光に叛く者 The Criminal Code (1931) 4/5 (16)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

正当防衛とも言える罪で投獄された青年が、刑務所長となったその事件の元検事の協力で仮釈放と生きる希望を掴むまでを描く、製作ハリー・コーン、監督ハワード・ホークス、主演ウォルター・ヒューストンフィリップス・ホームズコンスタンス・カミングスボリス・カーロフ他共演のドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:ハワード・ホークス
製作:ハリー・コーン
戯曲:マーティン・フラヴィン
脚本
シートン・I・ミラー

フレッド・ニブロJr.
撮影
ジェームズ・ウォン・ハウ
テッド・テズラフ
編集:エドワード・カーティス
音楽:サム・ペリー

出演
ウォルター・ヒューストン:マーク・ブレディ
フィリップス・ホームズ:ロバート・グラハム
コンスタンス・カミングス:メアリー・ブレディ
メアリー・ドーラン:ガートルード・ウィリアムズ
ボリス・カーロフ:ネッド・ギャロウェイ
デウィット・ジェニグス:グリーソン
アンディ・ディヴァイン:クラック

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1931年製作 96分
公開
北米:1931年1月3日
日本:1932年3月


アカデミー賞 ■

第4回アカデミー賞
・ノミネート
脚色賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

青年ロバート・グラハム(フィリップス・ホームズ)は、街で誘った女性ガートルード・ウィリアムズ(メアリー・ドーラン)とクラブに向かい、彼女に声をかけた男を水差しで殴り殺してしまう。

ガートルードを取り調べた地方検事マーク・ブレディ(ウォルター・ヒューストン)は、被害者が街の実力者だということで騒ぎになることを心配する。

20歳になったばかりの好青年ロバートを、運が悪かっただけだとかばおうとするブラディだったが、罪を認めても刑期を免れることは不可能で、ロバートは10年の刑を命ぜられてしまう。

そしてロバートは、刑務所での単調で絶望的な月日を過ごすことになる。

6年の歳月が過ぎ、重労働と精神的苦痛に耐えてきたロバートに、最愛の母の死の知らせが届く。

取り乱したロバートは脱獄すると叫びだし、同じ房のネッド・ギャロウェイ(ボリス・カーロフ)らが、彼を押さえつけて騒ぎを鎮める。

そんな時、知事選に立候補して敗れた元検事ブレディが、刑務所の所長に赴任することになる。

ブレディに刑務所に入れられた囚人は多く、彼に恨みを持つ者は復讐も考える。

その後、ブレディに反感を持つ囚人達は彼に敵意を見せるものの、看守長グリーソン(デウィット・ジェニグス)の制止も聞かずに、ブレディは囚人達の元に向かい、彼らを無言で威嚇する。

精神的に限界に達したロバートは、医師から環境を変えることを勧められ、自分が担当した事件の加害者だと気づいたブレディは、彼を自分の運転手にする。

3ヶ月が経ち、見違えるように若者らしさを取り戻したロバートと、ブレディの娘メアリー(コンスタンス・カミングス)は、お互いを意識し合う仲になる。

同じ頃、脱獄事件が起き、密告した男をブレディが監視して、所内には不穏な空気が流れる。

そのため、メアリーは伯母の家に行くことになり、ロバートは彼女との別れを惜しむ。

囚人達は、密告者殺害計画を企て、所長の召使だったギャロウェイが、密告者を殺害する。

遺体を発見したブレディとグリーソンは、直ちに犯人を捜し始めるが、犯人を知るロバートは仲間を裏切れず、ブレディの質問に口を閉ざす。

仮釈放をちらつかせながら、ブレディに隠れて暴力的にロバートを自白させようとするグリーソンに対し、頑なに黙秘する彼は将来に絶望しかける。

一方、ブレディは、単なる犯人捜しでなく、ロバートの人生に関わる大問題だとして慎重な行動を取り、何とか彼を救おうとする。

ブレディは、戻ったメアリーからロバートを愛していることを伝えられ、娘のためにも、事件を解決しようとする。

囚人仲間が、ロバートにナイフを渡したことを知ったギャロウェイは、自分を刑務所送りにしたグリーソンを殺すため、わざとロバートが居る地下牢行きとなる。

ギャロウェイは看守に襲い掛かり、機関銃で威嚇されて投降するが、隠し持っていたナイフでグリーソンに仇をうち、密告者殺しを認め射殺される。

そしてブレディは、ロバートをメアリーの元に連れて行き、二人の幸福な笑顔を見て、安堵の表情を浮かべる。


解説 評価 感想 ■

1929年にブロードウェイで上演された、マーティン・フラヴィンの舞台劇の映画化。

1950年に”Convicted”というタイトルでリメイクされている。

コロンビア・ピクチャーズ社長”暴君”ハリー・コーンハワード・ホークスが製作した作品。

*(簡略ストー リー)

20歳になったばかりの青年ロバートは、ある出来事で男を殴り殺してしまう。
地方検事マーク・ブレディは、好青年ロバートを何とか救うおうとするが、刑を免れることは出来ず、彼は10年の懲役を命ぜられる。
ロバートは、刑務所での絶望的な月日を6年以上も過ごしていた時、最愛の母の死を知らされる。
取り乱したロバートは、脱獄すると言って騒ぎ始めるが、同じ房のギャロウェイらが、それを鎮める。
そんな時、元検事ブレディが刑務所の所長に赴任することになるが、彼を恨んでいる囚人は多くいた。
ブレディはそれに怯まず、かつて自分が担当した囚人ロバートに気づく。
ロバートは所長の運転手となり、その後、見違えるように元気になるのだが・・・。
__________

1930年代に入り、いよいよ頭角を現してきたハワード・ホークスの快心作。

圧倒的な存在感と迫力で、凶暴な囚人をも寄せ付けない、主演ウォルター・ヒューストンの存在を中心に置き、骨太なドラマに仕立て上げたハワード・ホークスの演出手腕は、30代半ばにして貫禄さえ感じさせる。

第4回アカデミー賞では、脚色賞にノミネートされた。

ドラマの舞台はほとんどが刑務所内で、主人公の娘の服装のファッションが、いかにもその時代を映し出しているが、古さを全く感じさせない作品でもある。

たった一人で、2000人の囚人を無言で威嚇する、ウォルター・ヒューストンの凄まじい迫力もさることながら、異様な雰囲気を漂わせる囚人ボリス・カーロフの、スクリーン上の魅力は見逃せない。
彼は、同年(1931)の11月に公開される「フランケンシュタイン」で、”歴史的なキャラクター”の”モンスター”を演ずることになるが、本作で裏切り者を殺そうとする時のうしろ姿は、正に”モンスター”を髣髴させる。

人生を諦めそうになるが、刑務所長や囚人にまで助けられながら幸福を掴む青年フィリップス・ホームズ、彼を愛する所長の娘役コンスタンス・カミングス、腹黒い看守長デウィット・ジェニグス、その後ジョン・フォード作品などで活躍する囚人役の、若きアンディ・ディヴァインの出演もファンには嬉しいばかりだ。

彼が使っていた、食パンのスライサーが妙に印象に残る。


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