現金に体を張れ The Killing (1956) 4.24/5 (34)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

殺人を犯さずに、大金の強奪を考える男達の綿密な実行計画を描く、”フィルム・ノワール”の秀作にして、スタンリー・キューブリックの脚本を兼ねた記念すべきハリウッド・デビュー作品。
主演スターリング・ヘイドンコリーン・グレイヴィンセント・エドワーズ他共演。


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■

監督:スタンリー・キューブリック
製作:ジェームズ・B・ハリス
原作:ライオネル・ホワイト”Clean Break”
脚本
スタンリー・キューブリック

ジム・トンプスン
撮影:ルシエン・バラード
編集:ベティ・ステインバーグ
音楽:ジェラルド・フリード

出演
ジョニー・クレイ:スターリング・ヘイドン

フェイ:コリーン・グレイ
ヴァル・キャノン:ヴィンセント・エドワーズ
ジョージ・ピーティ:エリシャ・クックJr.
シェリー・ピーティ:マリー・ウィンザー
マーヴィン・アンガー:ジェイ・C・フリッペン
ランディ・ケナン:テッド・デ・コルシア
マイク・オライリー:ジョー・ソウヤー
ニッキー・アラーノ:ティモシー・カーリー
モーリス・オボウクホフ:コーラ・クワリアニ
タイニー:ジョー・ターケル
駐車場係:ジェームズ・エドワーズ

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ

1956年製作 83分
公開
北米:1956年5月20日
日本:1957年12月10日
製作費 $320,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

9月の最後の土曜日。
5年の刑を終え出所したジョニー・クレイ(スターリング・ヘイドン)は、結婚を約束したフェイ(コリーン・グレイ)に、ある計画が終わるまで自分に近づかないように伝える。

そこに資金源のマーヴィン・アンガー(ジェイ・C・フリッペン)が現れ、立ち去るフェイに挨拶する。

マーヴィンと接触していた競馬場の馬券売りジョージ・ピーティ(エリシャ・クックJr.)は帰宅して、妻のシェリー(マリー・ウィンザー)に嫌味ばかり言われてしまう。

自分の稼ぎが悪いことを皮肉られるジョージは、大金を手に入れられる可能性をシェリーに語る。

当然それを信じないシェリーに、ジョージは計画の内容を話そうとする。

それを聞いたシェリーは、愛人ヴァル・キャノン(ヴィンセント・エドワーズ)の元に向かい、ジョージが、仲間達と競馬場の売上金を奪おうとしていることを話してしまう。

それを当てにしたシェリーは、暫くはジョージと暮らすことをヴァルに告げて、仲間達の名前が書かれたメモを彼に見せる。

ヴァルはその計画を信じ、奪った金を自分達のものにする方法を考える。

その後、ジョニーと、マーヴィン、ジョージ、競馬場のバーテンダーのマイク・オライリー(ジョー・ソウヤー)、そして、借金を抱える警察官ランディ・ケナン(テッド・デ・コルシア)は、200万ドルを奪う詳細な強盗計画を練る。

そこに、探りを入れに来たシェリーが来たのにジョニーが気づき、彼女を殴り失神させる。

仲間達はジョージを疑い、ランディとマイクが彼を連れ出す。

ジョニーは、意識の戻ったシェリーから、メモの住所を見て、夫ジョージの浮気を疑ったと聞かされる。

シェリーの本性を見抜いたジョニーだったが、彼女解放し、痛めつけられたジョージは、計画から抜けようとする。

しかし、シェリーはジョージを思い止めさせるために、見せ掛けの愛情で彼を満足させる。

3日後の火曜日。
最終的な準備に入ったジョニーは、レスラーでもあるモーリス・オボウクホフ(コーラ・クワリアニ)を仲間に引き入れて、競馬場で暴れて騒ぎを起こす役を演じさせようとする。

その後ジョニーは、レースの一番人気の馬を銃撃する狙撃手としてニッキー・アラーノ(ティモシー・カーリー)を雇う。

4日後。
シェリーは、計画実行が今日だということをジョージに確かめるため、ジョニーと関係を持ったと嘘をつき、彼を動揺させてそれを聞き出す。

ジョニーは、マーヴィンのお陰で計画を実行できることに対し、彼に感謝する。

マーヴィンは、二人だけで逃亡しないかとジョニーに提案するが、彼はそれを聞き入れず競馬場に向かう。

病気の妻の様態を気にしながら、彼女に楽な生活をさせることを約束したマイクは、ジョニーの用意した武器をバスターミナルのロッカーから持ち出し、競馬場に向かう。

バーで仕事を始めたマイクは、現場には来ないはずだったマーヴィンが、酔って現れたことに驚いてしまう。

そして問題の第7レースの出走が迫り、モーリスが予定通りに暴れて警備員に取り押さえられ、その騒ぎの隙にジョージがドアを開けてジョニーを中に入れる。

ライフルを持ったニッキーが、入場させることを渋る駐車場係(ジェームズ・エドワーズ)に金を渡して中に入る。

ニッキーは、何かとちょっかいを出す駐車場係を追い払い、レース開始と共にライフルを構える。

本命馬を一撃で仕留めたニッキーは逃走しようとするが、現れた警官に射殺される。

ジョニーはマイクのロッカーから武器を取り出し、マスクをかぶり、警備のいない集金場に押し入り、現金を袋に詰めさせる。

係員を部屋から出したジョニーは、袋を窓の外に投げ落とし、その場を立ち去る。

事件は臨時ニュースとして報道され、200万ドルの大金を詰めた袋は場内に隠されていると判断され、捜索が行われる。

犯行の仲間達は、時間になっても現れないジョニーに気を揉んでいた。

その時、銃を持ったヴァルが押し入ってくるのだが、ジョージが銃で反撃して彼以外は死亡する。

ジョニーは、渋滞に巻き込まれて予定時間に遅れてしまい、ランディが、モーテルに運んだ現金を持ち集合場所に向かう。

入り口で負傷したジョージを目撃したジョニーは、非常事態だと悟る。

ジョニーは、現金を安全な場所に運ぼうと、鞄を買ってそれを詰めるが、壊れた鍵を閉めることができない。

自宅に戻った瀕死のジョージは、ヴァルを待つシェリーを射殺して自らも息絶える。

ジョニーは、ボストンに向かうために空港でフェイと待ち合わせて、現金の入った鞄を機内に持ち込もうとするが、大き過ぎて持込を拒否される。

仕方なく鞄を預けたジョニーだったが、乗客の犬が滑走路に飛び出し、運搬車がそれを避けようとした瞬間、鍵のかからなかった鞄が落ちて開いてしまい、現金は舞い散ってしまう。

フェイは、呆然とするジョニーを連れてその場を立ち去ろうとする。

そしてジョニーは、空港に張り込んでいた警官に気づかれて逃亡を諦める。


解説 評価 感想 ■

1955年に発表された、ライオネル・ホワイトの小説”Clean Break”を基に製作された作品。

*(簡略ストー リー)

出所したばかりのジョニー・クレイは、競馬場の売上金約200万ドル強奪を計画する。
資金源であるマーヴィン、競馬場の馬券売りジョージ、バーテンダーのマイク、借金まみれの警官ランディらを仲間に加えたジョニーは、血を流さずに現金を奪う、綿密な計画を立てて準備を進める。
しかし、妻シェリーに相手にされないジョージが、彼女の気を引くために計画を話してしまう。
性悪な女シェリーは、愛人ヴァルにそれを伝え、彼らは、奪った現金を自分達のものにすることを考える。
犯行当日にジョニーは、競馬場で混乱を起こすためレスラーのモーリスを、レースの一番人気の馬を狙撃する役目をニッキーに任せ、二人を仲間に引き入れる。
そして計画は実行され、ジョニーの思い通りに、一味は現金を奪うことに成功するのだが・・・。
__________

綿密な強盗計画が、呆気なく失敗に終わる意外な幕切れ、その準備や犯行を、繰り返し異なる視点で描く、セミ・ドキュメンタリー・タッチの手法も斬新だ。

ビッグ・ネームの出演もない小作ながら、個性的な登場人物と緊迫感溢れる場面展開など、まだ20代であるキューブリックの、力感溢れるシャープな演出は見応え十分だ。

犯行の緊張感を見事に映し出すルシエン・バラードの撮影や、ジェラルド・フリードのダイナミックな音楽も印象的だ。

強盗団のリーダーとして、長身を生かし貫禄もある演技を見せるスターリング・ヘイドン、その恋人コリーン・グレイ、奪われた現金を狙う悪党ヴィンセント・エドワーズ、競馬場の馬券売りエリシャ・クックJr.、性悪なその妻マリー・ウィンザー、計画の資金源ジェイ・C・フリッペン、強盗に加わる悪徳警官のテッド・デ・コルシア、競馬場のバーテンダー、ジョー・ソウヤー、狙撃手ティモシー・カーリー、騒ぎを起こす役目として雇われるレスラー、コーラ・クワリアニ、ヴァル(V・エドワーズ)の相棒ジョー・ターケル、駐車場係ジェームズ・エドワーズなどが共演している。


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