クライング・ゲーム The Crying Game (1992)


4.51/5 (35)

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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

PIRAIRA暫定派)のメンバーと人質に取られた兵士の奇妙な友情と、命を落とした兵士の遺した言葉を”謎の恋人”に伝えようとする主人公と”彼女”との危険な関係を描く、監督ニール・ジョーダン、主演スティーヴン・レイミランダ・リチャードソンフォレスト・ウィテカージェイ・デヴィッドソンジム・ブロードベント共演によるラブ・サスペンスの秀作。


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督:ニール・ジョーダン
製作総指揮:ニック・パウエル
製作:スティーヴン・ウーリー
脚本:ニール・ジョーダン
撮影:イアン・ウィルソン
編集:カント・パン
音楽:アン・ダッドリー
主題歌:ボーイ・ジョージクライング・ゲーム

出演
ファーガス:スティーヴン・レイ
ジュード:ミランダ・リチャードソン
ジョディ:フォレスト・ウィテカー
ディル:ジェイ・デヴィッドソン
ピーター・マグワイア:エイドリアン・ダンバー
コル:ジム・ブロードベント
デイヴ:ラルフ・ブラウン
ティンカー:ブレッフィニ・マッケンナ

イギリス 映画
配給 ミラマックス

1992年製作 112分
公開
イギリス:1992年10月30日
北米:1992年11月25日
日本:1993年6月19日
製作費 £2,300,000
北米興行収入 $62,549,000


アカデミー賞
第65回アカデミー賞

・受賞
脚本賞
・ノミネート
作品・監督
主演男優(スティーヴン・レイ
助演男優(ジェイ・デヴィッドソン
編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
北アイルランドベルファスト
PIRAIRA暫定派)のファーガス(スティーヴン・レイ)は、仲間のジュード(ミランダ・リチャードソン)をイギリス軍兵士ジョディ(フォレスト・ウィテカー)に近づかせて拉致する。

袋を被されたまま、ファーガスらのアジトに連れて行かれたジョディは、PIRAのリーダー、ピーター・マグワイア(エイドリアン・ダンバー)から、同胞の釈放に応じないイギリス側への強迫手段としての人質だと言われる。

その後、12時間も何も話さず動きもしないジョディの様子を見るようファーガスから指示されたジュードは、ジョディの顔の袋を取った瞬間に襲われる。

ジョディを制止したファーガスは、動揺するジュードを落ち着かせてキスする。

翌日、温室に移動させられたジョディは、ファーガスから食べ物を与えられながらジュードとも話し、袋が息苦しいと伝える。

袋を取る許可をマグワイアに求めたファーガスは、自分以外の顔は見せるなと言われ、ジュードを温室から出してジョディの袋を取る。

銃を手にするファーガスと縛られたまま話し始めたジョディは、殺されることを恐れながら、ジュードには騙されたが自分のタイプではなかったと伝える。

ポケットの中の財布を出すようファーガスに指示したジョディは、その中の写真に写っている恋人のディル(ジェイ・デヴィッドソン)がタイプの女だと話す。

自分をハメたジュードとディルは比べものにならないと言うジョディは、その後、他愛もない話をして、名前を教えたファーガスと盛り上がってしまう。

騒いでいる二人を黙らせたマグワイアは、ジョディに袋を被せてファーガスと見張りを交替する。

翌朝、マグワイアは、ファーガスがジョディに名前を教えたことを知り憤慨する。

その後も、ジョディから、人生の性を悟らせる”サソリとカエル”の話をされたファーガスは、妙に気が合う彼との時間を楽しむ。

そこに現れたジュードは、ジョディに袋を被せるようファーガスに指示する。

暑いので気の毒だと言うファーガスだったが、ジョディに袋を被せたジュードは彼を殴る。

ジョディに同情するファーガスは、自分が殺されたらディルを捜し、”愛していた”と伝えて欲しいと言われ。

写真だけではなく財布ごと持って行くようにと言うジョディは、ロンドンの美容室”ミリー”にいるディルに会い、パブ”ザ・メトロ”でマルガリータを飲ませ、ファーガス自身のことは何も話さなくていいと伝える。

マグワイアに呼ばれたファーガスは、捕えられた仲間が尋問に答え始めたという情報が入ったため、明朝ジョディを殺すと言われる。

自分が殺すとマグワイアに伝えたファーガスは、その夜の見張りをすることも許される。

温室に戻ったファーガスは、怯えるジョディをただ慰めることしかできなかった。

夜が明けて、マグワイアがの指示を受けたファーガスは、ジョディを森に連れて行く。

袋を外してほしいと言われたファーガスはそれに従い、ディルの件を話しながら逃げたジョディに銃を向ける。

街道に出たジョディは、救出に来たイギリス軍の装甲車とトラックに轢かれて死亡する。

軍ヘリコプターの攻撃でアジトは破壊され、マグワイアとジュードはその場から脱出する。

逃走したファーガスは船に乗り、身を隠しながらロンドンに向かい、労働者として建設現場で働き始める。

ディルのいり美容院”ミリー”に向かったファーガスは、彼女に髪をカットしてもらう。

その後、馴染みのパブ”ザ・メトロ”でもファーガスを見かけたたディルは、彼の髪をカットしたとバーテンダーのコル(ジム・ブロードベント)に話す。

自分を意識しているファーガスをからかうディルは、マルガリータを飲んでいることを知らせて、彼におごってもらう。

そこに現れたデイヴ(ラルフ・ブラウン)と共に外に出たディルは殴られ、それを目撃したファーガスは、二人がアパートの部屋に入ったことを確認する。

翌日、再びパブに向かったファーガスは、ステージで歌った後のディルから、何が目的かと訊かれる。

そこにデイヴが現れ、ファーガスは、連れて行かれたディルを追う。

路地に向かったファーガスは、ディルに絡むデイヴを痛めつけて彼女を助ける。

ディルがデイヴにあることを強要されたと知ったファーガスは、売春かと尋ね、美容師だと言われて否定される。

ファーガスに送ってもらったディルは、階下で叫ぶデイヴから”レズの男役”と言われるものの気にせず、ファーガスとキスして見せる。

ディルとデートする約束をして翌日も会ったファーガスは、デイヴの嫌がらせに遭いながら、彼女のアパートに向かう。

部屋に飾ってあるジョディの写真に気づいたファーガスは、外で騒いでいるデイヴを追い払ったディルからジョディの話を聞く。

デイヴとは比較にならない男性だとディルからジョディの話を聞いたファーガスは、後ろめたさを感じながら彼女と楽しい時を過ごす。

翌日、パブでデイヴから謝罪されたディルは、彼を相手にせずにファーガスと踊る。

ジョディが死んだのは自分の責任だと考えるファーガスは、彼のことを考えながら、ディルのアパートで彼女と愛し合おうとする。

しかし、ディルが男だと知ったファーガスはショックを受け、はずみで彼を押し倒してしまう。

何も知らなかったファーガスは気分が悪くなり、ディルは彼を傷つけたことを後悔する。

困惑するファーガスは押し倒したことを謝罪し、ディルに引き留められるもののその場を去る。

翌日、パブに向かったファーガスは、再び押し倒したことをディルに謝罪しようとするものの相手にされない。

ディルのアパートに向かったファーガスは、謝罪するメモをポストに入れてその場を去る。

翌日、建設現場に現れたディルから謝罪されたファーガスは、告白しなかった自分が悪かったと言われる。

わだかまりを捨てた二人は、再び交際を始める。

アパートに戻ったファーガスは、その場にいたジュードに驚き、ジョディの件などを話す。

ある計画の実行に加わるようにと言われたファーガスは、ディルの存在をちらつかせながら脅すジュードに銃を向けられる。

翌日、美容室でディルに髪をカットしてもらっていたジュードは、ファーガスが通りに現れたため彼を牽制する。

その後、ジュードはファーガスに付きまとい、ディルは彼女がファーガスの女だと思い気分を害する。

ファーガスを監視していたマグワイアは、ジュードと共に彼を連れ出し、ある人物の殺害を強要する。

三人は車であるホテルに向かい、ジュードと共に車を降りたファーガスは、ターゲットの人物に近づきリハーサルをする。

ジュードから、銃は明日、届けると言われたファーガスは、ターゲットが判事だということを知らされる。

自分を尾行していたディルからジュードのことを訊かれても多くを語らないファーガスは、彼の安全を考え、髪をカットして男にしようとする。

それを拒もうとしたディルは、自分を捨てないことを約束してくれたファーガスに髪をカットさせる。

ディルを別人にしたファーガスは、彼のアパートで着替えをさせてホテルに向かう。

翌日、仕事場にいたファーガスは、ジュードから拳銃を受け取る。

ホテルに戻ったファーガスはディルがいないことに気づき、外出して酔っていた彼を見つける。

自分が何かを隠していることにディルが気づいたため、ファーガスは、ジョディを拉致して3日間監禁し殺すよう命令されたものの、逃げた彼がトラックに轢かれて死んだことを正直に話す。

ジョディは自分が殺したようなものだと伝えたファーガスは、酔って朦朧とするディルから、今夜は一緒にいてほしいと言われる。

翌朝、眠っているファーガスの銃を奪ったディルは、彼をベッドに縛りつける。

ファーガスから、ある場所に行かなければジュードらがここに来ると言われたディルは、構わないと伝える。

マグワイアと共に現場に向かったジュードだったが、ファーガスが現れない。

焦るマグワイアは、判事を銃撃するものの護衛に射殺され、ジュードはその場から逃げる。

自分への愛と見捨てないことをファーガスに確認したディルは、現れたジュードを射殺する。

ファーガスにも銃を向けたディルは撃つことができず、ジョディのことを想いながら自殺しようとする。

ディルから銃を取り上げたファーガスは、必ず会えると言って、彼を逃がそうとする。

ファーガスは、パブのコルの元に向かうようディルに指示する。

拳銃のディルの指紋を拭き取ったファーガスは、表に到着した警察官を待つ。

ディルの身代わりになったファーガスは、刑務所に入れられる。

数か月後。
ファーガスに面会したディルは、彼との愛を確認する。

まだ6年以上も刑期があるファーガスは、どうして自分の身代わりになったのかディルから訊かれる。

自分の”性”だと言うファーガスは、ジョディから聞いた”サソリとカエル”の話を始める。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
イギリス軍兵士ジョディは、イギリス側への強迫の手段の人質として、PIRAIRA暫定派)のファーガスとジュードに拉致されてしまう。
ところが、ファーガスは、ジョディを見張っているうちに親しみを感じ同情してしまう。
その後、イギリス側との交渉は進展しないまま、ジョディは殺されることになる。
怯えるジョディは、恋人のディルを捜して愛を告げることをファーガスに頼む。
ファーガスがジョディを殺すことになり森に向かうものの、逃げたジョディは事故死する。
その場から逃れたファーガスは、身分を隠してロンドンに向かい、ジョディとの約束を果たすためディルに近づくのだが・・・。
__________

イギリスの大きな政治問題”北アイルランド紛争”をテーマにした社会派ドラマ風に始まる物語は、気まぐれで奇妙な友情や、禁断の恋にまで発展する奥深い物語として描かれ、その斬新な内容は見る者を引きつける。

第65回アカデミー賞で、見事に脚本賞を受賞したニール・ジョーダンの脚本は、常識を逸脱した官能の世界を映し出し、登場人物の他愛もない会話や仕草などにもこだわった繊細な演出も光る。

・ノミネート
作品・監督
主演男優(スティーヴン・レイ
助演男優(ジェイ・デヴィッドソン
編集賞

北米では、わずか限定6館のみの公開で始まるものの、その後に評判を呼び、最終的には1097館まで拡大され、約6300万ドルの興行収入を記録して高い評価も得た。

ニール・ジョーダン作品の常連である主演のスティーヴン・レイは、PIRAIRA暫定派)の過激派としての資質を疑う序盤から、悪党を手玉に取る肝の据わった一面も見せる、人間味豊かな主人公を好演している。

勝ち気な性格の主人公の仲間ミランダ・リチャードソン、政治問題の犠牲者となる兵士を熱演するフォレスト・ウィテカー、その恋人を好演する、ドラマのキー・パーソンで、出色の名演を見せるジェイ・デヴィッドソンPIRAのリーダー、エイドリアン・ダンバー、パブのバーテン、ジム・ブロードベント、ディル(ジェイ・デヴィッドソン)に付きまとう悪党のラルフ・ブラウンなどが共演している。


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