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アイガー・サンクション The Eiger Sanction (1975)


3.94/5 (33)

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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

1972年に発表された、トレヴェニアンの”The Eiger Sanction”を基に製作された作品。
大学教授にして登山家でもある元殺し屋が、新たな”制裁”(殺人)に絡む陰謀に巻き込まれる姿を描く、監督、主演クリント・イーストウッドジョージ・ケネディジャック・キャシディグレゴリー・ウォルコット他共演のサスペンス・アクション。


ドラマ(サスペンス/犯罪)

クリント・イーストウッド / Clint Eastwood 作品一覧


スタッフ キャスト
監督:クリント・イーストウッド
製作総指揮
デイヴィッド・ブラウン

リチャード・D・ザナック
製作:ロバート・デイリー
原作:トレヴェニアンThe Eiger Sanction
脚色
ハル・ドレスナー
ウォーレン・マーフィ

トレヴェニアン
撮影:フランク・スタンリー
編集:フェリス・ウェブスター
音楽:ジョン・ウィリアムズ

出演
ジョナサン・ヘムロック:クリント・イーストウッド

ベン・ボウマン:ジョージ・ケネディ
ジェマイマ・ブラウン:ヴォネッタ・マッギー
マイルズ・メロウ:ジャック・キャシディ
ポープ:グレゴリー・ウォルコット
アンナ・モンテーニュ:ハイディ・ブルール
ジャン=ポール・モンテーニュ:ジャン=ピエール・ベルナルド
ドラゴン:セイヤー・デイヴィッド
カール・フライタグ:ライナー・ショーン
アンドレ・マイヤー:マイケル・グリム
ジョージ:ブレンダ・ヴィーナス

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ

1975年製作 128分
公開
北米:1975年5月21日
日本:1975年11月
北米興行収入 $14,200,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
チューリッヒ
ある組織の情報員”ワームウッド”は、マイクロフィルムを手に入れるものの、二人組に襲われて殺される。

カリフォルニア
大学の美術教授で元登山家のジョナサン・ヘムロック(クリント・イーストウッド)は、かつてはプロの殺し屋だった。

ヘムロックは、その報酬で絵画を手に入れる収集家でもあった。

秘密組織”C-2”のリーダーで、遺伝子疾患アルビノである元ナチのドラゴン(セイヤー・デイヴィッド)は、ポープ(グレゴリー・ウォルコット)をヘムロックの元に送り新たな”制裁”を依頼しようとする。

大学のオフィスに現れたポープを追い払ったヘムロックだったが、今回の報酬である”ピサロ”の絵と報酬1万ドルに興味を示しドラゴンに会う。

チューリッヒの情報員が二人組に殺されたことをヘムロックに伝えたドラゴンは、制裁を加えるよう命ずる。

引退したと言って断るヘムロックは、”ピサロ”の絵がブラックマーケットに出ていることを知らされる。

既に一人を見つけて、もう一人も時間の問題だと言われたヘムロックは、一人は殺すことを伝える。

ヘムロックは、2万ドルの報酬と自分が所有する絵画の所有権を認めさせ、非課税証明書を要求する。

仕方なくそれを承知したドラゴンは、最初から用意しておいた2万ドルを渡し、ヘムロックは仕事を引き受ける。

チューリッヒで難なくターゲットを始末したヘムロックは、帰国途中、客室乗務員のジェマイマ・ブラウン(ヴォネッタ・マッギー)と知り合い、彼女を自宅に誘い一夜を共にする。

翌朝、ジェマイマからの電話で目覚めたヘムロックは、ドラゴンの部下だった彼女に、現金と絵画の非課税証明書などを盗まれたことに気づく。

罠にはまったヘムロックは再びドラゴンの元に向かい、2人目の”制裁を”プラス2万ドルで依頼される。

それを断ろうとしたヘムロックは、殺された情報員”ワームウッド”が、友人であり命の恩人のアンリ・バクだと知り、制裁を引き受ける。

ターゲットはアイガー北壁の登頂を目指す登山チームの一員で、 片脚が悪いということしか分かっていなかった。

北壁登頂の挑戦で二度死にかけているヘムロックは、3万ドルの報酬を蹴り10万ドルと必要経費を要求し、退職金代わりだとドラゴンに伝える。

友人を殺して奪った細菌兵器のプランのマイクロ・フィルムを敵に渡した、軍隊時代の戦友マイルズ・メロウ(ジャック・キャシディ)の命を奪うことを許可するドラゴンから、マイルズは、それがボーナスだと言われる。

仕事を受けたヘムロックは自宅に戻り、ジェマイマが”ピサロ”の絵を届けたことに気づく。

ジェマイマから謝罪されたヘムロックは、ドラゴンとの付き合いが浅い彼女に、非情な男である彼の正体を伝え、自分達が悪党の片棒を担いでいることを教えて彼女を突き放す。

その後ヘムロックは、鈍った体を鍛え直すために、アリゾナでクライミング・スクールを経営する旧友のベン・ボウマン(ジョージ・ケネディ)の元に向かう。

ボウマンに迎えられて彼の施設に向かったヘムロックは、アイガー北壁登頂のためにトレーニングを積むことを伝え、ボウマンが登山チームの隊長だということを知る。

トレーニングを始めたヘムロックはボウマンと山に向かい、彼が組んだメニューを、指導役の先住民女性ジョージ(ブレンダ・ヴィーナス)と行うことになる。

タフなジョージに付いて行くのがやっとだったヘムロックは、早朝からのトレーニングに励む。

ドラゴンから、ターゲットの正体は依然不明だという手紙を受け取ったヘムロックは、今回の件に関与しているマイルズが現れたために驚く。

ボディガードのドウェインを伴っていたゲイのマイルズは、ヘムロックに命を狙われていると考え、アンリを殺したことを否定する。

アンリを侮辱したマイルズはヘムロックに殴られ、近づこうとするドウェインを制止する。

再び殺しを否定したマイルズは、ヘムロックが狙うもう一人のターゲットが誰かを知っていると伝え、自分に手出ししないことを約束させる。

少し時間が欲しいと伝えたヘムロックは、友人だと言ってマイルズと握手する。

ドウェインの元に向かい酒をおごり油断させたヘムロックは、彼を叩きのめし、自分に近づいたら殺すと言って脅す。

モニュメントバレー
ボウマンと共にのメサを登ったヘムロックは、調整も最終段階に入る。

その夜、ヘムロックは、部屋に来たジョージと愛し合うものの、注射器で薬を打たれ意識を失う。

ボウマンに起こされたヘムロックは、マイルズに命令されたジョージは部屋に閉じ込めてあることを伝える。

薬はモルヒネだと言われたヘムロックは、麻薬も扱うマイルズを痛い目に遭わせるとボウマンに伝えて部屋を出る。

翌日、マイルズをモニュメントバレーに誘いだしたヘムロックは、車を運転していたドウェインを射殺する。

マイルズを車に乗せて30マイル以上走ったヘムロックは、彼を砂漠に置き去りにする。
スイス
準備が整ったヘムロックは、ボウマンと共に現地のロッジに向かう。

ボウマンから、施設にFBIの捜査が入り騒ぎになっていると言われたヘムロックは、ドウェインがショットガンで撃たれマイルズも砂漠で死んでいたことを知らされる。

この場に何しに来たとボウマンから訊かれたヘムロックは、旧友のために来ただけだと答える。

登山チームの元に向かったヘムロックとボウマンは、ドイツのカール・フライタグ(ライナー・ショーン)、フランスのジャン=ポール・モンテーニュ(ジャン=ピエール・ベルナルド)と妻アンナ(ハイディ・ブルール)、オーストリアのアンドレ・マイヤー(マイケル・グリム)らに挨拶する。

フライタグがリーダーとなり、チームは登頂プランを練る。

その後、アイガーを眺めるヘムロックは、ロッジに現れたジェマイマと再会し、二人のわだかまりは消える。

メンバーとカフェのテーブルに着いたヘムロックは、ポープも現れたことに気づく。

モンテーニュと妻アンナの関係が気になるヘムロックは、そのことでボウマンから疑われ、口説いてはいないと伝える。

ポープと話したヘムロックは、ターゲットがこの地にいることを知らされ、粋がり口の減らない彼を叩きのめし、この場から消えろと警告する。

ホテルに戻ったヘムロックは、フライタグの部屋から出て来たアンナが、自分を誘うような素振りを見せても相手にしない。

そして、ヘムロックら4人は、そそり立つ岸壁に向かい出発する。

ヘムロックを見送るボウマンは、3人の中の一人と何かありそうな彼に、油断するなと忠告する。

アイガーを眺めるジェマイマは、ヘムロックらの登山が、ただのやらせだということをポープから知らされる。

アンリは最初から殺されることになっていたと話すポープは、細菌兵器のプランも、偽物をわざと敵に渡したとジェマイマに伝える。

制裁は、例のプランを本物だと思わせるものであり、盗まれて何もしなければ敵に疑われるためにヘムロックを使ったと話すポープを、ジェマイマは批判して罵倒する。

岸壁を登り始めたヘムロックは、警戒しながら3人の様子を探る。

日暮れとなり、アンナのことなどをフライタグと話すヘムロックは、登山に集中してほしいと伝える。

翌朝、登り始めた4人を、監視役のボウマンはロッジから見守る。

その後、落石を受けたモンテーニュが宙吊りになり、ヘムロックとマイヤーが彼を助ける。

負傷したモンテーニュは無事だったが、手を貸すことなく登り続けるフライタグを、ヘムロックは大声を出して批判する。

4人は最大の難関を突破し、フライタグは、落石事故を知らなかったことを3人に伝える。

天候が悪化することに気づいたボウマンは、下りるべきだと言うアンナに、手遅れな場所に4人は達していることを知らせる。

翌朝、負傷していたモンテーニュが疲労で死亡していることが分かり、天候が悪化したために、チームは止むを得ず下山することになる。

氷原をトラバースして下り、トンネルの窓の上に行くことを提案したヘムロックは、モンテーニュの遺体も運ぶとフライタグとマイヤーに伝える。

4人が下山することをジェマイマに伝えたボウマンは、モンテーニュの生死は不明であり、無事に戻る方法は、トンネル上部の絶壁からザイルで換気口に向かうしかないと話す。

ジェマイマから生還できる可能性を訊かれたボウマンは、かなり難しいが、自分達も換気口に向かうことを伝える。

仕組まれていた無駄な死だと言って、ジェマイマはその場を去る。

数人の男達とトンネルの換気口に到着したボウマンは、ヘムロックらを待つ。

途中の事故でフライタグとマイヤーは崖から転落し、モンテーニュの遺体も落下し、ヘムロックは宙吊りになる。

目の前の換気口にいたボウマンが脚を痛めていることに気づいたヘムロックは、投げられたロープを固定して、体を支えているザイルを切る。

助けられてトンネルから下山するヘムロックは、脚の古傷が痛むと言うボウマンが、制裁のターゲットだということを知る。

ボウマンは、自分の娘だったジョージを、マイルズが麻薬から救ってくれたために敵側についたとヘムロックに伝える。

ロッジに戻ったヘムロックは、ドラゴンからの電話を受ける。

制裁の相手を知らないドラゴンは、登山チームの3人が死亡したことで仕事は済んだと判断する。

ヘムロックは、もはや殺す理由もなくなったことを、マイルズのように怯えて生きることを心配するボウマンに伝える。

納得したボウマンから、また二人で登ろうと言われたヘムロックは、それを約束する。

その場を去るボウマンを見守るヘムロックは、帰りの航空券のことをジェマイマに伝え、手配すると言われる。

ジェマイマは、3人を殺していないことを確認するが、ヘムロックは答えようとしない。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
大学教授にして絵画の収集家でもある元殺し屋のジョナサン・ヘムロックは、秘密組織の”C-2”ボリーダー、ドラゴンに新たな”制裁”を依頼される。
難なくターゲットを抹殺したヘムロックは、ドラゴンの罠にはまり、嫌とは言えない条件を突きつけられて、再び仕事を受けることになる。
登山家でもあるヘムロックは、アイガー登頂に北壁から挑むチームに加わり、その中にいるターゲットを始末することになる。
チームの隊長でもある旧友のボウマンの元でトレーニングを始めたヘムロックだったが、彼の”制裁”を阻止しようとする妨害が始まる・・・。
__________

クリント・イーストウッド主演による、彼自身の監督作としては3作目の作品。

ヨーロッパの各都市やアイガーを舞台にした国際犯罪と、見慣れたモニュメントバレーメサで、そそり立つ岩柱によじ登る斬新な映像など、イーストウッドの魅力とともに見応え十分の作品。

当時、派手な大作の音楽を担当していたジョン・ウィリアムズの、落ち着いた雰囲気の美しいテーマ曲も印象的だ。
主演のイーストウッドは、似合わない大学教授役で登場したかと思うと、いきなり問答無用の殺し屋に変貌してしまう。

見る者を楽しませながら納得させてしまう、唐突な行動などがいかにも彼らしい。

一見、線が細いように見えるが、普段から鍛え上げている肉体と腕っ節の強さを誇張するところも、イーストウッド作品の特徴だ。

頑強な大男に脅しをかけるシーンなどが、当時のイーストウッド作品の特徴とも言える。

イーストウッドを含めて出演者が長身揃いで、雄大な大自然の映像と共に、ドラマにスケール感と迫力が加わっている。

イーストウッドとは、前年の「サンダーボルト」(1974)でも共演しているジョージ・ケネディの巨体が際立っている。

悪役を演じてもどこか憎めないのが彼の特徴で、いかにもアメリカ人らしい雰囲気を醸し出すいい役者だ。

ジャック・キャシディのゲイ役もハマっていた。
彼は、翌年タバコの火の不始末で、火災により焼死している。

エド・ウッド」(1994)にもカメオ出演した、”史上最悪SF映画”「プラン9 フロム・アウタースペース」の出演者でもあるグレゴリー・ウォルコットは、本作を含めイーストウッド作品には4作に出演している。

体格はイーストウッドに負けない彼が間抜け呼ばわりされ、簡単に懲らしめられてしまうシーンは実に可笑しい。

主人公を罠にはめるが、その後、良きパートナーともなる組織の一員ヴォネッタ・マッギー、”制裁”の依頼人である組織のリーダー、セイヤー・デイヴィッド、登頂チームのジャン=ピエール・ベルナルドその妻ハイディ・ブルールライナー・ショーン、マイケル・グリム、主人公のトレーニング係でボウマン(ジョージ・ケネディ)の娘だったブレンダ・ヴィーナスなどが共演している。

本作に限らないが、イーストウッドの着こなしとセンスが良くないことが気になる。
コーディネーターはいるはずだが、どうも衣裳選などは野暮ったい。
彼は、Tシャツ一枚とジーンズ、地味なスーツ姿、またはウエスタン・スタイルが良く似合う。


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