愛情物語 The Eddy Duchin Story (1956) 4.65/5 (26)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

1930年代~40年代にかけて人気を得た実在のピアニスト、エディ・デューチンの半生、愛や別れ心通うことのできない親子関係の苦悩と葛藤を描く、監督ジョージ・シドニー、主演タイロン・パワーキム・ノヴァクジェームズ・ホイットモアビクトリア・ショウ他共演のドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:ジョージ・シドニー
製作:ジェリー・ウォルド
脚本:サミュエル・A・テイラー
撮影:ハリー・ストラドリング
編集
ヴァイオラ・ローレンス

ジャック・オギルヴィー
音楽:ジョージ・ダニング

出演
エディ・デューチンタイロン・パワー

マージョリー・オールリックス・デューチンキム・ノヴァク
チキータ・ウィン:ビクトリア・ショウ
ルー・シャーウッド:ジェームズ・ホイットモア
ピーター・デューチンレックス・トンプスン
シャーマン・ワズワース:シェパード・ストラドウィック
エディス・ワズワース:フリーダ・イネスコート
レオ・ライスマンラリーキーティング
ピアノ調律師:ジャック・アルバートソン

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ

1956年製作 123分
公開
北米:1956年6月21日
日本:1956年6月21日


アカデミー賞 ■

第29回アカデミー賞
・ノミネート
原案・撮影(カラー)
ミュージカル音楽・録音賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ニューヨーク
青年エディ・デューチン(タイロン・パワー)は、ピアニストとして身を立てるために、”セントラル・パーク・カジノ”に向かう。

デューチンはルー・シャーウッド(ジェームズ・ホイットモア)を訪ね、指揮者レオ・ライスマン(ラリーキーティング)に会うが、雇う気のないことを告げられてしまう。

家を飛び出し、ボストンから希望に燃えていたにも拘らず、現実の厳しさにさらされた失意のデューチンは、ホールのピアノを弾いてしまう。

それを聴いた、資産家令嬢のマージョリー・オールリックス(キム・ノヴァク)は、彼の演奏が気に入り、ライスマンに頼み込み、デューチンは楽団の一員になることができる。

マージョリーが準備していたパーティーは始まり、デューチンは、控えめに演奏するよう言われてピアノを弾き始める。

ダンスの合間の演奏ということで、テーブルに着いた人々は、デューチンの演奏に気づきもしなかった。

それに気づいたマージョリーは、デューチンのために、おじのシャーマン・ワズワース(シェパード・ストラドウィック)を誘い踊り始める。

翌日、デューチンは、心遣いに感謝するつもりで、装飾家のマージョリーの元に向かい親交を深める。

正式に楽団員になったデューチンは、オーケストラ演奏の合間だけではあるが、ピアノの演奏を任されるようになる。

その後、才能を認められたデューチンは、楽団のピアニストとなり、名が知られるようになる。

マージョリーの育ての親でもある、銀行家のシャーマンと妻のエディス(フリーダ・イネスコート)に招かれたデューチンは、中古で買った車に乗り、颯爽とワズワース邸に向かう。

デューチンマージョリーに迎えられるが、自分が招待客ではなく、単なるピアノ演奏のために呼ばれたことを知り、気分を害し帰ろうとする。

しかし、気を取り戻したデューチンは引き返してピアノを弾き始め、マージョリーは、彼の気持ちを察して励ます。

惹かれ合うようになったデューチンマージョリーは、愛を深めていく。

さらに活躍を始めたデューチンは、呼び寄せた両親を前に、マージョリーにプロポーズして、彼女はそれを受け入れる。

そして、二人は人々に祝福されながら結婚式を挙げ、カジノを見下ろせる高級アパートを新居に幸せを実感する。

やがてマージョリーは妊娠し、その後デューチンは自分の楽団を持ちバンド・リーダーとなる。

クリスマスの夜、息子ピーターが生まれたデューチンは、演奏を終え病院に向かうのだが、マージョリーの命がわずかだということを知らされ愕然とする。

マージョリーに面会したデューチンだったが、彼女は暫くして息を引き取り、28歳の生涯を閉じる。

デューチンは、カジノのホールに戻り、独り泣き崩れる。

マージョリーを亡くし、心を閉ざしたデューチンは、演奏活動は続けるものの、息子ピーターをワズワース夫妻に預けて会おうとしなかった。

ニューヨークを離れて5年、演奏旅行を続けるデューチンは、現実に向き合うべきだと言うシャーウッドに助言されて、息子のピーターに会うことにする。

しかしデューチンは、息子として接することのないピーターと、心通わせることができなかった。

その後、アメリカは第二次大戦に参戦し、デューチン海軍に入隊する。

デューチンは、慰問活動の依頼に対し、戦場での生活が自分には救いになると、それを頑なに断り続ける。

ミンダナオ島
上陸したデューチンは、廃墟となった建物で、焼け爛れた一台のピアノを見つける。

地元民の少年と共にピアノを弾き、デューチンは触れ合いを感じ、息子のピーターに、手紙を書いてみようという気持ちになる。

しかし、終戦を迎えたために、デューチンは書き始めていた手紙を捨てて、ピーターの元に向かう。

ニューヨーク
ワズワース夫妻に歓迎されたデューチンは、今後はピーターと生活を始めることを二人に告げる。

ピーター(レックス・トンプスン)と再会したデューチンは、未だ余所余所しいものの、今回は時間をかけて息子と触れ合う努力をするつもりでいた。

そしてデューチンは、ピーターと仲がよいという、シャーマンがイギリスから連れてきた戦争孤児のチキータ・ウィン(ビクトリア・ショウ)と顔を合わせる。

デューチンは、子供だと思い込んでいたチキータが、美しい女性だったために驚いてしまう。

そしてデューチンは、ピーターが自分の才能を引き継ぎピアノを弾くことを知る。

しかし、ピーターが、チキータとは親子以上の関係に見えることを気にしたデューチンは、息子を自分のペースで躾けて育てようとする。

それを不服に思うチキータは、デューチンに対し遠慮なく意見し、彼は息子のことを理解していないことを認める。

そのことで苦しんでいるデューチンは、チキータの意見を受け入れ、彼女に助言を求める。

デューチンは、ピーターやその友人達を楽団の稽古場に呼び寄せ、親交を深めたりもする。

ウォルドルフ=アストリア”で開催されたコンサートの際、家族と共に父デューチンの演奏を聴いたピーターは、喝采を浴びる父の姿を目の当たりにして誇りを感じる。

その時、デューチンは手の痺れを感じ、シャーウッドは彼の身を案ずる。

その夜、マージョリーと同じように嵐を怖がるピーターは、デューチンのベッドで寝たいことを伝え、彼は父の愛を求め、親子の心は通じ合う。

ようやく真実の幸せを掴みかけ、チキータへの愛も感じ始めた頃、デューチンは、医師の診察で白血病と診断されてしまう。

そんな時デューチンは、チキータがイギリスに帰ると聞いて驚き、彼女への尊敬の気持ちと、愛を伝えようとするがそれができない。

デューチンは、自分が余命一年であることをチキータに伝えるが、彼女は愛していることを告げ、二人は困難を乗り越え結婚することになる。

デューチンピーターの愛情が深まるに連れ、二人の傍らにいるチキータは居たたまれなくなる。

チキータは、ピーターに全てを打ち明けることをデューチンに提案するが、それができない彼は、死を恐れて苦悩する。

決心したデューチンは、ピーターと”セントラル・パーク”に向かい、病気のことを話す。

ピーターは、その現実を受け入れ、父デューチンにチキータは自分が守ることを伝える。

デューチンは、自宅の二台のグランド・ピアノで、ピーターと共に、ショパンの”夜想曲第2番”をアレンジした”Two Love again”を連弾する。

それを見守るチキータに寄り添ったデューチンは、ピーターが悲しみを堪える姿を見て、彼を励ますように再び演奏を始める。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

希望に燃え、ボストンからニューヨークにやってきたピアニストのエディ・デューチンは、富豪令嬢マージョリー・オールリックスの口添えで、何とかレオ・ライスマン楽団の一員となる。
その後、才能を認められたデューチンは楽団で活躍を始め、惹かれ合うようになっていたマージョリーとの愛を深め、やがて二人は結婚する。
自分の楽団を持つこともできたデューチンは、順調な演奏活動を続け、マージョリーとの間に息子ピーターが生まれる。
しかし、愛するマージョリーは出産後に亡くなり、失意のデューチンは心を閉ざし息子ピーターとの生活を拒んでしまう。
ピーターを、マージョリーのおじ夫妻に預けたデューチンは、演奏旅行に旅立ち、数年が経ち、彼はマネージャーのシャーウッドの助言で息子に会うことにする。
しかし、デューチンは、親子の触れ合い方を知らないため、ピーターと打ち解けることもできずに、海軍に入隊してしまう。
戦場の少年との触れ合いで、息子と生活する気になったデューチンは、ピーターの元に向かう。
ぞしてデューチンは、ピーターと仲のよい女性チキータの助言を受け、親子の関係を修復しようとするのだが・・・。
__________

1950年代に入り、他のスターの台頭で影が薄くなってきたタイロン・パワーが、前年の「長い灰色の線」(1955)に続き、同じく実在の人物を熱演した、ジョージ・シドニーの情感こもる演出も光る作品。

二年後に、心臓麻痺により、44歳の若さでこの世を去るタイロン・パワーの、主人公の人生ともダブる生涯を知りつつ観ると、一層感慨深いメロ・ドラマの秀作でもある。

40代前半にしてはやつれているようにも見えるタイロン・パワーだが、吹き替えを使わない、のピアノ演奏は見事である。

また、余りにも有名な、カーメン・キャバレロの演奏による、ショパンの”夜想曲第2番”をアレンジした”Two Love again”も大ヒットした。

第29回アカデミー賞では、原案・撮影(カラー)ミュージカル音楽・録音賞にノミネートされた。

大筋ではエディ・デューチンの生涯を事実に基づき描いてはいるが、父の後を継ぎ自身もピアニストになるピーター・デューチンは、実際には7月生まれで、物語ではクリスマスの日に誕生し、妻の悲劇が起きる設定となっていて、ドラマチックに脚色されている。

主人公が息子と妻に見守られながら、ピアノの前から突然、姿を消すラストも印象に残る。

ドラマの中盤にも至らない時点で亡くなってしまう、主人公を献身的に支え、わずか28歳の生涯を閉じる妻マージョリー・オールリックス・デューチンを演ずるキム・ノヴァクの、短い出演は残念なのだが、その後、登場する、凛とした言動と美しさで、後半を支えるビクトリア・ショウの好演も見逃せない。

主人公の良き理解者、マネージャーでもあるジェームズ・ホイットモア、主人公の息子ピーターレックス・トンプスンマージョリーのおじ夫妻シェパード・ストラドウィックフリーダ・イネスコート、バンド・リーダーのレオ・ライスマンを演ずるラリーキーティングなどが共演している。


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