ある戦慄 The Incident (1967) 4/5 (2)


■ 作品情報へ ■
スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

電車内で暴挙の限りを尽くす若い2人組に手出しをすることができない乗客の恐怖体験を描く、監督ラリー・ピアース、出演トニー・ムサンテマーティン・シーンボー・ブリッジスセルマ・リッター他共演による異色の犯罪サスペンス。


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■

監督:ラリー・ピアース
製作
モンロー・サクソン
エドワード・メドウ
脚本:ニコラス・E・ベア
撮影:ジェラルド・ハーシュフェルド

編集:アーマンド・レボウィッツ
音楽:テリー・ナイト

出演
トニー・ムサンテ:ジョー・フェロン
マーティン・シーン:アーティ・コナーズ
ボー・ブリッジス:フィリックス・テフリンジャー
セルマ・リッター:バーサ・ベッカーマン
ブロック・ピータース:アーノルド・ロビンソン
ルビー・ディー:ジョーン・ロビンソン
ドナ・ミルズ:アリス・キーナン
ジャック・ギルフォード:サム・ベッカーマン
エド・マクマホン:ビル・ウィルクス
ダイアナ・ヴァン・ダー・ヴリス:ヘレン・ウィルクス
マイク・ケリン:ハリー・パーヴィス
ジャン・スターリング:ミュリエル・パーヴィス
ゲイリー・メリル:ダグラス・マッカン
ロバート・フィールズ:ケネス・オーティス
ヴィクター・アーノルド:トニー・ゴヤ
ロバート・バナード:フィリップ・カーマッティ

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1967年製作 99分
公開
北米:1967年11月5日
日本:1968年5月8日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ニューヨークの深夜。
悪事を繰り返す若者ジョー・フェロン(トニー・ムサンテ)とアーティ・コナーズ(マーティン・シーン)は、通りがかりの男から金を奪おうとする。

男の所持金がわずか8ドルだったことに腹を立て、2人は男を撲殺してしまう。

深夜2時過ぎ。
4歳の子供がいるにも拘らず、妻ヘレン(ダイアナ・ヴァン・ダー・ヴリス)の実家で深夜まで付き合わされ、不満を漏らすビル・ウィルクス(エド・マクマホン)は、タクシー代をけちり電車で帰宅しようとする。

息子に入れ歯の治療代を工面してもらえず、愚痴をこぼすサム・ベッカーマン(ジャック・ギルフォード)は、妻のバーサ(セルマ・リッター)になだめられながら駅に向かう。

同僚のフィリップ・カーマッティ(ロバート・バナード)の家に招待されていた、腕を骨折している上等兵のフィリックス・テフリンジャー(ボー・ブリッジス)達も駅に向かう。

ウィルクス夫妻は、到着した電車の泥酔した男の乗る車両に乗車し、次の駅で若いカップルのアリス・キーナン(ドナ・ミルズ)とトニー・ゴヤ(ヴィクター・アーノルド)も同じ車両に乗車してくる。

そして、ベッカーマン夫妻もその車両に乗車し、人目を気にせず抱き合う、トニーとアリスを見てサムは呆れてしまう。

フィリックスとフィリップは、除隊後の将来の夢を語りながら電車に乗る。

友人のホーム・パーティーに出席していた中年カップル、歴史教師のハリー・パーヴィス(マイク・ケリン)とミュリエル(ジャン・スターリング)は、言い争いをしながら電車で帰宅しようとする。

アル中の中年男性ダグラス・マッカン(ゲイリー・メリル)も、駅に向かう。

それを追うようにゲイのケネス・オーティス(ロバート・フィールズ)も駅に向かいマッカンに声をかけるが、彼に追い払われる。

しかし2人は、同じ車両に乗り合わせ、マッカンは泥酔した乗客が気になる。

黒人夫妻アーノルド・ロビンソン(ブロック・ピータース)とジョーン(ルビー・ディー)も駅に着くが、白人を嫌彼は、改札係と揉めながらホームに向かう。

ロビンソン夫妻も同じ車両に乗車し、次の駅でジョーとアーティも乗り込んでくる。

車内でやりたい放題の2人を注意したマッカンはジョーに脅され、他の乗客も口出しができない。

オーティスがゲイだと気づいたアーティとジョーは、彼をからかい、オーティスは乗客の前で辱めを受ける。

我慢の限界に達したサムが、2人をクズ呼ばわりしたため、ジョーは彼を威嚇する。

サムがトニーに対処するよう促すが、彼はトラブルを避けるように無関心を装い、アリスがジョーにいたぶられても手出しができない。

冷静なフィリックスが2人に意見を言うが、ジョーがそれを黙らせる。

サムは強引に電車から降りようとするが、ジョーはそれを力ずくで制止する。

ただ一人、アーノルドが白人同士の揉め事を楽しんで見ていた。

しかし、黒人だということでジョーに侮辱を受けたアーノルドは、憤慨してジョーを殴り倒そうとするが、妻ジョーンが痛めつけられそうになり、已む無く引き下がる。

たまらず、ジョーに乗客を降ろすよう叫び始めたミリュエルだったが、2人にいたぶられそうになる自分を救おうとしない、夫ハリーに怒りをぶつけ黙ってしまう。

ジョーが、ウィルクス夫妻の4歳の娘にまで手を出そうとしたため、我慢の限界に達したフィリックスが、それを止めさせようとジョーに戦いを挑む。

ナイフを振りかざすジョーに、フィリックスは片腕で立ち向かい、わき腹を刺されながらもジョーとアーティを叩きのめした後、倒れてしまう。

ジョーとアーティは駆けつけた警官に連行され、フィリックスは、自分に手を貸そうともしなかった乗客を、軽蔑の眼差しで見つめながら、フィリップに抱きかかえられて電車を降りる。

乗客達は、暫くそのままたたずむが、やがて無言のまま電車を降りて、自分達の生活に戻って行く。


解説 評価 感想 ■

テレビ・ドラマ用に書かれた、ニコラス・E・ベアの物語を脚色して映画化された作品。

*(簡略ストー リー)

ニューヨークの深夜。
悪事を繰り返す若者ジョーとアーティは、通りがかりの男から金を奪うが、所持金少なかったことに腹を立てて、2人は男を撲殺してしまう。
妻の実家で深夜まで付き合わされ、不満を漏らすビルと妻ヘレン、入れ歯の治療代に困るサムと妻バーサ、同僚フィリップの家に招待されていた、負傷兵フィリックス、若いカップルのアリスとトニー、言い争いをする中年カップルのハリーとミュリエル、アル中の中年男性ダグラス、彼に声をかけるゲイのケネス、白人を毛嫌いするアーノルドと妻ジョーンの黒人夫妻らが乗り合わせた電車に、次の駅でジョーとアーティも乗り込んでくる。
そして、2人は乗客に嫌がらせを始め、車内には緊張する・・・。
__________

苦しい家計の家族や不仲の夫婦、身体的又は心を病む者や人種偏見を持つ男、そして無分別な若者と、それを理解できない老人、アメリカの抱える問題が凝縮されたような空間が、普段はお互い無関心に集っていても、何かをきっかけに、全てがさらけ出されてしまうという社会の縮図を、ラリー・ピアースが生々しく描いた衝撃作でもある。

乗客の殆どが、不満や苛立ちを持って電車に乗車してくるまでの、各々の人間模様の描写で前半が進む。
突然現れる無法者との接触で、自分達の醜い一面などをさらけ出してしまい、恐怖というより乗客の不快感がピークに達していく様が、車両という密室での緊張感を一層異質なものにしている。

暴力や嫌がらせなどを、あたかもゲームのように楽しむトニー・ムサンテと、これがデビュー作のマーティン・シーン、比較的冷静な軍人ではあるが、遂には悪人に片腕で立ち向かう、若き日のボー・ブリッジス、法律家を目指しながらも、親友に手を貸さないロバート・バナード、息子への不満を犯人にもぶつけるジャック・ギルフォードと妻のセルマ・リッター、白人を嫌い犯人の暴言に暴力で対抗しようとするが、妻ルビー・ディーを守るため自分を抑える、力強い熱演が光るブロック・ピータース、人目を気にしない若い2人ドナ・ミルズヴィクター・アーノルド、生活に不安を抱えながら電車に乗ってしまった夫婦エド・マクマホンダイアナ・ヴァン・ダー・ヴリス、お互いに満たされない夫婦生活を送るマイク・ケリンジャン・スターリング、そしてアルコール中毒の男性ゲイリー・メリルと同性愛者役のロバート・フィールズなどが共演している。


スポンサードリンク
ウェブ・ムービー・シアター

ウェブ・ムービー・シアター