ナバロンの要塞 The Guns of Navarone (1961) 4.86/5 (36)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

1957年に発表された、イギリス人作家アリステア・マクリーンの小説”The Guns of Navarone”を基に製作された作品。
第二次大戦下、取り残されたイギリス兵を救出するため、その妨害となるナチス・ドイツの誇る要塞の巨砲を破壊する命令を受けた者達の戦いを描く、監督J・リー・トンプソン、主演グレゴリー・ペックデヴィッド・ニーヴンアンソニー・クイン他共演の戦争アクション。


アクション/アドベンチャー


スタッフ キャスト ■

監督:J・リー・トンプソン
製作:カール・フォアマン
原作:アリステア・マクリーンThe Guns of Navarone
脚本:カール・フォアマン

撮影:オズワルド・モリス
編集:アラン・オスビストン
音楽:ディミトリ・ティオムキン

出演
キース・マロリー大尉:グレゴリー・ペック

ジョン・アンソニー・ミラー伍長:デヴィッド・ニーヴン
アンドレア・スタブロス大佐:アンソニー・クイン
”ブッチャー”ブラウン二等兵:スタンリー・ベイカー
ロイ・フランクリン少佐:アンソニー・クエイル
スピロス・パパディモス二等兵:ジェームズ・ダーレン
マリア・パパディモス:イレーネ・パパス
アンナ:ジア・スカラ
ジャンセン海軍准将:ジェームズ・ロバートソン・ジャティス/ナレーター
ハワード・バーンズビー空軍少佐:リチャード・ハリス

ムーセル:ウォルター・ゴテル

アメリカ 映画
配給 コロムビア・ピクチャーズ

1961年製作 156分
公開
北米:1961年6月22日
日本:1961年8月
製作費 $6,000,000


アカデミー賞 ■

第34回アカデミー賞
・受賞
特殊効果賞
・ノミネート
作品・監督・脚色・編集・録音・音楽賞(ドラマ・コメディー)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1943年、第二次大戦下のエーゲ海
ケロス島に取り残されたイギリス兵2000人の救出作戦は、困難を極めていた。

ドイツ軍の誇る、ナバロン島の2門の巨砲が、エーゲ海を行き交うイギリス艦隊を待ち受けていたのだ。

連合軍は、ドイツ軍の作戦を1週間前に察知していたため、その後の6日間が、運命を決する日々となる・・・。
__________

イギリス海軍のジェンセン准将(ジェームズ・ロバートソン・ジャティス)は、ロイ・フランクリン少佐(アンソニー・クエイル)を指揮官に、コマンド部隊を、ナバロン島南部の絶壁から海路潜入させ、巨砲破壊工作計画を練っていた。

召集されたのは、登山家だが、5年間、山から遠ざかっているキース・マロリー大尉(グレゴリー・ペック)、元ギリシャ軍大佐アンドレア・スタヴロス(アンソニー・クイン)、科学者で爆薬の専門家ジョン・アンソニー・ミラー伍長(デヴィッド・ニーヴン)、機械の専門家でナイフ使いである”バルセロナのブッチャー”ことブラウン二等兵(スタンリー・ベイカー)、ナバロン島出身で、アメリカ帰りの若い殺し屋スピロス・パパディモス二等兵(ジェームズ・ダーレン)の5人だった。

一行を送り出したジャンセン准将だが、作戦成功の可能性は低く、彼としては戦争として割り切るしかなかった。

第1日” 木曜  18: 00

出発地点に集合した6人は、作戦の打ち合わせを始めるが、早速、妨害工作らしい事件が起きて、一行は、手際よくそれを処理する。

2日目” 金曜 07: 30

漁船でナバロン島に向かう一行は、途中ドイツ軍に遭遇し、怪しまれたために、敵を倒して先を急ぐ。

やがて、一行は時化に遭い漁船は座礁してしまい、仕方なく装備を下ろし岸に向かう。

その後、5人を津波が襲い、食料などを残した船は波に呑まれてしまう。

登山から遠ざかっていたマロリーは、出発前からこの任務に気が進まなかった。

しかし、マロリーは、後戻りできない状況に先陣を切り、400フィートの岸壁を登り始める。

危険な岸壁を、マロリーはスタヴロスの協力で登り切る。

4人は岸壁を登り、最後に残ったフランクリン少佐は、船で切った額の血が目に入り、岸壁を滑り落ちて足を負傷してしまう。

薬剤もなくし、フランクリン少佐を助ける為に、4人は彼を置き去りにすることも考える。

しかし、スコポラミンを使い、敵が計画を自白させられる可能性があり、少佐を担架に乗せた一行はマンドラコス村に向う。

その後、負傷したフランクリン少佐に代わり、指揮官となったマロリーは、船上のドイツ軍との交戦で、敵を殺すのをためらったブラウンを一喝する。

そしてマロリーは、一行を率い険しい山道を越えて目的地へと急ぐ。

しかし、ドイツ軍衛兵を殺したことで、彼らの行動は、敵に気づかれしまう。

3日目” 土曜 09: 30

無線連絡で、攻撃作戦が1日繰り上がったことを知った一行は、ドイツ軍の捜索隊が迫っている山岳地帯から脱出しようとする。

作戦の足手まといになることに、責任を感じたフランクリン少佐は、自ら命を絶とうとする。

しかし、マロリーはフランクリンに、計画が変更されて、上陸作戦が実行されるという偽情報を伝える。

スタヴロスが残り、彼が敵を威嚇している間に、一行は出発する。

3日目” 土曜 20: 00

セント・アレキシスで、レジスタンスである、パパディモスの姉マリア(イレーネ・パパス)と、ドイツ軍の拷問で口の聞けなくなったアンナ(ジア・スカラ)、そして、スタヴロスが一行と合流する。

4日目” 日曜  08: 00

ドイツ軍の捜索をかいくぐり、マンドラコスに到着した一行は、突然、攻撃を受けて洞窟に避難し村の裏山に出る。

4日目” 日曜 15: 00

村に侵入した一行は二手に別れるが、フランクリン少佐を医者に連れて行ったスタヴロスらが、ドイツ軍に捕らえられてしまう。

敵の包囲を察知したマロリーらは、アンナの案内で逃げ延びて、村人の結婚パーティーに紛れ込む。

しかし、現れたドイツ軍にマロリーらは捕らえられてしまう。

4日目”  日曜 21: 00

一行は集められて、ドイツ軍のムーセル大尉(ウォルター・ゴテル)から尋問を受ける。

スタヴロスの機転で、マロリーらはムーセルを取り押さえ、軍服を奪い脱出する。

偽の上陸作戦のことを確認し、フランクリン少佐を残した一行は、いよいよ巨砲が待つ要塞へと向かう。

その夜ミラーは、不可能な作戦より、フランクリン少佐を助けるべきだと主張する。

そしてミラーは、敵の撹乱に少佐を利用したマロリーを、痛烈にを非難する。

マロリーは、任務遂行のために、指揮官としては仕方ない判断だったと反論するが、少佐を案ずる気持ちは同じだった。

一人見張りについたマロリーに、涙しながら、何かを語ろうとするアンナが寄り添う。

最終日” 月曜 06: 30

マンドラコスの村は、敵に協力した報復として、ドイツ軍に焼かれてしまう。

そして一行は、巨砲の爆音のせいで、無人になった要塞の麓の村に到着する。

最終日” 月曜 21: 00

ケロス島のイギリス兵救出に向かう、同国艦隊が迫る中、要塞爆破に必要な爆薬の発火装置が壊され、ヒューズがなくなっていることがわかる。

ここにたどり着くまでの間、こちらの情報が漏れていたことに気づいた一行は、仲間の中にスパイがいることを知る。

アンナを疑ったミラーは、彼女が受けた拷問の傷を確認するが、それは残っていなかった。

犯人が分かった以上は生かしてはおけず、指揮官としてアンナに銃口を向けるマロリーだったが、スパイを同行させた責任を感じ、マリアが彼女を射殺する。

アンナ銃殺を主張したミラーに対し、爆破は現状で最善を尽くせと命ずるマロリーに、ミラーはうなずく。

一方、フランクリン少佐はスコポラミンを打たれ、上陸作戦を自白してしまう。

事前に手を打ったマロリーの陽動作戦は成功し、ドイツ軍は、敵兵上陸に備えて海岸線を防御し始める。

アンドレアとパパディモスが、町で騒ぎを起こす隙に、マロリーとミラーが要塞に侵入する。

ミラーは囮の爆薬を含め、弾薬庫もろとも要塞が破壊されるように仕掛けをセットし、二人は海に脱出する。

そして、マリアとブラウンはボートを奪うが、ブラウンは刺し殺され、無鉄砲なパパディモスは敵に突撃して命を落とす。

マリアは、要塞から海に脱出したマロリーとミラーを助け、アンドレアも無事に救出される。

マロリーらが去った後、爆薬を除去したつもりの要塞では、艦隊の接近を察知した、ドイツ軍の巨砲が唸りをあげる。

しかし、隠されていた爆薬が爆発し、巨砲もろとも要塞は崩れ落ちる。

治療を受けていたフランクリン少佐は、巨大な爆発音で、作戦成功を知り安堵の笑みを浮かべる。

そして、巨砲の脅威が消えたイギリス艦隊は、2000名の兵士の救出に、ケロス島へと向かう。

アンドレアとマリアはそのままナバロン島に戻り、マロリーとミラーは艦隊に救助される。

見事に作戦を成し遂げたマロリーに、ミラーは今までの無礼を詫びる。

爆破した要塞を眺めながら、不可能な作戦に挑んだ仲間達の姿が、二人の脳裏を過ぎる。


解説 評価 感想 ■

1978年に続編「ナバロンの嵐」が公開された。

*(簡略ストー リー)

第二次大戦下のエーゲ海ケロス島に取り残されたイギリス兵2000人の救出作戦が実行に移される。
登山家キース・マロリー大尉を含めた5人の男達が、イギリス艦隊を守るため、ドイツ軍の誇るナバロン島の2門の巨砲の破壊に向かう。
悪天候で物資を失い、負傷者を出し、スパイの妨害に遭いながらも目的地に達したマロリーらは、イギリス艦隊が迫る中、難攻不落の要塞に侵入する・・・。
__________

成功の可能性がない、難攻不落の要塞破壊作戦に、一癖ある精鋭達が命をかけて立ち向うという、戦争映画としては、当時空前のスケールで製作された超大作で、戦争をテーマにした作品ではあるが、サスペンス・アクションとしても、映画史上に残るの傑作。

戦争映画の迫力に加え、多彩な登場人物の人物描写、推理とサスペンスも入り混じる、娯楽の要素が満載されたストーリーは、切れのいいJ・リー・トンプソンの演出で、見事な仕上がりを見せている。

第34回アカデミー賞では、作品賞をはじめ6部門にノミネートされ、特殊効果賞を受賞した。
・ノミネート
作品・監督・脚色・編集・録音
音楽賞(ドラマ・コメディー)

ゴールデングローブ賞では、ドラマ部門で作品賞と作曲賞を受賞した。

まず、本作は、オープニングと主題曲で、いきなり圧倒される。

ジェームズ・R・ジャティス(ジャンセン准将)によるナレーションにより始まり、エーゲ海における、イギリス軍苦戦の状況説明がある。

ギリシャ文字を思わせるようなタイトルロールと共に流れる、オスカー候補のディミトリ・ティオムキンの主題曲が素晴らしい。
(時代的に仕方ないが、「リオ・ブラボー」(1959)と「アラモ」(1960)にやや似ている・・・)

ドラマチックな物語を、とことん力強く表現する、ティオムキンらしいメロディを聴いただけで興奮してしまう。

オープニングロールで、主題曲が最も盛り上がる瞬間に登場するティオムキンのクレジットで、興奮は最高潮に達する。

これは、ヒッチコック作品の常連、バーナード・ハーマンなどにもよく使った手法で、巨匠に許された特権とも言える。

ロシア出身のティオムキンの音楽は、独特の雰囲気を醸し出し、西部劇、ドラマ、史劇、またアクションなどで秀でた才能を発揮し、アカデミー賞に14回ノミネートされた。
*受賞
真昼の決闘」(1952)、「紅の翼」(1954)、「老人と海」(1958)、3作で受賞している。

当時「ベン・ハー」(1959)や「スパルタカス」(1960)などで多用された、ガラスペイントが効果的に使われ、巨大な要塞の迫力を見事に描写している。

架空の島、ナバロン島の遺跡のセットなども、なかなか情緒がある。

ただ、クライマックスであれだけの盛り上がりを見せながら、エーゲ海の風景をバックに、しぼむように終わってしまうラストは、今一物足りない。

やはり最後も、ティオムキンの主題曲で、きっちり閉めてもらいたかったのが本音だ。

バルセロナのブッチャー”の異名を持つスタンリー・ベイカーが、ドイツ兵を刺し殺すのをためらったのを見て、その後、指揮官になる主人公のグレゴリー・ペックが、ベイカーに、あえて冷たく接する場面がある。
非情な戦いを、試練で教え込もうとするところなどの繊細な脚本も見事で、そのような妥協のない演出が、唯の戦争アクション映画でない証と言える。

ドイツ軍の軍用車や戦車などが、ギリシャ軍などの借受品で、俄か仕上げなのがやや残念だが、ギリシャイギリス両軍全面協力の物量作戦は迫力がある。

主演のグレゴリー・ペックは、休暇を返上して、半強制的に作戦参加させられるのだが、指揮官が怪我で負傷すると、途端に指導力を発揮し、それが自然に見えるあたりが、大スターの貫禄だ。

グレゴリー・ペックの存在感はもとより、アンソニー・クインの、寡黙だが凄みのあるベテラン工作員のキャラクターと演技は特に興味深い。

メキシコ出身の彼は、セシル・B・デミルの娘婿で、アメリカ人、イタリア人、ギリシャ人等を変幻自在に演じられる貴重な存在だ。

190センチの長身を生かし、頑強なイメージでハリウッド黄金期を支えた名優だ。

ひょうひょうとした性格、責任回避の言動が多いデヴィッド・ニーヴンの、爆薬のプロ役もいい味をだしている。

絶体絶命の窮地が続くドラマの中で、前半は緊張感を和らげ、後半は、一気に存在感を示している。

部隊を率い、負傷しながら任務を遂行しようとするアンソニー・クエイルの、作戦成功を知る安堵の表情も忘れ難い。

作品に華をそえる、勇ましいレジスタンス イレーネ・パパスと美しいジア・スカラも好演している。

ナイフ使いの殺し屋に嫌気がさし、敵を殺すのをためらい、結局それが命取りとなるスタンリー・ベイカー、歌手でもある、ジェームズ・ダーレンの無鉄砲な若い殺し屋も印象的で、勿論彼の歌声も聞ける。

作戦考案者ジャンセン海軍准将のジェームズ・ロバートソン・ジャティス、ナバロン島の戦況報告を熱く語るリチャード・ハリス007シリーズの常連で、人情味もあるドイツ軍将校役ウォルター・ゴテルなども共演している。


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