冬のライオン The Lion in Winter (1968) 4.88/5 (32)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

1966年にブロードウェイで初演された、ジェームズ・ゴールドマンの歴史舞台劇”冬のライオン”を基に製作された作品であり、イングランドの王位継承をめぐる争いを描く、監督アンソニー・ハーヴェイ、主演ピーター・オトゥールキャサリン・ヘプバーンアンソニー・ホプキンスティモシー・ダルトン共演によるドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:アンソニー・ハーヴェイ
製作:マーティン・ポール
製作総指揮:ジョセフ・E・レヴィン
原作:ジェームズ・ゴールドマン冬のライオン”(舞台劇)
脚本:ジェームズ・ゴールドマン

撮影:ダグラス・スローカム
編集:ジョン・ブルーム
衣装デザイン:マーガレット・ファース
音楽:ジョン・バリー

出演
ヘンリー2世ピーター・オトゥール

アリエノール・ダキテーヌ/エレノアキャサリン・ヘプバーン
リチャードアンソニー・ホプキンス
ジェフリージョン・キャッスル
ジョンナイジェル・テリー
フィリップ2世ティモシー・ダルトン
アデル・ド・フランス/アレーススジェーン・メロウ
ウィリアム・マーシャルナイジェル・ストック

イギリス 映画
配給 Avco Embassy Pictures

1968年製作 134分
公開
イギリス:1968年12月29日
北米:1968年10月30日
日本:1970年2月4日
製作費 $10,000,000
北米興行収入 $22,276,975


アカデミー賞 ■

第41回アカデミー賞
・受賞
主演女優(キャサリン・ヘプバーン)
脚色・作曲賞
・ノミネート
作品・監督
主演男優(ピーター・オトゥール)
衣装デザイン賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1183年。
イングランド国王ヘンリー2世(ピーター・オトゥール)は、末息子ジョン(ナイジェル・テリー)に王位を渡すことを、愛人である、フランス国王フィリップ2世(ティモシー・ダルトン)の姉アデル・ド・フランス/アレース(ジェーン・メロウ)に伝える。

アレースは、自分が捨てられるのではないかと心配するが、王は、厄介な王妃アリエノール・ダキテーヌ/エレノア(キャサリン・ヘプバーン)に対しての、愛もないことも付け加える。

王は、臣下ウィリアム・マーシャル(ナイジェル・ストック)に、クリスマスは、フィリップも招く”シノン城”で過ごすことを伝えて、王子のリチャード(アンソニー・ホプキンス)、ジェフリー(ジョン・キャッスル)、そして幽閉中のエレノアを呼び寄せるよう命ずる。

シノン城
マーシャルは指示通り王子と王妃を呼び寄せ、王は、気の進まないアレースジョンと結婚するよう伝えて、関係は続けることを約束する。

王はジョンがお気に入りであり、エレノアリチャードを国王にしたいと考えて、息子達も王位に執着して口論する。

到着したエレノアは、一応歓迎する王と対面して息子達に会う。

王は、フィリップとの腹の探り合いへの協力を、エレノアや王子達に求める。

ヘンリーらは、城に到着したフィリップを歓迎し、早速、彼の意見を聞き、リチャードアレースの結婚を急ぐよう、協定を守ることを要求される。

王はその意見に聞く耳を持たず、”ヴェクサン”は必ず手に入れることを伝え、フィリップを若造呼ばわりして牽制する。

リチャードは、父王の意思通りには事は運ばないことを伝え、彼が擁護するジョンを子共扱いする。

エレノアは、どう見ても嫡子に思えないジョンについて意見し、冷静なジェフリーは、弟が国を治めても、それを動かすのは自分であると自信を見せる。

ジェフリーは、自分が王の候補に上がらない理由を両親に尋ね、愛がないことを確認してその場を去る。

エレノアに、王の多くの愛人について語られたアレースは、気分を害して部屋を出る。

残った王と王妃は、互いにこの場にいられることが喜びだと言って食事の席に向かう。

ヴェクサン”を手に入れるには、リチャードアレースと結婚することが必要だと言うエレノアに対し、王は手の内を明かさない。

祝宴会場に入ったエレノアは、必ずリチャードを王にしてみせると、ヘンリーに、考えは分かっていることを伝える。

二人は、自分達を歓迎する者達に笑顔を見せながら、心の中では火花を散らす。

王が、自分を愛したことはないと答えたため、エレノアは存分に抵抗すると言い切る。

翌日、リチャードを呼び寄せていたエレノアの元に、王が協定を書き上げたと言ってジョンが現れる。

王は、突然、考えを変えてリチャードに王位を継がせて、アレースと結婚させることを伝える。

ジョンは納得がいかず、王は、強固な国を作るためにそれが望ましいことをリチャードに伝えてその場を去る。

自分が利用されているだけのアレースは憤慨して不満を訴える。

ジョンは、決して諦めないことをエレノアや兄達に伝えるが、彼女は、王の話など信じていなかった。

ジェフリーは、王が誰に成ろうと自分が補佐役になれればいいことをエレノアに伝え、彼女から、リチャード付くよう指示される。

エレノアは、これが駆け引きだということをリチャードに教えるが、彼は、王を貶めることしか考えていない卑劣な王妃のやり方を非難する。

エレノアは、”アキテーヌ”の領地を求めるリチャードへの愛を単に述べるが、彼女は人間性が欠けていると言って、利用されることを嫌う。

その場を去ろうとするリチャードを引き止めたエレノアは、全てを遺すという遺言状を腕に書こうとして傷つる。

エレノアは、リチャードを育てた子供時代などを語り抱き寄せ、息子の心を動かす。

ジェフリーは、王は約束を守らないと言ってフィリップに助言し、彼と組むことをジョンに伝える。

リチャードエレノアを葬り去る考えも語ったジェフリーは、三人で戦いに備える。

その夜、アレースが昼間の話を信じていることに対して王は、”アキテーヌ”を手に入れるための策略だと伝えるが、彼女は納得しない。

エレノアリチャードの話を盗み聞きしていた王だったが、そこに現れた王妃に、アキテーヌジョンには渡さないときっぱり言われる。

王は、アキテーヌジョンに渡した場合の条件として、自由を与えることをエレノアに伝え、彼女の心は動く。

それに同意したエレノアは、リチャードアレースを直ぐに結婚させることを条件にする。

エレノアのやり方に憤慨しながらも、王は、皆を礼拝堂に集めて、リチャードアレースの結婚を執り行おうとする。

王が、エレノアの自由と引き替えに、”アキテーヌ”を手に入れるための行動だと語ったため、リチャードは結婚を拒む。

フィリップは、茶番だと言ってその場を去り、ヘンリーが王位を渡そうとしないために、リチャードもそれに続き、ジェフリージョンは笑みを浮かべながら部屋に戻る。

王は、自分の思い通りになる自信を見せながら、芝居だったことを見抜くエレノアを牽制して、アレースには見捨てないことを伝える。

王子と共に幽閉の身となることが喜ばしいと、王に皮肉を言ったエレノアも、その場を去ろうとする。

エレノアは、二人の接吻を見たいと伝え、王はアレースに愛を語りキス、それを見守る王妃は涙する。

負けを認めたエレノアは部屋に戻り、再び幽閉を覚悟しながら、次に勝つことだけを考える。

そこに現れたジェフリーは、両親に愛されたことのない理由を尋ねるが、現れたジョンにも、今は何も答える気のないことを伝える。

リチャードも姿を現し、王位の件では完敗したことを認めたエレノアに、今年は諦めるようにと言われる。

ジョンにからかわれたリチャードは剣を抜くが、互いに愛し合える可能性をエレノアに説かれる。

エレノアは、フィリップが、王に戦争のことを話してしまうことを心配して焦るジョンを見張るようジェフリーに指示する。

そしてエレノアは、今すぐ友人フィリップに会い、約束を取り付けるようリチャードに言い渡す。

ジェフリーは、王位を奪うための協力をフィリップに確認して、ジョンの裏切りを王に伝えようとする。

しかし、その場に潜んでいたジョンは、ジェフリーを裏切り者だと言って罵る。

ジョンの愚かさを戒めたジェフリーは、リチャードが現れたために身を隠す。

フィリップは、リチャードからの協力を受入れながら考えをめぐらせ、隠れているジェフリーらに、彼の策略を知らせる。

同性愛者のリチャードは、フィリップに愛の証を求めるがそこに王が現れる。

フィリップリチャードを隠し、改めて交渉を始めて、一族を混乱させている彼の考えを知った王は、勝ちを確信してその場を去ろうとする。

しかしフィリップは、男を求めるリチャードを、王にするのかをヘンリーに問い質す。

耐えられないリチャードは姿を現し、王に、愛を受けられなかった理由を問う。

ジェフリーも姿を見せて同じ質問をして、リチャードジョンの裏切りを伝える。

ジョンもその場にいることを知った王は、自分には息子はなく王位は誰にも渡さないと言って、三人を罵りその場を去り絶望しかける。

アレースの元に向かったエレノアは、複雑な関係でありながら、お互いが慕い合っていることを確認し抱き合う。

部屋に戻った王は、ジョンアキテーヌを渡すことで、騒ぎが収まればそれでいいとエレノアに言われる。

それを信じるはずもない王は、新しい妻が望みであり、アレースに息子を産ませるとエレノアに伝える。

息子達を罵る王は、エレノアが自分を今でも愛しているという言葉も信じないものの、想い出を語り合い彼女に寄り添う。

しかし、婚姻解消に同意しないエレノアは、アレースに世継ぎを産ませても、衰えゆく身で、それを守り切れないことを王に伝え、リチャードを王にすることを求める。

王は、ローマ法王の元に向かおうとするが、エレノアは、王子達やフィリップと共にそれを阻止することを伝える。

エレノアは、自分達を城に閉じ込めようとする王に対し、父ジョフロワ4世と密通していたことを伝えて、彼を苦しめる。

王はマーシャルと家来を叩き起こし、王子達をワイン貯蔵室に閉じ込めて、エレノアには出発の準備をさせる。

アレースに、王妃になり世継ぎを産むことを求めた王は、彼女の望み通り、王子達を永遠に幽閉することを約束する。

その頃、守衛を宝石で買収したエレノアは、貯蔵室に向かい、王子達に出発することを伝えて短剣を渡す。

王の心を取り戻したかったと語るエレノアだったが、そこに、アレースを伴ったヘンリーが現れる。

王は、王子達のためにろうそくを持参して語りかけるが、父を信用しないリチャードが短剣を手にする。

残りの短剣をジェフリージョンに渡し、王は三人と剣を交える。

王は、襲いかかってきたジョンに剣を突き付け、エレノアに彼を殺せと言わる。

死刑を宣告して剣を振り上げた王だったが、反逆罪に問われても仕方ない息子リチャードを、殺すことはできない。

王は、王子達を許すものの絶縁することを伝えて、三人はその場を去る。

アレースを部屋に戻した王は、自分の苦しみが全てエレノアのせいだと言って彼女を責める。

しかしエレノアは、王自身の責任だと言って、再び負けを認めながら、ヘンリーへの愛を伝えて泣き崩れる。

これが絶望の表現方法だと言うエレノアは、これ以上、希望は残っていないことも王に伝える。

生きていれば希望はあると答える王は、エレノアとの奇妙な愛情を確かめ合う。

次回の勝ち負けにこだわりながら、国王ヘンリーは、幽閉されるために立ち去る王妃を船に乗せる。

永遠の命を手に入れたと言う王は、その可能性を信じるエレノアと共に、高笑いしながら彼女を見送る。


解説 評価 感想 ■

舞台ではヘンリー2世ロバート・プレストンエレノアを「スパイダーマン」(2002)などで知られるローズマリー・ハリスフィリップ2世クリストファー・ウォーケンが演じた。

*(簡略ストー リー)

1183年、クリスマス。
イングランド国王ヘンリー2世は、三人の王子リチャードジェフリージョン、幽閉中の王妃エレノア、そして、フランス国王フィリップ2世を集めて、王位継承についての話し合う。
王は、愛人であるフィリップの姉アレースには、末息子のジョンを世継ぎにすることを伝える。
フランス国内の領地を狙う王は、王位継承やアレースジョン、またはリチャードの結婚を利用して、フィリップの考えを探る。
ジョンが嫡子と思えないエレノアは、リチャードを王にするために考えをめぐらせる。
冷静なジェフリーは、国を動かす実権は自分が握ろうとする。
その後、王は、一旦はリチャードアレースの結婚を認めるのだが、それが策略だと見抜くエレノアは、何んとか自分が主導権を握り、
ヘンリーを陥れようとするのだが・・・。
__________

ストーリーのベースは、夫婦の愛情や親子の愛が絡むのだが、王位継承権をめぐり画策が渦巻く、とてつもない策謀のドラマである。

舞台も手がけた、ジェームズ・ゴールドマンの脚色、アンソニー・ハーヴェイの重厚な演出も光る、見応え十分の作品に仕上がっている。

一筋縄ではいかない手強い王妃アリエノール・ダキテーヌ/エレノア役を演ずるキャサリン・ヘプバーンの圧倒的な演技力は秀逸であり、ヘンリー2世役のピーター・オトゥールも、実際には親子ほど彼女より若い、25歳もの年齢差を全く感じさせない、30代半ばにして貫禄の演技を見せてくれる。

第41回アカデミー賞では、そのキャサリン・ヘプバーンが、前年の「招かれざる客」(1967)に続き、3度目の主演賞を受賞した。
他、脚色・作曲賞も受賞。
参考:
キャサリン・ヘプバーンは、「黄昏」(1981)で、4度目の主演賞、史上最多の受賞を果たす。
・ノミネート
作品・監督
主演男優(ピーター・オトゥール)
衣装デザイン賞

王子リチャードを演ずる若き日のアンソニー・ホプキンスジェフリージョン・キャッスルジョンナイジェル・テリーフィリップ2世ティモシー・ダルトン、その姉アレーススジェーン・メロウ、国王の臣下ウィリアム・マーシャル役のナイジェル・ストックなどが共演している。


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