聖メリーの鐘 The Bells of St. Mary’s (1945) 4.04/5 (27)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

前年公開された、映画史上に残る不朽の名作「我が道を往く」(1944)の続編。
進歩的な考えの持ち主オマリー神父が再び経営難の教会に赴き、併設する学校の修道院長との意見の相違を乗り越えながら再建のために奮闘する姿を描く、製作、監督、原案レオ・マッケリー、主演ビング・クロスビーイングリッド・バーグマンヘンリー・トラヴァース他共演によるヒューマン・ドラマの秀作。


ドラマ(ヒューマン)


スタッフ キャスト ■

監督:レオ・マッケリー
製作:レオ・マッケリー
原案:レオ・マッケリー
脚本:ダドリー・ニコルズ
撮影:ジョージ・バーンズ
編集:ハリー・マーカー
音楽:ロバート・エメット・ドーラン

出演
チャック・オマリー神父:ビング・クロスビー

シスター・メアリー・ベネディクト:イングリッド・バーグマン
ホレース・P・ボガーダス:ヘンリー・トラヴァース
パトリシア”パッツィ”ギャラガー:ジョーン・キャロル
メアリー・ギャラガー:マーサ・スリーパー
ジョー・ギャラガー:ウィリアム・ギャルガン

マッケイ医師:リス・ウィリアムス
エディ・ビーン:リチャード・タイラー
ビーン夫人:ユーナ・オコーナー

アメリカ 映画
配給 RKO

1945年製作 125分
公開
北米:1945年12月6日
日本:1948年7月
北米興行収入 $21,333,333


アカデミー賞 ■

第18回アカデミー賞
・受賞
録音賞
・ノミネート
作品・監督
主演男優(ビング・ クロスビー)
主演女優(イングリッド・ バーグマン)
編集・作曲(ドラマ・コメディ)・歌曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

聖ドミニック教会の再建を果たしたチャック・オマリー神父(ビング・ クロスビー)は、新たに聖メリー教会に赴任する。

教会の家政婦ビーン夫人(ユーナ・オコーナー)に出迎えられたオマリーは、教会に教区の学校が併設されていることを知らされる。

そして、先任神父と教育現場のシスター達とでトラブルがあったことも聞かされる。

翌朝、学校を訪れたオマリーは、修道院長のシスター・メアリー・ベネディクト(イングリッド・ バーグマン)に挨拶する。

オマリーは、シスター・ベネディクトの若さに驚き、集まった教師であるシスター達と生徒にも挨拶し、その日を休日にしてしまう。

シスター・ベネディクトは、学校を修繕するための資金を得るために、実業家ホレース・P・ボガーダス(ヘンリー・トラヴァース)に土地を売ってしまったことをオマリーに話す。

教育者としての志や、若いが、人間的には強さを感じるシスター・ベネディクトは、ボガーダスが、建築中の隣接するビルを、教会に寄付してくれると信じている楽天家でもあった。

そこに、工事現場で遊ぶ子供達を見て、ボガーダスが教会に苦情を言いに来る。

ボガーダスは、老朽化の進む聖メリーの教区離れを指摘し、オマリーに立ち退くべきだと提案する。

その後オマリーは、家庭の事情で娘パトリシア”パッツィ”(ジョーン・キャロル)を学校に預けようとする女性メアリー・ギャラガー(マーサ・スリーパー )からの頼みを聞き入れる。

やがてパッツィは寄宿舎に入るが、学校の成績が上がらずにいる彼女が、何か悩みを抱えていることをシスター・ベネディクトは察する。

パッツィの両親が離婚したことを、オマリーから聞いたシスター・ベネディクトは、それを彼が報告しなかったことや、他の教育方針でオマリーと意見が合わずにいた。

ある日、使用人のビーン夫人の息子エディ(リチャード・タイラー)が、他の生徒と喧嘩をして酷く殴られてしまう。

男の子の喧嘩を”奨励”するオマリーに対し、非暴力を教え込んでいたシスター・ベネディクトだったが、防御策として、エディにボクシングを伝授する。

一方、オマリーは、歌などで彼流の教育を進め、パッツィに優しく接する。

やがて、パッツィは作文などで才能を発揮し、エディも男らしく、喧嘩相手に立ち向かうようになる。

オマリーはマイペースで、シスター・ベネディクトは上辺は平静を装い、彼に対抗心を燃やす。

完成間近のボガーダスのビルで、土地を売るよう催促されたオマリーだったが、シスター・ベネディクトが指導していた野球のボールが、ビルの窓ガラスを割ってしまう。

謝罪に来たシスター・ベネディクトは、ビルが学校になることを、ボガーダスは学校を潰して社員駐車場にすることを、互いに思い浮かべる。

夢を膨らませたシスター・ベネディクトは、謝罪ではなくビルの寄贈をボガーダスに提案して、引き上げてしまう。

毎日聞こえる、シスター達の歌声が気になるボガーダスは、主治医マッケイ医師(リス・ウィリアムス)から休養をとるようにと忠告される。

オマリーはそれを知り、ビルが寄贈されることを信じて祈りを続けるシスター達のために、ボガーダスにプレッシャーをかける。

パッツィの母メアリーを訪ねたオマリーは、、音楽業界に顔が利くため、蒸発したピアニストで彼女の夫ジョー(ウィリアム・ギャルガン)を捜し、二人の再会を歌で祝福する。

パッツィが、卒業式のドレスを持参して母メアリーの元を訪ねると、見知らぬ男性(ジョー)が部屋から出てきたのを目撃してしまう。

それ以来、パッツィは、悩み続けて成績が落ちる一方になってしまう。

オマリーは、パッツィが落第しそなことを知り、シスター・ベネディクトに、彼女の成績に寛大な評価を希望する。

パッツィの様子を気遣ってはいるのだが、規則や学校の品位にこだわるシスター・ベネディクトは、オマリーの意見を退けて、彼女を留年させてしまう。

そんなある日、シスター・ベネディクトが体調を崩し、礼拝堂で失神してしまう。

オマリーが考えた末に、聖メリーの生徒を他の教区に移すことを修道会に提言していたことを、シスター・ベネディクトは知らされる。

マッケイ医師は、シスター・ベネディクトの病状が気になり、検査を受けるように助言するが、彼女が祈りでボガーダスのビルを寄贈してもらえると信じていることに驚く。

オマリーは、それが叶わない場合のシスター・ベネディクトの病状悪化を心配する。

そして、ボガーダスがビルを寄贈する気になるように、マッケイを巻き込んで、ボガーダスに善行を施させようとする。

心臓の悪いボガーダスは、人への思いやりこそが病を治すとマッケイに言われて改心し、教会に足を運びシスター・ベネディクトにビルを寄贈することを告げる。

シスター・ベネディクトは感激して、喜びを噛みしめるのだが、マッケイ医師は、彼女が初期の結核だということをオマリーに知らせる。

空気のよい場所に、転任させることが必要だということを、マッケイはオマリーに説明するのだが、学校が生き甲斐であるシスター・ベネディクトには、それを秘密にするしかなかった。

事実を知らせずに、シスター・ベネディクトを転任させなくてはならず、オマリーは辛い立場に立たされる。

シスターとは、教育のことで衝突もしていたオマリーは、彼女の健康のために、誤解されるのを承知で話しを切り出す。

ショックを受けたシスター・ベネディクトだったが、彼女は修道会の指示に従い転任を受け入れる。

卒業式の日、パッツィが留年を知らせなかったために、母親メアリーが現れたのに、シスター・ベネディクトは気づく。

パッツィは、母親への反抗からシスターになりたいと言い出すが、シスター・ベネディクトは、色々なことを体験してから決めるべきだと、彼女を説得しようとする。

しかし、パッツィが、わざと落第したことを知ったシスター・ベネディクトは、ようやく彼女の悩んでいた原因を理解する。

そこに、オマリーが、パッツィの両親を連れて現れ、母娘の抱き合う姿と、パッツィが父親を認めたことで、シスター・ベネディクトは、彼女を卒業させる決心をする。

そして、ボガーダスを招き、彼の寄贈した新校舎で卒業式が始る。

式を終えたシスター・ベネディクトは、学校を去る前に、礼拝堂で、悲しみ苦しみながら最後の祈りを捧げる。

それを察したオマリーは、黙って彼女を旅立たせる訳にはいかず、シスターを転任させた理由の病状を知らせる。

シスター・ベネディクトは、それを告げてくれたオマリーに感謝し、安堵の表情を浮かべて学校を去って行く。

オマリーも、癒された心で、シスターをいつまでも見つめる。


解説 評価 感想 ■

前作同様、レオ・マッケリーの書き下ろしのストーリーを、ダドリー・ニコルズが脚色した作品。

*(簡略ストー リー)

聖ドミニック教会再建を果たしたチャック・オマリー神父は、新たに聖メリー教会に赴任する。
若くて美しいシスター・メアリー・ベネディクト達は、教会に付属する学校で、子供達に熱心な教育を続けていた。
シスター・ベネディクトは、御多分に漏れず、経営難の学校修繕の資金のために、実業家のボガーダスに土地を売ってしまったことをオマリーに知らせる。
人間的な強さを秘めるシスター・ベネディクトだったがが、ボガーダスの建設するビルが
教会に寄付されると信じ込む楽天家だということにも、オマリーは気づく。
オマリーは、自分なりの方法で、シスター・ベネディクトに協力しようと考え、学校内での彼女との意見の相違やトラブルも解決しながら、ボガーダスからビルを寄付してもらえることになる。
感激するシスター・ベネディクトと共に、喜びを噛みしめるオマリーだったが、彼女が病魔に侵されていることを知ってしまう・・・。
__________

第18回アカデミー賞では、作品賞以下8部門にノミネートされ、録音賞を受賞した。
・ノミネート
作品・監督
主演男優(ビング・ クロスビー)
主演女優(イングリッド・ バーグマン)
編集・作曲(ドラマ・コメディ)・歌曲賞

公開が、第二次大戦終結の年のクリスマス・シーズンということもあり、当時としては驚異的な興行収入となる2100万ドルを超す大ヒットとなった作品でもある。

参考:
ゴッドファーザー」(1972)の一シーンで、アル・パチーノダイアン・キートンが、クリスマスに”ラジオシティ・ミュージックホール”に観に行く映画として登場する。

筋書きや、主人公と登場人物との関係が、「我が道を往く」(1944)に似ていることや、前作の雰囲気に慣れてしまったこともあり、やや新鮮味に欠けるものの、神父らしからぬ奇抜な方法で人々と接する主人公の、人間味溢れる姿や、心の温かさが十分に伝わってくる人情ドラマとして、レオ・マッケリー作品らしいに仕上りになっている。

我が道を往く」を観ていなくても、問題なく楽しめる作品であり、むしろその方が感動は大きいかもしれない。

主人公オマリー神父のキャラクターは、人気絶頂期のビング・クロスビーのイメージにピッタリで、実力派女優として頭角を現し、前年の「ガス燈」(1944)でアカデミー主演賞を獲得していた、イングリッド・バーグマンの役割も重視した物語になっている。

ビング・クロスビーも前年の「我が道を往く」でアカデミー主演賞を受賞した。

コミカルな演技と共に見事な美声も披露するビング・ クロスビーは、奥行きのある人物を彼らしく演じている。
転任するシスターを見つめる彼の表情で、アメリカの劇場内は大喝采が起きたことが想像できるラストは、涙なくして見られない。

保守的ではあるが、楽天家でチャレンジ精神旺盛なイングリッド・バーグマンも、20代後半とは思えない貫禄さえも感じ、歌やボクシングまで披露してくれる。

利己主義な実業家から、改心してビルを教区に寄贈するヘンリー・トラヴァース、両親の問題で思い悩みながらも、神父やシスターに支えられて幸せを掴む少女ジョーン・キャロル、その母親マーサ・スリーパー 、父親ウィリアム・ギャルガンジョン・フォード作品などでもお馴染みの、医師役リス・ウィリアムス、教会の家政婦ユーナ・オコーナー、その息子リチャード・タイラーなどが共演している。


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