マルタの鷹 The Maltese Falcon (1941) 5/5 (27)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

ハードボイルド小説の代表的作家ダシール・ハメットが1930年に発表した、同名小説の1931年と1936年に続く3度目の映画化。
400年前に消息を絶った謎の秘宝”マルタの鷹”を狙う者達と、その陰謀に巻き込まれる私立探偵が事件を解決するまでを描く、監督、脚本ジョン・ヒューストン、主演ハンフリー・ボガートメアリー・アスターシドニー・グリーンストリートピーター・ローレウォード・ボンドウォルター・ヒューストン他共演によるハードボイルド・サスペンスの傑作。


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■

監督:ジョン・ヒューストン
製作
ハル・B・ウォリス

ヘンリー・ブランク
原作:ダシール・ハメット
脚本:ジョン・ヒューストン
撮影:アーサー・エディソン
編集:トーマス・リチャーズ
音楽:アドルフ・ドイッチ

出演
ハンフリー・ボガート:サム・スペード
メアリー・アスター:ブリジッド・オショーネシー
シドニー・グリーンストリート:キャスパー・ガットマン
ピーター・ローレ:ジョエル・カイロ
ウォード・ボンド:トム・ポルハウス刑事
リー・パトリック:エフィー・ペリン
グラディス・ジョージ:アイヴァ・アーチャー
エリシャ・クックJr.:ウィルマー・クック
バートン・マクレーン:ダンディ警部
ジェローム・コーワン:マイルズ・アーチャー
ウォルター・ヒューストン:ジャコビー船長

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1941年製作 101分
公開
北米:1941年10月18日
日本:1951年1月26日
製作費 $300,000


アカデミー賞 ■

第14回アカデミー賞
・ノミネート
作品
助演男優(シドニー・グリーンストリート)
脚本賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1539年に、スペインへの貢物として、宝石をちりばめた黄金の鷹の置物が、マルタ島より贈られることになった。

しかし、それを積んだ船は海賊に襲われてしまい、その後”マルタの鷹”の行方は謎のままだった。
__________

サンフランシスコ
私立探偵サム・スペード(ハンフリー・ボガート)は、”ワンダリー”というニューヨークから来たという女性(メアリー・アスター)の訪問を受ける。

ワンダリーは、駆け落ちした妹を、相手のフロイド・サーズビーから引き離す手伝いをして欲しいという依頼をする。

そこに、スペードのパートナー、マイルズ・アーチャー(ジェローム・コーワン)が現れ話に加わる。

アーチャーがそれを担当することになり、サーズビーに危険を感じているワンダリーは、一先ず安心してその場から立ち去る。

その夜、現場に向かったアーチャーが射殺されたとの連絡を受けたスペードは、秘書エフィー・ペリン(リー・パトリック)に連絡を入れる。

アーチャーの家族への連絡を、エフィーに頼んだスペードは現場に急行し、担当刑事のトム・ポルハウス(ウォード・ボンド)から状況を知らされる。

その後、ワンダリーがホテルをチェックアウトしたことを確認し自宅アパートに戻ったスペードの元を、ダンディ警部(バートン・マクレーン)とポルハウスが訪ねる。

二人は、依頼人のことなどを話さないスペードに尋問を続け、彼が現場を引き上げた後、サースビーも撃たれたことを知らされる。

殺された二人に関係するスペードは、ダンディとポルハウスに疑われるが、彼はそれを深刻に考えることもなく、犯人を挙げる決意で三人の意見は一致する。

翌朝、オフィスに現れたアーチャーの妻アイヴァ(グラディス・ジョージ)にスペードは夫殺しを疑われてしまう。

エフィーは、三角関係のもつれでスペード、またはアイヴァがアーチャーを殺す理由があると指摘する。

そこに、ワンダリーから連絡が入り、スペードは彼女に呼び出される。

ワンダリーと会ったスペードは、ブリジッド・オショーネシーという本名だった彼女から、自分を裏切ろうとしたサースビーの尾行をアーチャーに頼んだことを知らされる。

アーチャーを殺したサーズビーには他にも敵がいた様子で、自分が殺人を疑われている現状で、スペードは乗り気はしなかったが、怯えるブリジッドに手を貸す決心をする。

ブリジッドから経費として現金と宝石を受け取り、オフィスに戻ったスペードの元に、ジョエル・カイロ(ピーター・ローレ)という男か現れる。

カイロから、黒い鷹の置物を探せば5000ドルの報酬を出すと言われたスペードだったが、彼に拳銃を突きつけられる。

しかし、スペードは一瞬にしてカイロを殴り倒し、彼が気を失っている間に所持品を調べる。

意識を取り戻したカイロは、スペードが置物を持っているものと思い込んでいた。

カイロと別れ、自分を尾行する男(エリシャ・クックJr.)をまいたスペードは、ブリジッドのアパートに向かう。

カイロの名前を聞いたブリジッドは動揺し、何も真相を話そうとしない彼女にスペードは苛立つ。

ブリジッドはカイロに会うことを了承して、スペードのアパートに向かう。

スペードは、例の男が建物の周囲をうろついているのを確認し、やがてカイロも姿を現す。

そして、二人が捜している”鷹”の置物を狙う”肥った男”の存在をスペードは知る。

そこにダンディとポルハウスが現れ、アーチャーの妻アイヴァが、スペードとの関係もあり離婚したがっていことなどを彼に追求する。

その時、部屋の奥の二人が騒ぎ、スペードがダンディらに事情を説明する。

カイロはホテルに戻り、刑事二人も追い払ったスペードは、ブリジッドから”鷹”についての詳しい説明を受ける。

”鷹”を盗めば500ポンドもらえると言われていたブリジッドは、カイロが裏切ったためサーズビーを仲間にしたとのことだった。

翌日、カイロのホテルにいた尾行の男ウィルマー・クック(イライシャ・クックJr.)を、スペードは挑発する。

クックが”肥った男”の手下だと悟っていたスペードは、その男キャスパー・ガットマン(シドニー・グリーンストリート)を誘き出す。

オフィスに戻ったスペードは、ガットマンが食いついたことを知り、危険が迫ったブリジッドを秘書エフィーに預ける。

ガットマンに会ったスペードは、探りを入れてくる彼に、クックの尾行などに対し苛立つそぶりを見せ、部屋を立ち去る。

殺人事件のことで検事に呼ばれたスペードは、そこでも犯人を捕まえ無実を証明すると息巻き部屋を出る。

スペードを一筋縄では行かぬ男だと見たガットマンは、再び彼を呼び出し、100万ドルは下らないだろうという”鷹”の本当の価値を説明する。

しかし、スペードは睡眠薬入りの酒を飲まされて意識を失い、ガットマンは奥の部屋にいたカイロとクックと共に立ち去る。

意識を取り戻したスペードは、部屋にあった新聞で、香港から到着した船の”ラ・パロマ”に秘密が隠されていることに気づく。

その夜、”ラ・パロマ”は出火事故を起こし、オフィスに戻っていたスペードの元に、傷を負った船長ジャコビー(ウォルター・ヒューストン)が現れる。

瀕死のジャコビーは、包みに入った”鷹”を届け、その場で息絶えてしまう。

ブリジットから危険を知らせる電話があり、エフィーに後を任せたスペードは”鷹”をホテルに預け、引換券を郵便局の私書箱に送る。

スペードは、ブリジットとは会えずにアパートに戻るが、入り口近くにいた彼女を連れて部屋に入る。

しかし、そこにはガットマン、カイロ、クックが待ち構えていて、スペードは、殺人事件などの処理について討議する。

スペードは、”鷹”を所持している有利な立場で、ジャコビーも傷つけたクックを警察に引き渡すようガットマンに提案する。

苛立ったクックを殴り倒し銃を奪ったスペードは、ガットマンを納得させて、殺人の真相を聞きだそうとする。

ガットマンは、ブリジットが手を組んでいたサーズビーと、彼女が香港で会っていた、ジャコビー殺害についての全貌を話し、クックを見限る。

ブリジットが危険な女だと、スペードに忠告したガットマンは、彼に”鷹”を確認したいことを伝える。

エフィーに”鷹”を届けさせたスペードは、それをガットマンに渡し、彼らはいよいよ捜し求めていた物と対面することになる。

しかし、”鷹”は鉛でできた偽物で、ロシア人の手に渡ってしまった時に、すり替えられてしまっていたのだ。

落胆するガットマンだったが気を取り戻し、ロシア人から”鷹”を奪い返しにイスタンブールに向かおうとする。

クックは姿を消し、ガットマンはスペードも誘うが、彼は今回の手数料だけ受け取りそれを断る。

スペードは警察のポルハウスに連絡し、サーズビーと船長殺しの犯人はクックで、ボスはガットマンであり、そしてカイロも仲間であることを報せる。

ブリジッドのアーチャー殺しを暴いたスペードは、自分への愛を告げ助けを乞う彼女を突き放す。

スペードは、パートナーを殺された場合の、探偵としての意地をブリジットに伝え、信用しきれない彼女を現れたポルハウスとダンディに引渡す。

そしてスペードは、夢が詰まっているとポルハウスに語り、”マルタの鷹”を持ち帰る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

私立探偵サム・スペードの元にある女性が現れ、彼は身内のトラブルの手助けの依頼を受ける。
スペードは、その件をパートナーのアーチャーに任せるのだが、彼は射殺されて遺体で発見される。
アーチャーが尾行した男も殺されたことを知ったスペードは、依頼人の女性ブリジッドが偽名を使い、何かを企んでいたということを知るが、その真相は掴めなかった。
自分が、殺人の犯人として疑われる中でブリジッドを追求したスペードは、ある”鷹の置物”を奪い合おうとする陰謀を知る。
そして、スペードの前には、次々と謎の人物が現れるのだが・・・。
__________

若きジョン・ヒューストンの監督デビュー作でもあり、力強く切れ味鋭い彼の演出は30代半ばにして早くも高い評価を得た。

1989年に、アメリカ議会図書館国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

第14回アカデミー賞では、作品、助演男優(シドニー・グリーンストリート)、脚本賞にノミネートされた。

一見、弱い者の見方のように思える主人公の私立探偵、謎の女の正体を暴き、殺し屋や警察の動きを巧みにかわし、自分のペースでことを運ぶ強かな男をハンフリー・ボガートは見事に演じている。

特にクライマックスで、既に自分の虜になり助けを乞う女に対し、探偵の生き様を説き罪を償わせようとして、冷酷に突き放してしまう非情な男の眼差しは、凄まじいばかりの迫力だ。

実はかなりのやり手だった謎の婦人メアリー・アスターが、上をいく主人公に観念して絶望するラストの表情は印象深い。

紳士的な悪党である事件の黒幕、偽の”鷹”を掴まされるながらもあっさりと諦めて立ち直りも早い、貫禄十分のシドニー・グリーンストリートは、存在感抜群の演技を見せてくれる。

弱々しい謎めいた男、その怪演が光るピーター・ローレ、タフな刑事が似合うウォード・ボンド、その同僚バートン・マクレーン、気の効く秘書リー・パトリック、やや頼りない殺し屋役のエリシャ・クックJr.、主人公のパートナー役のジェローム・コーワン、その妻グラディス・ジョージ、そして”鷹”を運んでくる船長でカメオ出演のジョン・ヒューストンの父ウォルター・ヒューストンなどが共演している。


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