アンネの日記 The Diary of Anne Frank (1959) 3.96/5 (25)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

第二次大戦中、ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害の犠牲になったアンネ・フランクの日記が、一家で唯一人の生存者である彼女の父オットー・フランクの尽力で1947年に出版されて世界的ベストセラーとなり、それを基に製作された作品。
製作、監督ジョージ・スティーヴンス、主演ミリー・パーキンスシェリー・ウィンタースダイアン・ベイカーリチャード・ベイマー他共演のドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:ジョージ・スティーヴンス
製作:ジョージ・スティーヴンス
原作:アンネ・フランク
脚本
フランセス・グッドリッチ

アルバート・ハケット
撮影:ウィリアム・C・メラー
編集
デヴィッド・ブレザートン

ロバート・スウィンク
ウィリアム・メイス
美術・装置
ライル・R・ウィーラー

ジョージ・W・デイヴィス
ウォルター・M・スコット
スチュアート・A・レイス
衣装デザイン
チャールズ・レマイア

メアリー・ウィリス
音楽:アルフレッド・ニューマン

出演
ミリー・パーキンスアンネ・フランク

シェリー・ウィンタースペトロネラ・ファン・ダーン/アウグステ・ファン・ペルス
ダイアン・ベイカーマーゴット・フランク
リチャード・ベイマーペーター・ファン・ダーン/ペーター・ファン・ペルス
ジョセフ・シルドクラウトオットー・フランク
ガスティー・ヒューバーイーディス・フランク
ルー・ジャコビファン・ダーン/ヘルマン・ファン・ペルス
ダグラス・スペンサークラーラ/ヴィクター・カグラー
ドディー・ヒースミープ・ヒース
エド・ウィンアルバート・デュッセル/フリッツ・プフェファー

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX

1959年製作 180分
公開
北米:1959年3月18日
日本:1959年9月
製作費 $3,000,000


アカデミー賞 ■

第32回アカデミー賞
・受賞
助演女優(シェリー・ウィンタース)
撮影(白黒)・美術賞(白黒)
・ノミネート
作品・監督
助演男優(エド・ウィン)
音楽(ドラマ・コメディー)・衣装デザイン(白黒)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1945年。
第二次大戦は終結し、オランダの首都アムステルダムも解放された。

オットー・フランク(ジョセフ・シルドクラウト)は、強制収容所の生活を生き延び、1年前まで身を隠していた家に立ち寄る。

そこに、2年間、自分達を匿ってくれたミープ・ヒース(ドディー・ヒース)とクラーラ(ダグラス・スペンサー)が現れる。

ナチスに捕われるまでの2年間、恐怖に怯えながら過ごしたその家で、フランクミープから、娘アンネ(ミリー・パーキンス)の日記帳を渡される。
__________

日記は、1942年7月9日から始まる。

ヨーロッパ各地でナチスによるユダヤ人迫害が続く中、ユダヤ系ドイツ人のフランクとその一家は、妻イーディス(ガスティー・ヒューバー)の母国オランダに亡命してきた。

アンネと父母、姉のマーゴット(ダイアン・ベイカー)の一家は、好意的なミープクラーラの香味料工場の屋根裏部屋に身を潜めることになる。

ファン・ダーン(ルー・ジャコビ)と妻ペトロネラ(シェリー・ウィンタース)、息子のペーター(リチャード・ベイマー)がフランク一家を迎え、同居することになる。

一同は、食料や外部との連絡などはミープ達に頼り、物音もたてられずに、四六時中、怯えた生活を送ることになる。

アンネは、父から送られた日記帳に毎日の出来事を書くことで、いつまで続くか分からない、長くて辛い青春の日々を何とか生き抜こうとする。

1942年9月。
ある日、物静かな姉マーゴットと違い勝気な少女アンネは、ミープが来ないことで気を揉むファン・ダーンに、素行の悪さを注意される。

ペトロネラのコートまで、ミルクで汚してしまったアンネは、母イーディスにもマーゴットを見習うよう叱られる。

そこにミープクラーラがようやく現れ、彼女らが差し入れたラジオで、皆はワルツを踊る。

そのラジオから流れる情報を、唯一の楽しみにしていたある夜、階下のオフィスに泥棒が入る。

フランクらは息を殺し、物音を立てないようにその様子を窺っていた。

翌朝、ミープクラーラは隠れ家のフランクらが無事だったことを喜ぶ。

ある日、隠れ家にアルバート・デュッセル(エド・ウィン)というユダヤ人歯科医が加わることになる。

デュッセルから、アムステルダムで、連日数百人のユダヤ人が収容所に送られているという話を聞かされ、一同はショックを受ける。

その夜アンネは、収容所に入れられたと思われる友達や、連行される自分を思い浮かべ、叫び声をあげてしまう。

不安に怯えるアンネは、彼女に寄り添う母イーディスと、心を通わせることが出来ず拒絶してしまうが、父フランクに親子の愛情について悟らされる。

1942年11月。
連合軍アフリカに上陸し、イギリス軍の空襲が激しさを増してくる。

その恐怖に耐えながらフランクは、空襲が激しくなるほど終戦が早まると皆を励ます。

1942年12月。
ハヌカーの祭に、アンネは皆にささやかなプレゼントを贈り、久しぶりに平穏な時間を楽しむことができた。

アンネは、母イーディスにも謝罪のつもりで手紙を渡し、同部屋にも拘らず仲の悪いデュッセルには、自分の小言が聞こえないようにと耳栓を贈る。

その時、階下の工場に再び泥棒が入り、ミープのタイプライターが盗まれてしまう。

続いて、親衛隊が、二階から屋根裏部屋の入り口となる本棚まで上がってくるが、ペーターの猫のおかげで部屋は見つからずに済む。

デュッセルペトロネラは、捕まるのが時間の問題だと悲観的なことばかりを口にするが、フランクは、勇気を出すことだと言って皆を励まし、ハヌカーの祭を祝おうとする。

1944年1月1日。
アンネは、二度目の新年を隠れ家で迎え、彼女の体や心は変化し始める。

食料も乏しくなり、人々の間で諍いが起こり始め、クラーラの知人が、屋根裏部屋に気づいているようなそぶりを見せたことをフランクは知らされる。

アンネは、病気がちで全てを諦めかけているマーゴットを慰め、希望も持てない自分達は、大人達が起こした戦争の犠牲者だと言って腹を立ててしまう。

そんな時、ペーターアンネの心の支えになり、わずかな希望を抱く若い二人は、やがて惹かれ合うようになる。

当初は、ペーターと意識し合っていたマーゴットに気兼ねしながら、アンネは彼とのデートを続ける。

その後、解放の期待も高まる中で、人々は次々と収容所に送られていく。

1944年6月。
春が過ぎ、ファン・ダーンが隠れてパンを盗んで騒動になり、イーディスが彼らを追い出そうとする。

しかし、ラジオから、連合軍ノルマンディー上陸作戦を伝えるニュースが飛び込み、ミープクラーラも現れ、隠れ家の人々は争いも忘れ歓喜する。

それをきっかけにして、言い争っていた者達は謝罪し合い、上陸作戦成功のラジオ放送に聞き入る。

1944年7月。
連合軍の進撃が鈍り始め、隠れ家の人々に再び不安が広がる。

1944年8月1日。
サイレンを鳴らす親衛隊の車が階下に止り、隊員が建物に乱入する。

フランクは、”2年間恐怖に生きた、今後は希望に生きよう”と語り、そして屋根裏部屋の入り口が壊される。
__________

ミープクラーラは、隠れ家が見つかった原因が、建物に入った泥棒が、通報したためだとフランクに伝える。

フランクは、家族やファン・ダーン一家が収容所で亡くなった事実を知った後でも、アンネだけはと願い、それも叶わなかったことを二人に話す。

そしてフランクは、アンネの日記の最後の言葉に目を通す。

”人間の善意は、永遠に失われないことを信じます”


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

アムステルダム
ホロコーストを生き抜き、2年間を過ごした隠れ家に戻ったオットー・フランクは、現地協力者ミープクラーラに再会して、娘アンネの日記帳を渡される・・・。
フランクは、妻イーディスの母国であるオランダに、娘マーゴットアンネを連れて亡命してくる。
ミープクラーラの香料工場の屋根裏部屋に身を隠すことになったフランク一家は、ファン・ダーン一家との共同生活を始める。
アンネは、先の見えない隠れ家生活を始めるが、多感な時期に一歩も外に出られないもどかしさや、母との確執などの悩みを抱える。
そんなアンネは、良識のある父親のフランクや、ファン・ダーンの息子ペーターらに見守られ精一杯生き抜こうとするのだが・・・。
__________

アンネに限らず、同じような犠牲者がどれだけいたかと思うと胸が締め付けられる思いだが、物語自体は、大人の女性へと変わる、思春期を迎えて難しい時期に差し掛かる多感な少女の物語に終始し、冒頭とラスト以外はそれほど悲壮感は感じない。

各シーケンスごとの、ジョージ・スティーヴンスの演出は実に丁寧で力強く、舞台がほとんど密室である約3時間の長編にも拘らず全く長さを感じることはない。

美しい感動のドラマでもあるが、隠れ家の家族間の争いや、実際のアンネと母イーディスとの確執などもしっかりと描かれ、当然ながら美談だけに終わっていないところも注目点だ。

第32回アカデミー賞では8部門にノミネートされ、助演女優(シェリー・ウィンタース)、撮影(白黒)、美術賞(白黒)を受賞した。
・ノミネート
作品・監督
助演男優(エド・ウィン)
音楽(ドラマ・コメディー)
衣装デザイン(白黒)

ジョージ・スティーヴンス自身が発掘した、写真のモデルをしていたミリー・パーキンスは悲劇の少女というイメージの強いアンネを、明るく快活に演じている。

アカデミー助演賞を受賞した、喜怒哀楽の表現が素晴しいシェリー・ウィンタース、同じく助演賞候補になった名優エド・ウィンの、ひねくれ者の歯科医の怪演も光る。

ジョセフ・シルドクラウトも、家族で唯一人の生き残りとして、どれだけ辛い思いをしたか察するに余りあるオットー・フランクの人格者ぶりを見事に表現する好演を見せる。

爽やかな青年リチャード・ベイマーと、アンネとは対照的な、無口で内気な姉のマーゴットを演じたダイアン・ベイカーの抑えた演技も印象的だ。

ほとんど屋根裏部屋のセットの中で時折登場するウィリアム・C・メラーの青空のショット、アルフレッド・ニューマンの感動的な主題曲も素晴しい。

主人公アンネとの確執に悩む母親役のイーディスガスティー・ヒューバー、実際の人物はヘルマン・ファン・ペルスで日記上ではファン・ダーンルー・ジャコビ、同じくヴィクター・カグラー役で日記上のクラーラ役のダグラス・スペンサーミープ・ヒースドディー・ヒースなどが共演している。


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