カサンドラ・クロス The Cassandra Crossing (1976) 3/5 (25)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

ヨーロッパのメディア王リュー・グレードイタリアの大プロデューサー、カルロ・ポンティが組んだ、国際的オールスター・キャストで製作された。
アメリカが極秘に研究していた細菌に感染したテロリストが、大陸縦断列車に乗り込んでしまったことで決定されるある”隔離”対策を描く、出演ソフィア・ローレンリチャード・ハリスマーティン・シーンバート・ランカスターエヴァ・ガードナーリー・ストラスバーグO・J・シンプソン、監督ジョルジュ・パン・コスマトスによるサスペンス・パニック大作。


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■

監督:ジョルジュ・パン・コスマトス
製作総指揮:ジャンカルロ・ペティーニ
製作
カルロ・ポンティ

リュー・グレード
原案
ロバート・カッツ

ジョルジュ・パン・コスマトス
脚本
トム・マンキーウィッツ

ロバート・カッツ
ジョルジュ・パン・コスマトス
撮影:エンニオ・グァルニエリ
編集
ロベルト・シルヴィ

フランソワーズ・ボノー
音楽:ジェリー・ゴールドスミス

出演
ジェニファー・リスポリ・チェンバレン:ソフィア・ローレン

ジョナサン・チェンバレン:リチャード・ハリス
ロビー・ナヴァロ:マーティン・シーン
ハリー:O・J・シンプソン
エレナ・シュトラドナー:イングリッド・チューリン
スティーヴン・マッケンジー大佐:バート・ランカスター
スーザン:アン・ターケル
トム:レイモンド・ラブロック
スターク少佐:ジョン・フィリップ・ロー
ハーマン・カプラン:リー・ストラスバーグ
ニコール・ドレスラー:エヴァ・ガードナー
マックス:ライオネル・スタンダー

イタリア/イギリス 映画
配給 AVCO Embassy Pictures

1976年製作 129分
公開
イタリア:1976年12月18日
イギリス:1977年3月31日
北米:1977年2月9日
日本:1977年3月31日
製作費 $3,000,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ジュネーブ、IHO/国際保健機構本部。
北欧人らしき3人のテロリストが侵入し、アメリカの生物研究セクションを爆破しようとする。

気づかれた犯人の一人は射殺され、2人は爆破に失敗して危険区域に入り、液体の容器を割ってしまい、それを浴びた一人がビルから脱出する。

報告を受けた、アメリカ陸軍情報部大佐スティーヴン・マッケンジー(バート・ランカスター)は、液体を浴びて、感染症と思われる症状が悪化する犯人を監視する医師エレナ・シュトラドナー(イングリッド・チューリン)から、状況説明を求められる。

その頃、逃亡した犯人は、ストックホルムに向かう大陸縦断列車に乗り込む。

シュトラドナーは、アメリカが、細菌について秘密で研究を進めるていることを批判し、ヨーロッパ中が感染する可能性がある中で、犯人が外部に出ていないことを幸いに思う。

しかし、犯人に仲間がいたことをシュトラドナーに伝えたマッケンジーは、部下のスターク少佐(ジョン・フィリップ・ロー)に徹底的な調査を命ずる。

セールスマンの老紳士ハーマン・カプラン(リー・ストラスバーグ)、新婚のトム(レイモンド・ラブロック)とスーザン(アン・ターケル)、西ドイツの兵器製造業者の妻ニコール・ドレスラー(エヴァ・ガードナー)と、その若い愛人ロビー・ナヴァロ(マーティン・シーン)、彼を気にする神父ハリー(O・J・シンプソン)、そして、著名な精神科医ジョナサン・チェンバレン博士(リチャード・ハリス)とその元妻で作家のジェニファー・リスポリ(ソフィア・ローレン)なども列車に乗り込む。

その頃、犯人は死亡し、マッケンジーは、遺体を解剖するというシュトラドナーに、アメリカ側が焼却処分をすることを伝える。

その後マッケンジーは、ストックホルム行きの乗車券を、犯人の所持品から見つける。

既に、列車は1000人の乗客を乗せて出発していたため、それに乗車していると思われる犯人は、誰かと接触した可能性もあった。

マッケンジーは、シュトラドナーをオフィスに呼び、それを伝えて協力を要請する。

スタークの報告で、犯人が列車に乗っていることを確信したマッケンジーは、その経路と現在位置を確認する。

どの国の病院も感染者の受入れを拒み、マッケンジーは、乗客を隔離する手段として、列車を東側のポーランドに向かわせることを考える。

それには廃線を利用することになり、収容施設に向かうには、鉄橋”カサンドラ・クロス”を通る必要があった。

列車との連絡がつかないまま、乗客を調べたマッケンジーはドレスラー夫人が乗車していることを知り、問題になることを恐れる。

スタークは、乗客に、麻薬の密売人もいることを報告し、シュトラドナーは、チェンバレンが乗っていることに気づく。

反発し合いながらも、チャンバレンに対して未練もあるジェニファーは、物々しい警備の停車駅バーゼルを、列車が通り過ぎたことを疑問に思う。

ジェニファーは、それをチェンバレンに知らせるものの、からかわれたために憤慨する。

そこに客室係のマックス(ライオネル・スタンダー)が現れ、電話連絡が入っていることをチェンバレンに伝える。

電話に出たマッケンジーは、細菌の保菌者が列車内にいることを伝え、それが、20代後半のスウェーデン人であることなどを知らせる。

チャンバレンは、感染者を車内で目撃していたため、まだ生きていることをマッケンジーに伝えるが、シュトラドナーは、それが信じられない。

チェンバレンは、ジェニファーやマックスらと共に、感染者を捜し、スーザンとトムが男と接触したことを知る。

荷物車両で感染者を見つけたチェンバレンは、カプランがスウェーデン語を話せるため、男から情報を聞き出させようとする。

感染者発見の知らせを受けたマッケンジーは、列車を走行させながら、追跡するヘリコプターに、男を移動させようとする。

チャンバレンらは、感染したと思われるニコールの愛犬を先にゴンドラに乗せるが、列車はトンネルに入ってしまう。

感染者は昏睡状態になり、チャンバレンは医療班と薬剤の手配を要求する。

マッケンジーは、列車がポーランドの施設に向かうことと、途中ニュルンベルグで密閉処置をするため、その場で手配することをチェンバレンに伝える。

チャンバレンは尚も要求を伝え、感染者が1等車両にいたため、乗客を2等に向かわせないようマックスに指示を出す。

マッケンジーは、シュトラドナーの要請で、回収した犬の検査をする許可を与える。

60%の確率で、自分達も感染した可能性があることをジェニファーに知らせたチェンバレンは、対策がないことも伝える。

マッケンジーは、テロリストにより爆弾が仕掛けられたため、進路を変更することを、車内放送で乗客に伝える。

逃れようのない状況下で、チェンバレンとジェニファーは愛を確かめ合う。

その頃、感染者と接触した少女やスーザン、赤ん坊他に風邪のような症状が表れる。

チェンバレンとジェニファーにそれが知らされ、”カサンドラ・クロス”に向かう経路も分かる。

マックスから、行き先がポーランドだと知らされたカプランは表情が曇る。

マッケンジーは、密閉のため派遣した軍の部隊に、抵抗した者は、必要であれば射殺するよう命ずる。

感染者が続出する中、列車はニュルンベルグに到着する。

列車が、細菌に汚染されていることが乗客に伝えられ、目的地がポーランドの収容施設があるヤノフと分かる。

カプランは、ナチスによる迫害を受け、家族を亡くした地に再び戻ることを知る。

絶望するカプランは車外に出るが、銃撃されて車両に戻される。

死亡者も出てナヴァロも感染し、”カサンドラ・クロス”に向かうことを知ったカプランは、”戻りたくない”と叫びながら取り乱し、チェンバレンに鎮静剤を打たれてようやく落ち着き、列車は発車する。

犬が助かりそうなことをシュトラドナーはマッケンジーに伝え、彼はスタークから、鉄橋の強度に問題があることを知らされる。

ナヴァロを診たチェンバレンは、彼が麻薬の常習者だということを知る。

ジェニファーは、”カサンドラ・クロス”を通ったことがあるというマックスや、そこを通り収容所に向かったカプランの話を聞き、鉄橋が30年前に閉鎖されたため、安全でないことを知り動揺する。

感染が2等車に達していないことで、車両を切り離すことを提案したチェンバレンだったが、マッケンジーはそれを拒む。

その時シュトラドナーは、犬が回復したことをマッケンジーに伝える。

ジェニファーに促され、橋の安全性を尋ねたチェンバレンは、それを保障するマッケンジーが、嘘をついていることを察する。

麻薬密売人のナヴァロを監視していた、捜査官だったハリーは、彼に銃を向けるものの、抵抗を受けて殴り倒される。

ナヴァロはニコールを人質に取り、軍の指揮官に銃を捨てさせて逃亡しようとするが、チェンバレンに取り押さえられる。

その時、スーザンが回復して現れ、他の感染者も症状が治まっていく。

犬の件をチェンバレンに伝えるべきだと、シュトラドナーはマッケンジーに提案するが、彼は列車を止める気のないことを伝える。

ナヴァロが無線機を銃撃したため、列車との連絡は途絶えていた。

その後、シュトラドナーは、高濃度の酸素が、細菌を撃退したことに気づく。

列車も密閉状態で、高圧の酸素室状態だったために、犠牲者が少なかったことが分かる。

シュトラドナーは、それをチャンバレンに伝えようとするものの、連絡が取れない。

チャンバレンは、指揮官に橋が危険だということを伝えて説得するが、それは聞き入れられない。

列車を乗っ取ることを考えたチェンバレンは、ナヴァロにも協力を要請する。

ナヴァロを気遣うニコールだったが、彼は、税関がフリーパスだということを利用しただけだとニコールに言い放つ。

シュトラドナーは、何んとか連絡する方法を考えるようにとマッケンジーに言い寄る。

苦悩するマッケンジーは、自分が乗客を殺そうとしていると思うのかとシュトラドナーに問うが、彼女は見殺しだと嘆く。

チェンバレンは、ハリーの協力で行動を開始し、1等の乗客を2等に移し、登山家だというナヴァロに車両の屋根から前方に向かわせ、機関車両を切り離そうとする。

ナヴァロはそれが不可能だと知り戻り、チェンバレンは、他に車両を切り離す方法をマックスに尋ねる。

チェンバレンは、キッチンの床下にある制御装置を操作しようとするが、前の車両の乗客を見捨てる意ことになると、ジェニファーは指摘する。

前方部分だけなら重量は軽くなり、橋の強度に耐える可能性があると、チェンバレンは、その方法に賭けるしかないことをジェニファーに伝える。

チャンバレンは、ガスボンベを爆破させて床を落とそうとするが、ナヴァロが、取り付けられた窓のシャッターをつたって機関車両に向かおうとする。

しかし、ナヴァロは途中で気づかれて銃撃され落下する。

ボンベの栓を開き、チェンバレンは導火線の紐に火を点けるが、それが消えてしまう。

ハリーは、少女を助けようとして銃撃されて命を落とし、放心状態のカプランは、キッチンに向かい、ライターの火を点ける。

キッチンは爆発し、チェンバレンは、少女をジェニファーに託し、床下の装置を操作して車両を切り離すが、列車から転落する。

列車前部は橋に突入し、マックスは切り離された車両を停車させる。

しかし、車両の重さに耐えきれず、前方車両は落下して橋も崩れ落ち、多くの乗客が犠牲になる。

それを確認したマッケンジーは、シュトラドナーから、完全に感染者が隔離できたと皮肉を言われ、生存者がいない場合だがと付け加えられる。

マッケンジーは、軍人が任務を遂行しただけだと言う単純な意見に対し、細菌の情報を消し去ることが、自分の仕事だとシュトラドナーに伝える。

今回の件を外部に漏らすことは、犠牲が無駄になると言われたシュトラドナーは、今後も優秀な医師として、世に貢献してほしいという、脅しとも取れるマッケンジーの言葉を聞きながらその場を去る。

列車から避難したジェニファーは、無事だったチェンバレンの元に向かう。

マッケンジーは、事故による生存者がいないことを上司に報告し、スタークの酒の誘いに返事もせず立ち去る。

その直後、スタークは、マッケンジーとシュトラドナーの監視を続けることを、上層部に報告する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

ジュネーブ
IHO/国際保健機構本部のアメリカ・セクションを爆破しようとした、スウェーデン人テロリストの3人は、それに失敗する。
しかし、極秘研究が進められていた、細菌に感染した犯人の一人は逃亡し、ストックホルム行きの大陸縦断列車に乗り込む。
アメリカ陸軍情報部のマッケンジー大佐は、医師シュトラドナーに協力を求めながら、犯人が列車に乗り込んだことを突き止め、感染拡大を防ごうとする。
1000人もの乗客は、何も知らずに旅を楽しんでいたが、感染者は車両内を移動してしまい乗客と接触する。
著名な精神科医チェンバレンが乗車していることを知ったマッケンジーは、彼と連絡を取り感染者を見つけようとする。
チェンバレンは、乗り合わせた元妻ジェニファーなどの協力で感染者を見つけるが、彼と接触した乗客に症状が出始める。
その後マッケンジーは、列車をポーランドの隔離施設に収容する考えを、チェンバレンらに伝える。
しかしマッケンジーは、感染拡大阻止が不可能であることから、30年前に廃線となり安全性に問題がある、死の鉄橋”カサンドラ・クロス”に列車を向かわせる計画を進める・・・。
__________

1970年代のパニック・ブームに乗り、ヨーロッパで製作された本作は、その時代を席巻していたハリウッド映画とは一味違い、当時、新鮮味があった。

今観ると、娯楽の要素を網羅した受け狙い的な感じはするが、リアルタイムで観た際は、結構楽しめたことを記憶している。

純然たるヨーロッパ映画なのだが、この時代も精力的に仕事をこなしていた大スターのバート・ランカスターや、NFLの現役スーパースターのO・J・シンプソン、そして名優リー・ストラスバーグらに重要な役を演じさせて、明らかに、北米や世界を意識していることが窺える。

アメリカの傲慢さを皮肉るような仕上げ方も、いかにもヨーロッパ的で、ナチスユダヤ人迫害を絡めた、死の鉄橋”カサンドラ・クロス”を象徴的に描き、クライマックスに向けて盛り上がる。

結局は多くの犠牲者を出すラストには、戦後30年、未だに残る大きな傷跡を、忘れ去ることのできないヨーロッパの人々の思いが感じられる。

主演というよりも、製作者カルロ・ポンティ夫人の名でファースト・クレジットとなった作家のソフィア・ローレン、その元夫で医師らしく対処して行動力もあるリチャード・ハリス、麻薬の密売人ではあるが、乗客を救うために終盤に活躍するマーティン・シーン、彼を追う捜査官O・J・シンプソン、感染拡大を阻止しようとする医師イングリッド・チューリン、サスペンス部分では主役と言える、感染者及び乗客抹殺計画を進める、アメリカ陸軍情報部大佐役のバート・ランカスター、その部下ジョン・フィリップ・ロー、当時のR・ハリス夫人、若妻アン・ターケル、その夫レイモンド・ラブロックナチスの迫害を経験した老セールスマンのリー・ストラスバーグ、世界的兵器企業のオーナー夫人役、随所で存在感を発揮する大女優エヴァ・ガードナー、客室係ライオネル・スタンダーなどが共演している。


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