ラスト サムライ The Last Samurai (2003) 4/5 (2)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

命令とは言え、戦場で行った残虐行為のトラウマに悩むアメリカ軍士官が、日本の侍の武士道精神、生き様に魅せられていく姿を描く、製作、監督、脚本エドワード・ズウィック、主演トム・クルーズティモシー・スポールビリー・コノリー渡辺謙他共演のスペクタクル超大作。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:エドワード・ズウィック
製作総指揮
テッド・フィールド

チャールズ・マルヴェヒル
リチャード・ソロモン
ヴィンセント・ウォード
製作
トム・クルーズ

トム・エンゲルマン
スコット・クルーフ
ポーラ・ワグナー
エドワード・ズウィック
マーシャル・ハースコヴィッツ
脚本
ジョン・ローガン

エドワード・ズウィック
編集:スティーヴン・ローゼンブラム
撮影:ジョン・トール
美術・装置
リリー・キルヴァート

グレッチェン・ロウ
衣装デザイン:ナイラ・ディクソン
音楽:ハンス・ジマー

出演
ネイサン・オールグレン:トム・クルーズ

サイモン・グレアム:ティモシー・スポール
ゼブロン・ガント:ビリー・コノリー
バグリー大佐:トニー・ゴールドウィン
マッケイブ:ウィリアム・アザートン
スウォンベック大使:スコット・ウィルソン
勝元盛次:渡辺謙
氏尾:真田広之
たか:小雪
信忠:小山田真
飛源:池松壮亮
大村松江:原田眞人
明治天皇中村七之助
侍:福本清三
侍:高良隆志
中尾:菅田俊
長谷川大将:伊川東吾
政府軍指揮官:二階堂智

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ

2003年製作 154分
公開
北米:2003年12月5日
日本:2003年12月6日
製作費 $140,000,000
北米興行収入 $111,110,575
世界 $456,758,981


アカデミー賞 ■

第76回アカデミー賞
・ノミネート
助演男優(渡辺謙)
美術・衣装デザイン・音響賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1876年、サンフランシスコ
アメリカ陸軍大尉ネイサン・ オールグレン(トム・クルーズ)は、南北戦争インディアン戦争を戦い、軍の行った残虐な行為がトラウマとなり、思い悩む酒浸りの毎日を送っていた。

オールグレンは、”ウィンチェスター”ライフルの販売促進ショーで、その残虐行為を再現する余興を仕事としていたが、 それに嫌気が差してしまう。

戦友の軍曹ゼブロン・ガント(ビリー・コノリー)に誘われて、元上官バグリー大佐(トニー・ゴールドウィン)の元に連れて行かれたオールグレンは、 そこで、明治維新が進む日本政府に助力する、実業家の大村松江(原田眞人)を紹介される。

大村は、反乱分子”侍”と戦うために”英雄”オールグレンを月400ドルで雇おうとする。

1876年7月12日。
それを月500ドルで受けたオールグレンは、バグリーやガントらと共に日本への航海に旅立ち、そして横浜港に到着する。

オールグレンは、イギリス人の写真家で著述家でもある通訳のサイモン・グレアム(ティモシー・スポール)に迎えられ、彼に日本の近代化についての説明を受ける。

その後、オールグレンはバグリーとグレアムに伴われて、明治天皇(中村七之助)に謁見するため御所に向かう。

天皇に、先住民の討伐のことなどを聞かれたオールグレンは、率直に彼らは勇敢だと答える。

7月22日。
その後オールグレンは、ガントと共に日本人に軍人としての基礎を叩き込む。

部下に尊敬される長谷川大将(伊川東吾)から、反乱分子の領袖である、勝元盛次(渡辺謙)についての情報を得たオールグレンは、彼らの戦術などの研究を始める。

暫くすると、オールグレンは、勝元が鉄道を襲ったとの連絡が入り、バグリーと大村から直ちにそれを阻止しろという命令を受けるが、準備不足は否めなかった。

兵を引き連れたバグリーは、任務外だといって指揮を日本人に任せ、共に天皇のために戦ったことのある侍でもあった長谷川は、勝元と戦おうとはしない。

やがて侍が現れるが、怯える兵士達は彼らの敵ではなくガントも命を落とす。

傷を負いながらも、独りで侍に立ち向かうオールグレンの姿を見た勝元は彼を生かし、責任を取り切腹した長谷川の介錯をする。

捕らえられたオールグレンは、村落に連れていかれ、勝元の妹たか(小雪)に介抱される。

勝元の腹心、氏尾(真田広之)は、オールグレンを即刻、殺すべきだと提言するが、勝元は敵を知るために彼を生かしておくよう指示を出す。

相変わらず、先住民の悪夢にうなされるオールグレンは、ひたすら酒を欲し苦悩する。

ようやく落ち着きを取り戻したオールグレンは、寡黙な侍(福本清三)に付き添われながら村を見て回る。

勝元と初めて言葉を交わし、自己紹介をしたオールグレンは、自分が殺した侍が、たかの夫だったことを知らされる。

オールグレンは、侍や村人達の精神が、自分の人生で体験してきたものとは、全く異質なものだということを感じ始める。

ある日、木刀で子供達と戯れていたオールグレンは、現れた氏尾に叩きのめされてしまう。

多くを語らない勝元は、オールグレンを観察しながら彼から何かを学び取ろうとする。

一方、着物に身を包んだオールグレンは、侍の日々の鍛錬に参加してみるものの、思うような動きが出来ない。

そんなオールグレンは、彼の世話役で、勝元の息子の信忠(小山田真)に、雑念が多過ぎると指摘される。

無の境地を教えられたオールグレンは、信忠らとの親交を深めるのだが、たかは、夫の仇を預かる苦しみを勝元に訴える。

耐えるよう勝元に説得されたたかは、やがて日本語を覚え、夫を殺したことを素直に謝罪したオールグレンに心を開く。

1877年、春。
精神的な安らぎを得たオールグレンは、悪夢から解放され安眠できるようになる。

そしてオールグレンは、氏尾の剣の指南で、ついに対等に闘うまでになる。

そんな村で祭りが催されている夜、勝元の道化の芝居に盛り上がる中、大村の派遣した忍者の一団が村を襲う。

それに気づいたオールグレンは、勝元が矢で狙われているのを彼に知らせ、その後、侍と一団との戦いが始まる。

オールグレンは、たかや子供達を助けるために勝元らと共に戦い、敵を打ち倒す。

勝元は、オールグレンに武士道を語り、敵と見なしていた彼に所持品を返す。

そして、御上の指示を受けた勝元は、オールグレンと共に都(東京)に向かうことになる。

オールグレンは、日本語でたかに別れを告げ、彼に心を寄せ始めていた彼女は寂しさを抑える。

都に着いたオールグレンは、勝元らと一旦別れて軍の視察に向かい、榴弾砲ガトリング砲を導入したことなどをバグリーから知らされる。

元老院に操られていることを自覚する天皇は、 勝元に指示を仰ぐが、それを見た彼は嘆き、自らの言葉を民に発するよう助言する。

その後、オールグレンは大村に呼び出され、敵の状況などを聞かれる。

しかし、オールグレンは村の詳細を語ろうとはせず、大村からの勝元を倒せという命令にも、事務的な返答に終始する。

そんなオールグレンを見た大村は、彼を勝元に近づけるのを阻止しようとして、抹殺命令を出す。

街に出たオールグレンはグレアムと再会するが、大村が布いた”廃刀令”により、勝元の息子、信忠が兵士に刀を奪われる。

オールグレンは信忠を助けようとするが、兵士に痛めつけられ、信忠は髷を切られるという侮辱を受けてしまう。

そして、元老院会議に出席した勝元だったが、大村の指示に従わず刀を天皇に捧げようとする。

しかし、天皇は自分の意思を告げることが出来ず、勝元は大村の命令により謹慎となりその場を退席する。

帰国を決意したオールグレンだったが、勝元の危機を察し、彼の元に向かおうとする。

しかし、オールグレンは大村が差し向けた数人の男達に囲まれてしまい、素手で立ち向かった彼は、敵の刀を奪い男達を倒す。

その後オールグレンは、グレアムの助けで大統領と偽り勝元の元に向い、彼を逃がそうとする。

グレアムは、勝元の写真を撮ろうとするが、そこに氏尾が現れ、彼らは逃亡しようとする。

オールグレンが銃弾を受けた信忠を助けるが、覚悟を決めた彼は自らを犠牲にして、勝元らを逃がす。

息子を失い、さすがに心乱れる勝元の支えになろうとするオールグレンは、彼の言葉を天皇に伝えることを約束する。

村落に戻ったオールグレンは、自分を慕い失いたくない思いで動揺する、たかの息子、飛源(池松壮亮)の気持ちを察する。

やがて、敵の大軍が迫り、勝元は一歩たりとも退かない決意をオールグレンに伝える。

オールグレンは劣勢の勝元に、”テルモピュライの戦い”で300人のギリシャ軍が100万人のペルシャ軍と戦ったことを例にとり、武力を過信する敵を接近戦に持ち込もうとする。

1877年5月26日。
決戦の日、オールグレンは、たかに夫の鎧を着せられ、勝元から刀を渡されて戦いの場に向かう。

バグリーはオールグレンの鎧姿に驚き、降伏要請を拒否した勝元は、自陣に戻り戦いに備える。

帝国軍の砲撃と共に戦いは始まり、敵を引き付けた勝元は第一派攻撃隊を撃破し、敵軍に向かい突撃する。

初陣をものにした勝元は、最後まで戦い抜くことを誓うオールグレンと共に、先頭を切って敵陣に向かう。

敵が諦めると思っていた大村は動揺して、戦場に出たバグリーの陣営を突破した勝元らに、ガトリング砲の銃弾を浴びせる。

崩れ落ちた勝元はオールグレンの手を借り、”全てが完璧だ”と満足気な表情を浮かべながら自ら命を絶つ。

その姿を見た、帝国軍兵士達はひれ伏して、戦場に散った侍達に敬意を表する。

その後、アメリカ大使スウォンベック(スコット・ウィルソン)との、利権が絡む武器協定調印を前にし、 唯一人生き残ったオールグレンは、天皇に謁見し勝元の刀を渡す。

天皇は、近代国家の確立を誓い、勝元の遺志を継ぎ日本人である誇りを忘れてはならないことを語る。

スウォンベックは、天皇から協定破棄を伝えられ憤慨してその場を去る。

それに遺憾の意を表した大村は、国家のために行った自分の行動を肯定しようとする。

それならば、資産を没収し民に与えると天皇に言われた大村は屈辱を受ける。

その屈辱に耐えられぬのなら、刀を与えると天皇に言われた大村は引き下がる。

そして、天皇はオールグレンの元に歩み寄り、 彼から勝元の生き様を聞く。

その後、都を旅立ったオールグレンは、村落のたかの元に戻る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

南北戦争インディアン戦争を戦い、そこで行った残虐行為に悩みアルコール依存症となった、元陸軍大尉ネイサン・オールグレンは、明治維新が進む日本政府に対する反乱勢力と戦うため、軍の教育係として特使の大村に雇われる。
日本に着いたオールグレンは、敵となる”侍”を研究するうちに、武器に頼る軟弱な兵士に不安を抱える。
反乱分子の領袖である、勝元の偉大な存在を意識しながら、オールグレンは戦いに挑み、敵に捕らえられ、彼らの村落に連れて行かれてしまう。
勝元は、オールグレンの戦いぶりに一目置き彼を生かし、妹たかの元で生活をさせる。
侍の武士道精神や、村人の、淡々とした生活に触れたオールグレンは、いつしか悪夢も消え去り、心の安らぎを得られた自分に気づく・・・。
__________

主人公のモデルになったのは、フランス軍事顧問団として来日したジュール・ブリュネではあるが、当時の日米の微妙な関係や、インディアン戦争の残虐行為で精神的に衰弱し切っている主人公が、異国の”武士道精神”に魅了され、心の安らぎを得て、人格まで変貌していく姿が、実にドラマチックに描かれている。

戦いの舞台と日々の平穏な生活の、あまりにもギャップのある描写の対比で、”武士道”にいかに”無”の境地が必要か、また、日本人としての誇りを再確認させてくれる、エドワード・ズウィック自らの脚本による演出も見事だ。

当時の東京の街並みや、ロケ地はニュージーランドではあるが、クライマックスの合戦シーンの迫力など、1億4000万ドルをかけたスケールの大きな作品として見応え十分だ。

日本語を使い日本の俳優陣の多くが出演した作品として、かなり良い出来栄えと言える本作は、国内での興行収入が140億円に迫り大健闘し、北米では約1億1100万ドル、全世界ではなんと約4億6500万ドルという、日本を舞台にした作品としては驚異的な大ヒットとなった。

第76回アカデミー賞では、助演男優(渡辺謙)、美術、衣装デザイン、音響賞にノミネートされた。

精神不安定状態から、日本の文化や心に触れ、結局は安住の地としてこの地を選ぶだろうというラストまで、その人間味溢れる主人公を見事に演じたトム・クルーズを見ていると、自分を見失い、誇りを忘れているような現在の日本人を演じているようにも思える。

周知の通り、現在のハリウッドで知名度ナンバー1の日本人俳優、渡辺謙が世界に羽ばたくきっかけになった作品で、彼の熱演なくしてこの作品の重厚さはなかっただろう。

主人公をサポートする写真家、著述家でもある通訳のティモシー・スポール、派遣士官のビリー・コノリー、指揮官のトニー・ゴールドウィンウィンチェスター社のウィリアム・アザートン、大使のスコット・ウィルソン、スーパーバイザーとして、日本らしさを出すために貢献したと言われる、勝元(渡辺謙)の腹心役の、真田広之、勝元の息子、小山田真、政府に関与する実業家、原田眞人、勝元の妹の小雪、その息子の池松壮亮明治天皇中村七之助、そして寡黙な侍の福本清三などが共演している。


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