インサイダー The Insider (1999) 5/5 (1)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

巨大タバコ産業の利益追求のため封印されている秘密を、話題性だけを求めた報道ではなく、情報提供者に敬意を払いながら自らのプライドをかけたジャーナリストの闘いと、正義のために立ち上がる者達を描く、製作、監督、脚本マイケル・マンアル・パチーノラッセル・クロウクリストファー・プラマー共演の社会派ドラマの秀作。


ドラマ(社会派)


スタッフ キャスト ■

監督:マイケル・マン
製作
ピーター・ジャン・ブルージ
マイケル・マン
脚本
エリック・ロス
マイケル・マン
マーリー・ブレナー(記事)
撮影:ダンテ・スピノッティ
編集
ウィリアム・ゴールデンバーグ
ポール・ラベル
デヴィッド・ローゼンブルーム
音楽
リサ・ジェラード
ピーター・バーク

出演
アル・パチーノローウェル・バーグマン
ラッセル・クロウジェフリー・ワイガンド
クリストファー・プラマーマイク・ウォレス
ダイアン・ヴェノーラ:リアン・ワイガント
フィリップ・ベイカー・ホールドン・ヒューイット
リンゼイ・クローズ:シャロン・ティラー
デビ・メイザー:デビー・デ・ルカ
コルム・フィオールリチャード・スクラッグス
ブルース・マッギルロン・モトリー
ジーナ・ガーション:ヘレン・キャパレッリ
マイケル・ガンボン:トーマス・サンドファー
スティーヴン・トボロウスキー:エリック・クラスター
リップ・トーン:ジョン・スキャンロン
ロジャー・バート:シールバック・ホテル・マネージャー
ハリー・ケイト・アイゼンバーグ:バーバラ・ワイガント

アメリカ 映画
配給 タッチストーン・ピクチャーズ
1999年製作 157分
公開
北米:1999年11月5日
日本:2000年5月27日
制作費 $68,000,000
北米興行収入 $28,965,197
世界 $60,289,912


アカデミー賞 ■

第72回アカデミー賞
・ノミネート
作品・監督
主演男優(ラッセル・クロウ)
脚色・編集・撮影・録音賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

CBSのドキュメンタリー報道番組”60ミニッツ”のプロデューサー、ローウェル・バーグマン(アル・パチーノ)は、レバノンを中心に活動する、イスラム教シーア派の政治組織”ヒズボラ”の長老に接触する。

バーグマンは長老から、同番組のインタビュアー、マイク・ウォレス(クリストファー・ プラマー)とのインタビューの約束を得る。

タバコ会社大手”ブラウン&ウィリアム”(B&W)社の開発部門副社長ジェフリー・ワイガンド(ラッセル・ クロウ)は、解雇されて会社を去る。

夫の解雇を知ったワイガンドの妻リアン(ダイアン・ヴェノーラ)は、車のローンや喘息の幼い娘の医療給付金などを心配して動揺する。

レバノン入りしたウォレスは、相手側の圧力に屈することなく、自分のペースで”ヒズボラ”の長老とのインタビューを進める。

ある日、バーグマン宅に、タバコ産業に関する極秘資料が送られてくる。

バーグマンはそれに興味を持ち、専門家のワイガンドに意見を求めようとする。

ワイガンドに接触を試みたバーグマンは、当初はそれを拒まれるが、ルイビルの”シールバック・ホテル”で、二人は会うことになる。

取材料を当てにしているワイガンドは、手短に質問に答え、バーグマンが持参した資料を持ち帰る。

B&W社が、利益優先でタバコに有害な物質を加えているという事実を知っていたワイガンドは、会社と社内情報の守秘契約に同意していた。

それをワイガンドから聞いていたバーグマンは、スタッフのデビー・デ・ルカ(デビ・メイザー)に、守秘契約について詳しく調べさせる。

ワイガンドがマスコミと接触したことを知ったB&WCEOトーマス・サンドファー(マイケル・ガンボン)は、会社情報の守秘契約の追加条項にサインすることを、ワイガンドに強要する。

家族のために、はじめから情報を漏らす気などなかったワイガンドは、脅迫めいた会社側態度に憤慨し、要求を拒否してしまう。

会社側に自分を売ったと、バーグマンを疑ったワイガンドは、その誤解が晴れて、彼に心を開くようになる。

タバコ業界大手の社長”7人の小人”が、ワイガンドを恐れていることを知ったバーグマンは、”60ミニッツ”のスタッフとワイガンドの口を割らせる方法を考える。

ワイガンドは、家族への圧力が迫り苦しくなった生活への不安から、 バーグマンに連絡を入れ”60ミニッツ”への出演を検討する。

バーグマンは、ダバコ会社大手との訴訟を多く手がける弁護士リチャード・スクラッグス(コルム・フィオール)と同僚ロン・モトリー(ブルース・マッギル)に連絡を取り、今回の件が、ワイガンドの守秘契約に違反するかを確かめようとする。

メールや郵便受けの弾丸など、ワイガンドへの脅迫が激しくなり、通報したFBIには自作自演を疑われてしまう。

FBIに不当な扱いを受けたことを、ワイガンドバーグマンに伝え、彼はFBI自体のB&Wとの関係を含めて調べようとする。

ニューヨーク入りしたワイガンドとリアンは、番組の打ち合わせのために、バーグマンウォレスと顔を合わせる。

リアンは、その場で始めてTV出演を知り取り乱してしまい、それが、どんなに危険かを心配する彼女をワイガンドは振り切り、”60ミニッツ”のウォレスとのインタビューに応ずる決心をする。

ワイガンドは、番組のインタビューの中で全てを告白し、やがて高校の教師として働くことになる。

その後ワイガンドは、弁護士スクラッグスに連絡を入れ、法廷で証言することも伝える。

CBS側の配慮で、屈強なボディーガードやスクラッグスらの弁護士チームがワイガンドに付けられるが、不仲になった妻リアンとの溝は埋まらなかった。

法廷証言に向かったワイガンドは、スクラッグスら弁護団から、家族の未来が人質に取られることを覚悟するよう、相手側から口止め命令が出されていることを知らされる。

しかし、ワイガンドは考え抜いた末に、命令を無視して法廷に向かう。

B&W社側弁護士は、ワイガンドに証言を止めさせようとするが、モトリー弁護士の気迫に圧倒され、ワイガンドは無事に証言を終える。

帰宅したワイガンドだったが、精神的限界に達したリアンから離婚を迫られてしまう。

CBSの法律顧問ヘレン・キャパレッリ(ジーナ・ガーション)は、”60ミニッツ” のワイガンドへのインタビューが放映されれば、 B&W社から訴えられ自社を乗っ取られる可能性を指摘する。

訴訟を恐れたCBS上層部のエリック・クラスター(スティーヴン・トボロウスキー)やドン・ヒューイット(フィリップ・ベイカー・ホール)らは、ワイガンドのインタビューをカットした代替番組を作っておく必要性をバーグマンに伝える。

放映を主張するバーグマンは、ウォレスもインタビューのカットに同意したため、彼はショックを受けて無言のまま席を外す。

バーグマンの妻シャロン(リンゼイ・クローズ)は、夫と共に事件を追及していたウォレスが、会社側についたと聞き絶句する。

放送中止をバーグマンから知らされたワイガンドは、独り絶望感を味わう。

さらに、ワイガンドの人間性が疑われるような過去が、マスコミにより暴露されることになる。

バーグマンは、隠し事をしていたワイガンドを非難するが、彼を最後まで守り抜くことを約束する。

番組を降ろされたバーグマンは、この件に関する内部情報をニューヨーク・タイムズにリークし、B&W社の名前やワイガンドのインタビューを放映する正当性を主張する。

ウォレスバーグマンを訪ね、今までの経歴よりも、最後に残す印象が大切だということを語る。

そして、持参した番組の件の記事の載ったニューヨーク・タイムズなどが、CBSの偉大な先人”エドワード・R・マーロー”などの名を汚したとバーグマンに伝えて避難し立ち去る。

ワイガンドへの中傷などへの疑問が、一斉に報じられた記事を見たヒューイットは、バーグマンを呼び出す。

しかしバーグマンは、もはや議論する段階でないことを説き、今回はウォレスもそれに同意する。

そして、ついにワイガンドのインタビューを含めた番組が放送される。

その後バーグマンは、ウォレスに別れを告げてCBSを去る。
__________

1998年タバコ業界は、全米各地で2460億ドルもの示談金を払うことになる。

1996年、ワイガンドは、ケンタッキー州の優秀教師になる。

バーグマンは”フロントライン”の記者になったが、カリフォルニア大学(バークレー)でも教鞭を執る。


解説 評価 感想 ■

1996年5月、”ヴァニティ・フェア”誌に掲載されたマーリー・ブレナーの記事”The Man Who Knew Too Much”を基に製作された作品。

*(簡略ストー リー)

タバコ業界の内部資料を受け取った、CBSの報道番組”60ミニッツ”のプロデューサーであるローウェル・バーグマンは、B&W社を解雇されたジェフリー・ワイガンドに意見を求める。
ワイガンドは、会社との守秘契約があるために情報提供を拒むが、マスコミとの接触で脅迫が始まる。
日々の生活に追われた彼は、バーグマンの熱心な説得で、マイク・ウォレスとのインタビューに応じる決心をする。
その後ワイガンドは、法廷での証言も行うのだが、夫婦の間に亀裂が生じ過去の汚点も暴露されてしまう。
一方、バーグマンも、CBS自体を訴訟と買収に巻き込む、番組放送断念を迫られる。
しかし、バーグマンは、真実を伝えようとする信念の下に、CBS上層部の考えを無視してまで、ワイガンドと正義をま守る闘いに挑む・・・。
__________

真実とは何か、本当の正義とは・・・

エンドロールにもあるように、多少の脚色はあるものの、実名を使った巨大企業のぶつかり合いや、実在の人々の人物像を丁寧に描いているマイケル・マンの演出は、緊迫感溢れるドラマを、一層、迫力あるものにしている。

第72回アカデミー賞では、作品、監督、主演男優賞(ラッセル・ クロウ)、脚色、編集、撮影、録音賞にノミネートされた。

リサ・ジェラードの音楽は、翌年の「グラディエーター」(2000)を思わせる。

ラッセル・クロウは、メイクがやや作り物に見え過ぎなのが気になるが、この年から3年連続アカデミー賞にノミネートされ、翌年「グラディエーター」で主演賞を受賞する実力を、本作でも十分に見せてくれる。

実際には、ワイガンドバーグマンよりも年上で、アル・パチーノラッセル・クロウは親子ほど歳が違う。

他を圧倒するアル・パチーノの演技は、うま過ぎる、という表現が相応しいほどの熱演を見せてくれる。
報道のプロを演ずる、ハリウッド随一の演技派の気迫が伝わってくる、素晴らしい演技だ。

著名なジャーナリストのマイク・ウォレスを演じた、当時72歳のクリストファー・プラマーの重厚な演技も味わい深い。
彼は老いてから本当に良い役、作品が続いている。

気になる存在だったのが、主人公ワイガンドの弁護を引き受ける、強面の弁護士役ブルース・マッギルで、出番は少ないが、その正義感溢れる迫力の演技は痛快でもある。

いつもは、ギャングの愛人という役どころが多いジーナ・ガーションの、CBSの法律顧問役も興味深い。

豊かな生活が一変し、恐怖に怯えるワイガンドの妻ダイアン・ヴェノーラCBSプロデューサードン・ヒューイットフィリップ・ベイカー・ホールバーグマンの妻リンゼイ・クローズ、”60ミニッツ”番組スタッフのデビ・メイザー、弁護士のスクラッグスコルム・フィオールB&WCEOマイケル・ガンボン、他、スティーヴン・トボロウスキーリップ・トーンロジャー・バートも出演している。


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