バーバー The Man Who Wasn’t There (2001) 4.08/5 (26)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

平凡な日々を送る理髪師が、些細な欲望を満たそうとしたことをきっかけに起きる悲劇と運命を描く、製作イーサン・コーエン、監督ジョエル・コーエン、脚本、編集コーエン兄弟、主演ビリー・ボブ・ソーントンフランシス・マクドーマンジェームズ・ガンドルフィーニリチャード・ジェンキンススカーレット・ヨハンソントニー・シャルーブマイケル・バダルコ他共演の犯罪ドラマ。


ドラマ(サスペンス/犯罪)

コーエン兄弟 / Joel Coen, Ethan Coen 作品一覧


スタッフ キャスト
監督:ジョエル・コーエン

製作:イーサン・コーエン
製作総指揮
ティム・ビーヴァン
エリック・フェルナー
脚本
ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン
撮影:ロジャー・ディーキンス
編集
ロデリック・ジェインズ
トリシア・クック
音楽:カーター・バーウェル

出演
エド・クレイン:ビリー・ボブ・ソーントン
ドリス・クレイン:フランシス・マクドーマンド
フランク・ラッフォ:マイケル・バダルコ
デイヴィッド”ビッグ・デイヴ”ブリュースター:ジェームズ・ガンドルフィーニ
アン・ナードリンガー・ブリュースター:キャサリン・ボロウィッツ
クレイトン・トリヴァー:ジョン・ポリト
フレディ・リーデンシュナイダー:トニー・シャルーブ
レイチェル”バーディ”アバンダス:スカーレット・ヨハンソン
ウォルター・アバンダス:リチャード・ジェンキンス
パースキー:クリストファー・クリーザ
クレブス:ブライアン・ヘイリー
ジャック・カルカノグ:アダム・アレクシ=モール
バーンズ:ジャック・マッギー
セールスマン:クリストファー・マクドナルド
霊媒師:リリアン・ショーヴァン

アメリカ/イギリス 映画
配給
USA Films
Entertainment Film Distributors
2001年製作 116分
公開
イギリス:2001年10月26日
北米:2001年10月31日
日本:2002年4月27日
製作費 $20,000,000
北米興行収入 $7,494,850
世界 $18,916,620


アカデミー賞
第74回アカデミー賞

・ノミネート
撮影賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1949年、カリフォルニア州、サンタ・ローザ
エド・クレイン(ビリー・ボブ・ソーントン)は、床屋の娘ドリス(フランシス・マクドーマンド)と結婚し、義弟フランク・ラッフォ(マイケル・バダルコ)の経営する小さな理髪店で働いていた。

よくしゃべるフランクと違い、エドは無口だった。

ドリスは町の小さなデパートの帳簿係で、エドと彼女は、週に一度ビンゴするために教会に行った。

ドリスのボスは、デパートの跡継ぎ娘の夫デイヴィッド”ビッグ・デイヴ”ブリュースター(ジェームズ・ガンドルフィーニ)だった。

ある晩、エドとドリスは、デイヴと妻アン(キャサリン・ボロウィッツ)を食事に招く。

日本兵と戦った戦争の自慢話をするデイヴとドリスが関係している雰囲気を感じたエドは、彼に景気のことを尋ねる。

支店を出すことを話すデイヴは、ドリスを経理部長にする考えをエドに伝える。

数日後、閉店時間後に現れたクレイトン・トリヴァー(ジョン・ポリト)をフランクは迷惑に思うが、自分が残ると言うエドが対応する。

カツラを取ったクレイトンの髪を切り始めたエドは、ビジネスである男に会ったものの、出店を考えているため資金がなくなり、”ドライ・クリーニング”への投資を断られた話を聞く。

相手がデイヴだと気づいたエドは、ドライ・クリーニングに興味を持ち、あることを考えながらクレイトンの元に向かう。

投資した場合にすることなどをクレイトンから聞いたエドは、彼が同性愛者だと知る。

その後、ドリスとの関係をバラすという脅迫状を用意し、1万ドルを要求したエドは、それをデイヴに送る。

クリスマス販売促進パーティーにドリスと共に出席したエドは、デイヴに呼ばれて話をする。

人妻と不倫関係になり、金を要求され殺されるかもしれないとデイヴから言われたエドは、犯人は、投資者を騙すゲイの男だと確信していることを知らされる。

話を断った翌日に脅迫状が届き、要求額と投資額が同じなので、デイヴは間違いないと話す。

なぜ浮気がバレたのかとエドから訊かれたデイヴは、不倫の密会場所である同じホテルに相手が泊まっていると伝える。

悩むデイヴは金を払うべきだとエドから言われるが、支店を開く資金がなくなると伝え、ドリスも絡んでいる会社の金の流用も話す。

デイヴのことを気の毒にも思いながら、その後エドは、ピアノを弾いていた少女レイチェル”バーディ”アバンダス(スカーレット・ヨハンソン)と話す。

エドは、妻を亡くした知人の弁護士ウォルター(リチャード・ジェンキンス)の娘だったバーディが気になる存在になる。

帰りの車の中でエドは、支店の経理部長になれなかったために、デイヴを非難するドリスの話を聞く。

その後、デイヴは金を指示されたホテルの灰皿の下に置き、それをエドがクレイトンに渡す。

契約を交わしたエドは、クレイトンにペテンでないことを確認する。

翌日、エドとドリス、そしてフランクは、イタリア人と結婚した従妹のパーティーに出席する。

帰宅して酔い潰れたドリスを寝かしたエドは、デイヴから呼び出されて店に向かう。

クレイトンに会い全てを知ったと話すデイヴは、破滅だと言いながらエドに襲い掛かる。

殺されそうになったエドは、机の上にあったナイフでデイヴの首を刺す。

倒れ込んだデイヴは出血多量で死に、エドはその場を去る。

翌日、店に現れた刑事パースキー(クリストファー・クリーザ)とクレブス(ブライアン・ヘイリー)と外で話したエドは、覚悟を決めるものの、横領とデヴィッド殺害容疑でドリスが逮捕されたことを知らされる。

ウォルターを訪ねたエドは、専門が違うので力にはなれないが、サクラメントの敏腕弁護士フレディ・リーデンシュナイダー(トニー・シャルーブ)を雇うことを勧められる。

ドリスに面会したエドは、横領のことなど詳しい話は聞こうとしなかった。

店に戻ったエドは、家族なので金の心配はいらないとフランクに言われる。

フランクは、銀行から融資を受けてドリスを助けようとする。

リーデンシュナイダーに会ったエドは、全てを仕切ろうとする彼から、今後のことを聞く。

その夜、訪ねて来たアンを気遣ったエドは、ドリスは何もしていないと伝える。

分かっていると言うアンは、突然、キャンプ好きのデイヴの話を始め、去年の夏にオレゴンユージーン郊外で、宇宙船を見たことを伝える。

現れた宇宙人はデイヴを宇宙船に連れて行き、それ以上のことは言えないと伝えたアンは、政府まで関係している重要な話だエドに語る。

ドリスは無関係な話だと言って興奮するアンを落ち着かせるエドだったが、彼女は、その件が運の尽きだったデイヴが、それ以来、自分に触れなくなったと話す。

自分は疑っていないとドリスに伝えてほしいとアンから言われたエドは、これで全てが明るみになると話してその場を去る彼女を見送る。

ドリスに面会したリーデンシュナイダーは、彼女が不利な立場であることを確認するが、エドは、自分が殺したと言い出す。

動機を訊かれたエドは、デイヴとドリスが不倫関係であったことがカンで分かったと伝えるが、リーデンシュナイダーはそれを信じないまま、脅迫の話で進めることを決める。

クレイトンを捜したエドは、彼が詐欺師だったことが分かる。

裁判の進行は遅く、その間、エドとフランクは、その費用を稼ぎ出すために髪を切る日々を送る。

やがて、エドはアバンダス家を毎晩訪れるようになり、それはウォルターがいない日も続いた。

私立探偵バーンズ(ジャック・マッギー)から、調べたデイヴの経歴を聞いたリーデンシュナイダーは、彼を部屋から出す。

これでドリスは死刑を免れたと話すリーデンシュナイダーは、日本兵と戦った戦争の英雄だと言っていたデイヴが、基地勤務の事務職で、街中の者に嘘をついていたことが判明したとエドとドリスに伝える。

その嘘を知る者が脅迫し、検事がそれを探そうとするだろうが、自分達は犯人を知らせる義務はないとリーデンシュナイダーは語る。

裁判に勝てそうな気がしてきたエドは、自分の心を癒してくれるバーディの音楽の才能を確信して、サポートすることを考える。

判決が下る日、免訴となり訴訟は打ち切られてしまい、ドリスは差し入れられたドレスのベルトで首を吊って自殺する。

エドは、自分と事件の関りを察してドリスが自殺したのかを考えるが、そうでないことが分かる。

リーデンシュナイダーは不本意なまま去り、フランクは自制心を失い酒に溺れ、店にも出なくなった。

助手を雇い働くしかなかったエドは、空虚な日々を過ごす。

その後エドは、ドライ・クリーニングが世の中でブームとなり、”ロズウェルUFO事件”も話題になっていることを知る。

訪ねて来た軍の検死官と話したエドは、規則でドリスを解剖したと言われ、彼女が妊娠3か月だったことを知る。

ドリスとは何年も肉体関係はなかったとエドから言われた検死官は、動揺しながらその場を去る。

霊媒師(リリアン・ショーヴァン)に会ったエドは、ドリスは自分を裏切ったが、今でも夫を愛していると、知ったようなインチキ臭い話を聞く。

バーディと話したエドは、彼女の才能を伸ばすために、サンフランシスコフランス人音楽家ジャック・カルカノグ(アダム・アレクシ=モール)に紹介することを伝える。

カルカノグを訪ねたエドは、バーディの演奏を聴いてもらうものの、音楽の才能はないと言われてしまう。

帰りの車の中で、それを察したバーディを励ますエドは、カルカノグはイカサマ師だと言って、他の教師を見つけると伝える。

プロのピアニストになるよりも獣医になりたいと言うバーディは、感謝の気持ちを伝えてエドに迫り、気を取られた彼は事故を起こしてしまう。

意識の中でドリスのことを考えていたエドは、治療を受けた病院で目覚める。

目の前にいた刑事のパースキーとクレブスから殺人罪で逮捕すると言われたエドは、刑務所の病院に移ることになる。

バーディは無事だと知らされたエドは、クレイトン殺害の容疑だと言われる。

デイヴが話していたように、殴り殺されたクレイトンの死体は車と共に池から引き揚げられ、鞄からエドがサインした契約書と1万ドルを払った証拠が見つかった。

検察は、エドがドリスに金を盗ませて、それを知ったクレイトンを殺したと考えた。

エドは、以前の件が中途半端なので安くするというリーデンシュナイダーを雇う。

デイヴのことを話すと不利になると、エドはリーデンシュナイダーから言われ、ドリスは利用されて死に追いやられたことになった。

リーデンシュナイダーは、エドが単なる床屋だということを強調し、真犯人がいると説得力がある話を陪審員にする。

ところが、法廷に現れたフランクがエドを殴り、審理は無効になってしまった。

財産を使い果たしたエドはリーデンシュナイダーを雇い続けることができず、交代したやる気のない公選弁護人は、有罪判決を申し立てるしかなかった。

判決は下り、エドの電気椅子による死刑が確定する。

その後、パルプ・マガジンに手記を書いたエドは、死ぬ日を知る自分の気持ちを書いてほしいと頼まれた。

独居房の扉が開いていたために中庭に出たエドは、目の前にUFOが現れた夢を見る。

神父を伴った看守に起こされたエドは、悔いはないと考えながら処刑室に向かう。

床屋だったことは悔いたことはあると思うエドは、電気椅子に座りベルトで固定される。

この世の先に何があるのか・・・。

恐ろしいとは思わないエドは、その場でなら会えるかもしれないドリスに、この世の言葉では表現できないことを話せると考える。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1949年、カリフォルニア州、サンタ・ローザ
エド・クレインは、妻ドリスの弟フランクが経営する床屋で働く理髪師だった。
デパートの帳簿係であるドリスが、ボスのデイヴと関係していることにエドは気づいていた。
そんな時エドは、客のクレイトンから、ドライ・クリーニングが世の中で流行ると言われ、その話に興味を持つ。
ドリスとの不倫の件でデイヴを脅して1万ドルを要求し、それを投資しようと考えたエドは、その些細な欲望が悲劇を生むとは考えてもいなかった・・・。
__________

平凡な日々を送る理髪師の、些細なことをきっかけにした悲劇と運命を描く作品。

製作イーサン・コーエン、監督ジョエル・コーエン、脚本、編集を兼ねるコーエン兄弟は、世の中の不条理と思い通りにならない人生の皮肉、人間の愚かさなどを描き、高い評価を受けた二人は、第54回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した。

1940年代を再現したセットや衣装、モノクロ映像を生かしたフィルム・ノワール・タッチの映像も効果抜群であり、第74回アカデミー賞では、ロジャー・ディーキンスが撮影賞にノミネートされた。

ロジャー・ディーキンス英国アカデミー賞の撮影賞を受賞している。

ロジャー・ディーキンスと同様、コーエン兄弟作品の常連カーター・バーウェルの、淡々と進むドラマにマッチした落ち着いた楽曲も印象に残る。

主演のビリー・ボブ・ソーントンは、常に無表情で沈着冷静、物事を見極める術を持つ人物と思わせながら、些細なことから人生の歯車を狂わせる不運な理髪師を好演している。

自らの不倫で悲劇のきっかけを作ってしまう主人公の妻フランシス・マクドーマンド、その浮気相手でデパートの経営者ジェームズ・ガンドルフィーニ、その妻キャサリン・ボロウィッツ、主人公の義弟である理髪師マイケル・バダルコ、主人公を騙す自称起業家ジョン・ポリト、主人公が雇う敏腕弁護士のトニー・シャルーブ、主人公の知人の弁護士リチャード・ジェンキンス、主人公が世話をするその娘スカーレット・ヨハンソン、彼女の才能を評価しない音楽家アダム・アレクシ=モール、刑事のクリストファー・クリーザとブライアン・ヘイリー、私立探偵のジャック・マッギー、アスファルトのセールスマン、クリストファー・マクドナルド、霊媒師のリリアン・ショーヴァンなどが共演している。


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