知りすぎていた男 The Man Who Knew Too Much (1956) 5/5 (35)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★ヒッチコック登場場面
5star

アルフレッド・ヒッチコックが、イギリス時代の1934年に製作した「暗殺者の家」のリメイク。
旅行中の医師一家が、某国の陰謀に巻き込まれながら解決するまでを描く、製作、監督アルフレッド・ヒッチコック、主演ジェームズ・ステュアート、共演ドリス・デイによる傑作サスペンス。


ドラマ(サスペンス/犯罪)

アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock 作品一覧


スタッフ キャスト ■
監督:アルフレッド・ヒッチコック
製作:アルフレッド・ヒッチコック
原作
チャールズ・ベネット
D・B・ウィンダム=ルイス
脚本
ジョン・マイケル・ヘイズ
アンガス・マクファイル
撮影 ロバート・バークス
編集 ジョージ・トマシーニ
音楽 バーナード・ハーマン

出演
ジェームズ・ステュアート:ベンジャミン”ベン”マッケンナ
ドリス・デイ:ジョセフィーン”ジョー”コンウェイ・マッケンナ
ブレンダ・デ・バンジー:ルーシー・ドレイトン
バーナード・マイルズ:エドワード・ドレイトン
ラルフ・トルーマン:ブキャナン警部
ダニエル・ジェラン:ルイ・ベルナール
クリス・オルセン:ヘンリー”ハンク”マッケンナ
レジー・ナルダー:リーン
アラン・モウブレイ:ヴァル・パーメル
ヒラリー・ブルック:ジャン・ピーターソン
キャロリン・ジョーンズ:シンディ・フォンテイン
ノエル・ウィルマン:ウォバーン

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1956年製作 120分
公開
北米:1956年6月1日
日本:1956年7月26日
製作費 $2,500,000
北米興行収入 $10,250,000


アカデミー賞 ■
第29回アカデミー賞
・受賞
歌曲賞
Que Sera, Sera (Whatever Will Be, Will Be)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
アメリカ人医師ベンジャミン”ベン”マッケンナ(ジェームズ・ステュアート)は、かつてはブロードウェイのスターだった妻ジョセフィーン”ジョー”(ドリス・デイ)と、息子ハンク(クリス・オルセン)を連れ、パリで学会に出席した後、モロッコへと休暇旅行に向かう。

カサブランカからマラケシュへ行く途中、バスの中でハンクが、誤って女性のベールを取ってしまう。

それを、現地のアラブ人男性に責められているところを、ルイ・ベルナール(ダニエル・ジェラン)という親切なフランス人男性に救われ、ベンはお礼に彼を部屋に招待する。

マラケシュ
ベルナールは、アラビア料理店にベンらを招待することになり、一旦別れるが、彼がハンクに怒った
アラブ人と親しげに話しているのを見たジョーは不審に思う。

ベンが自分のことをいろいろ話したのに対し、ベルナールが自分のことを何も語らないためジョーはそれを気にして、彼を謎めいた男だと言う。

ホテルに着いたジョーは、今度は、入り口ですれ違った夫妻(バーナード・マイルズ/ブレンダ・デ・バンジー)に見られているとベンに伝えるが、彼は考え過ぎだと言って気にもしない。

その夜、ベルナールがベンの部屋に現れ、ジョーは彼にあれこれ質問をしていた。

その時、来客がありジョーがドアを開けると、外に立っていた男(レジー・ナルダー)が、ベルナールの姿を確認しながら、部屋を間違えたと言って立ち去る。

その後、どこかに電話をかけたベルナールは、突然、食事をキャンセルして、ベンとジョーに謝罪し、そそくさと帰ってしまう。

ベン達は食事に出かけた店で、ホテルの入り口でジョーを見ていた、イギリス人のエドワード・ドレイトンとルーシー夫妻(バーナード・マイルズ/ブレンダ・デ・バンジー)に話しかけられる。

ドレイトン夫妻はジョーのファンで、意気投合した両者は同席することになる。

そこに、ベルナールが現れるのだが、自分達を無視する彼にベンは憤慨するものの、ジョーがそれをなだめる。

翌日、ベン達は、ドレイトン夫妻と市場の見物に出かけるが、その場で騒ぎが起きて、ある男が背中をナイフで刺される。

死に際に、ベンに近寄って何事か話しかけてきたその男は、ベルナールだった。

瀕死のベルナールは、”男が・・政治家が・・殺される・・暗殺される・・ロンドンで・・迫っている・・知らせろ・・アンブローズ・チャペル・・”と言い残し息を引き取る。

ベンとジョーは、事情聴取のため警察に行き、ハンクはルーシーがホテルに連れ帰ることになる。

警察で、ベルナールが工作員だと知らされたベンは、彼から情報を手に入れて通じているのではないかと疑われる。

憤慨したベンだったが、そこに電話が入り、外国人風の男から、ベルナールが伝えた情報を誰かに話せば、ハンクの命はないという脅迫を受ける。

同行していたドレイトンは、ベンの頼みでホテルに連絡を取るが、妻ルーシーとハンクの居場所が分からない。

それをジョーには伝えずに、急いでホテルに戻ったベンはルーシーとハンクが戻った気配はなく、ドレイトンがチェックアウトしたことを知り愕然とする。

ベンは、真実を話せば興奮してしまうだろうジョーに、睡眠薬を飲ませ、ハンクがドレイトン夫妻に誘拐されてしまったことを彼女に話す。

ジョーは取り乱し、それを知らせなかったベンを責めるが、やがて薬が効き始めて、彼女は眠ってしまう。

ベンとジョーは、ロンドンに向ったと思われるドレイトン夫妻を追うが、4年前に公演を行ったジョーは、空港でファンの歓迎を受ける。

空港では、ブキャナン警部(ラルフ・トルーマン)が、ベンとジョーを待ち構えていて、ベルナールが自分達の要請で、暗殺計画を探っていた諜報員だったことを伝える。

ブキャナンは、二人にベルナールの語った情報の提供を迫るが、ベンはそれを拒む。

そこにルーシーからの電話が入り、ハンクが無事であることが確認できる。

電話に出たハンクは、”ウェルベック8・・・”と言いかけて切れてしまう。

その後、ホテルに部屋を取ったベンとジョーは、独自に”アンブローズ・チャペル”という人物を捜そうとするが、そこに、ジョーの友人であるヴァル・パーメル(アラン・モウブレイ)、ジャン・ピーターソン(ヒラリー・ブルック)、シンディ・フォンテイン(キャロリン・ジョーンズ)らが現れる。

チャペル氏に電話して、会えることになったベンは、ジョーと友人を残して外出する。

剥製師のチャペルを訪ねたベンは、そこが見当違いだと分かり、不審者と間違われたためその場から逃げ去る。

その頃、接客していたジョーは、ハンクのことを思うと気が気でなかったが、”チャペル”というのが人名ではなく礼拝堂だということに気づく。

ジョーは客を置いて”アンブローズ・チャペル”に向かい、やがて戻ってきたベンもそれを知らされる。

そこに、ジョーから電話が入り、ベンは再び客を部屋に置き去りにして彼女の元に向かう。

ハンクを監禁するドレイトンは、”アンブローズ・チャペル”の牧師で、そこには、マラケシュのベンの部屋に現れた男リーン(レジー・ナルダー)の姿もあった。

ヨーロッパ某国の、要人暗殺計画実行の段取りを済ませたドレイトンは、殺し屋リーンを現場に向かわせる。

ジョーとベンは合流し、礼拝堂でルーシーと顔を合わせ、彼女はそれをドレイトンに知らせようとする。

ベンは、ジョーにブキャナンに連絡を取るよう伝え、彼女は礼拝堂を出る。

それに気づいたドレイトンは信者を帰らせるが、ハンクが2階にいることをベンに知られたため、彼を殴り倒してしまう。

ジョーの連絡に、ブキャナンの部下ウォバーン(ノエル・ウィルマン)が対応し、警官を現場に向かわせる。

警官は間もなく到着するものの、教会には人の気配はなく、ジョーは、ブキャナンのいる”ロイヤル・アルバート・ホール”に向かう。

意識を取り戻したベンは礼拝堂に閉じ込められ、その頃、ハンクは、ドレイトン夫妻に某国大使館に連れて行かれる。

ベンが礼拝堂を抜け出した頃、ロイヤル・アルバート・ホールに着いたジョーは、ロビーでリーンに声をかけられ、ハンクの命は自分次第だと言われる。

ヨーロッパ某国の首相の、警備をしていたブキャナンを見つけたジョーは、バーナード・ハーマン指揮の演奏が始まる中、ベルナールが言い残した暗殺計画が実行されるのを知る。

そこに、ベンが到着して、ジョーは暗殺計画を知らせ、彼は何とかそれを阻止しようとする。

そして、シンバルの音と同時に、某国首相を射殺しようとするリーンに気づいたジョーは叫び声をあげる。

そのため、リーンの放った弾は首相の腕に当たり、その場にベンが押し入る。

ベンはリーンに襲い掛かり、リーンは桟敷席から転落して死亡する。

ジョーのお陰で命を救われた首相は、彼女に感謝して大使館に招待する。

その頃、某国大使館では、計画が失敗に終わったドレイトン夫妻が、黒幕の大使に経過を報告する。

大使は計画失敗に失望し、誘拐した子供の抹殺を命じたため、ルーシーは心を痛める。

ドレイトン夫妻が大使館にいることを知ったベンは、ハンクがそこに監禁されているはずだとブキャナンに伝える。

しかし、大使館は治外法権で警察は踏み込めず、首相に招待されていたジョーを連れ、ベンは大使館に向かう。

大使館で首相に歓迎されたジョーは、歌を披露することになり、彼女はそこにいるはずのハンクに、自分達の存在を知らせようと声を張り上げる。

ハンクはそれに気づき、同情したルーシーは、彼に口笛を吹くように伝える。

ベンは口笛をたよりにハンク を見つけ、ルーシーは二人を逃がそうとする。

しかし、そこにドレイトンが現れ、二人に銃を向けてその場から逃亡しようとする。

ベンは、隙を見てドレイトンを階段から転落させ、彼はその拍子に自分を撃ってしまい命を落とす。

そして、ジョーはハンクと再会し、ベン達はようやく事件から解放され、友人らの待つホテルの部屋に戻る。


解説 評価 感想 ■

★ヒッチコック登場場面
上映から約25分後、今回は、
マラケシュの市場でアクロバットを見ている場面で登場する。
後姿で出演しているので、見過ごしてしまうかもしれない。

*(簡略ストー リー)
パリの学会を終えマラケシュへの休暇旅行に向かった外科医ベン・マッケンナ一家は、異国の文化に触れながら楽しい旅行を続けていた。
途中、親切な
フランス人ベルナールに出会ったベンと妻ジョーは、彼と食事をすることになる。
しかし、ベルナールはそれをキャンセルして、翌日、市場で殺害されてしまう。
ベルナールは死に際に、ベンに意味不明な言葉を残すが、その後、彼の息子ハンクが、現地で親しくなった
イギリス人のドレイトン夫妻に誘拐されてしまう。
ベンは、ベルナールが諜報員で、自分達が身に覚えのない事件に巻き込まれたことに気づき、ジョーと共にハンクを救い出すため、夫妻が向かったと思われる
ロンドンに向かうのだが・・・。
__________

ユーモア、スリル、謎解き、そして見事な挿入歌の効果など、娯楽の要素がふんだんに盛り込まれたサスペンス映画の秀作。

シンバルの音と共に、暗殺の銃弾が放たれようとする緊迫感や、数々の小道具の使い方なども抜群で、ヒッチコックの無駄のない軽快な演出は冴え渡る。

また、音楽担当のバーナード・ハーマンが、アーサー・ベンジャミンカンタータ”Storm Clouds”を、実際にロンドン交響楽団を指揮して盛り上げるクライマックスも迫力十分だ。

ロイヤル・アルバート・ホールでの演奏の最中、曲だけ流れ、セリフなしで暗殺の瞬間の緊迫感を伝える、10分間の見事な演出も圧巻だ。

事件が解決し映画が終わる、わずか20秒の間に、もう一ひねりして笑わせてくれるラストも素晴しい。

第29回アカデミー賞では、歌曲賞を受賞した。

Que Sera, Sera (Whatever Will Be, Will Be)

前作の「裏窓」(1954)、次回作の「めまい」(1958)など、ヒッチコックお気に入りスターのジェームズ・ステュアートは、インテリだが不器用そうなところがあり、温厚に見えて癇癪持ちでもある、人間味溢れる医師役を好演している。

実際には、
ジェームズ・ステュアートととは16歳の年の差があるドリス・デイだが、実生活で16歳で結婚しているだけあり、30代前半には見えない、母親としての落ち着きが感じられる。

また、
アカデミー賞を受賞した”ケ・セラ・セラ”を見事なハスキー・ボイスで披露してくれる。

その他、暗殺計画犯ブレンダ・デ・バンジーバーナード・マイルズ、警部ラルフ・トルーマン、その助手ノエル・ウィルマン、諜報員ダニエル・ジェラン、殺し屋のレジー・ナルダー、主人公の息子クリス・オルセン、ジョー(D・デイ)のロンドンの友人アラン・モウブレイヒラリー・ブルックキャロリン・ジョーンズなどが共演している。


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