ザ・フライ The Fly (1986) 4/5 (27)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

1957年に雑誌”プレイボーイ”に掲載された、ジョルジュ・ランジュラン”のThe Fly”を基に1958年に公開された傑作恐怖映画「ハエ男の恐怖」のリメイク作品。
物質のテレポーテーション(瞬間移動)の研究に没頭する若き天才科学者が、成功したばかりの生物の転送実験を自ら試し、ハエの遺伝子と融合してしまう悲劇を描く、監督、脚本、出演デヴィッド・クローネンバーグ、主演ジェフ・ゴールドブラムジーナ・デイヴィスジョン・ゲッツ他共演による恐怖映画の秀作。


スリラー/ホラー


スタッフ キャスト
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
製作:スチュアート・コーンフェルド

製作総指揮:メル・ブルックス(クレジットなし)
原作:ジョルジュ・ランジュランThe Fly
脚本
デヴィッド・クローネンバーグ

チャールズ・エドワード・ポーグ
撮影:マーク・アーウィン
編集:ロナルド・サンダース

音楽:ハワード・ショア

出演
セス・ブランドル:ジェフ・ゴールドブラム
ヴェロニカ”ロニー”クエイフ:ジーナ・デイヴィス
スタシス・ボランズ:ジョン・ゲッツ
ブレンント・チーヴァース医師:レスリー・カールソン
タウニー:ジョイ・ブーシェル

マーキー:ジョージ・シュバロ
産婦人科医:デヴィッド・クローネンバーグ

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1986年製作 95分
公開
北米:1986年8月15日
日本:1987年1月
製作費 $15,000,000
北米興行収入 $40,456,570
世界 $60,629,160


アカデミー賞
第59回アカデミー賞
・受賞
メイクアップ賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
遺伝子組み換え及び物質移動の専門家である科学者セス・ブランドル(ジェフ・ゴールドブラム)は、研究のスポンサー会社”バルトーク・サイエンス”のパーティーで、ジャーナリストのヴェロニカ”ロニー”クエイフ(ジーナ・デイヴィス)に出会い、強引に住居兼研究室に連れて行く。

来て損をしたという雰囲気のヴェロニカに、自信有り気に開発した”テレポッド”を見せたセスは、彼女のストッキングを借りて実験を始める。

見事にポッドからポッドへのテレポーテーション(瞬間移動)を成功させたセスの実験に驚き興味を持ったヴェロニカは、態度を一変させる。

テープレコーダーのスイッチを入れたヴェロニカは矢継ぎ早にセスに質問を始め、研究内容を公開されては困るという彼の話も聞かずに、その場を去る。

翌日ヴェロニカは、元恋人で雑誌社の編集長スタシス・ボランズ(ジョン・ゲッツ)にセスのテープを聴かせるものの、行ったテレポーテーションは手品だと言う彼に信じてもらえなかった。

そこに現れたセスは落胆するヴェロニカと話し、密着取材をして、時期がきたら完成度の高い記事を書くことを提案する。

帰宅したヴェロニカは、勝手に入ったスタシスがシャワーを浴びていたために驚く。

寄りを戻したい様子のスタシスを迷惑に思うヴェロニカは、彼を追い払う。

セスの研究は続きヴェロニカの取材も始まるが、物質転送は成功するものの、生物での実験は失敗してしまう。

天才科学者であるセスは様々な方向から実験を見直し、生身の人間の考えや情報の、コンピューターへのインプット不足だという結論に達する。

そんな研究一筋のセスにヴェロニカは惹かれ始め、二人は愛し合う。

その後、コンピューターの解釈に限界があることに気づいたセスは、それを修正しようとする。

スタシスに行動を監視されていたヴェロニカは、セスとのことで嫉妬する彼を見限る。

そして、プログラムを書き換えたセスは、ついにヒヒを転送させることに成功する。

スタシスがセスの研究を発表する準備を始めようとしていることを知ったヴェロニカは、彼の元に向かう。

セスのことを調べたスタシスは、その研究が手品ではなく特ダネになることを認めるが、ヴェロニカは、まだ発表する段階ではないと伝える。

納得したスタシスは、研究の報告をすることを条件に、記事発表を止めることをヴェロニカに伝える。

ヴェロニカとスタシスの関係を恋人同士だと思い込んだセスはショックを受け、酒の勢いで自分自身で実験を試してしまう。

実験開始のカウントダウンが進む中、一匹のハエが、セスの準備するポッドの中に入り、彼はそのまま転送されて実験は成功する。

セスの元に戻ったヴェロニカは、ヒヒの検査もせずに彼が転送実験を自分自身でしたことを知る。

スタシスのことで嫉妬したと言うセスの誤解は解け、ヴェロニカとの愛を確かめて眠る。

夜中に飛んでいるハエを掴んで目覚めたセスは、体の異変に気づきながら、人並みはずれた運動能力と反射神経が身についたことを知り、ヴェロニカもそれを確認する。

急にテンションが高くなったセスは、食生活が甘党に一変し、ヴェロニカの肉体を激しく求め始める。

セスの背中に生えた固い毛のようなものに気づいたヴェロニカは、同じようなパワーを得られると言う彼から、転送を体験することを勧められる。

それを拒んだヴェロニカは、暴言を吐くセスの態度に驚き、転送の際に彼に何かあったのではないかと考える。

苛立ちながら街のバーに向かい、因縁をつけてきた男マーキー(ジョージ・シュバロ)と腕相撲で勝負したセスは、相手の腕を折ってしまう。

その場にいたタウニー(ジョイ・ブーシェル)と飲み歩いたセスは、翌朝、研究室に戻る。

転送を見せたセスはタウニーと愛し合い、彼女にも転送実験をさせようとする。

現れたヴェロニカがそれを制止し、タウニーを帰らせた後で、セスの背中に生えた毛を分析させた結果を彼に話す。

人相も変わり不潔で凶暴になったセスに、その毛は昆虫のものだろうということを伝えたヴェロニカは、憤慨する彼にその場から追い出されてしまう。

その後、歯が抜けて指先から分泌液が出て爪が剥がれてしまったセスは驚き、自分の転送実験のデータを調べる。

セスは、ポッドに入ったハエと分子・遺伝子レベルで細胞融合したことを知ってしまう。

4週間が経ち、セスからの助けを求める電話で呼び出されたヴェロニカは、恐ろしい姿に変貌した彼に驚いてしまう。

テレポッドに入ったハエの遺伝子と融合してしまったことを知らされたヴェロニカは、何んとか彼を助けようとする。

スタシスに相談したヴェロニカは、セスの様子を見て判断すると言われて、映像を撮るよう指示される。

その映像を見たスタシスは、おぞましい姿のセスに驚き、更にヴェロニカが、セスの子供を身篭ってしまったことを知らされる。

ヴェロニカは、産婦人科医(デヴィッド・クローネンバーグ)が、体内から幼虫のようなものを取り出す悪夢にうなされる。

以前より醜い姿に変わったセスは、訪ねてきたヴェロニカに傷つけたくないことを伝え、昆虫になってしまった自分から彼女を遠ざけようとする。

妊娠したことを話せないヴェロニカは、帰ってほしいとセスから言われたため、その場を去り、外で待っていたスタシスに、今直ぐ処置をしたいことを伝える。

友人のブレンント・チーヴァース医師(レスリー・カールソン)の元にヴェロニカを連れて行ったスタシスは、肢体の不自由な子を身籠ったと伝えて処置を頼む。

中絶手術を始めようとしたヴェロニカだったが、その場にセスが現れて彼女を連れ去ってしまう。

新しい自分が再生されるかもしれないというセスは、子供を産むようにと言ってヴェロニカを説得するが、恐ろしさで怯える彼女はそれに拒む。

セスの研究室に向かったスタシスは、ショットガンを用意して彼を待ち伏せする。

しかし、潜んでいたセスはスタシスに襲い掛かり、彼の手首と足首を体内の排出液で溶かす。

ヴェロニカをポッドに入れて子供と三人で融合しようとしたセスだったが、人間の姿から完全な昆虫に変貌してしまう。

ポッドにヴェロニカを閉じ込めたセスはもう一方のポッドに入るが、気を失っていたスタシスが目覚めて配線を銃撃する。

セスはポッドから出ようとするが、途中で転送が始まり中に吸い込まれてしまう。

這ってポッドに近づいたスタシスは、ヴェロニカを救い出す。

テレポッドと融合してしまったセスはその場から出て、ヴェロニカが手にしたショットガンの銃口を自分の頭部に向ける。

仕方なくセスの頭部を撃ち抜いたヴェロニカは、泣き崩れる。


解説 評価 感想

1989年に続編「ザ・フライ2 二世誕生」も公開された。

*(簡略ストー リー)
遺伝子組み換え及び物質移動の専門家の科学者セス・ブランドルは、あるパーティーでジャーナリストのヴェロニカに出会い、住居兼研究室に連れて行く。
セスは、開発した”テレポッド”で、ヴェロニカのストッキングを見事にテレポーテーション(瞬間移動)させて見せる。
驚きと共に興味を示したヴェロニカは、それを記事にしようとするものの、元恋人である雑誌社の編集長のスタシスに信用してもらえない。
その後、ヴェロニカに密着取材をさせながら、研究を続けるセスだったが、生物での転送を成功させることはできなかった。
やがてセスとヴェロニカは愛し合うようになり、セスはコンピューターの情報修正を行い、ついに生物での実験に成功する。
そんな時セスは、ヴェロニカとスタシスの関係を疑い、酒に酔った勢いで自分を実験台にしてしまう。
そして、転送準備をするセスのポッドの中に、一匹のハエが侵入してしまう・・・。
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第59回アカデミー賞で見事にメイクアップ賞を受賞した、ハエ男に変身していく生々しいシーンが話題になった。

ハエと融合した主人公の姿だけでなく、食生活や性格などが徐々に変化していく様子などを、繊細且つ視覚的に興味深く描写するデヴィッド・クローネンバーグの演出手腕が見所の作品。

また、昆虫に化していく主人公を愛してしまった女性の苦悩を後半のポイントとして、恋愛メロドラマ風に仕上げているところも注目だ。

今観ても、かなりグロテスクでショッキングな目を覆いたくなるようなシーンも多くあるが、全てにおいて完成度の高い、玄人受けする作品でもある。

クローネンバーグ作品の常連、撮影マーク・アーウィン、編集ロナルド・サンダース、そして、音楽はハワード・ショアが担当し、製作総指揮はメル・ブルックス(クレジットなし)が担当している。

ブロードウェイやテレビ、そして映画「狼よさらば」(1974)でデビューし、端役などで活躍しながらキャリアを重ねていたジェフ・ゴールドブラムの言わずと知れた出世作であり、人間関係が不得手な天才科学者から、実験直後の傲慢なタフガイ、さらには醜い姿に変貌する後半の熱演まで、後の作品でも見せてくれる、知的な雰囲気漂う彼のイメージを確立させた作品でもある。

本作をきっかけに、ジェフ・ゴールドブラムと結婚することになるジーナ・デイヴィスが、特ダネを狙う強かなジャーナリストから悲劇のヒロインまでを柔軟に演じ、美しさも際立っている。

やや嫌味のあるヒロインの元恋人ではあるが、後半は彼女に協力する雑誌社の編集長ジョン・ゲッツ、その友人である産婦人科医のレスリー・カールソン、主人公が街で拾う女ジョイ・ブーシェル、主人公とバーで腕相撲をして腕を折られる、元プロ・ボクサーのジョージ・シュバロ、そして、ヒロインの悪夢の中で登場する産婦人科医役でデヴィッド・クローネンバーグが登場する。


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