ディア・ハンター The Deer Hunter (1978) 5/5 (17)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

ごく平凡な青年達が、ベトナム戦争での過酷な体験により、心や身体を傷つけられながらも、現実と直面し生きていこうとするそれぞれの人生と友情を描いた、製作、監督マイケル・チミノ、主演ロバート・デ・ニーロクリストファー・ウォーケンジョン・カザールメリル・ストリープ共演によるドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:マイケル・チミノ
製作
マイケル・チミノ

バリー・スパイキングス
マイケル・ディーリー
ジョン・ペヴェラル
脚本
デリック・ウォッシュバーン

クィン・レデカー
マイケル・チミノ
撮影:ヴィルモス・スィグモンド
編集:ピーター・ジナー
音楽
スタンリー・マイヤーズ

ジョン・ウィリアムズ(メインテーマ)

出演
マイケル・ヴォロンスキー:ロバート・デ・ニーロ
ニコナー”ニック”チェヴォタレヴィッチ:クリストファー・ウォーケン
スタンリー/スタン:ジョン・カザール
スティーヴン・プシュコフ:ジョン・サヴェージ
ピーター”アクセル”アクセルロッド:チャック・アスペグレン
リンダ:メリル・ストリープ
アンジェラ・プシュコフ:ルターニャ・アルダ
ジョン・ウェルシュ:ジョージ・ズンザ

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ

1978年製作 183分
公開
北米:1978年12月8日
日本:1979年3月24日
製作費 $15,000,000
北米興行収入 $48,979,328


アカデミー賞 ■

第51回アカデミー賞
・受賞
作品・監督
助演男優(クリストファー・ウォーケン)
編集・録音賞
・ノミネート
主演男優(ロバート・デ・ニーロ)
助演女優(メリル・ストリープ)
脚本・撮影賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1960年代後半、ペンシルベニアクレアトン
製鉄所で働く労働者である、ロシア系アメリカ人マイケル・ヴォロンスキー(ロバート・デ・ニーロ)、ニック・チェヴォタレヴィッチ(クリストファー・ウォーケン)、スティーヴン・プシュコフ(ジョン・サヴェージ)、スタンリー/スタン(ジョン・カザール)、ピーター・アクセルロッド(チャック・アスペグレン)は、夜勤の仕事を終えて、ジョン・ウェルシュ(ジョージ・ズンザ)のバーに向かう。

町では、スティーヴンと恋人アンジェラ(ルタニア・アルダ)の結婚式と、マイケル、ニック、スティーヴンの、ベトナム戦争出征の歓送会の準備が進んでいた。

マイケルらは、式の後の鹿狩りの準備をしていたが、ニックの恋人で、アル中の父の面倒を見ているリンダ(メリル・ストリープ)が、父に殴られニックの元に現れる。

リンダは、ニックが出征した後に、彼のアパートに越したいことを伝え、彼もそれを了承する。

スティーヴンとアンジェラの結婚式は、ロシア正教会で行われ、その後、マイケル、ニック、スティーヴンの送別会を兼ねたパーティーが始まる。

出征前に酔って浮かれるマイケルは、会場のバーにいた”グリーン・ベレー”隊員に、早く戦場に出てみたいと言って絡む。

マイケルを相手にしない隊員は、戦場は酷いとだけ言って彼を無視する。

そんな中、スティーヴンとアンジェラの誓いの儀式を見たニックは、リンダに求婚し、彼女もそれを受け入れる。

式典の後、会場を後にしたマイケルらは山に出かけ、出征前の最後の鹿狩りに向かう。

山小屋に向かう前に、マイケルは、スタンの準備不足を非難する彼と口論になるが、ニックがそれをなだめる。

そしてマイケルは、”一撃で仕留める”という、彼の鹿狩りの鉄則通り鹿を撃ち、ジョンの店へと戻る。

大騒ぎをして店に入ったマイケルらだったが、ジョンのピアノの演奏に神妙に聴き入る。
__________

泥沼化を辿っていた、先の見えないベトナム戦争の激戦地で、マイケルは敵に向かい銃弾を浴びせていた。

マイケルは、そこで偶然,ニックとスティーヴンに出くわすが、三人は捕虜になってしまい悲惨な状況下に置かれる。

捕虜達は,順番にロシアンルーレットというゲームをさせられて、賭けの道具に使われていた。

スティーヴンとマイケルの順番がきて、精神的に極限に達したスティーブンは引きずり出され、水かさの増す川に放置される。

マイケルは、一か八かで拳銃に弾丸を多く装填し、ニックと対決すると見せかけ、隙を見てベトコンを撃ち殺す。

その場を脱出した三人は、流木にしがみつき川の流れに身を任せ、現れた味方のヘリコプターに発見されるものの、マイケルとスティーヴンは取り残されてしまう。

その後マイケルは、足に重傷を負ったスティーヴンを友軍に任せ、別行動をとる。

先に病院に収容されたニックは精神を病み、記憶も一部しか戻らなかった。

その後、ニックは帰国することになるが、軍病院は退院するものの、故郷に帰る気になれなかった。

そんなニックは、サイゴン(現ホーチミン)市内の裏町で、ロシアンルーレットを見せられ、勝負を邪魔してしまう。

偶然にも、マイケルはそこでニックを見かけて後を追うが、彼は勝負師に身を投じてしまう。
__________

時は経ち、マイケルはアメリカに帰還するが、戦争を体験し、心に傷を受けた彼は、以前とは変わっていた。

マイケルは、彼を歓迎しようとする仲間達の元に向かわず、ニックのことを考えつつ、実は心を寄せるリンダを想うのだった。

そしてマイケルは、翌朝、仲間達が引き上げた後、リンダの元に向かう。

マイケルは、ニックの帰りを待つリンダを慰め、職場であるマーケーットに彼女を送る。

製鉄所で、スタンとアクセルに会ったマイケルは、ジョンの店に向かい、仲間達に歓迎される。

マイケルは、スティーヴンが復員していることを知らされ、彼の帰国以来、塞ぎ込んでいるアンジェらに会いに行く。

アンジェラから、スティーヴンの居場所を知らされたマイケルは、ニックと共同生活をしていた家をリンダに譲り出て行こうとする。

マイケルをベッドに誘ったリンダだったが、彼はそれを断り家を出る。

しかし、リンダはマイケルを追い、二人はモーテルで一夜を過ごす。

マイケルは、仲間と鹿狩りに行っても、以前のように鹿を撃つことができなかった。

護身用の銃を、おもちゃのように扱うスタンを見たマイケルは、自分の生死をかけた体験や、ニックを想い激怒する。

やがてマイケルとリンダは、ニックの生存も諦め、互いに惹かれ合うようになり、二人で暮らすようになる。

ようやくスティーヴンに会う気になったマイケルは、彼に電話をかける。

しかし、スティーヴンは、言葉少なく電話を切ってしまう。

退役陸軍病院に向かったマイケルは、両足を失ったスティーヴンと再会する。

スティーヴンは、陥落寸前のサイゴンから、毎月大金が送られてきていることをマイケルに告げる。

ニックが生存していると確信したマイケルは、スティーヴンを町に連れ帰り、その後サイゴンに向かう。

混乱するサイゴンに着いたマイケルは、ニックを捜すために、大金をはたいて、ロシアンルーレットの勝負をしようとする。

マイケルは、勝負師になっていたニックを見つけるが、彼は何も思い出せない。

仕方なくマイケルはニックと勝負し、彼に自分を思い出させようとする。

自ら拳銃を握り、ニックに正気を取り戻させようとするマイケルは引き金を引く。

マイケルの必死の呼びかけに、何かを思い出しかけたように見えたニックだったが、その時、放った弾丸が、彼のこめかみを貫く。

やがて戦争も終息を迎え、マイケルは、ニックの遺体を故郷に運び仲間達によって埋葬される。

葬儀の後、ジョンの店に集まった仲間達は、祖国のために戦い命を落としたニックのために、”God Bless America”を歌い捧げる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

製鉄所で働くロシア系アメリカ人の仲間マイケル・ヴォロンスキー、ニック、スティーヴン、スタン、ピーターは、仕事を終えて、いつものように友人ジョンのバーに向かう。
その後、町では、スティーヴンと恋人アンジェラの結婚式と、マイケル、ニック、スティーヴンの、ベトナム戦争出征の歓送会が行われる。
マイケルらの、送別会を兼ねたパーティーも始まり、出征前に酔って浮かれる彼は、会場のバーにいた”グリーン・ベレー”隊員に、早く戦場に出てみたいと言って絡むが、隊員は、戦場は酷いとだけ言ってそれを無視する。
そんな中、結婚する二人の誓いの儀式を見ていたニックは、恋人リンダに求婚して、彼女もそれを受け入れる。
式典の後、会場を後にしたマイケルらは、出征前の最後の鹿狩りのため山へ出かけ、マイケルは、”一撃で仕留める”という、彼の鹿狩りの鉄則通り鹿を撃ち、ジョンの店へと戻る。
そして、泥沼化を辿っていた、先の見えない戦地で戦っていたマイケルは、ニックとスティーヴンに偶然、出くわすものの、三人は捕虜になり、悲惨な状況下に置かれてしまう・・・。
__________

鹿狩りを楽しめる、のどかな田舎町の雰囲気から、突然、激しい戦場へと替わる衝撃的なシーンや、ロシアンルーレットの異常なまでの緊迫感と残酷さ、また、多くを語らずに、友情や愛情を表現する描写など(特にラスト)も見事で、映画史の中でも非情に高い評価を受けている作品。

1996年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

しかし、反戦映画として位置づけられている、明確なメッセージは伝わらず、ベトナム人に対し差別的な作品と見た人々も多く、賛否両論があるのも事実。

マイケル・チミノは、膨大な製作費をかけた次回作「天国の門」(1980)で大失敗し、製作会社であるユナイテッド・アーティスツを倒産にまで追い込み、ハリウッドを事実上追放されてしまう。

第51回アカデミー賞では、9部門にノミネートされ、作品、監督、助演男優(クリストファー・ウォーケン)、編集、録音賞を受賞した。
・ノミネート
主演男優(ロバート・デ・ニーロ)
助演女優(メリル・ストリープ)
脚本、撮影賞

個人的には、その年のアカデミー賞授賞式後に亡くなるジョン・ウェインが、痛々しい姿で、本作の作品賞受賞を発表したシーンが印象に残る。

スタンリー・マイヤーズの”Cavatina”を、ジョン・ウィリアムズのギター演奏による哀愁漂うメインテーマが実に効果的に使われている。

出征し、ただ一人以前と変わらぬ様子に見える主人公マイケルだが、陽気な男は寡黙になり、鹿も撃てなくなってしまう・・・
そんな男の心理を、言葉少なく見事に演じ切ったロバート・デ・ニーロの、代表作と言っていい作品。

見かけは若く見えるが、既にこの時期キャリア十分のクリストファー・ウォーケンは、本作が出世作となる。(35歳)ベトナムの軍病院に収容されてから、それ以降のクライマックスまで、何事も思い通りにならないもどかしさ、その感情表現は素晴しく、見事にアカデミー助演賞を受賞した。

作品の公開を待たずに、癌で亡くなるジョン・カザールは、病をおしての熱演だが、さすがに痛々しくも見える。

彼の実生活での婚約者だったメリル・ストリープも、本作がきっかけで、大スターの道を歩み始めることになり、まだ20代だが、心揺れ動く女性を好演している。

その後、期待以上の活躍が出来なかったのが残念なジョン・サヴェージや、ジョージ・ズンザも重要な役を演じている。

主人公の仲間チャック・アスペグレン、スティーヴン(J・サヴェージ)の痛々しい姿を見て自閉症になってしまう妻役ルタニア・アルダなどが共演している。


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