上海から来た女 The Lady From Shanghai (1948) 4.22/5 (27)


■ 作品情報へ ■
スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

ある美女に出会い心を奪われたことをきっかけにして殺人事件に巻き込まれていく男を描く、製作、監督、脚本、出演オーソン・ウェルズ、主演リタ・ヘイワースエヴェレット・スローンテッド・デ・コルシア他共演によるサスペンスでありフィルム・ノワールの代表作。


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■

監督:オーソン・ウェルズ
製作:オーソン・ウェルズ
原作:シャーウッド・キング”If I Die Before I Wake”
脚本:オーソン・ウェルズ

撮影:チャールズ・ロートンJr.
編集:ヴィオラ・ローレンス
音楽:ハインツ・エリック・ロームヘルド

出演
リタ・ヘイワース:エルザ”ロザリー”バニスター
オーソン・ウェルズ:マイケル・オハラ
エヴェレット・スローン:アーサー・バニスター
テッド・デ・コルシア:シドニー・ブルーム
グレン・アンダース:ジョージ・グリスビー

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1947年製作 87分
公開
北米:1948年6月9日
日本:1977年8月20日
製作費 $2,000,000
北米興行収入 $7,927


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ある夜、青年マイケル・オハラ(オーソン・ウェルズ)は、ブロンドの美しい女性エルザ・バニスター(リタ・ヘイワース)に出会い、一目で心を奪われてしまう。

その後マイケルは、街のチンピラにエルザが襲われているのを目撃し彼女を助ける。

エルザも、自分を助けたマイケルに興味を持ち始め、船員だという彼に自分の船で働くよう勧める。

そしてマイケルは、エルザが、著名な弁護士アーサー・バニスター(エヴェレット・スローン)の妻であることを知る。

翌日、船員就労斡旋所にいたマイケルの前にバニスターが現れ、2人は酒場で仕事の話を始める。

しかし、バニスターは酔い潰れてしまい、マイケルが彼をヨットに送る。

マイケルは、エルザの船員になる要請を断る気でいたのだが、成り行きで、パナマ運河を抜けてメキシコ湾、そしてカリブ海に向かう豪華ヨットに乗船することになる。

ヨットが西インド諸島に着いた頃、バニスターのビジネス・パートナー、ジョージ・グリスビー(グレン・アンダース)という男がヨットに現れる。

スペインで、マイケルが殺人を犯したということを知っているグリスビーを、彼は警戒する。

マイケルは、自分を求めるエルザの誘惑に負けそうになり、バニスターがそれを察している素振りを見せる。

ある島でピクニックを始めた一行だったが、エルザは、ヨットの執事シドニー・ブルーム(テッド・デ・コルシア)が、夫バニスターの雇った私立探偵だということをマイケルに知らせる。

その後、バニスターやグリズビーを警戒するマイケルは、船員を辞めようとする。

ある日マイケルは、5000ドルで自分を殺すようにと、グリズビーに依頼される。

それをエルザに話したマイケルは、彼女も自殺したいほどの気持ちだと知り、2人で駆け落ちしようとする。

しかし、その様子をブルームに見られ、マイケルは彼を殴り倒してしまう。

10月。
ヨットはサンフランシスコに到着し、マイケルは、その頃には、エルザのことで心乱れていた。

マイケルは、バニスターとグリズビーの、どちらかが死んだことになれば、多額の保険金が入ることを知らされる。

グリズビーのオフィスに呼ばれたマイケルは、彼がそのまま姿を消すことと、自分を殺しても、死体が見つからなければ逮捕されないという、法の盲点を聞かされる。

エルザはその話しには裏があると察し、マイケルが同意することに反対し、2人の愛は深まっていくばかりだった。

一方、ブルームは、殺人に関係するグリズビーの秘密を握り、彼を強請ろうとする。

グリズビーはブルームを銃撃し、マイケルと逃亡して途中でアリバイ作りをする。

その頃、瀕死のブルームは、グリズビーが誰かを殺すだろうということをエルザに告げる。

グリズビーはボートで逃亡し、マイケルは計画通り銃を空撃ちして人目を引く。

エルザに連絡したマイケルは、電話に出たブルームから、グリズビーに利用されていることを知らされる。

さらにブルームは、グリズビーがバニスターを殺そうとしていることをマイケルに告げて息絶える。

グリズビーのオフィスに向かったマイケルは、入り口で警察に取り押さえられ、現れたバニスターと出くわし、グリズビーの遺体を見て愕然とする。

自分がグリズビーを殺したという証明書や、彼の血の付いた上着が証拠となり、マイケルは逮捕されてしまう。

バニスターがマイケルの弁護を引き受けるが、勝ち目がないまま裁判は始まる。

前代未聞とも言える、バニスター自身が証言台に上がり、自らに質問をし始める。

そして検事はエルザを証言台に立たせ、マイケルとの親密な関係が暴露され、彼は益々不利な立場となる。

マイケルは、バニスターが仕組んだ罠だということに気づき、法廷で彼の鎮静剤を飲み込み、騒動を起こしてその隙に逃亡する。

チャイナタウンに逃げ込んだマイケルは、彼を助けに現れたエルザと、無実を証明する犯行に使われた銃を捜そうとする。

鎮痛剤が効いてきたマイケルは、意識が朦朧とする中で、エルザのバッグから犯行に使われた銃を見つけ、彼女に銃口を向ける。

グリズビーを殺したのはエルザで、マイケルの命も奪おうとしていたのだ。

意識を失ったマイケルは、休園中の遊園地の”クレイジー・ハウス”という施設へ中国人に連れて行かれる。

そして、エルザとバニスターが、マイケルがたどり着いた鏡張りの部屋に現れる。

バニスターは、自分を殺して罪をマイケルになすりつけ、財産を手に入れようとしたエルザの企みを暴くが、直後に双方の銃撃が始まる。

2人は相撃ちとなり、バニスターは死に、エルザは死の恐怖に怯え、マイケルの名を呼びながら息絶える。

バニスターの手紙でマイケルは自由の身となり、彼は独り街を去って行く。


解説 評価 感想 ■

シャーウッド・キングの小説”If I Die Before I Wake”の映画化。

*(簡略ストー リー)

ある夜、青年マイケル・オハラは、ブロンドの美しい女性エルザ・バニスターに出会い心を奪われてしまう。
その後、マイケルは街のチンピラにエルザが襲われているのを目撃し、彼女を助ける。
エルザも、マイケルに興味を持ち始め、著名な弁護士バニスターの妻だった彼女は、マイケルに夫の船で働くよう勧める。
船に乗ることになったマイケルは、エルザの誘惑に負けそうになる。
そんな時、バニスターのビジネス・パートナーのグリスビーが現れるが、彼はマイケルがスペインで殺人を犯したことを知っていた。
その後、グリスビーが、5000ドルで自分を殺して欲しいとマイケルに頼み、彼はエルザと駆け落ちする覚悟で、それを引き受けようとするのだが・・・。
__________

オーソン・ウェルズが、製作、監督、脚本を兼ねるの意欲作。
そして、”フィルム・ノワール”の代表作ではあるが、ウェルズらしい大胆不敵な演出は、意識的に抑えられているようにも感じる作品でもある。

しかし、主人公に、自身の殺人を依頼する弁護士の威圧感や、鬱陶しさを強調するような表情のクローズアップ、クライマックスの、有名な遊園地のマジック・ルームの場面などでは、衝撃的な映像感覚と言えるほどの冴えを見せる。

このシーンは、その後、アレンジされて多くの作品で使われ、特に「007/黄金銃を持つ男」(1974)や「燃えよドラゴン」(1973)での対決シーンに使われ、効果を上げている。

この1940年代、カリスマ的な人気を誇ったリタ・ヘイワースの絶頂期の作品でもあり、白黒画面に一際映える彼女のブロンドと冷めた視線が、どれだけの男性を魅了したか想像できる。

実際の彼女の地毛はダーク・ブラウンで、映画会社からは赤毛に染めることを強要されたりもしていたので、個人的にはあまりブロンドが似合わないような気もする。

上記のように、コロンビアから赤毛に染めろと言われてはいたものの、当時の夫であるオーソン・ウェルズの影響力か、結局は魔性の女であった彼女の役柄に合わせ、強引にイメージを作ったようにも感じる。

30代前半ではあるが、誰もが認めた力量を発揮し、画面上でも、その存在感がベテランを圧倒するオーソン・ウェルズの、威圧感のある演技も見ものだ。

異様な顔立ちが印象に残る、黒幕であった富豪の弁護士エヴェレット・スローン、同僚グレン・アンダース、私立探偵のテッド・デ・コルシアなど、クセのある役者が脇を固めているところも注目だ。


スポンサードリンク
ウェブ・ムービー・シアター

ウェブ・ムービー・シアター