クライシス・オブ・アメリカ The Manchurian Candidate (2004) 3/5 (1)



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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
 ★★★☆☆

1962年に公開された、監督ジョン・フランケンハイマーフランク・シナトラ主演の同名作品のリメイク。
湾岸戦争の、英雄的な活躍で政界入りした元兵士と彼の上官らを操り、国家を動かそうとする陰謀を描いた、監督ジョナサン・デミデンゼル・ワシントンメリル・ストリープリーヴ・シュレイバー他共演のサスペンス。


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■
監督:ジョナサン・デミ
製作総指揮:スコット・アヴァーサノ
製作
ジョナサン・デミ
イロナ・ハーツバーグ
スコット・ルーディン
ティナ・シナトラ
原作:リチャード・コンドン
The Manchurian Candidate
脚本
ダニエル・パイン
ディーン・ジョーガリス
撮影
タク・フジモト
編集
キャロル・リトルトン
クレイグ・マッケイ
音楽
レイチェル・ポートマン
ワイクリフ・ジョン

出演
ベン・マルコ少佐:デンゼル・ワシントン
エレノア・ショー:メリル・ストリープ
レイモンド・プレンティス・ショー:リーヴ・シュレイバー
アル・メルヴィン:ジェフリー・ライト
ユージェネー・ローズ:キンバリー・エリス
トーマス・ジョーダン:ジョン・ヴォイト
デルプ:ブルーノ・ガンツ
アティカス・ノイル博士:サイモン・マクバーニー
ジョスリン・ジョーダン:ヴェラ・ファーミガ
ギャレット大佐:ミゲル・フエラー
ハワード大佐:テッド・レヴィン
マーク・ホワイティング:ディーン・ストックウェル
エディ・イングラム:パブロ・シュレイバー
ロバート・ベイカー三世:アンソニー・マッキー
スローン将軍:チャールズ・ネイピア
ウィルソン:テディ・ダン

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
2004年製作 129分
公開
北米:2004年7月30日
日本:2005年3月26日
製作費 $80,000,000
北米興行収入 $65,948,711
世界 $96,105,964


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1991年、クエート
湾岸戦争の”砂漠の嵐”作戦の直前、 イラク支配下の地域を偵察中の部隊を率いていた、ベン・マルコ大尉(デンゼル・ワシントン)は、敵と交戦となる。

自分の命を顧みず戦った、レイモンド・プレンティス・ショー(リーヴ・シュレイバー)軍曹は、単独で敵に反撃を加えて英雄となり、名誉勲章を授与される。

現在、ワシントンD.C.
その体験記の公演を終えたマルコ少佐は、”
砂漠の嵐”に共に参加した部下アル・メルヴィン伍長(ジェフリー・ライト)に声をかけられて再会を喜ぶ。

過酷な戦場体験が理由なのか、精神を病んでいる様子のメルヴィンは、あの戦闘で、ショーが自分達を救ったのかが思い出せず、マルコの功績なら納得できると言い張る。

マルコは、メルヴィンに同情しながらも、その場を立ち去り帰宅する。

英雄として政界入りした下院議員のショーは、母親で上院議員のエレノア(メリル・ストリープ)の後ろ盾もあり、本命のトーマス・ジョーダン上院議員(ジョン・ヴォイト)を退けて、突如として副大統領候補にまでなる。

戦闘時のショーの行為に疑問を持ちながら、そのニュースを伝えるテレビ放送に注目していたマルコは、全隊員が彼が英雄だと洗脳される、毎日見る夢を見てしまう。

あるパーティーで、ショーはエレノアから、世界的軍事企業”マンチュリアン・グローバル”マーク・ホワイティング(ディーン・ストックウェル)らを紹介される。

その後、マルコはショーに言葉をかけ、覚えていると言われて後を追う。

ショーは、ジョーダンの娘で、母エレノアに引き離された元恋人ジョスリン(ヴェラ・ファーミガ)と会話を交わし、今でも未練があることを伝える。

その後、マルコに話しかけられたショーは、迷惑そうにその場を離れる。

ショーの態度が気になったマルコは、ギャレット大佐(ミゲル・フェラー)に夢のことなどを報告する。

しかし、マルコは引き続き湾岸戦争後遺症の治療を受けると共に、ショーに近づくことを禁じられてしまう。

その夜、ホテルに戻ったショーは、受けた電話の声で洗脳されて指示に従い、壁の向こうの部屋でアティカス・ノイル博士(サイモン・マクバーニー)に迎えられる。

ノイルは、ショーの脳にあるチップを埋め込む手術を行う。

その頃、マルコは、メルヴィンのアパートに忍び込み、彼の、夢をメモした大量の資料を見つけて、それに目を通す。

翌日、マルコは、ショーに会うためにニューヨークに向かおうとしていた。

馴染みのスーパーのレジ係ユージェネー・ローズ(キンバリー・エリス)に、列車内で話しかけられたマルコは、彼女の額に弾痕が見えてしまい、 その後トイレでノイルに会う。

マンハッタンに着いたマルコは、ユージェネーの従姉のアパートに誘われ、 シャワーを浴びた後に、背中に埋め込まれたチップを見つけ、それを取り出す。

その後、マルコは旧友の科学者デルプ(ブルーノ・ガンツ)を尋ね、かつて陸軍が、治療用の情報が入っているチップを皮膚に埋め込む実験をしたことを聞くものの、自分がそれをされた記憶はなかった。

マルコは、記憶している現実よりも、リアルに感じる夢についてもデルプに話すが、チップなどで人を洗脳することは考えにくいと彼は意見する。

遊説で現れたショーに接触したマルコは、彼と話すことを許され、戦闘の際に気絶していた、自分が見る夢についての疑問を伝えるが、結局は満足できる答を得られない。

ショーに食事に誘われたマルコは、戦闘現場で死んだはずのロバート・ベイカー二等兵(アンソニー・マッキー)を彼が殺したという夢や、 それについて記したメルヴィンの資料を見せる。

マルコは、自分に埋めこまれていたチップがショーの体にもあるはずで、誰かが自分達の頭に入り込み、洗脳されていることを伝える。

ショーに襲いかかったマルコは、彼の背中に噛み付き、その場で取り押さえられる。

連行されたマルコは、メルヴィンの死体が発見されたことを知らされ、彼のアパートに侵入していたため犯人として疑われる。

母エレノアの力で、軍人として尊敬しているマルコを救おうとするショーだったが、彼が妄想症である要注意人物だということを知らされる。

それでもショーは告発しないことを伝え、マルコは釈放されるものの、ギャレット大佐からは軍務を解かれて、ハワード大佐(テッド・レヴィン)に専門医を紹介される。

その後マルコは、ショーの背中のチップをデルプに見せる。

そのチップの特性は不明だが、精巧な構造に驚いたデルプは、それを作った”マンチュリアン・グローバル”が、政府との癒着で推し進めた実験に、実は、自分も誘われたことを話す。

二人はある実験を始め、マルコは自分の隊の兵士が洗脳される夢を見た後、セントラルパークでユージェネーに声をかけられ目覚める。

マルコは、夢で見る体験をユージェネーに話し、ノイルの指示で、自分が部下のエディ・イングラム二等兵(パブロ・シュレイバー)を射殺して、ショーがベイカーを絞殺したと語る。

その夜、ユージェネーが自分のことを探っていることに気づいたマルコは、彼女の資料を持ち出して調べ、夢に出てくるゲノム研究者ノイルの存在を知る。

そして、マルコは資料を持参してジョーダン議員の元に向かい、事情を説明する。

ジョーダンはエレノアに会い、現れたショーに科学者ノイルの写真を見せ、マルコが、彼に洗脳されたと言っているということを伝える。

さらにジョーダンは、企業が操れる副大統領を誕生させる計画を、妄想症のマルコが、関連付けて自分に説明したことを話す。

それを否定するショーに、ジョーダンは戦闘後の3日間の失踪時のことを問質す。

ジョーダンが、副大統領候補を辞退するよう言い残して部屋を出た後、ショーはエレノアにある夢を見ることを話す。

その時、エレノアは、洗脳するためにショーの名前を呼び、彼はそれに従う。

ショーは、ジョーダンの元に向かい彼を殺害し、それに気づいたジェスリンも殺す。

ジョーダンの死を知ったマルコは、ユージェネーに襲いかかり、企みを聞き出そうとするが、実は、彼女はFBI捜査官だった。

ユージェネーは、メルヴィンからもチップが見つかり、話が正しかったことことを承知の上で監視していることをマルコに伝える。

マルコは、今回の事件が、企業がホワイトハウスを操ろうとしている陰謀だと言って、ユージェネーを説得して協力を要請する。

大統領選挙当日を迎え、投票会場でマルコに会ったショーは、自分も夢を見ることを伝え、名誉勲章を受賞するに値しないと言って彼にそれを渡す。

ショーは、ジョーダンとジェスリンも自分が殺したことを伝え、彼を親友と信じるマルコは、企業が何を考えているのかを聞き出そうとする。

その時、エレノアからショーに電話が入り、彼女と会話を交わしたマルコは、ある指示を受ける。

洗脳されたマルコが、大統領候補を狙撃して殺されることを、エレノアはショーに伝える。

そして当選を果たしたショーは、歓喜に沸く祝賀会場で、指示を無視して、マルコの次期大統領狙撃を阻止する。

ショーは、母エレノアと抱き合う自分をマルコに狙撃させ、二人はその場に倒れる。

マルコは自ら命を絶とうとするが、ユージェネーが彼に気づき現場に向かう。

ユージェネーはマルコを銃撃し、軍とFBIは、彼が会場にいた記録映像などをすり替える。

さらに、”マンチュリアン・グローバル”が、この事件に関与しているように仕立て上げる。

命には別状なかったマルコは、ユージェネーと共に洗脳を受けた場所に向かい、部下達の写真と名誉勲章を水辺に置く。

そしてマルコは、洗脳を受けたノイルの指示を思い起こす。

 


解説 評価 感想 ■
1959年に発表された、リチャード・コンドンの小説”The Manchurian Candidate”を基に映画化された作品。

*(簡略ストー リー)
湾岸戦争での”砂漠の嵐”作戦の直前、ベン・マルコ大尉率いる部隊は敵と交戦となり、その戦闘で、英雄的行為で舞台を救ったショー軍曹は名誉勲章を授与される。
その後ショーは政界入りし、
上院議員である母エレノアの後ろ盾もあり、副大統領候補にまでなる。
一方マルコは、ショーが英雄となった戦闘を思い出せず、自分や彼が部下を殺した悪夢を見る毎日を送る。
マルコは、それをショーに問質そうとするものの答が得られず、上官から、戦争後遺症の治療とショーに近づくことを禁じられてしまう。
元部下メルヴィンが、同じ夢で悩み、資料を残していることを知り、マルコはそれを持参して再びショーの元に向かう。
そんな時マルコは、背中にチップが埋め込まれていることに気づきそれを取り出す。
マルコは、旧友の科学者デルプに意見を求め、ショーに会い夢の話などをして、彼に襲いかかり背中のチップを取り出す。
その後、マルコは捕らえられてしまい軍務を解かれるしかし、チップをデルプに見せたマルコは、それを作った世界的軍事企業”マンチュリアン・グローバル”が、政府との癒着で推し進めた、実験の存在を知る・・・。
__________

謎めいた原題”The Manchurian Candidate”の意味が解けていく、中盤からクライマックスの展開が実に興味深い。

安っぽい邦題が、ドラマの面白味を全く伝えていないことがまず気になる。

企業が利益を追求するために、国家を操ろうとする計画を、極小さなところから始め、恐ろしい洗脳実験の遂行でそれを果たそうとするという、映像的な怖さはないのだが怪奇的な要素もある、ジョナサン・デミの、リアリティを感じさせる演出は見ものだ。

アメリカ大統領の、強大なパワーを背景に描き、アメリカ社会の抱えるいくつもの問題を浮き彫りにし、社会派ドラマとしても十分に楽しめる作品に仕上がっている。

豪華スター競演の中で、主人公を演ずるデンゼル・ワシントンは、陰謀の犠牲となる元部下と国家を救うために奔走する妄想症の将校を、いつもながらに熱演し、圧倒的な存在感を示している。

その全てを操ろうとする黒幕という、珍しい役に挑戦したメリル・ストリープの好演も光る。

母親に操られながらも、心の奥底で自分を見失わず、結局は、友である上官に友情を示すリーヴ・シュレイバー、同僚で、戦争後遺症となる元兵士ジェフリー・ライト、主人公を監視するFBI捜査官キンバリー・エリス、正義感溢れる政治家のジョン・ヴォイト、その娘ヴェラ・ファーミガ、主人公の協力者で科学者のブルーノ・ガンツ、主人公の上官役テッド・レヴィンミゲル・フェラー、洗脳実験を行う博士サイモン・マクバーニー、軍事企業の重役ディーン・ストックウェル、部隊員アンソニー・マッキーパブロ・シュレイバー(L・シュレイバーの義弟)、将軍役のチャールズ・ネイピアなどが共演している。


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