーは、嫌な予感を感じ、ファブリーニに繊細な心を持つマリアを傷つけないようにと忠告する。

マリアも、どことなく不安を感じさせる、ハリーの表情を気にしながら彼と別れる。

その後、マリアはハリーの宿を訪れ、伯爵が子供が作れない体で、心でしか愛せないという、悲しくも意外な現実を、結婚式の夜に告白されたことを語る。

嫌な予感が的中したというハリーに、マリアは伯爵家を途絶えさせないためにと、他の男との間の子供を身篭っていることも伝える。

マリアの考えた、おとぎ話のような筋書きを戒めようとしたハリーだったが、マリアはそれが叶わない場合は、子供を引き取り育てる覚悟を告げて屋敷に戻る。

その場を去るマリアを、不安げに見守るハリーだったが、彼女がつけられていたことを知り伯爵邸に向かう。

しかし、二発の銃声が聞こえた後、伯爵がマリアを抱きかかえて現れる。

伯爵は、マリアとその関係した男を撃ち殺したのだ。

冷静さを保ち、自ら警察に連絡する伯爵の傍らで、ハリーは、現代の”シンデレラ”を抱き続ける。
__________

マリアの葬儀が終わり、参列者が引き上げる中、ハリーは警察に連行される伯爵と、墓に立てられたマリアの像を見つめ、その場を立ち去る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

マドリード
新人女優を発掘しようとしていた映画監督兼脚本家ハリー・ドーズは、地元で評判の美貌の踊り子マリアに目を付ける。
プロデューサーのエドワードの指示に従い、言葉巧みにマリアを誘ったハリーは、宣伝担当のオスカーらと共に彼女をアメリカに連れて行く。
その後、ハリーはマリアを売り込み、彼女の出演作は公開前から評判となり、そして大成功を収める。
やがて、ハリーとコンビを組んだマリアは、次々とヒット作に出演し、彼女は大スターとなる。
そして、物質的なものだけでは満たされない気持ちの彼女の前に、理想の人ファブリーニ伯爵が姿を現すのだが・・・。
__________

ジョセフ・L・マンキーウィッツ製作、監督、脚本による意欲作であるが、エヴァ・ガードナー演ずるヒロインのマリアが、やや独りよがりなところが原因で進む展開などが、悲劇的に描かれ過ぎているような感じを受ける。

第27回アカデミー賞では、助演男優(エドモンド・オブライエン)を受賞し、脚色賞にノミネートされた。

主題曲の「裸足のボレロ」は、当時日本でも大ヒットした。

アフリカの女王」(1951)でオスカーを獲得した絶頂期のハンフリー・ボガートは、面倒見のいいヒロインの”後見人”として、落ち着き払った貫禄の演技で存在感を見せる。

ヒロインのエヴァ・ガードナーの、妖艶な美しさは信じ難いほどだ。

ヴァレンティナ・コルテーゼエリザベス・セラーズという、こちらも美しい女優の出演の中で、映画史上に残る美貌は一際輝いている。

私が、エヴァ・ガードナーを劇場で初めて見たのは、なんと1974年の「大地震」であり、彼女の全盛期をスクリーンで見られた方々は本当に羨ましい。

本作でオスカーを獲得したエドモンド・オブライエンの強かな宣伝マン役、ロッサノ・ブラッツィの、品格と正義感ある伯爵役の好演も印象に残る。

ウォール街の大物であり、映画製作に乗り出すウォーレン・スティーヴンス南米の大富豪マリウス・ゴーリングなどが共演している。


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