嘆きの天使 The Blue Angel / Der blaue Engel (1930) 4/5 (15)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

1905年に発表された、ハインリヒ・マンの小説”Professor Unrat”を基に製作された、ヴァイマル共和国時代のドイツ映画。
厳格な初老の教師が、キャバレーの踊り子に魅了され、ひと時の幸せを掴みながら、やがて凋落の人生を歩む姿を描く、監督ジョセフ・フォン・スタンバーグ、主演エミール・ヤニングスマレーネ・ディートリッヒによるドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:ジョセフ・フォン・スタンバーグ
製作:エリッヒ・ポマー
原作:ハインリヒ・マンProfessor Unrat
脚本:ロベルト・リーブマン

撮影:ギュンター・リッタウ
音楽:フリードリヒ・ホレンダー

出演
イマヌエル・ラート教授:エミール・ヤニングス

ローラ-ローラ:マレーネ・ディートリッヒ
キーパート:クルト・ゲロン
ガステ:ローザ・ヴァレッティ

マゼッパ:ハンス・アルベルス

ヴァイマル共和国 映画
配給
UFA

パラマウント・ピクチャーズ
1930年製作 103分
公開
ドイツ:1930年4月1日
北米:1931年1月3日
日本:1931年5月13日
北米興行収入 $77,982


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ヴァイマル共和国
ギムナジウム(中等教育学校)の、厳格な初老の英語教師イマヌエル・ラート教授(エミール・ヤニングス)は、ある生徒が、女性のみだらな写真付きのハガキを持っていることに気づき、それを問い詰める。

生徒は、クラスメイトのグループが、”嘆きの天使”というキャバレーに通っている仲間に入らないために、ハガキをポケットに入れられ、嫌がらせを受けたことをラートに伝える。

それを知ったラートは驚き、生徒を預かる身として責任を感じ、その現場を確かめようとする。

その夜、ラートはキャバレーを訪れ、彼に気づいた生徒達は逃げ去る。

生徒達を追ったラートは、人気の踊り子兼歌手のローラ-ローラ(マレーネ・ディートリッヒ)の楽屋で、ステージから戻った彼女に用件を訪ねられる。

ラートは、生徒を誘惑していると言ってローラに小言を言い始めるが、彼女はそれを気にもせず、現われた座長兼手品師のキーパート(クルト・ゲロン)は、ローラをステージへと追い遣る。

キーパートは、ラートがローラに目をつけたと思い込み冷やかすが、彼は生徒を見つけて、慌てながらその場を去って行く。

翌朝、少々動揺しながら学校に向ったラートは、生徒達には昨夜のことを追求しなかった。

その夜もキャバレーに向ったラートは、キーパートに歓迎されてローラに会い、昨晩、間違えて持ち帰ってしまった衣装を返す。

昨夜とは打って変わり、ローラの前でしおらしくなってしまったラートは、既に彼女の虜になっていた。

ローラを目当ての常連客が、彼女の楽屋にまで押しかける様子を見ていたラートは、彼らをその場から追い払ってしまう。

ラートのその行為に、それまで彼をからかっていたローラは、態度を変えて彼に親切に振舞う。

客はラートの暴行を訴え、巡回していた警官がその場に現われたため、ローラとキーパートは、ラートを地下室に向わせる。

しかし、その場に生徒達が隠れていたため、ラートは楽屋に戻ってきてしまう。

やましいことはしていないラートは、毅然とした態度で警官に対応し、騒ぎ立てる客だけを警官は署に連行する。

生徒達に説教を始めたラートだったが、口答えをする彼らをその場からたたき出してしまう。

キーパートの妻ガステ(ローザ・ヴァレッティ)に、その態度を称えられたラートだったが、興奮して倒れそうになるところをローラ達に介抱される。

ローラはラートを励ましてステージに向かい、キーパートから、薬だといって飲み物を与えられたラートは、ローラの歌を聴くために特別席に案内される。

キーパートは客達にラートを紹介し、彼は気分よくローラの歌を聴くことになる。

翌朝、規則正しい毎日を送っていたラートは、深酒して寝過ごしてしまう。

目覚めた場所が、キャバレーの二階にあるローラの部屋だと気づいたラートは、彼女と共に心地よい朝を過ごしていたが、授業の始まる時間だと知り慌てて学校に向かい。

遅れて教室に入ったラートは、黒板に落書きをされて生徒達に冷やかされ騒動になり、それに気づいた校長は、女のために一生を棒に振るのかと彼に警告する。

ラートは、ローラは将来の妻だと言って、彼女を侮辱することを非難するが、校長は解雇を伝えてその場を立ち去る。

その後ラートは、巡業に出るローラの元に花束を持って向かい、改まって指輪を渡して求婚する。

ローラは笑い出すが、ラートは真剣な気持を彼女に伝え、それが受け入れられる。

結婚式を済ませたラートとローラは、キーパートらに祝福され、堅物のラートは、幸せを実感しながらおどけて見せたりもする。

ローラが、未だに写真付きのハガキを売ろうとしていることを知ったラートは、自分の蓄えがあるうちは、彼女にそれを禁ずる。

その後、キャバレーの雑用係として、惨めな生活を始めた誇り高いラートは、我慢の限界に達して出て行こうとする。

しかし、それを思い留まったラートは、結局はローラを支える身でいるしかなかった。

結婚から5年。
ついに道化にまでなり、ステージに立つようになったラートは、”嘆きの天使”に戻ることを拒むものの、それは許されなかった。

”嘆きの天使”に戻ったローラは、入れ替わりでその場を去る一座の座長マゼッパ(ハンス・アルベルス)に声をかけられる。

その夜、出番が迫るラートは、マゼッパに言い寄られるローラを見て嫉妬しながら、無理矢理にステージに立たされる。

キーパートは、教育者だったラートを、奇術の助手として大袈裟に紹介する。

奇術を始めたキーパートだったが、客に笑われて侮辱を受けたラートは発狂してしまい、ステージを降りてローラに襲い掛かる。

ローラはそれを逃れ、ラートは拘束服を着せられるが、キーパートは、やり過ぎたと言ってそれを脱がし、全てが女のせいだ語り彼に同情して慰める。

そして、ステージのローラの歌を聴きながら、その場を抜け出したラートは、学校に向かい教室の教壇で息絶える。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

ヴァイマル共和国
ギムナジウム(中等教育学校)の初老の英語教師イマヌエル・ラート教授は、生徒が持っていた、女性のみだらな写真付きのハガキを見つけて追求する。
生徒達が、キャバレー”嘆きの天使”に通っていることを知ったラートは、それを知り驚いてしまう。
責任を感じたラートは、早速そのキャバレーの様子を確かめに行くのだが、彼は、ステージの花形歌手で踊り子のローラ-ローラに心奪われてしまう。
当初はラートをからかっていたローラだったが、彼の真摯な態度と、自分を守ろうとする姿を見て考えを変える。
座長のキーパートにも歓迎され、キャバレーに出入りし始めたラートは、それを生徒にからかわれ、学校でも問題になってしまう。
ローラを侮辱する校長に、彼女との結婚まで宣言したラートは、ついに教職を失ってしまう。
そして、ラートはローラに求婚し、巡業に出る彼女との生活を始めるのだが・・・。
__________

作品自体は、第1回アカデミー賞で主演賞を受賞したばかりのエミール・ヤニングスの主演作品なのだが、ジョセフ・フォン・スタンバーグマレーネ・ディートリッヒが初めて組んだ作品として知られ、その後の二人と、特にディートリッヒの活躍で、彼女の主演作のように言われるようになった。

撮影当時、実はまだ40代半ばのエミール・ヤニングスは、体系からした貫禄と、その厳しさを表現する厳めしい表情などが印象的で、画面を圧倒する存在として見事な演技を見せてくれる。

厳格な主人公を印象付ける描写や、芸人一座のユーモラスな雰囲気の対比など、ジョセフ・フォン・スタンバーグの細やかな演出も見事である。

さらには、後に伝説とまでなる、マレーネ・ディートリッヒの”退廃的な美”の描写なども素晴らしい。

やや膨よかディートリッヒが、美脚を含めて惜しげもなく膚を露にする姿は今見ても魅力的だが、公開当時を考えると、衝撃的だっただろう。

的外れな邦題が気になる昨今、キャバレー名ではあるが、”The Blue Angel”を、主人公の心情、またヒロイン自身とダブらせた、”嘆きの天使”という素晴らしい邦題には敬服する。

芸人一座の座長兼手品師クルト・ゲロン、その妻ローザ・ヴァレッティ、ヒロインに言い寄るハンス・アルベルスなどが共演している。


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