結婚哲学 The Marriage Circle (1924) 4.33/5 (18)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

ロタール・シュミットの戯曲”Only a Dream”を基に製作された作品。
離婚寸前の夫婦と円満な夫婦の微妙な関係を描く、製作、監督エルンスト・ルビッチアドルフ・マンジューマリー・プレヴォーフロレンス・ヴィドアモンテ・ブルー他共演のコメディ・ドラマ。


ドラマ(コメディ)


スタッフ キャスト ■

監督:エルンスト・ルビッチ
製作:エルンスト・ルビッチ
原作:ロタール・シュミット”Only a Dream”(戯曲)
脚本:パウル・バーン

撮影:チャールズ・ヴァン・エーガー

出演
ジョセフ・ストック教授:アドルフ・マンジュー

ミッツィ・ストック:マリー・プレヴォー
シャーロット・ブラウン:フロレンス・ヴィドア
フランツ・ブラウン医師:モンテ・ブルー
グスタフ・ミューラー医師:クレイトン・ヘイル

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ

1924年製作 85分
公開
北米:1924年2月3日
日本:1924年10月日
製作費 $212,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ウィーン
2か月前にこの地に越してきたジョセフ・ストック教授(アドルフ・マンジュー)は、妻ミッツィ(マリー・プレヴォー)に小言を言われる毎日にうんざりしていた。

親友シャーロット・ブラウン(フロレンス・ヴィドア)から招待の手紙を受けたミッツィは、それを夫に知らせる。

全く関心がない素振りのストックの態度を嫌がらせと判断したミッツィは、出て行くことを考える。

ストックはそれを幸いと思い、ミッツィの考えをむしろ歓迎する。

出かけたミッツィは、予約客を待つタクシーの運転手にチップを払って乗りこみ走り去ろうとする。

それに気づいた予約客の男性(モンテ・ブルー)はタクシーを止めるが、乗っていたのが女性だったために譲る。

ミッツィは、男性が急いでいるようだったため、一緒に乗ることを勧める。

ストックは、その様子を窓から眺めていたが、もちろん嫉妬などせずに笑みを漏らす。

クルマが揺れて、身だしなみが乱れたように見せかけたミッツィは、男性を意識する。

そんなミッツィの態度を嫌った男性は、タクシーを降りて建物に入る。

ミッツィは、男性が忘れて行った花束に気づくがそのまま走り去り、それを確認した男性は建物から出て歩き始める。

シャーロットと夫の医師フランツは理想的な結婚生活を送っていた。

ミッツィはシャーロットの家を訪ねて花束を渡し、二人は話を弾ませる。

夫婦仲がいいことを自慢する、シャーロットの話を聞いても楽しく思えないミッツィはうんざりしてしまう。

そこに帰宅したシャーロットの夫フランツが、なんとタクシーの男性だったために驚くミッツィだった。

フランツも戸惑いながらミッツィに挨拶し、シャーロットは夫を自慢する。

シャーロットが花束をフランツに見せたため、ミッツィは気まずい思いをする。

フランツは気を遣い何も言わなかったが、ミッツィは彼に好意を示す。

ミッツィは、シャーロットの言うフランツが好きな曲をピアノで弾き彼を意識する。

その頃、ストックは探偵社にミッツィの調査を依頼し、離婚する理由を探ろうとする。

帰宅したミッツィは、めまいがするということを理由にしてフランツに往診を依頼するが、彼は気が進まない。

シャーロットに促されたフランツは、仕方なくミッツィの元に向かう。

病気を装うミッツィはフランツを迎える準備をして、現れた彼にワインまで出してしまう。

不審に思うフランツは一応、診察をするが、そこにストックが戻り、ミッツィから彼を紹介される。

ストックはミッツィの考えを察し、ワイングラスなどを確認しながらフランツが不倫相手だと考え、彼の名前と住所などを探偵社に知らせる。

翌朝、フランツのパートナーであるグスタフ・ミューラー医師(クレイトン・ヘイル)はブラウン家に向かう。

フランツを迎えに行くミューラーだったが、シャーロットに会ってみたいとも思っていた。

到着した合図をするミューラーは、バルコニーに出て来たシャーロットに挨拶する。

シャーロットは、フランツのためにその場に咲いていたバラを摘むのだが、一輪がミューラーの足元に落ちる。

それを拾ったミューラーは、シャーロットが自分のために落としたと勘違いする。

フランツにバラを渡したシャーロットだったが、彼はそれを落してしまう。

シャーロットはフランツを見送り、バラを手にして笑顔を見せるミューラーが勘違いしていることに気づき笑ってしまう。

部屋に戻ったシャーロットは、フランツがバラを落したことに気づく。

ストックは、フランツから届いた手紙をミッツィに渡す。

その内容は、自分が適任者でないために他の医師を探すようにという内容だった。

その手紙を持参してフランツの元に向かい、診察を受けたミッツィは彼に迫ってしまう。

それを目撃してしまったミューラーは、女性に愛されるフランツを羨む。

ミューラーはシャーロットが訪ねてきたことに気づき、彼女がフランツにバラを届けに来たことを知る。

シャーロットはミューラーのオフィスに招かれ、彼がバラを大事にしていたことで気分を良くする。

フランツは困惑しながら花瓶を落してしまい、ミッツィに帰ってもらう。

ミューラーにシャーロットが来ていることを知らされたフランツは驚き、彼女は、夫が患者と親密になっているのではないかと疑う。

往診の依頼を受けたフランツは、ミューラーにシャーロットを慰めてくれと頼んで出かける。

ミューラーは、それを都合のいいように解釈してシャーロットに対応する。

夫婦間の諍いは収まり、ブラウン家はパーティーを開くことになる。

自分の隣にミッツィが座ることを知ったフランツは、他の女性の席札と交換してしまうが、それを見たシャーロットは、夫がその女性に気があると考えて嫉妬し、席札を戻してしまう。

ストックはクラブの要件でパーティーには出席せず、ミッツィは一人でパーティーに向かう。

シャーロットに迎えられたミッツィは席札の件を知らされ、それを換えてしまう。

ミューラーと隣り合わせになったシャーロットは、フランツが再び席札を交換したと考えて気分を害する。

食事は終わりダンスが始まり、フランツが女性と踊っていることに気づいたシャーロットは、ミッツィに彼の相手をさせて監視してもらう。

ミューラーは、シャーロットを誘い踊り始める。

バルコニーに出たミッツィは、フランツのタバコ入れを庭に投げ捨てて、彼に拾いに行かせて迫る。

二人を捜したシャーロットとミューラーは、ミッツィのショールを見つけて彼女の名を呼ぶ。

フランツと抱き合っていたミッツィは、シャーロットが近くにいることに気づき彼と別れる。

シャーロットは、現れたミッツィにショールを渡し、姿の見えないフランツが、再び女性といることに気づきショックを受ける。

パーティーは終わり、ミッツィから車で待っているというメモを受け取ったフランツは、それを無視して破りシャーロットの元に向かう。

自分を信用しないシャーロットに憤慨したフランツは、この場にはいられないと伝える。

シャーロットに好きにするようと言われたフランツは、ミッツィの元に向かい車で走り去ってしまう。

後悔したシャーロットはフランツを許そうとするのだが、現れたのはミューラーでキスされてしまう。

シャーロットは驚き、ミューラーに愛を伝えられながらも彼を拒み追い出してしまう。

ミッツィの家に向かったフランツは戸惑い、そこに後悔するシャーロットから電話がかかってくる。

それに対応したミッツィは、フランツが直ぐに戻ると言って安心させて電話を切る。

フランツに迫るミッツィはそれを拒まれたため、拳銃自殺しようとする。

銃を奪ったフランツは、弾が入っていないことを確認してその場を去る。

帰宅したストックの足元の拳銃に気づいたミッツィは、恋しかったと言って彼に寄り添い、その拳銃を蹴って隠す。

ストックはミッツィを受け入れようとするが、そこに探偵が現れる。

対応したミッツィに、チェスの報告だと言ってストックに会った探偵は、フランツがこの場にいたという報告をする。

それを信じようとしないストックだったが、フランツが忘れて行った帽子を見つけて納得する。

探偵は帰り、寝室に向かったストックはミッツィを追い出す。

翌朝、目覚めたシャーロットから、ミューラーにキスされたと言われたフランツはそれを笑い飛ばし、二人は愛を確かめる。

そこにストックが現れ、フランツに迎えられた彼は帽子を返す。

それに心当たりがないというフランツは、探偵の報告書を見せられて動揺し、事実だと認めるものの、後ろめたいことは何もないとストックに伝える。

ストックは、世間はそうは思わないと言って、妻ミッツィを追い払うことができたことでフランツに感謝する。

シャーロットにも挨拶したストックは、ミッツィがホテルにいることを伝えてその場を去る。

ミッツィが男性関係で問題を起こしたと察したシャーロットは、誰が相手なのかを考え、フランツは焦ってしまう。

フランツを迎えに来たミューラーは、彼がうなだれていることを気にする。

オフィスでミッツィからの手紙を受け取ったフランツは、彼女にホテルに呼び出される。

その頃、シャーロットはホテルに向かいミッツィの部屋を訪ねる。

現れたシャーロットが、自分を心配してくれることに戸惑いながら、ミッツィは相手が誰なのかを聞かれる。

フランツを呼び出した約束の時間が迫るミッツィは、シャーロットを残してロビーに向かう。

ホテルに着いたフランツは、ミッツィと入れ替わりでエレベーターに乗り、彼女の部屋に向かう。

フランツは、シャーロットが部屋にいたため驚き、彼女は夫がミッツィの相手だと知り愕然とする。

ミッツィの手紙を見せてもそれを破られ、無実だと言っても信じてもらえないフランツはその場を去る。

破った手紙を確認したシャーロットは、フランツがミッツィを愛していないことを知る。

戻ったミッツィから、フランツに一目惚れされたのが自分のせいなのかと言われたシャーロットは、彼女の魂胆を知り手紙を見せる。

手紙を奪おうとするミッツィに、コピーを送ると言ってシャーロットは立ち去る。

家に向かうフランツは、シャーロットに話してもらいたいと言ってミューラーに頼む。

その様子を窓から見ていたシャーロットは、自分以外の女性に興味を示さないないようフランツを懲らしめようとする。

フランツを部屋に呼び寄せたシャーロットは、自分も罪を犯したと言って、ミューラーのキスは本当だったと伝える。

それを信じないフランツが再び笑い始めたため、シャーロットは、昨晩のことをミューラーに確かめる。

何も知らないフランツは、ミューラーにそれを認めるようにという合図を送りシャーロットをからかう。

シャーロットは満足げにフランツを見つめ、彼は苛立っているように見せる。

これでお相子だと言ってシャーロットが立ち去ったため、思い通りになったと考えるフランツは愉快でたまらない。

フランツに感謝されたミューラーは、複雑な思いでその場を立ち去る。

ミッツィの乗る車とすれ違ったミューラーは、停車した彼女に誘われて車に駆け寄る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

ウィーン
ジョセフ・ストック教授は、小言ばかり言う妻ミッツィが離婚を仄めかしても驚かず、むしろ歓迎する。
ミッツィは、親友シャーロットの家に向かう途中、ある男性を意識して迫ろうとする。
男性はそれを嫌いミッツィと別れるが、何と彼はシャーロットの夫で医師のフランツだった。
その後もミッツィはフランツを誘惑し、その間、彼のパートナーである医師ミューラーがシャーロットに惹かれてしまう。
その頃、ストックは探偵社にミッツィの調査を依頼し、離婚する理由を探ろうとするのだが・・・。
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エルンスト・ルビッチは、ジョージ・キューカーと共に「君とひととき」(1932)でこの物語を再映画化している。

極め細やかな描写で観客に状況や登場人物の感情などを伝える、”ルビッチ・タッチ”の宝庫の様な作品でありサイレント作いうこともありそれが顕著。

セリフの伝わらない役者の表情は実に豊かであり、物事がある方向に展開していくための演出や構成が見事である。

誤解し合ったまま納得してしまう”円満夫婦”の結末、更に落ちがあるラストも圧巻だ。

沈着冷静、離婚に向けて着々と準備を進める大学教授アドルフ・マンジュー、”愛”に強かなその妻マリー・プレヴォー、その親友である初心な夫婦フロレンス・ヴィドア、その夫で医師のモンテ・ブルー、彼のパートナーでもあるクレイトン・ヘイルなどが共演している。


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